ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男   作:パーシヴァルヴレイヴ

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俺が護ってみせる!

どうも、赤龍帝の兵藤一誠だ。

あれから二年が経ち、今年で七歳ってところだ。

 

 

「これでどうだっ!」

 

「甘い! その程度じゃ、私には当たらんぞ!」

 

俺は今、ドライグと精神世界で戦っている。

この習慣も始めて一年になると思う。

最初の一年…六歳の時には、赤龍帝の籠手の使い方などの初歩的な事をじっくり教えてもらい、その後の一年間はずっと組み手と言うか、試合ばっかだな。

まあ、こうやって一年間続けてるけど…

 

「いくぜっ!」

〈Boost!〉

俺は自分に一回倍加をかけてから螺旋力で剣を創り、両手にもつ。

 

「ふんっ!」

ドライグは強烈な回し蹴りで攻撃してくる。

 

「チィッ⁉」

俺は何とか後ろに飛んで避ける。

そして、空中に螺旋力で足場を創ってドライグの懐に飛び込む。

 

「うぉぉぉぉ! 驟雨…双破斬っ!」

〈Boost!〉

また倍加をかける。

それから俺は、二刀を使ってドライグに攻撃を与える隙すらなくす、連続突きからの斬り上げ、斬り下げを繰り出す。

 

「空中に足場を創ったのには驚いた…が、まだまだ技の発動が遅い! それに一つ一つの突きのキレがない…斬り上げが甘いぞ、イッセー!」

 

「ぐふっ!」

しかし、それをドライグは、突きを難なく避けていき、その後の斬り上げた時にできる隙を狙って、俺の腹に拳を撃ちつけた。

ぶっ飛ばされながらも、俺は次の攻撃へ移る。

 

「次は…これだぁぁ!」

今度は螺旋力でミサイルを創り、ドライグに向けて発射した。

 

「無駄だ!」

ドライグは赤龍帝の籠手を装着した左手を自身の前に出して、

 

「ドラゴンショットッ!」

全てのミサイルを赤き弾丸が薙ぎ払った。

その爆発の影響であたりには煙が立ち始めた。

 

「煙で隠れたつもりか? そんなもの私には無駄だと言ったは…」

 

 

 

「ギガァァァ…ドリルゥゥゥゥ…」

前の煙の中から緑の光が放たれ始めるのと共に、巨大なドリルが現れた。

 

「…ッ⁉」

ドライグは気づくのが遅かった。

 

「ブレイクゥゥゥゥゥゥ!!」

次の瞬間、そこから巨大なドリルを手にイッセーがドライグ目掛けて一直線に突っ込んだ。

 

「……ッ!」

(間に合わんっ!…仕方が無い…!)

〈Boost!Boost!〉

今まで使わなかった倍加を使って力を上げる。

そして、

 

「うぉぉぉぉ!」

ギガドリルを真正面から受け止める。

 

「貫けぇぇぇぇ!」

 

「はぁぁぁぁぁ!」

両者の力は拮抗している… しかし、

 

「これで……どうだぁぁぁぁぁ!」

イッセーの掛け声と共にドリルは回転数を上げていき、ついにはドライグも持っていた手を弾かれて、無防備となる。

そこで俺はドライグの頭の前でドリルを止めた。

 

「俺の勝ちだな、ドライグ…」

 

「ああ、私の負けだ…」

そう言ってドライグは負けを認めて、両手を上に上げた。

 

「ふぅー、これでやっと5勝目だぜ…」

俺は体から力を抜いて地面に座る。

 

「それにしてもよく考えたな、あれは良かったぞ」

 

「まあ、色々と試してみてるからな」

 

「……たった二年でここまで成長するとはな……アレももしかしたら…」

ドライグが何か小声で言っているが、俺には良く聞こえなかった。

 

「何か言ったか?」

 

「いや、何でもない。 今日はここまでとしよう」

 

「分かった。それじゃあまたな!」

そう言うと、俺は光に包まれて意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり精神世界って便利だな…体に傷とかは残らないし、時間はどれだけいても現実では一時間程度だしな〜」

 

(精神世界なだけあって、疲労などの精神的なものは、現実以上に負担がかかるがな…)

 

「まあ、それはそうだが…」

今、俺は母さんに頼まれたお使いをして、家に帰る途中だ。

 

二人で話し合っていたそんな時、

 

「にゃあー、にゃあー」

 

「…この鳴き声…猫か?」

俺は鳴き声のした方へと歩いて行くと…

 

 

「鳴いていたのはお前か?」

そこには白い子猫とそれより少し大きい黒い子猫が力尽きて倒れていた。

 

「まだ…生きてるよな……よし!」

(イッセー、待て! そいつらは…)

 

「ドライグ、話は後にしてくれ! 取り敢えず、こいつらを家に連れて帰って治療するっ!」

そう言って俺は二匹の猫を両手で持ち上げ、急いで家へ帰った。

 

「にゃあ……」

 

「安心しろ! お前らは必ず俺が助けてみせる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃあ! にゃあ!」

 

「もうちょっとだからじっとしてくれ…!………これで良しっと!」

俺は黒い子猫の方に包帯を巻き終わって一息吐く。

 

「お疲れ様、イッセー。最初あなたがいきなり、包帯ある⁉ って聞いてきた時は何事かと思ったわよ…」

 

「ごめんごめん! ちょっと急いでて話す暇もなかったんだ」

 

「で、どうなの…その子猫たち?」

 

「白い方は何も怪我はしてなかったし、黒い方は少し怪我をしてる程度だったから、大丈夫だ」

そう言って俺と母さんは二匹で寄り添う子猫たちを見た。

 

「野良猫かしら…?」

 

「あんな所に倒れてたんだ。野良か捨て猫だろうな…」

 

「取り敢えずご飯あげましょう?缶詰めぐらいしか今ないけど…」

 

「それでもあげないよりマシだろう…」

俺は缶詰めを開けて、二匹の前に置く。

すると…最初は近づきもしなかったが、だんだん匂いにつられて近づいていき、ゆっくりと食べだした。特に白猫の方の食いっぷりがすごい…

 

「お腹減ってたのね」

 

「そうみたいだな…」

それを見ながら俺は…

 

「母さん…この二匹飼っていいかな?」

 

「…………」

 

「俺がちゃんと面倒みる!だから…!」

 

「…分かったわ。でも、ちゃんとお世話するのよ?」

 

「ああ。ありがとう、母さん!」

そんな事をしていると、

 

「「Zzz…」」

 

「あらあら寝ちゃったみたいね…」

二匹の猫はご飯を食べ終わると、疲れが溜まってたのか、ぐっすりと眠っている。

 

「取り敢えず、ここは安全だって分かったみたいだな…」

 

 

 

それから何事もなく終わり、翌日…

 

 

「…ん?…朝か…」

時間を見ると、午前10時。今日は日曜なのでこんな時間でも問題ない。

俺が体を起こそうとするが、体が鉛のように重い。

鍛練の影響か? と思ったが今までここまで酷くなった事もないため、それはない。

 

取り敢えず俺が布団を剥ぐと、そこには…

 

「うぅん…」

 

「Zzz…」

 

「……はぁぁぁ⁉…」

猫耳と尻尾が生えた二人の美少女が真っ裸で俺を挟んで寝ていた。

 

どういう事だ…?

俺は昨日一人で寝たはず…それ以前にこの家には俺以外子供はいない。

色々と考えていると…

 

「……ん…朝にゃん?」

 

「…ん…?…」

さっきの俺の声で起きてしまったようだ。

 

「お、おはよう」

俺から挨拶を掛けると、二人はビクッとした。

 

「だ、誰だっ⁉」

黒い髪の子は白い髪の子を引き寄せながら、俺に聞いてきた。

 

誰だって言われても、俺もこいつらを知らないから何とも言えないし。

 

「お、お姉様! この人は昨日、私たちを助けてくれた人ですよ!」

 

「そ、そういえば…!」

助けた?…俺が…?

俺が助けたのは、二匹の子猫……髪の色……っ⁉ まさかな……

 

「お前らって…昨日の子猫か?」

 

「は、はい…!」

白い髪の子が少し緊張気味に答えた。

 

「イッセー! 今の声どうしたの〜?」

ヤバイ! 母さんだ!

 

「いや、何でもねぇよー!」

 

「そう。 起きたなら、ご飯用意してるから下りてきなさーい!」

 

「はーい!」

ふぅ…

 

ぐぅぅぅぅー

 

何かの音が聞こえてきた。聞こえた方を見てみると、二人が顔を赤くしている。

そういう事か…

 

「取り敢えず…飯、食うか?」

二人は大きく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イッセー!」

前からすごいスピードで何かがぶつかってきた。

 

「うおっ!……と、いきなり抱きつくなよ、黒歌…」

俺は何とか倒れないように我慢した。

 

「まあまあそう言わずに…ね?」

そう言うと、黒歌はもっと強く抱きついてくる。

 

「お兄様、ちょっと聞きたい…あぁ⁉ お姉様、何やってるんですか!」

 

「お、白音!ちょうどいい所に!」

扉からやって来たのは、黒歌の妹である白音だった。

 

「何って…ただイッセーに抱きついてるだけにゃー」

 

「それがいけないんですよ、お姉様!」

 

「焼きもちにゃ、白音?」

 

「…っ⁉ お姉様のバカ! もう知らないっ!」

 

「ごめんごめん! 冗談にゃ、冗談!」

 

「何やってんだよ、お前らは…」

 

と、こんな風になってから、もう三ヶ月が過ぎようとしている。

 

 

 

 

 

二人を拾った翌日、黒歌と白音は俺と母さん、父さんに少しずつ自分達のことを話してくれた。

彼女達は猫の妖怪で、希少種の猫魈と呼ばれる存在らしい。

希少種なだけあって、何かと狙われたりして大変だったと言っていた。

あの時、ドライグが言おうしていたのはこの事だったらしいな…ちゃんと聞いとけば良かった。

 

そして、二人は両親と死別していて、身寄りもなく各地を点々として、たまたまあの場所にいたらしい。しかも、人の姿を維持できない程に弱りきり、子猫の姿でいたところを俺が助けたと言うわけだ。

それを聞いて父さんと母さんは号泣していた。人ってあんなに泣く事ができるんだな…と始めて思ったな。

で、それを言った二人はもうここには居られない!と言って出て行こうとしていたが、それは俺が止めた。こう言ってな…

 

「ダメだ、行くな…!」

 

「何で⁉ このままじゃあなたたちにも何か被害が及ぶかも…」

 

「ダメと言ったらダメだ! こんな事まで聞いて今さら…はい、そうですかってほおっておけるかよっ!」

 

「よく言ったわ、イッセー!」

 

「さすが俺たちの子だ!」

 

「もし、私たちを狙ってきた人たちが来たらどうするのよ!」

 

「そうです! そんな事になったら私たち…」

二人が続きを言い終わる前に今度は俺が言い放った。

 

「そんなことには絶対させないっ! 俺がお前たちを護ってみせるさっ!」

 

キュィィィィン!

 

その瞬間、俺の体が緑色の光に包まれていく。

 

「「な、何⁉」」

 

「「イッセー⁉」」

 

「大丈夫だ、父さん、母さん」

俺は螺旋力を体に纏いながら話を続ける。

 

「この力でお前たちを…必ず…俺が護ってみせる! だから…どこにも行くな…! 俺のそばにいろっ!」

 

「本当に…本当にいていいの(ですか)…?」

黒歌と白音の二人は、潤んだ目で俺に訴えかけてきた。

 

「あぁ! お前らの居場所は、俺が拾った時からもう俺の隣だって決まってんだよ! それを捨てて勝手にどっか行くなんて、俺は許さねぇ!」

 

「……何なのよ…その理不尽な理由は…」

 

「本当、そうです……でも…!」

 

「「私たちは…そんなあなたのそばにいたいっ!」」

二人は泣きながらもしっかりと声を張り上げた。

 

「お前らの意志、確かに受け取ったぜ…!」

お前たちのさらけ出したその意志、無駄にはしねぇ!

 

「よく言ったよ、イッセー」

 

「後は私たちに任せておきなさい!」

そう言った母さんたちはいきなり電話し始め、

 

「あぁ。……か? ちょっと頼みたいことがあるんだが…」

 

「……ちゃん? いきなりで申し訳ないけど、ちょっとお願いできない?」

 

「あの人たち、何してるの?」

 

「さ、さぁ?」

本当に何やってるんだ?

すると電話が終わったのか、父さんたちが話しかけてきた。

 

「イッセー、喜べ! 黒歌ちゃんも白音ちゃんも俺たちの家族になったぞっ!」

 

「「「……へっ?」」」

 

「戸籍も作って、ついでにイッセーと同じ学校にも通えるようにしといたわ!」

 

「「「……はぁ⁉」」」

こ、戸籍ってそんな簡単に作れるのか?

 

「これからは俺のことはお父さんと呼んでくれ!黒歌ちゃん、白音ちゃん」

 

「私はお母さんね?」

二人で勝手に盛り上がっているが、俺たち三人は話においていかれている。

 

「ま、まあ…俺たちは家族になったってことだ! これからよろしくな、黒歌、白音!」

 

「うん(はい)!」

その時の黒歌と白音の笑顔はすごく輝いていた事を、俺はよく覚えている。

 

余談だが、ついでに俺の持っている力についてもみんなに話した。すると、父さんからは羨ましがられ、母さんからは喜ばれた。白い目で見られて、捨てられてる覚悟ぐらいはしてたんだが…。 その時の俺はポカーンとしていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何ボーッとしている、イッセー?)

 

(ああ、ちょっとな…)

いつの間にかもの思いに耽っていたようだ。

 

(そんな事より、そこの猫たちの相手をしておけ…ご立腹だぞ)

 

(えっ!)

ドライグの指摘を聞いて見てみると、

 

「イッセー…聞いてた?」

 

「え、えーっと…何の話だ?」

 

「途中から会話に入ってこないと思ったら、ボーッとしてましたね、お兄様?」

そう言って、白音は俺をジト目で見つめてくる。

 

「ま、まあ…落ち着けよ、な?」

そう言って俺は白音の頭を撫でる。

すると…

 

「そんな事で私が機嫌を………にゃあー♡」

治したな、白音。

 

「私も! 私もやって欲しいにゃ、イッセー!」

 

「はいはい…」

空いた手で今度は黒歌の頭を撫で始める。

 

「うにゃー♡…」

黒歌は頭を撫でられながら、可愛らしい声をあげていた。

 

(少し羨ましいな…)

 

(何か言ったか、ドライグ?)

 

(い、いや! 何でもないぞ!)

 

(そうか…?)

何か誤魔化してる様な気がしたけど、勘違いか…

 

 

 

それからの毎日は、普通に何事もなく、黒歌たちと学校にも行ったり、家族で遊んだり、平和に過ごしたな。ドライグとの鍛練のおかげでだいぶ強くなれたし、奥の手も出来た。

 

 

 

 

 

 

 

そして時は流れ、高校二年生の春。

ドライグから聞いた…赤龍帝の力をその身に宿すものは強者や争いごとを呼び寄せる…それを俺は思い知った…

 

 

 

 

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