ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
あれから俺は堕天使を振り切って部室に戻ると、いきなり黒歌と白音に抱きつかれ、少しあたふたしていた。その後にはリアス先輩にマンツーマンでみっちり怒られたな。
そりゃ仕方がねえ、なんたって俺は勝手な行動をしたんだからな。
それからはアーシアのことについて話し合い始めた。
で、アーシアの持っている神器について色々と分かった。神器の名前は『聖母の微笑み』で、アーシアが言ってた通り、人間、悪魔、天使、堕天使…どんな種族でも傷を癒すことができる数少ない回復系統の神器らしい。
その事から堕天使達は、アーシアを利用して何かをするため、あの教会に呼び寄せたのではないか?とリアス先輩が予測を立てていた。
それが本当だとしたら、アーシアを連れてきて正解だったぜ。
その後はアーシアの自己紹介と女子たちによるガールズトークをしていた。
取り残された俺と木場は、その光景を見ながら二人で雑談していた。その際、俺たちは互いにイッセーくん、祐斗と呼ぶようになったな。
そして、リアス先輩が「例えシスターであっても、こんな子が堕天使に利用されるなんてダメよ!」と言い出し、アーシアを保護する事に決まった。それと同時に悪魔に勧誘していた。こんな風に俺を餌に使ってな…
「アーシア?」
「何ですか、部長さん」
「あなた、悪魔にならない?」
「⁉ 悪魔にですか?」
悪魔に勧誘された事にアーシアは驚きを隠せないようだ。
「ええ、あなたのような人材を私は欲していたの…」
リアス先輩がそう言うと、
「誘っていただいたのは光栄ですが、私は神を裏切れませ…」
アーシアは少しも揺るがずに断りを入れようとするが、
「悪魔になったらイッセーとずっと一緒にいれるわよ?」
いやいや、リアス先輩。アーシアがそれぐらいで揺らぐわけな…
「っ⁉……イッセーさんと一緒…えへへ…ダメですっ!私はシスターなんです、神様を裏切る訳には…でも、イッセーさんと…」
ブレブレだな、アーシア。
これが俺を餌にして見事に釣られそうになったアーシアの全貌である。
まあ結局決まらなかったから、後日もう一度聞くまでに心を決めておくと言う事になった。
それから、アーシアは堕天使の件が落ち着くまで俺の家で預かって堕天使から守ることになった。そして、リアス先輩と朱乃先輩は今回の件に関して、上と掛け合って対処を決めるらしい。
翌日、俺はアーシアを親父とお袋に任せていつも通り学校に登校した。そして現在、俺は部室に向かっている。
ガラガラ…
「来たわね、イッセー」
「堕天使の件、どうでしたか?」
「今から話すわ。だから、座ってちょうだい」
「わかりました」
俺はリアス先輩に言われた通り、空いているイスに座る。
「上と掛け合った結果、今回の私の領土への不法侵入に関しては堕天使の上層部は関与しておらず、その堕天使たちの独断行動らしいわ」
「それで対処の方は…?」
リアス先輩に木場がそう聞くと、
「このまま私たちに不利益が被るなら、対処しても構わないとのことよ」
「と言うことは…」
「ええ、私たちを阻むものは何もないわ」
リアス先輩は少し笑みを浮かべて答えた。
「ならあいつらを俺たちが倒しても大丈夫なんですね」
「そうよ。だから二日後、教会に赴いて堕天使討伐を実行するわ」
リアス先輩は部室にいる全員を見渡しながら言った。
「各自、準備をしておいてちょうだい」
『分かりました』
「では今日はこれで解散とするわね」
俺はそれを聞いてからイスから立ち上がり、
「それじゃあ、俺は先に帰らせてもらいます」
「アーシアの事が心配?」
リアス先輩にはバレバレのようだ」
「それもありますけど、いつまでもお袋達にアーシアを世話をしてもらうわけにはいきませんしね」
アーシアは俺が守ると決めたからな…
「イッセーが帰るなら私も帰るにゃ!」
そう言って俺の腕に自分の腕を絡めてくる黒歌。
「おい、歩きづら…」
「私も一緒に帰ります」
それに続いて白音まで俺の腕をとった。
「お前もか、白音…」
「ダメですか?」
白音は目をウルウルさせながら上目遣いで俺を見てくる。
「うっ⁉……分かった…」
その目に弱いの知っててやってるだろ、白音の奴め…!
(両手に花とはいいご身分だな、イッセー…!)
俺にはドライグの声に少し怒りが混じっているように聞こえた。
(何怒ってんだよ、ドライグ?)
(怒ってなどいないっ!)
俺が何を言っても焼け石に水のようだな。なら…
(また精神世界に行くから、機嫌直してくれよ?)
そう言うとドライグは、
(本当だろうな…?)
(あぁ。絶対に行くからさ…)
(分かった、ならいい…♪)
すると、みるみるドライグの機嫌が良くなっていった。
さて、ドライグの機嫌も良くなったことだし…
「帰るにゃー!」
「「お疲れ様です」」
「ええ、また明日…」
(少し羨ましいわね…)
リアス先輩が羨ましそうな目で見ていたのを知らずに、俺たち三人は部室を後にした。
少し遠くに俺たちの家が見えるぐらいで、黒歌は何かを見ている。
「イッセー、あれってアーシアじゃない?」
黒歌の目線がいっている方を見ると、アーシアがいた。しかし、もう一人アーシアの近くにいた。
「何で家の前に…っ⁉」
それは、昨日遭遇した堕天使…レイナーレだった。
そして、アーシアと一緒に何処かに行こうとしている。
「クソがっ!」
家の場所まで知ってやがったのか…!
俺はすぐに持っていたものを全て地面に投げ捨て走り出す。
それに気づいたのか、レイナーレは翼を羽ばたかせて飛び立った。
「お前らはリアス先輩に連絡を!この距離ならまだ間に合うっ!」
〈Boost! Boost!…〉
俺は赤龍帝の籠手を展開し、身体能力を倍加させながらの螺旋力全開でレイナーレの後を追う。
「「イッセー(兄様)⁉」」
「頼んだぞっ!」
そう言って俺は黒歌と白音から離れていった。
「イッセーさんっ!」
「待ってろ、アーシア! すぐに助けるっ!」
俺は屋根を伝ってレイナーレを追いかけている。
「あんなに距離があったのでもうこんな近くまで……くっ!」
俺の足を止めるため、レイナーレは光の槍を投合してくるが、
「そんなもんが…当たるかよ!」
俺は走るスピードを下げずに避け続ける。
俺から攻撃すれば、下手すりゃアーシアに当たる。どうすりゃいいんだ…!
すると、
「離して…くださいっ!」
「やめなさい! アーシ…」
レイナーレの片腕の中でアーシアが暴れていた。
そして、
「えいっ!」
ドンッ!
「しまった⁉」
アーシアは今持てる全ての力を振り絞り、レイナーレを押し込んだ。そして、アーシアがレイナーレの手から離れてしまった瞬間、
「おらぁ!」
「がぁ⁉」
空中に足場を創ってレイナーレに近づき、腹にアッパーを繰り出し、
「ドラゴンショットッ!」
「くっ⁉」
ドラゴンショットを放つ。レイナーレは光の槍を展開し、威力を弱めるが徐々に押されていく。
よし、今のうちに…!
「きゃぁぁぁぁっ!」
アーシアは近くの潰れた教会の方へと落下していた。
「アーシアッ!」
俺は足場を創って高速でアーシアの元へと駆けていく。
「アーシアァァァァ!」
〈Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!…〉
倍加をし続けてアーシアに手を伸ばす。
「イッセーさんっ!」
アーシアも俺の方へと手を伸ばす。
徐々に俺たちは近づいていき…そして…
ガシッ!
アーシアの体を抱きしめるが、すぐ目の前には教会が迫っていた。
「しっかり捕まっとけよ、アーシア!」
俺は螺旋力を前方に集中させてシールド擬きを作り、教会の中へと落ちていった。
バキバキッ…ドーンッ!
俺はそのまま教会の屋根を突き抜け、中に落ちた所で着地した。
「アーシア、無事か⁉」
俺はアーシアが無事を確認した。
「怖かったです、イッセーさぁん…」
アーシアは俺に抱きつきながら涙を浮かべていた。
「もう大丈夫だ… でも、何であんな事をしたんだ? 俺が追いつかなかったら死んでたかもしれないんだぞ…」
するとアーシアは涙を止めて、
「イッセーさんが…イッセーさんが助けてくれると信じてましたから…!」
そっと笑みを浮かべた。
「⁉…ははっ、アーシアに一本取られたぜ…」
俺もアーシアと同じように笑った。
そんな中、
ドゴーンッ!
「よくもやってくれたわね、クソガキッ!」
土煙をあげながら、レイナーレが一足遅れてやってきた。
「堕天使、アーシアは返してもらったぜ!」
「まあいいわ、どうせ取り返してあげるから」
そう言ってレイナーレは翼を羽ばたかせて飛んでいる。
「戦う前に聞かせろ…何故アーシアを狙う?」
そこん所はまだ何も聞いてなかったからな…
「その子の力、聖母の微笑みを私が使うためよ」
テメェが使う…?………っ⁉
「まさかテメェ、アーシアから神器を抜き取る気じゃねえだろうなっ!」
「よく頭が回るわね… そうよ、その子の神器を奪って私は…至高の力を手にいれるのよっ!」
リアス先輩が予測してた事は間違っちゃいなかったな…
「それをやったら…アーシアは死ぬんだぞ…!」
俺は拳に力をいれながら言った。
「だから何? 私のために死ねるなんてこんなに良い事はないじゃない」
「イッセーさん…私、死んでしまうのですか…?」
アーシアは目から涙を流しながら、俺を見つめる。
俺はアーシアの目から流れる涙を親指で拭いながら、
「そんな事をさせねぇよ。アーシア、お前は俺が守るって言っただろ?」
「はい…!」
アーシアは俺をみて微笑む。
そんな雰囲気をぶち壊すように、
「そろそろいいかしら? 早くアーシアを使って儀式を始めな…」
「黙ってろ…」
俺の内から緑の光が溢れ出していく。
「へぇ…あなた、龍の手以外にもう一つ神器を持ってるのね。あの時奪えなかったから、今アーシアと一緒にもらってあげるわ」
レイナーレは光の槍を構える。
「アーシア…下がっててくれ…」
そう言って俺はアーシアを下がらせる。
そして、
「最初から飛ばしていくぞ…ドライグ」
(怒りに呑まれるなよ…)
「あぁ、わかってる」
そう言って溢れ出ていた緑の光を全身に纏う。
「ありゃりゃ、何が落ちてきたかと思ったら、前に俺をボコボコにしてくれた悪魔くんではあーりませんか!」
「テメェもこいつの仲間だったのか…」
後ろを振り向くと、そこにはあの時の外道神父がいた。
「この教会はね、私たちの本拠地なの。だから…」
レイナーレの後ろから数人の堕天使、そして前とは比べものにならない悪魔祓いが現れた。
「アーシアを渡した方が身のためよ?」
レイナーレは俺を脅してくるが、
「そんな脅しで屈するとでも?」
「バカねあなた、この数相手に一人で勝てるわけないじゃない」
「御託はいいからさっさと来い、雑魚共…!」
そう言いながら俺は戦闘態勢に入る。
「バカな子…」
「バカで結構だ。それでアーシアを守れるならな…!」
俺と堕天使軍団の戦いが始まろうとしていたその時、
ドコォォォン!
聖堂の扉が何かによって吹き飛ばされた。
土煙があがるとそこには…
「あらあら、やり過ぎですよ、部長」
いつもとは違う巫女装束を着た朱乃先輩、
「イッセー、助けにきたにゃ〜」
家でいつも着ている着物を着た黒歌。
「遅れてすいません、兄様」
手にフィンガーグローブを着けている白音、
「何とか間に合ったみたいだね」
腰に剣を差している祐斗。そして、
「よく言ったわ、イッセー。それでこそ、私の兵士よ」
手を前に突き出しているリアス先輩がいた。
「リアス・グレモリー⁉ 何故ここに…」
「あなたたちを消し飛ばしにきたのよ、堕天使さん?」
レイナーレたち堕天使が驚くのも無理はない。仲間である俺でさえ、こんなに早く着くとは思ってなかったからな。
「ふ、ふんっ! 少し人数が増えた所で何も変わらないわよ、身の程を知らない間抜けども!悪魔祓いども、いけっ!」
レイナーレの掛け声と共に数百人はいる悪魔祓い達が俺とリアス先輩達の方に向かってくる。
「ひゃっはー!」
後ろから外道神父が剣を叩き下ろしてくるが、俺は何もしない。何故なら、
キィン!
「君の相手は僕だよ」
祐斗がこちらに来ていたのが見えたからだ。
「邪魔すんじゃねえよぉぉ!」
「そうはいかないんだよね。イッセーくん、今のうちに…!」
それを最後に外道神父と祐斗の斬り合いが始まった。
「ありがとう、祐斗。アーシア、こっちへ…」
「は、はいっ!」
俺はアーシアを引っ張って白音の元へ向かう。
「兄様、大丈夫ですか?」
そう言いながら、白音は悪魔祓いたちをバッタバッタと吹き飛ばしていく。
「お前ってそんなに力…あったか?」
不思議に思っていると、
「ルークにプロモーションしてるんです。部長がここに指定しましたから」
ブォンッ!
「なるほど…」
バキッ!
白音に言われて、俺は襲ってくる悪魔祓い共をぶっ倒しながら理解する。
「なら、俺も…!」
そう言って俺も白音と同じルークにプロモーションしてから右腕にギガドリルを展開し、
「はぁぁぁぁ!」
すごいスピードで地面に突き刺した。
ドカァァァン!
「「「「ぎゃぁぁぁ!」」」」
地割れが発生し、悪魔祓いたちを巻き込んでいく。
「堕天使達は…?」
「あそこです!」
肝心の堕天使達は…
「リアス・グレモリー、あなたには私の相手をしてもらおうか?」
「いいわ、かかってきなさい」
「ドーナシークずるーい! 私が戦おうと思ってたのにー!」
「なら、余り物同士戦いませんこと?」
「さぁ、さっさとやろうにゃ…おばさん?」
「おばさんですって…?」
リアス先輩と朱乃先輩と黒歌の所に男の堕天使と二人の女の堕天使が臨戦態勢入っていた。
そして、
「アーシアを渡しなさいっ!」
レイナーレが俺に接近し、光の槍を振り下ろす。
「誰が渡すか…よっ!」
光の槍を難なく避け、横っ腹に蹴りをぶち込んだ。
「ぐっ!」
吹っ飛ばされながらも態勢を立て直そうとするが、俺はそれを許さない。
「堕ちろっ!」
足に螺旋力を纏わせ、隙だらけの体に踵落としを繰り出す。
レイナーレが叩きつけられた地面に罅が入った。
「がはっ!」
しかし、そこで威力は留まる所を知らず、地面を突き抜けてレイナーレは空洞に落ちていった。
「この教会、地下なんてあんのか?」
まあいいか…今はアーシアを守る事が先決だ。
そう思っていると、
「イッセーくん、待たせたね!」
いつの間にか外道神父を倒したのか、祐斗が白音と共にアーシアを守るように戦っていた。
「あの神父は?」
「あとちょっとだったんだけど、倒す直前の所で逃げられたよ…」
悪魔祓いを倒しながら祐斗は答える。
「あの野郎…次にあったらただじゃおかねぇ…!」
「ははは…」
俺を見ながら苦笑いする祐斗。
「それはもういいですから、兄様はあの堕天使をお願いします!アーシアさんは祐斗先輩と私で守りますから」
「頼むよ、イッセーくん!」
「分かった……アーシアを頼むっ!」
テメェは俺が叩き潰してやる、レイナーレッ!
そう言って俺はレイナーレが落ちていった穴の中へと飛び降りた。
「イッセーさん…」
「心配しないでも」
「大丈夫ですよ」
「えっ?…」
「兄様(イッセーくん)は強い(です)から!」
俺は地面に着地して周囲を見渡した。
「地下はこんな風になってたのか…」
目の前の祭壇のような場所が目に入る。
「これは…?」
「死ねっ!」
祭壇みていたその時、背後からレイナーレが襲ってくるが、
「甘いんだよ…!」
ドリルを創り出し、光の槍を受け止める。そして、それを弾き、
「ドリルインパクトッ!」
「がぁぁぁ!」
ドリルを腹にぶち当てた後、ドリルだけを発射し、レイナーレを吹き飛ばす。
吹き飛ばされたレイナーレは壁に当たるが、すぐに立ち上がる
「私は…至高の力を…! アザゼル様の寵愛をもらうのよ!」
「もう黙ってろよ…!」
左腕に赤龍帝の籠手を展開する。そして、そこに体全体を覆っていた螺旋力を全て集める。
「な、何なのよ…! その力はっ!」
「冥土の土産に教えてやるよ…この籠手はな、龍の手なんかじゃねえ。これは……神滅具の一つ、赤龍帝の籠手だ」
〈Boost! Boost!〉
左腕に倍加をかけ続ける。
「ブ、赤龍帝の籠手⁉ 何故あなたのような下級悪魔にそんな力がっ⁉」
「そんな事は地獄で考えな…!」
俺はレイナーレに一歩ずつ近づいていく。
「や、やめてっ! さっきまで言ってた事は謝るから許してっ!」
レイナーレは這いずりながら逃げようとするが、
「じゃあな、堕天使…」
ドコォォォン!
「がはぁっ!」
レイナーレの顔面を渾身の力をこめてぶん殴った。
レイナーレは壁まで叩きつけられた頃には意識を失って、地面に倒れた。
「テメェのような人の命を何とも思わねぇやつを、俺が許すわけねぇだろうが…」
俺はそう言って地下から聖堂に繋がる階段らしきもの見つけ、上って行った。