ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
コカビエルの襲撃から数日、すっかり全ては元通りとなり、俺は平和な毎日を過ごしている。まあ、俺の日常には大きく変化が起きたがな。
まあ、ドライグがほとんど毎日表に出てくるようになった事だけどな。何でも、俺と一緒にいれるようになった事が嬉しいんだってさ。
俺も嬉しいけどよ、出てきた時にいきなり抱きつくのはやめて欲しいところだぜ。その度にリアス先輩たちから鋭い目線で見られる俺の身になって欲しい。
俺、いつも冷や汗ダラダラだよ。
まあ今となってはそれも俺の日常になったわけだが…
そんなある日、俺は祐斗と共に部室に顔を出すと、またもや俺の日常に変化がもたらされた。
「やあ、兵藤一誠、木場祐斗」
「ゼ、ゼノヴィア…?」
「な、何でここに君が…」
俺たちの目の前には駒王学園の制服を着たゼノヴィアがいた。
それに驚いた俺たちが質問すると、
「こう言う事だよ…」
バサッ
そう言ったゼノヴィアの背中から黒い翼が生えた。
「それって悪魔の翼だよな…?」
「まさか君…!」
「君らの思ってる通りさ。神がいないと知ったんでね、破れかぶれで悪魔に転生したんだ。『絶世の名剣』であるデュランダルが突筆していただけで、私自体の能力はそこまで高くなかったためか、騎士の駒一つで済んだみたいだけどね。で、リアス部長のご厚意でこの学園にも編入させてもらった。駒王学園二年生でオカルト研究部所属だそうだ」
ゼノヴィアは今までの出来事を淡々と俺たちに話していった。
「アーシアは…いいのか?」
俺がアーシアに目線を向けると、
「はい…今の生活に満足していますし、ゼノヴィアさんはもう大切な仲間であり、友達ですから」
アーシアは俺とゼノヴィアを交互に見ると、聖母のような笑顔を浮かべた。
「ありがとう、アーシア」
ゼノヴィアは懇切丁寧に頭を下げた。
「そうか…ならいい、お前の決めた事だ。とやかくは言わない」
そう言って俺はリアス先輩へと顔を向けた。
「良かったですね、リアス先輩。聖剣デュランダルの使い手が眷属になって」
「ええ。これで祐斗とゼノヴィア、騎士の二翼が揃ったわ」
リアス先輩は嬉しそうに話してくれた。
「これから仲間としてよろしく頼むよ、先輩?」
「こちらこそよろしく頼むよ、後輩」
向こうでは祐斗とゼノヴィアが握手を交わしていた。
この様子なら、前のいざこざなど気にせずに二人とも上手くやっていけるだろう。
「ところで、イリナちゃんはどうしたんだ?」
この部室にはいないようだが…
「イリナなら、私の破壊の聖剣を合わせた五本の聖剣とバルパーの遺体を持って本部に帰ってしまった。帰る際にイッセーくんに会えないのが悲しいわぁー!って言ってたぞ」
「それなら一言くらい俺に言って帰ったらよかったのによ。にしても、エクスカリバーって折れたのにそのまま持って帰って大丈夫なのか?」
「それについては心配ない。統合したエクスカリバーを破壊したが、芯となっている『かけら』は回収できた。それで奪還の任務には成功したわけだし、芯があれば錬金術で鍛えて再び聖剣にできるのでな」
すげぇな、エクスカリバーって…かけらでも元に戻るのか。
「でもお前は教会を裏切って良かったのか…? お前にとっては大事な場所だった筈だろ?」
「それは仕方が無い。神の不在を知った時点で私は教会にとって異分子となったわけだ。そして教会は異分子を、異端を酷く嫌う。だから…例えデュランダルの使い手でも捨てるんだ。アーシアの時と同じようにな…」
ゼノヴィアは俺の問いに自嘲しながら答えた。
「しかし、イリナが事実を知った事は教会には伝えていない。怪我をしていた事を上手く利用させてもらってね」
「お前って案外黒いな」
俺はゼノヴィアの行動に苦笑いを浮かべた。
「ただ、私が悪魔となったことにはとても悲しがってたよ。それでも私達が共に戦ってきた親友である事にこれからも変わりはない。私はそう信じているよ…」
ゼノヴィアは胸に手を当てて言葉を重ねていった。
「お前だけじゃない、イリナちゃんだってそう思ってるはずさ」
「そうだな…」
少ししんみりした雰囲気が部室を包んでいく。
「部長、今回の件の状況はどうなっているのですか?」
祐斗はこの雰囲気を払拭する為、話を切り替えた。
(お前にしては上出来だ、祐斗!)
(あのままじゃみんな話しにくいからね)
俺たちがアイコンタクトを交わしていると、リアス先輩が口を開いた。
「その事については、今話そうと思っていたわ。教会は今回のことで悪魔側…つまり魔王に打診してきたみたい。『堕天使の動きが不透明で不誠実のため、遺憾ではあるが連絡を取り合いたい』ってね。それとバルパーの件に関して、自分たちにも非がある事を認めて謝罪してきたわ」
「あの教会は謝罪をするとはな…」
ゼノヴィアが驚いているが、リアス先輩は話を続けていく。
「今回のことは、堕天使総督であるアザゼルから神側、悪魔側に真相が伝えられたわ。エクスカリバー強奪はコカビエルの単独行為であって他の幹部は知らないことだった。そして、コカビエルが悪魔、天使、堕天使の三すくみの均衡を崩壊させようと画策し、再び戦争を起こそうとした重罪により、地獄の最下層(コキュートス)で永久冷凍の刑が執行される予定だったのだけど、コカビエルはイッセーによって消滅した為、それはなくなったわ」
まさか俺、やってはいけない事やっちまったのか?
「この事により、近いうちに天使、悪魔、堕天使の各々の代表が会談を開くそうよ。アザゼルから何か話し合いたいことがあるみたいだからね」
「会談をですか…」
すごい構図になりそうだな。
俺がそう思っていると、リアス先輩は言いにくそうに口を開いた。
「で、私たちもその場に招待されているわ」
『ッ⁉』
俺たちがそんな会談に…⁉
「どうやら事件に関わってしまった為、その場で今回の報告をしなくてはいけないそうよ。はぁ…そんな大事な会談に私たちが…憂鬱だわ」
そう言ってリアス先輩は頭を抱えていた。
その思いはかなり分かります、リアス先輩。
でも、
「取り敢えずは当面の脅威は去ったと言うことで良しとしましょうよ」
「…そうね。先のことより、今の事について喜びましょうか」
リアス先輩の元気が少しずつ戻っていって良かった良かった。
「この学園に転校するに至って、まだまだしなければならないことが多々あってね、私はそろそろ失礼させてもらうよ」
そう言ってこの部室を去ろうとするゼノヴィアだったが、
「あ、あの、ゼノヴィアさん!」
アーシアがゼノヴィアを呼び止めた。
「わ、私に出来る事があればいつでも頼ってくださいね!」
屈託のない笑顔で言うアーシア。
それを見たゼノヴィアは少し驚いたような表情をするが、直ぐに笑みを浮かべ、
「な、なら、今度学校を案内してくれると嬉しいんだが、いいだろうか?」
少し恥ずかしそうにゼノヴィアは口を開いた。
「はいっ!」
それを聞いたアーシアは満面の笑みを浮かべて答えた。
「ありがとう」
ガラガラッ
そう言い残し、ゼノヴィアは部室を去っていった。
「さて今日はこのくらいにしましょうか」
リアス先輩はそう言って立ち上がった。
「なら、みんなでこれから遊びに行こうぜ!」
そう言って俺は祐斗の肩をに腕を掛けた。
「それはいいね。で、どこに行くんだい?」
「そうだなぁ……! ボーリングなんてどうだ?」
「ボーリングか…久しぶりだな」
「私も久しぶりだから行きたいです…!」
「わ、私、ボーリングやった事ないので、楽しみです!」
「ええ。楽しみましょうね、アーシアちゃん」
「じゃあこれで決定だな!」
俺たちがコツコツと計画を立てていると、
キュイーンッ!
「わ、私も行っていいか、イッセー?」
そう言ってドライグが現界してきた。
「ああ、お前も行こうぜ!」
すると、ドライグの顔がパァ〜っと明るくなっていった。
ドンッ
「うおっ!」
「あたしはカラオケも行きたいにゃ〜!」
今度は後ろから黒歌が抱きつきながら提案してきた。
「なら、ボーリングもカラオケも行くぞっ!」
『おぉー!』
今日は遊びまくってやるぜ!
「今回の件も終わったばかりなんだから少しは休まないと、後に響いてくるわよ?」
リアス先輩がそう言うと、俺と黒歌は目を合わせニヤリと笑う。
「なら、リアスは来なかったらいいにゃ」
「俺たちは楽しんでくるんで、リアス先輩は家でゆっくりしててださっていいですよ?」
「えっ⁉…」
こんな展開になるとは思ってなかったのか、リアス先輩の目が点になっている。
「あーあ、せっかくリアス先輩も行くのかと思ってたけど、疲れてるなら仕方ないよなぁ〜」
「あたしたちだけで行くとするにゃー」
俺と黒歌がそう言ってから他の皆を連れて出て行こうとすると、
「えっ…わ、私…」
リアス先輩は目をうるうるさせながら言葉を紡ごうとしている。
「じゃあ、リアス先輩また後で!」
「部長、失礼いたしますわ」
「また明日会いましょう、部長」
そう言って皆が続々と部室を去っていった。
一人取り残されたリアス先輩は、
「わ、私を置いていかないでぇ!一緒に行くからぁ!」
そそくさと変える準備をしていた。
そして、それを扉の隙間から見て俺たちはニヤニヤしていた。
俺たちはあの後、リアス先輩を少しいじってからボーリングをした。
久しぶりとか言ったのに、祐斗がダントツで上手かったし、途中でヤケクソになっていたリアス先輩も面白かったのが特に印象に残ってるな。
で、現在は黒歌の提案したカラオケに来ているところだ。
「♫〜♫」
今はアーシアと白音がデュエットでレガングランの海色デイリーを歌っている。
この世界でのグレンラガンです、はい。
「どうしようかな…?」
「これなんてどうだ?」
その横では祐斗が座っていて何を歌うかを悩んでいる。
俺は祐斗との横に座って曲を決めていた。
「にゃー!」
黒歌は黒歌でとマラカスやタンバリンを持って場を盛り上げていた。
そして二人の曲が終わると、今度はリアス先輩がマイクを取り、
「いくわよっ!」
そう言って重音部の劇中歌を熱唱していた。
案外ノリノリである。
「部長、上手いし、ノリノリだね」
「ああ、いつものリアス先輩なら考えられないな」
そんな事を言っていると、曲は終わっていた。
「次は私ですね」
今度は朱乃先輩がカミカゼのごとくのEDを歌っていた。
上手かったからたまらず聴き入ってしまった。
「朱乃さん、すごく上手でした!」
「綺麗な歌声でした…!」
「あらあら…ありがとう、アーシアちゃん、白音ちゃん」
「次は俺たちだな」
「イッセーくんと歌うの楽しみだよ」
「おう、いくぜ!」
そう言って俺と祐斗はマイクを手にとった。
「俺(僕)たちの歌を聞けぇぇぇ!」
デュエット曲であるマキレスのタイガーを歌っていると、
『イッセー(くん・さん・兄様)カッコいい…♡』
女子全員が俺に熱い視線を送ってきているのが気になって仕方が無い。
それからも俺たちは色々な事を楽しみ、最高に楽しい一日は幕を閉じた。