ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
堕天使を返り討ちにした翌日、俺は普段と変わらない一日を過ごしていた。
そして放課後、急遽ついて来ると言い出した黒歌、白音と共に教室でリアス先輩の使いを待っていた。
すると、
「ここに兵藤一誠くんはいるかな?」
教室の扉を開けて、この学校の有名人である木場裕斗が入ってきた。
「おーい、ここだ」
「ごめん、待たせちゃったみたいだね」
爽やかな笑みを振りまきながらこちらに木場は近づいてくる。
「気にするな。で、お前がリアス先輩の使いでいいのか?」
俺が質問をすると、
「話が早くて助かるよ。じゃあ行こうか?」
「ああ。それとこの二人も連れていっていいか?」
「えっと、それは…」
「こいつらも俺とそっちの事情は知ってるから」
そう言うと、黒歌と白音は一度頷いた。
「じゃあ、大丈夫かな…」
「ありがとな。それじゃあ、案内頼むぜ!」
「ちゃんとついて来てね」
木場を先頭に俺たち四人は旧校舎の方にあるオカルト研究部へと向かった。
オカルト研究部に向かう道筋では、
「見てあれ!木場くんと兵藤くんが一緒に歩いてる!」
「もしかして…あれって…」
「木場×兵藤…あら、よだれが」
「違うわ! 兵藤×木場よ!」
この学校にはこんな女子たちしかいないのか…?
「あの子たちは何を話しているのかな?」
「俺たちは知らなくていい事だからさっさといこうぜ」
「イッセー(兄様)の言う通りだにゃー(です)」
俺たちは少し歩くスピードを速めた。
木造建築の旧校舎の入って行き、二階の奥にある教室の前にたどり着いた。教室のプレートにはオカルト研究部と書かれている、
「ここに部長がいるから」
そう言って木場はドアをノックし、
「部長、連れてきました」
連れて来た確認を取ると
「ええ、入ってちょうだい」
教室の中からリアス先輩の返事が返ってきた。
すると、木場が戸を開けて中に入っていく。遅れない様に俺たち三人もその後に続いて入った。
「うぉ…!」
「リアスに話は聞いていたけど、ここまでとは思ってなかったにゃー」
「すごいです」
俺たちは室内を見渡すと、室内は薄暗く、そこら中に何かの文字が書かれていたり、部屋の中央には巨大な魔法陣があったりしている。
そんな部屋をみて俺たちは少し引いていた。
奇妙な部室の奥に古いアンティーク物のソファーがいくつかあって、その内の1つにリアス先輩が座っていた。
「黒歌たちもついて来たのね」
「私たちの事もちゃんと話しとこうと思ってね〜」
「いきなり押しかけてすいません」
勝手について来た詫びを白音が言うと、
「全然気にしないで? あなたたちにも話しとこうと思ってたところだったから。さあ、好きな所に座ってちょうだい」
別に気にした感じもなく、リアス先輩に座るように促された。
「それじゃあ、失礼します!」
促された通りにロングソファーに俺を挟んで三人で座る。
俺たちが腰を掛けたのを見て、リアス先輩が口を開いた。
「全員揃ったわね…イッセー、黒歌、白音。今日呼びたしたのは昨日起こった事について話し合う為でもあるのだけど、他にもあるのよ」
「他にも…?」
何か他にあったか?
何か思い当たる節があるか、黒歌たちの方を見るが、二人とも首を横に振っている。
「ええ。私、リアス・グレモリーはあなた達を…
悪魔に勧誘するわ」
「「「………」」」
またとんでもない言葉が出て来たもんだな…
「粗茶です、どうぞ」
そう言って朱乃先輩は三人分のお茶を出してくれた。
「すいません、頂きます」
「ありがとにゃー」
「ありがとうございます」
「いえいえ…」
それから朱乃先輩はリアス先輩の横に腰掛けた。
「もう一度ちゃんと自己紹介から始めましょうか」
リアス先輩の提案に俺は頷いた。
「じゃあ私からいくわね。私はリアス・グレモリー。最上級悪魔であるグレモリー家の次期当主であり、オカルト研究部の部長よ」
「駒王学園二年の兵藤一誠です。一応帰宅部です」
「駒王学園三年の兵藤黒歌にゃ。妖怪の猫又で、一誠の義理の姉にゃ。帰宅部にゃ」
「駒王学園一年の兵藤白音です。姉と同様に猫又で、兄様の義理の妹です。帰宅部です」
「神器持ちに妖怪ね……ますます欲しいわ」
リアス先輩…? ちょっと怖いですよー?
「もう一人?紹介しときますね」
「もう一人? あなた達以外にいないと思うのだけど?」
リアス先輩が不審に思うのは仕方ないので、さっさと自己紹介してもらおう。
「頼む、ドライグ」
(イッセーの神器に宿っている赤い龍、ドライグだ)
「イッセーの中から…」
「イッセーくんとは違う声が…」
オカルト部の三人は、この声を聞いてすごく驚いている。それに加えて、
「それに、赤い龍って…まさか…!」
やっぱり頭の回転が早いな、リアス先輩。
「リアス先輩の思った通りですよ。俺の神器は神滅具の一つである赤龍帝の籠手です」
そう言って俺は左腕に赤龍帝の籠手を展開する。
「まさかとは思ったけど、神滅具で、それも神器が意志をもって話すなんて…」
「規格外にも程があるね、兵藤君は…」
リアス先輩は驚きを隠せず、木場は苦笑いをしていた。
「他にもこんな力をもありますよ?」
俺は螺旋力を自身に纏わせる。
「それは…?」
「これは螺旋力と言って……
と言うものなんです」
「すごいですわね…」
流石の朱乃先輩も苦笑いしている。
「で、黒歌と白音の二人は何か能力が?」
「私と姉様は、仙術を使うことができます。猫又と言っても、希少種の猫魈なので、一般的な猫又より能力は高い方ですね」
「そうなの…」
俺たち三人の大体の能力を知ってリアス先輩は、
「やっぱりあなた達、私の眷属になりなさい!」
「悪魔になれってことですよね? もしなると、俺たちにどんなメリットがあるんですか?」
それを聞くと、リアス先輩はすぐに答えてくれた。
「まず、寿命が1万年以上になるわね」
その瞬間、黒歌と白音の目が光ったように見えた。
「イッセー? 悪魔になるのも悪くないと思うにゃ!」
(一万年もイッセーといられるなんて……悪魔最高にゃ!)
「リアス先輩からのお誘い、快く受けましょう、兄様!」
(こんな提案に心が揺れないわけがない…!)
お前ら、目が血走ってるぞ…
「続けていいかしら?」
「すいません、途中で止めてしまって。続き、よろしくお願いします」
「続けるわね。転生して、転生悪魔になったものはは最初に下級悪魔から始まり、功績を挙げれば出世することもできるの。上級悪魔程になれば、自分の眷属を持つ事も出来るし、それでハーレムだって作れるし、自分の領土を貰うことも出来るわ」
「ハーレムって…」
俺はそんなの作る気ないけど、悪魔って何でもありなんだな。
「そして、悪魔の保護を受けられると言うのも悪魔になる利点ね。私の眷属になれば、あなた達の保護、そして、あなた達のご両親を私が責任もって保護するわ」
それなら安全に親父たちが暮らしていけるか…
「………」
俺は少し考える。悪魔になるべきか…
「イッセー? どうした…」
「先輩…一つ質問いいですか?」
「え、ええ」
「先輩は何で俺を悪魔に…自分の眷属にしたいんですか?」
俺はしっかりとリアス先輩の目を見て質問をした。
「そうね……イッセー、あなたが赤龍帝の籠手を持っていて、堕天使を退かせた力を持っているからという理由があるというのは否定しない。でも、その思いは少しだけよ」
「少し…ですか…?」
「ええ。だって私は、あなたに昨日出会った時から…まだあなたを何も知らない時から、あなたを私の眷属にするって決めてたもの。…たとえ赤龍帝の籠手を…神器を持ってなくても…」
「何でですか?」
「それだけあなたに惹かれていると言う事かしら? 私もこの想いをちゃんと分かってないわ。でも、私の全てがこう言うの…兵藤一誠は私の眷属にするべき人間だってね」
そう言ってリアス先輩は、俺に優しく微笑みかけた。
話を聞いて、それを見た瞬間、俺の意志は決まった。
「どうかしら…イッセー?」
先輩、あなたの想い…確かに受けとりました。
「先輩……俺を先輩の…いや、リアス・グレモリー、あなたの眷属にしてください!」
俺はリアス先輩に頭を下げた。
「本当に私でいいの…? こっちに来たらもう、戻れないわよ?」
リアス先輩は俺を思って最終通告をするが、俺の気持ちは決まっている。
「はい…! 覚悟の上です。それに…他の誰でもないあなただったから俺は悪魔になるんです…!」
「…ありがとう、イッセー…!」
「あらあら、お似合いですね〜」
「ちょっと、朱乃! からかわないでよ…」
朱乃先輩に茶々をいれられて、リアス先輩は少し顔が赤くなっている。
「イッセーが悪魔になるなら、私もなるにゃ!」
「私も姉様と一緒です」
「それがお前らの決めた道なんだな?」
俺は黒歌と白音の目を見て、覚悟があるのか確かめた
「ええ。私が信じる私が決めた道よ」
「はい。私の想いは変わりません」
「そうか…なら俺は何も言わねえよ」
いい目をしてやがる…確かめるまでもなかったな。
「「それに…」」
「ん…?」
「イッセー(兄様)に…ずっと俺のそばにいろと言われたにゃ(言われましたから)!」」
「お前ら…!」
「それに危険な目にあっても…」
「兄様が私たちの事、護ってくれますから!」
自信満々に黒歌と白音は俺に言ってきた。
それを言われて俺は少し笑って、
「ああ。お前たちは俺の命に賭けても必ず護ってみせるっ!」
二人があの事をちゃんと覚えてるなんて…てっきり忘れてるのかと思ってた。
そして、俺はリアス先輩に
「リアス先輩、俺たち三人の悪魔への転生、お願いします!」
「ええ、喜んで!」
「それで、私たちが悪魔になるにはどうしたらいいんだにゃ?」
「それはね…これを使うのよ」
リアス先輩は真紅のチェスの駒を取り出した。
「これは悪魔の駒と言ってね。これを使って悪魔に転生するわ。
普通のチェスと一緒で、王・女王・僧侶・戦車・騎士・兵士の属性が与えられて属性に合わせた能力を持つことが出来るの。騎士はスピード、戦車はパワー、僧侶はマジックに長けていて、女王はその三つを合わせた物になるわね」
だから、朱乃先輩と木場が女王とか騎士とか言ってたのか…納得したぜ。
「それじゃあ兵士はどうなんですか?」
俺がそれを聞くと、
「兵士はプロモーションと言う特殊な能力があるの。それを使えば力は未知数になる上、味方としてた心強いけど、敵としていたら厄介な相手になるわ」
そう言ってリアス先輩は兵士の駒を一つ俺に渡した。
そして、俺に駒が渡った瞬間、駒の輝きが増していく。
「どうなってんですか、リアス先輩⁉」
「私にも訳が分から…っ⁉ 他の駒も一緒に…宙に浮かんで…」
リアス先輩の言葉を塞ぐように、何故か残りの兵士の駒と戦車、騎士、僧侶の駒が一人でに浮いて、俺の周りを回りだした。
そして、その駒たちは赤く輝くのではなく、緑に輝き始めた。
「何がどうなってるの⁉」
リアス先輩にもこの光景は分からないらしいな。
「もしかしたら…俺の螺旋力に反応しているのかもしれません…!」
こんなところにも螺旋力は関係していくのかよ…! 螺旋力はやっぱり、底が知れないな…
すると、宙に浮いていた全ての駒が俺の周りを強烈な緑の光を放ちながら回っている。そして光が止むと、全てが床に落ちてしまった。
それを一つ拾い上げてみて見ると、
「あれ…?…赤だったのが緑の駒になってる」
どうなってんだ…? 螺旋の影響か?
「部長、これ全部…変異の駒になっていますわ」
「っ⁉…それは本当なの、朱乃?」
「リアス先輩、朱乃先輩が言ってる変異の駒ってなんですか?」
俺はいまいち状況を把握できないので、リアス先輩に説明を求めた。
「変異の駒と言うのは、複数の駒を使用する可能性がある転生者を1個の駒で済ませることができる特殊な悪魔の駒のことなのよ…本来は一つだけなんだけど…」
「イッセーのおかげで全部それになったにゃ!」
ここは喜ぶところなのか、黒歌?
「すいません、リアス先輩!勝手なことをしてしまって…」
俺はリアス先輩に頭を下げるが、
「いいの、気にしないで。こっちとしては訳が分からないけど、変異の駒が増えたから万々歳よ」
リアス先輩が俺を別に気にすることなく俺に言った。
「そうですか…それなら良かったです」
そう言って俺は笑みを浮かべた。すると、
「そ、そう。分かったわ…」
リアス先輩の顔が少し赤いが、大丈夫だろうか?
あれから結局のところ、何故変異の駒になったのか分からず仕舞いになっている。そして、螺旋力って色んな事できるよな…と再確認した。
あの後、俺たち三人ともが兵士の駒を一つずつ用いて悪魔となった。
何故兵士かというと、俺の場合、戦い方のバリエーションが多いため、一つの能力に絞るよりもプロモーションの能力を使って状況に応じてパターンを変えれるようにした方が良いとリアス先輩に言われたからだ。
黒歌と白音も仙術に加えて、近接戦闘が主だから色々と変えれる方がいいと言うことで兵士に決まった。
「色々とバタバタしたけど、イッセー、黒歌、白音」
リアス先輩が俺たちを呼び、
「私たち悪魔はあなた達を歓迎するわ」
こうして、俺の悪魔としての生活が始まった。