ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
ゼノヴィアが駒王学園に編入し、何故か俺の家に住む事になってから(なんでもゼノヴィアがそうしてくれと言ったらしい)数日がたったある日、リアス先輩が俺たちに話があるらしく、夜の部室に呼び出された。
そして、先に部室に着いていたリアス先輩の話を聞いていると、
「使い魔…ですか?」
俺がそう聞くと、リアス先輩は首を縦に振った。
「ええ。当初よりだいぶ遅くはなったけど、イッセー達に使い魔を持たせようと思ってね。使い魔がいたら悪魔の仕事もはかどるし、何かと便利よ」
リアス先輩は俺たちに使い魔をつけようと言う訳か。
「話は分かりました。でも、使い魔ってどうやって手に入れる事が出来るんですか?」
「それは今から行く所で分かるわ」
リアス先輩がそう言うと、床に魔法陣が展開され、俺たちは何も分からないまま転移した。
「ここは…?」
転移した場所に検討がつかず、あたりを見渡していると、
「ここは使い魔に出来る生物が多く生息する場所なの。イッセー達にはここで使い魔と契約してもらうわ」
「「分かりました」」
「頑張ろう、アーシア!」
「はい、ゼノヴィアさん!」
「使い魔ってどんなのがいるのかにゃー」
俺たちそれぞれがリアス先輩に返事をした。
そして、使い魔専門の悪魔の到着を待っていると、
「ゲットだぜぃ!」
「ひゃ⁉」
突然聞こえてきた声にアーシアは可愛い悲鳴をあげて驚き、近くにいたゼノヴィアの後ろに隠れていた。
俺が声のした方に顔を向けると、そこにはラフな格好に帽子を深く被った男がいた。
「俺はザトゥージ!使い魔マスターを目指している悪魔だぜ! こいつらが使い魔と契約したいって奴らか、リアス・グレモリー?」
「ええ。少々人数が多いけど、大丈夫かしら?」
「おう、全然いけるぜ!俺に任せたら君たちもどんな使い魔だって一発でゲットだぜぃ!」
そう言ってザトゥージさんは俺たちを見渡した。
「ザトゥージは使い魔のプロフェッショナルよ。今日はこの人の説明を参考にし、自分に合った使い魔を手に入れなさい」
『はい!』
俺たちは元気良くリアス先輩に返事を返した。
「君たちはどんな使い魔をご所望だい?」
使い魔のカタログを取り出して、俺たちに見せてくれた。
「今はドラゴンの季節だからなぁ…えーっと…こいつらがいる可能性があるぞ!」
ザトゥージさんがページをパラパラめくって指をさした場所を見てみると、
「蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)、火焔龍(ボルケーノ・ドラゴン)、白光龍(ライトニング・ドラゴン)、黒影龍(シャドウ・ドラゴン)…こんなに種類がいるんだな」
載っているのは子供の姿らしいが、成熟したら強くなりそうな感じがする。
「子供の蒼雷龍さん、すごく可愛いです!」
「ドラゴン…私は火焔龍に惹かれるな…」
「あたし的には黒影龍がいいかなにゃー」
「私は白光龍がいいです」
みんなは見せてもらったドラゴンに惹かれてしまったようだ。
「そしてドラゴンと言えばこれだっ! 龍王の一角にして、最強と謳われる伝説級の龍、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)、ティアマット! 魔王並みに強いから使い魔にするのは一苦労だぜ!」
キュピーンッ
「そんなドラゴンもいるんで…」
「ザトゥージさん! アーシア達の使い魔の後でいいんで、そのドラゴンの所に俺を案内してくれませんか?」
俺はアーシアの言葉を遮るようにザトゥージさんに話しかけた。
後日聞いたところ、その時の俺の瞳は少年のように輝いていたらしい。
「ま、まさかとは思うが…」
「はい。そのティアマットって奴、俺の使い魔にします!」
竜王…使い魔になってくれると嬉しいんだけどなぁ…
「……その心意気、気に入ったぜ! 最後になるが案内するから任せろ!」
俺の意志は見事ザトゥージさんに伝わり、案内してくれる事になった。
そんな時だった…
キュー…フィー…
「おっ! あれはドラゴン…! それもさっき見せた種類の奴ら全匹いるぞ!」
ザトゥージの目線の方向を見てみると、先ほど見た資料の蒼雷龍、火焔龍、白光龍、黒影龍がそこにいた。
「何か輪を作って遊んでるように見えますけど…」
「他種のドラゴン達が一緒にいるなんて珍しい光景だ」
「写真で見るより可愛いですね!」
「どっちにしても今がチャンスにゃ?」
「そ、そうだな! 早速あのドラゴン達を使い魔に…」
ザトゥージさんがそう言おうとした次の瞬間、
ギャォォォォンッッ!!
『ッ⁉』
強烈な轟音と共に辺りに強風が吹き渡っていく。
「まさかここに現れるのは…」
「こっちから行く手間が省けたってもんだ…」
そう言って俺は空を見上げる。
そこには…先ほどのドラゴンたちとは比較にならないほどの巨大なドラゴンがいた。
「あれがティアマットですよね、ザトゥージさん」
「あ、ああ」
俺はそれを聞くと、
「よし、ちょっと行ってきます!」
そう言って俺は翼、赤龍帝の螺旋手を展開し、ティアマットの方へと駆け寄った。
「おーいっ! お前ってティアマットだよな!」
取り敢えずこれであいつがリアス先輩たちではなく、俺を狙ってくれればいいと思ったんだけど…
「…何だ、貴様は?」
まさか喋れるとは思わなかった。
(久しいな、ティアマット)
展開した籠手の宝玉が光だし、声が聞こえてくる。
「その籠手にその声…! 貴様、赤龍帝かっ!」
ティアマットはなぜか驚いたような声をあげている。
(ドライグってティアマットと知り合いだったのか?)
(あぁ、昔はよく戦いあった仲だ。全て私が勝ったがな…)
(へぇー……ってこんな話は後にして!)
「その赤龍帝が私に何の用だ?」
「俺の要件はただ一つ……お前を俺の使い魔にしたいってだけだ」
俺が人指し指を立ててそう言うと、ティアマットは少し笑みを浮かべたように見えた。
「ほう、私を使い魔に…そんなことを言ってくる悪魔がいたとは思わなかったな。ふむ…その願い、叶えてやらんでもない」
「でも、タダって訳じゃないんだろ?」
「話が分かるな。 私からも一つ…お前の力で私を認めさせてみせろ、赤龍帝っ!」
ティアマットはそう言い残し、遥か上空へ飛翔した。
「へっ、上等っ!」
〈Spiralbooster Set up!!〉
機械音と共に、赤龍帝の螺旋手に赤と緑の混じり合うオーラが溢れていく。
「私を楽しませろ、赤龍帝!」
ティアマットは上空から幾つもの魔力の玉を放ってきた。
「いくぜ!」
〈Spiral Boost!! Over Explosion!!〉
一度目の倍加を済ませると、俺は降ってくる砲撃を最小限の動きで避けていき、ティアマットに迫る。
「ほう…これならどうだ?」
ティアマットはそう言って両翼を名一杯広げた。すると、魔力で創られた無数の光の羽が俺に向けて降り注いでくる。
「そんなもん…!」
すぅぅぅぅ…!
俺は口を大きく開き、螺旋力を溜めていく。それに次いで籠手にも螺旋力を溜める。
(籠手は私に任せろっ!)
(頼んだ!)
そして、俺は迫ってくる羽に向けて、
「赤龍帝の…咆哮ぉぉぉぉ!」
(ドラゴンブラスターッ!)
口と籠手に溜め込んだ螺旋力を撃ち放った。
放たれた赤と緑の光線はいとも簡単に羽を掻き消していき、ティアマットに襲いかかる。
「くっ⁉」
ティアマットは驚きながらも急いで回避行動を取り、難を逃れた。
「やるな、赤龍帝。だが…これで終わりだっ!」
ティアマットはそう言うと、白と黒が混ざり合った極大のブレスを俺に放った。
「突っ込む!」
俺は右手にギガドリルを展開し、ブレスへと突き進んだ。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
ギュィィィィンッ…ガガガガ…
「ブレスがドリルに吸収されていく…⁉」
俺は前面に突き出したドリルでブレスを吸収し、ティアマットへと迫る。
「驚いてる暇はないぜ?」
ティアマットが驚いてる隙に懐へ入り、先ほどの吸収した魔力を籠手集めていき、
「零距離…ドラゴンショット!」
赤に白と黒が混じった魔力の玉を発射した。
ズドォォンッ!
「ぐぉぉ…!」
それをモロにくらったティアマットは地上へと堕ちていき、近くの山に叩きつけられていた。
それを見た俺はゆっくりと地上へと降りていく。
すると、
「イッセーさん、大丈夫ですか?」
そう言ってアーシアは聖母の微笑みで少し怪我をしている俺の体を治療していく。
「ありがとう、アーシア」
ちょっと羽に当たっちまったか…
傷の跡を確認していると、みんなが近づいて来る。
「イッセー、いきなり竜王に戦いを申し込まないで! こっちはびっくりしたんだから!」
「そうにゃそうにゃ!」
「それに竜王であるティアマットを簡単に倒してしまいますし…」
「兄様って、本当に規格外ですね…」
「すごい言われようだな、俺…」
俺が苦笑いを浮かべていると、
キュー! フィー! キュイ! ピー!
「あれ、こいつらって…」
俺の周りに先ほどいた子供のドラゴン達が集まっていた。
「はい! イッセーさんがティアマットさんと戦ってる間にこの子達を私たちが使い魔にしました」
「そうだったのか」
蒼雷龍はアーシア、火焔龍はゼノヴィア、白光龍は白音、黒影龍は黒歌と契約したそうだ。
「それにしても契約者でもない俺にこいつらは懐いているんだ?」
「ただ分かっているのは、このドラゴン達が雌だってことだけなんだがな…」
さすがのザトゥージさんにも分からないらしい。
(同じドラゴンの波動を感じているのではないか? ……それかイッセーの熱き心に、強さに惚れたか…?)
(ん? 最後の方聞き取れなかったんだが、何か言ったか?)
(いや、気にするな)
…まあいっか、こうやって懐かれるのは悪くないしな。
ドライグの言ってた事は置いといて、俺はすり寄って来るドラゴン達の相手をしていた。
すると、
「お前の力見せてもらったぞ、赤龍帝」
そう言いながらティアマットがこちらに向かってきていた。
「お前の名を教えてくれまいか、赤龍帝?」
「兵藤一誠だ。みんなにはイッセーって呼ばれてる」
「イッセーか…分かった」
ティアマットがそう言うと、ティアマット自身が輝きを放ち始めた。
「な、何だぁ⁉」
俺がいきなりの事に驚いていると、光は強烈になっていき俺は思わず目を閉じた。
そして、光が止むと…
「この姿になるのも久しいな…」
そこにはティアマットがおらず、背が高く、綺麗な顔たちをした女性がいた。
「ま、まさかとは思うが、ティアマット?」
俺がそう言うと、その女性は近づいてきて…
「そんな固い言い方をしなくて良い。お前は私の事をティアと呼べ」
ギュッ
微笑みながら俺に抱きついてきた。
「私はお前の使い魔にしてくれ。私はお前の傍にいたい…」
「お、おう。こちらこそよろしく頼む」
急に雰囲気が変わったな、ティアの奴。
俺とティアの雰囲気に反応してか、籠手が光だし、
「なにイッセーに抱きついているのだ、ティアマット!」
そこから人間態のドライグが現れると、ティアを引き剥がしにかかった。
「お前には関係ないだろう、ドライグ!」
「イッセーは私のものだ! 貴様のものではないぞ!」
「いいや、イッセーは私のものとなったのだ。古株がしゃしゃりでるな!」
「お、おい、喧嘩すんなよ!」
そう言って俺が二人、二匹?を止めていると、
「それは聞き捨てならないわね!」
さっきまでこの光景を見ていたリアス先輩がこちらに向かってきて、
「イッセーは私のお婿にするの。だから手を出してはダメよ」
リアス先輩は俺の腕を抱えた。
「あらあら…イッセーくんの了承もなしにそんな事を決めてはいけませんわ。ね、イッセーくん?」
今度はもう片方に朱乃先輩が抱きついている。
「リアス先輩? 朱乃先輩?」
ちょっと二人とも怖いんだが…
「兄様…?」
ビクッ!
「は、はい!」
身体中に悪寒が走り、反射的に声をあげた。
「兄様は私のものであり、私は兄様のものですからね?」
そう言って白音は俺に微笑みかけた。
その笑み…怖いです、白音さん。
「白音には早いから私がイッセーをもらうにゃ!」
そう言って背中から抱きついて黒歌。
「うぅぅ…い、イッセーさんはやっぱり部長さんや朱乃さんみたいな大人の女性の方がいいんですかぁ…?」
少し離れた所で泣きそうになっているアーシアが見える。
「いきなり来るな、黒歌!アーシア、泣かないでくれ!別にそんな事ないから!」
今の発言はいけなかった。
「ッ⁉…イッセーは私の事、嫌いなの?」
「ッ⁉…イッセーくんはこんな私が抱きついてきているのは嫌いですか…?」
「い、いや! 今のは言葉の綾であって、先輩達が嫌いなわけではないで…あぁ⁉…泣かないでください、二人とも!」
「イッセーは私が好きなのだ! 一心同体なんだ! 貴様が入れる隙間などない!」
「そんな事知った事か! 今から私はイッセーとの愛の絆を育んでいくのだ!」
「そう気恥ずかしい事を大声で話すな、お前ら!」
「イッセーくんはモテモテだね?」
「私にはまだ少し早いな…」
「祐斗にゼノヴィア! お前ら見てないで止めてくれよ!」
この後、俺はあたふたしながらも何とかこの事態を収拾し、やっとの事でティアとの使い魔契約を行えた。
またこの時にも一悶着あったんだが、それを話すのはやめておこう…