ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
神器持ちのシスター、アーシアと出会ってから数日が経った。
コンコン
「あれ…いねぇのか?」
確か、ここだと思うんだけどな…
俺は今、今日の依頼主が住んでいる家の前にいる。
いつもなら魔法陣を使って依頼主の前に移動するのだが、今回は何故か使えなかったのだ。だから、俺は自分の足で家まで来たのだが…
俺はもう一度地図を確認するが、この家で間違いない。
(やはり間違っているのではないのか? 魔法陣が反応しない時点で最初からきな臭い感じがしていたからな…)
(そうかもな… でも、リアス先輩が用意してくれた依頼なんだ。途中で投げ出すわけにはいかないだろ?)
とりあえず中に入れるか確かめるため、俺はドアに手をかけた。
すると、
ガチャ…
「鍵が開いてる。無用心だな…」
そして、中に入っていく。
「リアス・グレモリーの使いの悪魔だ。依頼主はいるか?」
呼びかけてみるが、返事がない。
とりあえず中を調べるか…
玄関から廊下の通っていくと、前の部屋の方から何かが臭ってくる。
「これって……血の臭いか⁉」
俺は急いでその部屋へと飛び込んだ。
「っ⁉……なんてことをしやがる…っ!」
ドアを開けて目に入ったのは、壁に逆さまに張り付けられていた人間だった。その体には無数の斬られた後があり、傷口から色々と見えてはいけないものが見えてしまっている。
そして、その近くにはその人間の血で書かれたであろう文字があった。
「これってお前がやったのか…?」
後ろを睨めつけるように見ると、
「そうそう! 『悪いことする人はおしおきよ!』って、聖なるお方の言葉を借りたものさ」
そこには白髪に神父服を来た男が立っていた。
「ん?…これはこれは、悪魔くんではあーりませんか!」
悪魔……ってことは本物の神父か。はぁ…また先輩に怒られるかもしれねぇな。
そんなことを思っていると、
「俺は神父!少年神父〜!デビルな輩はぶった斬り〜、ニヒルな俺が嘲笑うー! おまえら、悪魔の首刎ねて、俺はおまんま貰うのさ〜!」
神父がいきなり歌を歌い出した。
「こっちはそんな下手くそな歌なんて聞きたくねぇんだよ。それより、何でこの人を殺したんだ…!この人は悪魔じゃないだろう」
俺の言葉に対して、
「はぁー? こいつって、悪魔を呼び出す常習犯だったみたいだしー殺すに決まってるっしょ!」
こいつは、殺して当然と言う風に言い放った。
「…だけの理由で…!」
「あぁ? 何言ってんの?聞こえなーい!」
「それだけの理由でこの人の命を…明日を奪ったのかっ!」
俺は怒声を放つ。
「何言っちゃってんの? 悪魔と取引なんかしてる時点でもう人間として終わりなんですよ。だから、俺がおしまいにしてやったんですよー。だって、悪魔に魅入られた人間をぶっ殺すのが俺のお仕事でござんすからね」
「ふざけんなよ…クソ神父が…!」
こいつは…こいつだけは生かしておけねぇ…!
(見るに耐えんな…もうやってしまえ、イッセー…)
(あぁ…)
俺の体から緑の光が漏れ出すように現れ始める。
「ゴミ同然の悪魔に何を言われても全然痛くも痒くもないんだぜー? ま、お話はこれぐらいにしてさ、そろそろ死んでくんない?」
そう言って神父は懐から柄しかない剣と拳銃を取り出した。
「死ねよっ!クソ悪…」
「お前がな…!」
俺は瞬時に近づき、螺旋力を纏った拳を神父の顔面に叩きつけた。
「ぎゃはぁ!」
変な声をあげながら、神父は後方へ吹っ飛ばされるが、
「何やってくれてんだよ、悪魔ごときがぁぁぁ!」
柄しかなかった剣から光の刀身が現れた。神父はすぐに態勢を立て直し、俺の方に飛び込んでから光の剣を振るった。
「はぁっ!」
キィン!
俺は右手にドリルを展開し、振るってきた剣をおさえる。
「それで止めたつもりかよ、あぁ⁉」
今度は反対の手に持つ銃を構え、
「バァン!」
撃ってきた。
(気をつけろ、イッセー!)
「チッ⁉…」
俺は何かドリルで剣をおさえるのを止めて、後ろに跳んで避けた。
何だ今の…弾が見えなかったぞ。
俺が困惑していると、
「エクソシスト特性、無音で発射できる祓魔弾だぜ? 悪魔さんに当たったら、クセになること間違いなしの代物でさぁ! さあ、当たってみろよぉぉ!」
神父が再度俺に銃口を向けて狙いを定める。
「なら当たんなきゃ良いだけだろ」
〈Boost!…Boost!〉
今まで貯めていた分で倍加していき、あいつでは捉えきれないほどのスピードで翻弄する。
「くっ⁉ このっ! 当たれよぉぉっ!」
何度も弾丸を撃つが、俺には一度も当たらない。
そして隙の出来た瞬間、俺はまた神父の懐に入り、
「くらってろっ!」
俺は掌に螺旋力を溜めたまま、掌底を神父の腹に放った。
「ごはぁ⁉」
その衝撃で吹っ飛んでいく。
「それで終わりじゃねぇぜ?」
ドコォン!
「ぐぎゃあ⁉」
その瞬間、時間差で掌底と共に放った螺旋力による爆発が神父を襲った。
「お前の重ねた罪を神に懺悔しろ、クソ神父…!」
そう言いながら俺は倒れている神父を睨めつける。
「クソ悪魔がっ! 調子にのってんじゃねぇぞぉぉ!」
またもや神父は銃を構える。
バカの一つ覚えかよ…そんな攻撃当たるわけ…
「きゃぁぁぁぁ!」
な、何だ……アーシアッ⁉ 何でこんなとこにっ⁉
後ろには悲鳴をあげて崩れ落ちるアーシア・アルジェントがいた。
(イッセー!前だっ!)
「っ⁉」
「もらったぁぁぁ!」
ドン!
避ければアーシアに…間に合えよっ!
「そんなもん…くらうかよぉぉっ!」
右腕を前に出してドリルを展開。そして、飛んでくる光の弾丸を吸収する。
「何だよそれっ⁉」
「お前に…驚いてる暇があんのかよっ!」
「ぎゃあっ!」
驚いていた神父に腹へのアッパーからの顔面へ回し蹴りをお見舞いする。
「大丈夫か、アーシアっ!」
ぶっ飛ぶ神父を確認した後、俺はすぐにアーシアに近づいた。
「イッセー…さん…」
「そうだ、イッセーだ」
「何でこんな所に…?」
「それはこっちのセリフだ! お前は教会に…」
(イッセー、床を見ろ!)
(魔法陣か…?)
俺がアーシアに話を聞いていると、床が光だして魔法陣を形成していく。
この紋様は…! 良かった、来てくれたのか。
「イッセー、大丈夫っ⁉」
最初に現れたのは、黒歌だった。
何やら必死の形相で俺に迫ってくる。
「あ、ああ。怪我もしてないから大丈夫だ」
「兄様、無事ですか⁉」
「あらあら、大変なことになってますね」
「怪我がなくて良かったよ、兵藤くん」
「無事で良かったわ、イッセー」
続々とグレモリー眷属が魔法陣から現れた。
「ごめんなさいね、イッセー。あなたに頼んだ依頼主の所に悪魔祓いが現れるなんて思ってもいなかったわ…ごめんなさい…」
すまなそうにリアス先輩は俺に謝罪してくるが、
「気にしないでください。この通り、俺は何ともありませんから!」
(あの程度の相手に負けるイッセーではないわ!)
そう言って俺は元気な事を表すため、体を動かし始めた。
「ドライグの言う通りだけど…それでもそう言ってくれると、気持ちが軽くなるわ」
そんな俺を見て、先輩は笑みを浮かべた。
そんな時…
「部長、堕天使と悪魔祓いがこちらに向かってきていますわ。今はまだ大丈夫ですが、直に…」
朱乃先輩が先輩に近づいて報告していた。
「分かったわ。朱乃、もう一度飛ぶ準備を… 急いで部室に戻るわよ」
それを聞いて先輩は朱乃先輩に指示を出した。
指示された朱乃先輩はすぐさまに作業に取り掛かる。
撤退するなら、アーシアも…!
俺はそう思い、先輩に話しかける。
「先輩、お願いがあります」
「何かしら?」
「この子も…アーシアも連れていかせてください!」
「イッセーさん⁉」
アーシアは驚いているが、それ所じゃない。
「お願いします!」
そう懇願するが、
「ダメよ。魔方陣で飛べるのは私の眷属だけだから彼女は無理なの」
それなら…
「なら、俺はアーシアを連れて部室に戻ります。先輩たちは先に行っててください」
「イッセー!我儘言わないで私の言う事を聞きなさいっ!」
無茶を言った俺を先輩は怒鳴るが、
「嫌です! 俺は必ずアーシアを連れて帰りますからっ!」
俺も絶対に退かない。
そんな会話を聞いていたアーシアは俺から離れようとするが、
ガシッ!
「どこ行くんだよ、アーシア」
俺はアーシアの腕を掴む。
「だって…このままじゃ、イッセーさんが…! 私は大丈夫ですから、早くいっ…」
「馬鹿野郎っ!」
「⁉」
俺がいきなり怒鳴り声をあげたため、アーシアは驚いている。
「お前は必ず俺が連れていくぞ! 例えお前が嫌がってもなっ!」
こんな所にアーシアを置いていけるか!
「で、でも…」
「大丈夫だ、俺が何とかする! だから、お前は……どうして欲しいんだ?」
そう聞くと、アーシアは…
「イッセーさん……連れていってください…私を…!」
手を胸に当てながら答えてくれた。
「この手…絶対離すなよ!」
俺はアーシアの手をギュっと握りしめる。
「はいっ!」
アーシアも握られた手に力をいれる。
「何勝手に話を…」
「だめにゃ、リアス。こうなったイッセーは一歩もひかないにゃ」
先輩が言いかけた所で黒歌が割って入る。
「姉様の言う通りです。この時の兄様ほど厄介なものはありませんから…」
(それに私たちは助けられたんですけどね…)
(こういう時のイッセーは自由にやらせるのが一番だろう)
「おいおい、白音もドライグも酷い言い草だな…」
「「事実ですから(だからな)」」
はぁ…言うようになったもんだ。
「魔法陣展開完了ですわ。さあ、どうしましょうか?」
朱乃先輩が転移ができる事を俺たちに報告すると、
「そんなの…こうするに決まってるにゃ!」
「きゃっ! 黒歌、何を…」
そう言って黒歌は先輩を引っ張り、魔法陣の中央に移動した。
「祐斗先輩も早く…!」
「ちょ…! 白音ちゃん、押さないで!」
黒歌に続いて白音も木場を魔法陣の中に入れていく。
で、俺とアーシア以外のみんなが入り終わった時、
「朱乃先輩、お願いします!」
「……分かりましたわ」
俺の目を見て、朱乃先輩は決心してくれた。
そして、魔法陣は輝きを増していき、
「絶対に帰ってきてよ、イッセー!」
「兄様、気をつけてっ!」
「待って!イッ…」
みんなは転移していった。
「よっと…よし、じゃあ行くか…」
「はわわ…」
俺はアーシアをおんぶして、この場を後にしようとする。
「あら、どこに行く気かしら?」
あちゃあ…もう来ちまったか。
「れ、レイナーレ様…」
ドアの方には、前に襲ってきた女の堕天使…レイナーレだっけ?とその他数十名の悪魔祓いがいた。
「その子を置いていったら、命だけは助けてやるわ」
そんな事をレイナーレは言うが、
「前に俺に負けたやつが、なに上から目線で言ってんだよ」
そう言って俺は少し笑った。
(相棒、アレをやるぞ)
(あぁ。しかし、派手にやり過ぎるなよ)
(分かってるさ…)
「っ⁉…貴様ぁ…殺せっ!」
それを合図に悪魔祓いが俺に襲いかかってくるが、
「しっかり捕まってろよ、アーシア!」
「は、はい!」
アーシアが力強く俺を掴んでいるのを確認し、
「いくぜっ!」
〈Boost! Boost! Boost!〉
俺は周囲に多数のドリルミサイルを展開。そして、赤龍帝の籠手に螺旋力と倍加の力を集めていく。
「くらえ…」
俺は悪魔祓い、後ろにいるレイナーレに狙いを定める。
「な、何をするつも…」
「ドラゴン……ブラスタァァァァ!」
(これも一緒にくらえっ!)
ドコォォォン! ドドドドッ! ボコォォォン!
赤龍帝の籠手から龍を形どった、紅に輝く光線がレイナーレたちに襲いかかる。それと同時に展開していたドリルミサイルも発射する。
「くっ⁉…」
レイナーレだけは飛んで躱すことが出来たが、
「「「ぎゃぁぁぁ!」」」
悪魔祓い共は、ドラゴンブラスターとミサイルの餌食となった。
「まさか…こんな…⁉」
あいつが驚いてる隙に…
「あばよ、堕天使さんっ!」
〈Boost!〉
「ま、待てっ!」
俺は螺旋力と倍加を脚力に回して高速のスピードでこの場を離れていく。
螺旋力も足へとフルに回してるんだ、追いつくやつなんてそうそういねぇよ。
「さーて…部室に行きますか!」
そして、俺は屋根伝いにオカルト研究部のある部室へと向かっていった。