ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男   作:パーシヴァルヴレイヴ

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少し頭冷やしやがれ!

サーゼクス様とグレイフィアさんが人間界に来てから数日にかけて、俺たちオカルト研究部はお二人の街の下見…もとい観光に付き添っていた。

 

俺がよく訪れる場所に連れて行くと、サーゼクス様はすごく興味を示して心から楽しんでる様に見えた。それにグレイフィアさんも楽しそうにしていたので案内した甲斐があったってものだろう。

でも、魔王様が神社でお参りした事には本気でどうしようかと思ったが…

 

そして今日、サーゼクス様達の下見も一段落ついたので、オカルト研究部はそれとは違う用事で学校へ来ていた。

 

なんでもリアス先輩にソーナ会長が、「掃除をしてくれたらプールを使っていい」というのを条件にプール掃除を頼んだらしい。で、リアス先輩はそれを快諾した為、オカルト研究部全員+αは、学校が休みである日曜日を使ってせっせとプール掃除をしていると言うわけだ。

 

俺達も真夏の真っ只中に冷たいプールに入れるとの事なので、駄々もこねずに気合を入れて掃除に取り組んだ。

 

「遅いな、女子たち…」

 

「女の人の着替えは長いって言うからね」

プール掃除も終わったので、俺と祐斗は海パンに着替え、プールサイドで女性陣を待っていた。

 

「あれからもう三十分だぜ?…早くプール入りたい」

 

「ははは…もう少し待ってみようよ」

目線を一直線にプールに向ける俺に祐斗は苦笑いを浮かべていた。

そんな事をしていると、

 

「待たせちゃってごめんなさい、二人とも」

 

「久しぶりの水着だったから着替えに手間取ったにゃ〜」

 

「ふぅ…待ち兼ねまし…」

やっと来たか…そんな事を思いながら、俺は声が聞こえて来た方に目を向けた。そこには…

 

「どうかしら、イッセー?」

自身の髪と同じ紅色のビキニを着たリアス先輩、

 

「私も似合っていますか、イッセーくん?」

露出度の高すぎる純白の白の水着を着た朱乃先輩、

 

「ちょっとサイズがちっちゃいかにゃ?」

朱乃先輩とは正反対の漆黒のビキニを着た黒歌、

 

「だ、大丈夫でしょうか?」

 

「変な所は無いはずです…多分」

学校指定のスクール水着を着たアーシアと白音、

 

「こんな格好、初めてだから少し恥ずかしいな…」

 

「イッセー、我の水着姿はどうだ? 惚れたか?」

リアス先輩より少し色の明るい赤の水着を着たドライグ、白と黒で構成されている水着を着たティアがいた。

 

「………」

俺は総勢七名の水着姿に目を奪われていた。

 

「はっ⁉…み、みんな、似合ってますよ! な、祐斗?」

 

「う、うん!そうだね!」

しかし、俺はすぐに気を取り戻し、祐斗と一緒に女性陣の水着姿を褒めちぎった。

 

「あれれ? イッセーったらもしかして、あたしたちの水着姿に見惚れちゃったにゃ?」

黒歌は顔をニヤつかせながら俺たちを見てくる。それに俺は腹がたってきて…

 

「そ、そうだよ! みんな綺麗だったから見惚れてたんだよ! これでいいかっ!」

あれ?……し、しまった⁉

 

キレ気味に大きな声で返事を返してしまった。で、その後自分のやってしまった失態に気がつくが、それはもう後の祭りである。

 

 

「じ、冗談で聞いてみたら、当たってたにゃ…」

 

「そ、そうだったの、イッセー」

 

「き、綺麗ですか…嬉しいですわ」

 

「「い、イッセーさん(に、兄様)…」」

 

「わ、我が美しいのは当然であろう?」

 

「そ、そんな事を言って嬉しそうではないか、ティアマット」

俺の真意を聞いた女性陣は顔を少し赤くして笑顔を浮かべていた。

 

 

「……俺、先にプール入ってますね! さあ行こう、祐斗っ!」

 

「え、ちょっ! イッセーくん、いきなり引っ張ったら危な…」

 

バッシャーン!

 

そんな雰囲気に耐えきれるはずもなく、俺は速攻で逃げ出す為、祐斗と共にプールへと飛び込んだ。

 

その瞬間、暑さで火照った体に冷たい水がじわじわと染み渡っていくような感じがした。

 

「ふぅ…やっぱり気持ちいいな〜」

水面へと顔を出した俺はゆったりと水の中で浮かびながら一言呟いた。

 

「そうだね、気持ちいいよ」

俺の横で同じようにぷかぷかと浮かんでいる祐斗が呟いた。

 

「先輩たちも早く入ったらどうですか〜? 入らなきゃ損ですよ〜」

さっきの事など頭の隅に追いやった俺は先輩たちにプール入るよう勧めていた。

 

 

「そうね…私はもう少ししたら入るとするわ。入る前にやる事もあるしね」

 

「私もそうさせてもらいますわ」

 

「分かりました〜」

まだ少し顔を赤くしていたリアス先輩と朱乃先輩はそう言って、パラソルの立っている方へと向かっていく。

 

そんな二人を俺が見ていると、

 

「イッセー! ぷかぷか浮いてるのもいいけど、約束覚えてるにゃー?」

 

「そうです…!」

 

「こっちは準備万端です!」

そう言いながら飛び込み台から顔を出す黒歌。その後ろにはビート板を持った白音とアーシアがいた。

 

「そういや、約束してたな…」

掃除とかですっかり忘れてた。

 

「白音ちゃんたちがビート板持ってるけど、何かするのかい?」

そんな事を考えていると、祐斗が二人の状態を不自然に感じたのか、俺に話しかけてきた。

 

「おう、あいつらに泳ぎ方を教えるって約束してな。俺一人じゃ手に負えないから、祐斗も手伝ってくれると助かる」

 

「ならお安い御用だよ、友達の頼みだからね」

そう言って祐斗は承諾してくれた。

 

「そう言ってくれると助かるぜ。黒歌、こっちも準備オッケーだから入ってこーい!」

 

「わ、分かったにゃ!」

 

パシャーン…

 

俺はそう言うと、黒歌はビート板を片手にゆっくりとプールの中に入ってきた。

 

「ま、待ってください、姉様!」

 

「ゆ、ゆっくり…あっ⁉」

 

パシャン…パシャーンッ!

 

それに続いて白音、アーシアが水の中へと入ってきた。アーシアは言葉とは裏腹に豪快に入ってきていたが。まあ何大丈夫そうだが…

 

そして、三人が俺たちの傍に寄ってきたことを確認し、俺は口を開いた。

 

 

「よーし、お前ら全員入ったな。じゃあ頑張って三人とも泳げるようになるぞっ!」

 

「「「おおー!」」」

俺がそう言うと、三人はビート板に片手を置き、元気良く手をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいぞ、その調子だ」

そう言って俺は白音の手を引いて後ろへ下がっていく。

 

「アーシアさん、頑張って。後少しだよ」

少し離れた所には、祐斗がアーシアのビート板を引っ張りながら後ろにさがっていた。

 

 

「はい、終了〜」

プールの端まで泳ぎ切ったので、ぶつかる前に白音を優しく止める。

 

「ぷはぁ…上手になっているでしょうか?」

 

「ああ、最初よりだいぶ上手くなってるぞ。足も上手く使えるようになってきてるしな」

 

 

「そうですか、でも…」

そう言って白音は俺から違う方へと目線を向ける。俺も同じようにそちらに目を向けると、そこには…

 

 

「あたしはもう水など恐れはしないにゃー!!」

そう言って飛び込み台から水の中へ飛び込み、華麗にクロールで泳いでいく黒歌がいた。

あいつも白音たちと同じように全然泳げなかったのだが、抜群の運動神経ですぐに泳ぎをマスターし、先ほどからずっと一人で泳いでいるのだ。

 

「あっちは気にするな。あれは規格外過ぎるだけだ」

少し教えただけで飛び込みまで出来るのか、普通?

 

「でも、早く覚えないと兄様に迷惑をかけてしまいます」

白音は俺を目に写すと、申し訳なさそうに口を開いた。

 

はぁ…ったく、こいつは…

 

そんな事を思いながら俺は白音の頭に右手を持っていき、

 

「うりゃ」

 

「っ⁉」

デコピンを繰り出した。

それをくらった白音はいきなり事にびっくりしながらデコを押さえていた。

 

「な、何するんですか、兄様!」

血相変えて怒ってくる白音に対して、俺は笑いながら

 

「お前、さっき俺に迷惑かけるとかなんとか言ってたよな?」

 

「はい」

まだ少し痛いのか、涙目で返事を返す白音。

 

「妹をわがままを聞き入れて、どんな時でも助けるのが兄貴の仕事なんだから、お前は黙って俺に迷惑かけ続けろ。分かったか?」

俺はそう言い終わると、笑みを浮かべて白音の頭を撫でた。

 

「…は、はい…」

白音は頭を下げ、小さく頷いた。

 

 

「じゃあ、続きするか。今日でお前を黒歌並みに…とは言わないが、其れなりには泳げるようにしてやる」

 

「頑張ります…!」

 

「その意気だ! じゃあいくぞ、妹よ!」

 

「はい、兄様!」

俺たちは先ほど以上に力を入れて、泳ぎの練習に没頭するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく白音、その後にアーシアに泳ぎ方を教えると、白音は黒歌並みに、アーシアは並み以上に泳げるようになった。

しかし、その分疲れも溜まったのか、二人はプールサイドに敷かれたビニールシートの上で寄り添いながら眠っている。

黒歌は黒歌で、なぜか祐斗と水泳勝負を持ちかけて先ほどから何度も勝負を繰り返している。で、そこにティアとドライグまで加わっていった。

よくもあれだけ泳げるもんだ… 疲れねぇのか?

 

それを呆れながら見ていると、反対側のプールサイドにいるリアス先輩が俺に手招きしているのが見えた。

俺は呼ばれるがままにリアス先輩の元へ向かう。

 

「何か用ですか?」

俺がそう尋ねると、リアス先輩は小瓶を俺の前に出した。

 

瓶?…中身は何だ?

 

「これは美容の特性オイルよ。悪魔は日焼けしないけれど、太陽の光は外敵だから、ちゃんと保護しないとね」

 

「へぇ…そんなのがあるんですか」

それを見ていた俺にリアス先輩は説明してくれた。それから微笑みを浮かべ、

 

「で、イッセー? それを背中に塗ってくれないかしら?」

 

「俺…ですか?」

 

「そうよ、よろしく頼むわね」

そう言うと、リアス先輩はビキニの紐を外し、たわわに実ったその胸を露わにする。

俺は胸が見える前に咄嗟に視線を逸らした。

 

「何やってんですか! それは俺に頼むより、他の女子たちに頼んだ方がいいんじゃ…」

 

俺がそう言い切る前に、リアス先輩は両手で俺の顔をこちらに向け、

 

「あなたじゃないと嫌なの……ダメ?」

リアス先輩は瞳をうるうるさせ、俺の耳元で囁いた。

 

「はぁ…分かりましたよ…」

それはズルいっすよ、リアス先輩。

 

完全に諦めムードの俺は返事を返した。それを聞いたリアス先輩は地面にうつ伏せで寝そべり、俺がオイルを塗るのを待っている。

 

「いきますよー」

俺は手にオイルを綿密に塗り込み、リアス先輩の背中にその手を置いた。

 

「ひゃ…ぁ…んぅ…」

俺がオイルを塗るたびに聞こえてくる先輩の甘美な声を俺は何とか耳にいれないようにしていた。

 

「い…いいわぁ…イッセー…上手ね…」

もうその声やめてくださいよ、先輩。

 

「ふぅ…終わりましたよ、リアス先輩」

俺は何とか背中全体を塗り終えることが出来た。

これで終わった…そう思っていたのも束の間、

 

「次は前をお願いするわね、イッセー」

そんな事を言って、リアス先輩はうつ伏せの態勢から体を起こした。その瞬間、リアス先輩の胸が上下に揺れていた。

 

「い、いや、流石にそれはダメでしょ」

俺はそう言って後ずさっていると、

 

「あらあら、部長だけずるいですわ」

後ろから声が聞こえてくると、弾力のある何かが俺の背中に密着してきた。

 

この声は…朱乃先輩だ、それは分かる。しかし、この感じ…ま、まさか…!

 

「何で上、何も着けてないんですか、朱乃先輩…」

すぐに後ろの方をみると、そこには上半身の水着を外した朱乃先輩がいた。

 

「私もオイルを塗ってもらおうと思いまして……ダメですか?」

朱乃先輩はそう言って妖艶な笑みを浮かべている。

 

「オイル塗るかどうかよりも!と、とにかく水着を着てくだ…」

 

「朱乃? 私を差し置いてイッセーを誘惑しようだなんて、どういう了見なのかしら?」

俺の言葉を遮って、顔に青筋を立てながら笑っているリアス先輩が口を開いていた。

 

「リアス先輩も前! 前隠してくださいよっ!」

 

「あらあら誘惑だなんて…私の後輩を可愛がって何が悪いの?」

朱乃先輩は怒りで震えるリアス先輩に向けて言い放ち、

 

ふぅっ

 

「ひゃっ!」

俺の耳に息を吹きかけた。それによって俺は奇妙な声を出してしまう。

 

「可愛いですわ、イッセーくん…!」

一度離れたにも関わらず、朱乃先輩は再度後ろから俺に抱きついてきた。今度はきつくしているのか、離れようとはしない。

 

「あ、朱乃先輩⁉ 早く離れてくださ…」

 

「へぇぇ、私の前でそんな事するの……いい度胸してるじゃない、朱乃…?」

先ほどまで座っておられたのリアス先輩が現在、体に紅のオーラを纏い、腕を組んで佇んでおられました。

火に油を注いでしまってるじゃないですかぁぁぁ! リアス先輩すげえ怒ってますよ!

 

「そんな怒気を放ってちゃって。リアスが怖いわ、イッセーくん」

朱乃先輩はそんなリアス先輩を見ると、今度は正面から抱きついて可愛らしい声をあげていた。

 

「なら早く離れてくださいよ! そうしたらリアス先輩もまだマシに…」

 

ブチッ

 

「いい加減にしなさいっ!」

とうとう堪忍袋の緒が切れたリアス先輩はこちらに右手を向けて魔力弾を放ってきた。

 

「っ⁉」

それは俺と朱乃先輩のすぐ横のプールサイドを消し飛ばした。

 

あ、当たってたら死んでたよ、俺…

 

「調子に乗りすぎよ、朱乃…あなたが私の下僕で眷属だということを忘れているの?」

リアス先輩は相変わらずオーラを纏い、ドスの効いた声で朱乃先輩に話しかけた。

 

「あらあら、そんな風に言われても…リアス、私は引かないわよ?」

朱乃先輩もいつもはニコニコ笑っている顔ではなくなっている。今は目を見開き、口調に怒気が含んでいる。

 

「少し待っててくださいね、イッセーくん。すぐに終わらせますから」

そう言って朱乃先輩は俺から離れ、リアス先輩の方を向いた。

 

いつの間にか、遊んでいた黒歌、ティア、ドライグはこちらを見ながら三人で寄り添って震えており、祐斗も若干震えながら苦笑いを浮かべていた。練習していた二人はこんな事態にも動じずにぐっすり眠っている。それほど疲れたのだろう…ってそんな事言ってる場合じゃねぇ!

 

「悪戯が過ぎたわね、卑しい雷の巫女さん?」

 

「女の嫉妬ほど醜いものはありませんわよ、紅髮の処女姫様?」

売り言葉に買い言葉、二人は言葉をぶつけ合いながら魔力を高めていく。そして…

 

「あなただって処女でしょうがっ!」

 

ボォンッ!

 

「それならすぐにイッセーくんに貰ってもらうわよっ!」

 

ゴゴゴォォォン!

 

二人は攻撃を繰り出しながら空中を飛び交っている。喧嘩では収まり切らないバトルが今、始まったのである。

 

「おいおい、これ以上はダメだろ」

流石に俺もこんな事になっては見過ごす事も出来ない。

 

「リアス先輩も朱乃先輩もやめてください! 危ないですよー!」

二人を止める為、必死で地上から声をかけるが、

 

「だいたい、朱乃は男が嫌いだったはずでしょう! 何でイッセーを誘惑するのよ!」

 

「そういうリアスも男なんて興味ない、全部一緒に見えるなんて言ってたじゃない!」

俺の声は届いていないと思われる。

 

「昔はそうだったわ。だけど今は私の目にはイッセーしか見えないのよ!」

 

「私だってイッセーくん一筋ですわ! イッセーくんはどんな時だってあなたの為に戦っていた! それがどれだけ羨ましかったかなんて、あなたには分からないでしょうっ!」

二人の戦いはヒートアップしていき、さっきよりも過激なものになっていく。

 

このままではプールだけではなく、俺たちも怪我では済まなくなる…仕方がねぇ、ちょっと乱暴な手を使わせてもらうしかない…

 

俺はすぐさま行動に移した。

 

「少しはしゃぎ過ぎですよ、二人とも!」

俺は二人が戦っている付近まで翼を広げて飛んだ、

 

「イッセー、邪魔をしないで!」

 

「すぐ終わりますから!」

 

「それは聞けませんよ!」

俺は二人の言葉など聞く事なく一気に速度を上げ、二人の背後へと回り込んだ。

 

「「は、はや…」」

 

 

「少し頭冷やしやがれっ!」

 

 

そして俺は右手にドリルを展開し、二人の前に少し加減して竜巻を発生させた。

 

「「きゃぁぁぁ!」」

 

バッシャァァァン!!

 

その風に吹き飛ばされた二人は翼のコントロールを取れずにプールに落下していった。

その直後、咳をはきながらプールサイドに上がる二人を確認し、俺は地面に降りたつ。

 

「げほげほっ!」

 

「い、イッセーくん、いきなり何を…」

 

「強引な手を取ってしまってすいません。でも、お二人が何をしていたか、言わなくても分かりマスヨネ?」

俺はニッコリとイイ笑顔を浮かべた。

 

「「は、はい…」」

それを見た途端、二人は体を硬直させていた。

 

「取り敢えず水着を着てください。それから責任持ってこのボロボロになったプールを直すこと…イイデスカ?」

 

「「は、はい、分かりました…」」

俺に返事を返すと、二人は直ぐさま行動に移した。

 

「ふぅ…何とか止めれて良かった」

俺はそう言って周囲に目を移す。寝ている白音たちに疲れ気味の黒歌たち。どうやら白音とアーシアたちに危害が加わらないように守っていたようだ。

それにしても、こんな中よく寝れるぜ…

 

「俺はさっきので更衣室とか用具室が大丈夫か見てくるか…」

下手すると攻撃が当たってるって可能性もあるからな。

 

「よし、見て回るか…」

俺は祐斗に一言伝えてから目的の場所へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「更衣室は損傷なかったから、後はここ…用具室だな。何もなけりゃいいけど…」

俺は不安になりながらも用具室のドアを開けた。

 

「おや? イッセーではないか。外が騒がしかったが、何かあったのか?」

部屋には損傷は無かったが、そこには何故かゼノヴィアがいた。

そういやさっきからこいつの姿を見てないと思ってたんだよな。

 

「ああ、ちょっとな。それよりもお前はここで何やってんだ?」

 

「水着なんて初めて着るものだから、苦戦してしまってね。どうだい、似合ってるだろうか?」

そう言ってゼノヴィアは青いビキニを俺に見せる為、その場で一回転した。

 

「あぁ、よく似合ってる。可愛いぞ」

俺がそう言うと、ゼノヴィアの顔は少し赤くなった。

 

「そうか…着てみてよかった」

 

 

「ん? なんか言ったか?」

 

「いや…そうかと言っただけだよ」

ゼノヴィアは笑みを浮かべた。

 

「そっか…ならいいや。早くみんなの所に行こうぜ、泳ぐ時間がなくなるぞ?」

俺はゼノヴィアの手を取って用具室を出ていこうとする。

 

「ま、待ってくれ!少し私から話があるんだ。みんなの所に行く前に聞いてくれないか?」

しかし、随分真剣な顔をしたゼノヴィアに止められた。

 

「おう。いいけど、手っ取り早く頼むぜ?」

あんまりまだプール楽しんでないからな、早く戻りたい。

 

「なら単刀直入に言わせてもらう」

それを聞いたゼノヴィアは何かを決心したかのように次の言葉を俺に言った。

 

 

「私と…子作りしてほしい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっ?…い、今なんて言った、お前?」

お、俺の聞き間違いだよな?

 

「子作り…子どもを作ろうと言ったんだ。さあ、始めよう…」

ゼノヴィアはそう言うと、折角苦労して着た水着を外して俺に迫ってくる。

 

「さあじゃねぇ! 手っ取り早くとは言ったが、お前は色々飛ばし過ぎだ! この際、一からすべて話してくれ!」

ゼノヴィアはそれを聞くと、俺から身を引いた。

 

 

「仕方が無い。では順に話していこう」

ゼノヴィアは上半身裸のまま、腕を組んで話し始めた。

 

「私は子供の頃から夢も目標もすべて主の信仰の為に捧げていたんだ。しかし悪魔になった今、それも無くなった。そこで私は部長にどうすればいいか聞いてみた」

 

「で、リアス先輩は何て?」

 

「『悪魔は欲を持ち、欲を与え、欲を望む者。あなたの好きなように生きてみなさい』と言われたよ。そこで私は教会の為に捨てていた、有るべき女の喜びを謳歌しようと思ったんだ」

 

「で、その喜びってのが子作りか」

 

「イッセーは話が早くて助かるよ。では早速…」

 

「待て待て。それなら何で俺にたのむんだ?俺じゃなくても祐斗でもいいだろ?」

俺は迫ってくるゼノヴィアに質問した。

 

「それではダメなんだ。私としては生まれた子供には強い子になってほしいと思っているんだ。それには父親は特殊な力、もしくは強烈な強さが必要だ。だからイッセー、君なんだ。赤龍帝であり、特殊な力を持つイッセーなら強く力を持ち、強い意志を持つ子が生まれるに違いない。そう言った理由より、私はイッセーに頼んでいるんだ」

ゼノヴィアは目をキラキラ光らせて説明してくれた。

 

「これで分かってもらえただろう。早速始めよ…」

俺は詰め寄ってくるゼノヴィアの両肩を掴んで距離を置いた。

 

「理由は分かった。けど、それだけじゃあ駄目だ」

俺は真剣な眼差しをゼノヴィアに向ける。

 

「子供ってのはな、男と女が心から互いを愛しあって出来るもんなんだ。だから、それも無しに子供なんて作っちゃいけねぇ。愛もねぇ、そんな所に子供が生まれたとしても、生まれた子供が可哀想だし、不幸になるかもしれねぇんだ。それにな…」

 

「それに…?」

 

「俺が惚れて、俺が心から愛した女と最後の最後まで一緒にいるって決めてんだ。だから俺はお前とそんな事出来ねぇよ」

俺は自分の信条をゼノヴィアを伝え、断りを入れた。それでゼノヴィアは諦めてくれるだろう…そう思った。

 

「そうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

なら私が、お前に愛される女になればいいのだな」

 

ゼノヴィアから返ってきた言葉は俺の思っていたのとは違っていた。

 

「長い道かもしれないぜ?」

 

 

「それでも…私が歩む道だ。誰に何と言われようと私が決めるさ」

ゼノヴィアはそう言って少しずつ近づいてくる。

 

「そしてこれが、最初の一歩だ」

その瞬間、俺とゼノヴィアの距離はゼロとなり、互いの唇が重なりあった。そして、ゼノヴィアは直ぐさま唇を離した。

 

「どうだ、惚れたか?」

 

「驚きはした…が、これで惚れるか、バカ」

一言言葉を交わし、俺たちは笑顔を浮かべた。

 

「じゃあ、そろそろ行くか…みんな待たせてるだろうし」

 

「そうだな」

 

「お前は水着を着てから来い! 先いってるから」

そう言って俺は用具室を飛び出して、プールサイドに歩き出した。

その瞬間、幾つかの影がプールサイドに駆け抜けていったのが見えた。

 

「はぁ…聞いてやがったな」

俺は急に頭痛がしてきたので、頭を押さえた。

 

「他はともかく、リアス先輩と朱乃先輩にはサボってた罰を与えないとな…ふフフ」

そして、俺はイイ笑顔でプールサイドに戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

その数分後、二つの悲鳴がプールサイドに木霊した。

 

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