カメンライダー   作:ホシボシ

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※注意!
この作品には以下の要素があります。苦手な人はバックしてください。

1・この作品にはオリジナル設定。オリジナルキャラクターが出てきます。

2・アンチヘイト要素あり

3・公式ではないカップリング描写あり(例・永夢×ポッピー)

4・性描写や激しい暴力描写があります。当然ですが、実在の人物とは何の関係もありません。

5・仮面ライダー以外の作品の名称等が登場します。直接ストーリーには関係しません。

6・全てのシリーズに対してネタバレがあります。ネット配信や小説版からもネタを拾っているものがあります。


ライダーのアイテムや用語などの説明も割と省いているので、ある程度ライダーシリーズに対しての知識があると読みやすいかなと思います。
一応中編なのでそんなに長くは続かないと思いますが、そこら辺は未定です。
非常のクセの強い作品ですが、暇つぶしにでも見ていってください(´・ω・)





プロローグ 世界の欠片

 

視えた世界は、砂嵐に包まれていた。

ダイヤルを右に回す。

 

 

【Ch.1】

 

 

砂嵐が消え、明瞭になる景色。

とは言え――、すぐに鮮明さは失われていく。

ノイズが走り、音声が途切れ途切れになっていった。

 

 

『行方不明になった――くんの――が――絶望的に――』

 

 

色が消える。

白黒になったニュースキャスターの表情が歪んでいく。

 

 

『警察は捜索を打ち切り――、今も帰ってくるのを信じて―――』

 

 

もはや、世界は形を失っていく。音は音で無くなる。

 

 

『このような事件は――ではなく――、トライアングル――関与して――』

 

 

砂嵐になった。もうこの世界は見れない。

見れないものは知らないものと一緒だから、存在していない事にもなる。

だから、ダイヤルを回した。

 

 

【Ch.2】

 

 

熱砂の上を歩く者がいた。

 

 

『アッタドゥザフラヲアヒアカタツ、イホナ』

 

 

男なのか女なのか、もはや人間なのかすら分からない。

 

 

『アチシエチホウェロサゴチフルシア、イサキス』

 

 

ただひたすらに続く砂漠の上をシルエットはヨロヨロとふらついた足取りで前に進んでいく。

 

 

『アッタカネモチマギタトチフ』

 

 

太陽は空で燃え盛り、灼熱の光を放っている。

 

 

『アヅンオゾノウコギズ』

 

 

砂が共鳴するように熱を放ち、激しい陽炎があちこちに浮かび上がる。

 

 

『ウルシエチフ、アタマラカヅ』

 

 

そして蜃気楼。何も無い砂漠にいろいろな物が浮かび上がってきた。

 

 

『オツソーグ、アフーィル』

 

 

それは、夢の残骸。シルエットはそれを夢と分かっている。

 

 

『アディエソネアモ』

 

 

だからなんの期待もしないし、なんの感情も湧いてはこない。

 

 

『ウラヲアヒアカタツ、エディエソネアモ』

 

 

何か――、大切なものを持っていた気がする。

けれどもそれはこの熱の中、激しい苦しみの中で砂となり、指の間を零れていった。

 

 

『アッタカネラシア、ーヘアモ』

 

 

涙は枯れた。もはや感情も、心も乾いている。

オアシスは、所詮、蜃気楼。

 

 

【Ch.3】

 

 

一人の少年が椅子に括りつけられている。

背後にはペストマスクをつけた男が立っており、その手には鋭利なナイフが見えた。

マスクの男は容赦なく少年にナイフを突き入れた。

血が飛び散り、少年は痛みに泣き叫ぶ。

 

 

『助けて』『痛い』『苦しい』『命だけは』

 

 

懇願する少年に構わず、男はナイフを突き立てていく。

少年が絶命した後は、その尊厳を壊すかのように遺体を激しく損壊させていく。

腕が飛び、指が地に落ち、内臓が零れ、そのグロテスクなシーンが映像には映し出されていった。

 

残酷だ。残虐だ。『人』のやる事ではない。

善意ある人間がやる事ではない、善意ある人間が見るものではない。

耐え難い。耐え難い光景だ。もう見ていられない。気分が悪い。狼の鳴き声が聞こえた。ヤツは獣だ。人ではない。

だから、ダイヤルを回した。

 

 

【Ch.4】

 

 

大人のチャンネルだった。よいこは、みちゃ、ダメ。

 

 

「………」

 

 

ベッドで二人の男女が抱きしめあっている。

桃色の髪の毛をした女性は、胸の上で寝息を立てている男性を愛おしそうに見つめていた。

しかし視線に気づいたのか、男性はゆっくりと目を開けると、大きなため息をついた。

 

 

「どうしたの? 汗かいてるよ。暑い?」

 

「あ――ッ、いや、ゴメン。寝ちゃってた」

 

「ふふっ、いっぱい頑張ってくれたもんねっ」

 

「そんな――、もう、言い方が変だよ」

 

「ごめんごめん。でも、んー? どうしたの? なんだかちょっと疲れてるっぽい?」

 

「嫌な夢、見ちゃったから……」

 

「そっか。ふふ、よしよし。もう大丈夫だよぉ」

 

「こ、子ども扱いは止めてほしいんだけど……」

 

「うーん。じゃあもう一回する? 大人にしかできないこと」

 

「……ッ。あッ、でもボク、明日も仕事あるから」

 

「じゃあ止める?」

 

 

男は気恥ずかしそうに目を逸らすが、小さく首を横に振った。

それを見て、女は嬉しそうに笑った。両手を広げ、男を受け入れる。

愛を確かめる行為の果て、そこに『真』はあるのだろうか。

 

 

「ねえ? 愛してるよ。わたしは貴方を愛してる」

 

「うん、ボクもだよ」

 

 

そんな言葉、どうとでも言える。

ウソかもしれない。抱きしめあっても、唇を交わしても、それらは全て快楽を貪るための刹那的な行動。

線香花火のように一瞬で終わる全て。プログラムされた行動なのかもしれない。

あぁ、いけない。これ以上は見せられない。良い子は、チャンネルを変えて。

 

 

【Ch.5】

 

 

おれは天空寺(てんくうじ)タケル!

 

 

「じゃ、いってきまーす!」

 

「あッ、ちょっとタケル! 朝ごはんくらい食べていきなさいよ!!」

 

「もう、アカリはうるさいな。朝は面倒だから食べなくていいんだって」

 

「なによ! 朝ごはんを食べないと一日の脳運動が――!」

 

「大げさなんだよ。朝ごはんなんて食べなくても死なないって!」

 

「タケル殿にはタケル殿のペースがありますからな。それよりも今日はタケル殿のお誕生日! いやめでたい!!」

 

「サンキュー御成! プレゼント期待してるからね!」

 

 

18歳の誕生日に襲ってきた眼魔に殺され――

 

 

「ウワアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

生き返るために仮面ライダーゴーストとなって英雄の眼魂を集めている。

残された時間は、あと――

 

 

「ハアアアアアアア!!」

 

 

オレンジ色に発光する足が怪人の胴体を捉えた。

手足をバタつかせて後方に吹き飛んだ怪人は、木の幹を突き破るとそのまま地面を転がり、緑葉が舞い散るなかで爆発四散する。

 

 

「ふぅ……!」『オヤスミー』

 

「終わりましたな! お見事でしたぞタケル殿!」

 

「ああ、ありがとう御成」

 

 

変身を解除するゴースト。

天空寺タケルは、駆け寄ってきた仲間の御成(おなり)とアカリに笑みを返す。

 

 

「お見事な立ち回りでしたぞ! いやはや! ゴーストハンターとしての才能がグンッグン伸びておりますな!」

 

 

ツルツル頭を光らせて御成は口角の泡を飛ばしながら叫んでいる。

一方で隣にいる幼馴染のアカリは、呆れたような表情でタケルをジットリと見ていた。

 

 

「んもう、無茶しすぎ。体は大切にしなきゃ!」

 

「大丈夫だって、おれもう死んでるから」

 

「ッ! ちょっと!!」

 

 

血の気が引いたように青ざめ、アカリは真剣な表情で叫んだ。

 

 

「冗談でもッ、そんなこと言わないでよ!!」

 

 

タケルとしては冗談のつもりだったのだが、アカリは涙目になって走り出してしまった。

 

 

「なん――ッ! だよ……、もう! アカリは本当にうるさいなぁ!」

 

 

そう思うだろう? そんな視線を御成に向けてみる。

しかしタケルの期待とは違い、御成もまた複雑そうに眉を顰めた。

 

 

「な、なんだよ御成」

 

「いえッ、その……」

 

 

タケルの顔から笑みが消える。心に襲い掛かる不安。

タケルは大きく首を振ると、ヘラヘラと笑い始めて、アカリを追いかけた。

なに、こういうつまらない言い合いはいつもの事だった。それは『死ぬ』前だってそうだ。

自分は面倒でヒステリックな幼馴染に鎌ってあげている大人なのだ。タケルはそんな事を思いつつ、アカリを追いかける。

 

死んでいるからといって特別不便な事はなかった。

感覚は生きている時とほとんど同じだし、むしろ浮遊だとか壁抜けだとか、人間にはできない事まで当たり前にできるから便利なものである。

なんだったら女湯だって覗けるのだ。いや、まあさすがに童――、間違えた。『道徳』のあるタケルはそんな事をする勇気はないが。

 

そうそう、最近は不安定ではあるものの、触れた相手の記憶を見る力まで発動できる様になった。

お化けだから学校もないし、テストもないし、死んでるから特に疲れないし、映画はタダで見られるし。

だからそれほど悲観するものではなかった。

なかった――、筈だ。そうに違いない。

 

 

「ッ」

 

 

死んでから、味が分からなくなった。

それは『人間』に必要な欲求だったからだろう。同じように眠らなくてよくなった。いや正確には眠くならなかった。

そして、異性に対するドキドキが消えた。

 

食、眠、性。

 

人間の三大欲求。それが消えた。

それらは楽しむものでもあるが、その本質は生きるためである。だから死ねばその必要はない。

 

 

(だとすれば――、今の、おれは……!)

 

 

アイコンは15個集まった。あと何個集めればいいのかも分からない。

そして次のアイコンの場所は分からない。タイムリミットは迫る。

 

 

(まさか――、そんな)

 

 

するとタケルはアカリの背中を見つけた。

 

 

「お、おーい! アカリ!」

 

 

呼びかけてみる。しかし返事はない。

 

 

「なんだよ無視かよ! 酷いよアカリ!」

 

 

呼びかけてみる。返事はない。

 

 

「くそ! 性格が悪いぞ!」

 

 

こうなったらと、タケルは走るスピードを速め、トボトボ歩いているアカリの肩を強く掴んだ。

 

 

「え?」

 

 

しかし、掴めなかった。

まるで雲を掴むようにスルリと――、タケルの手がアカリの肩に沈んで、空を捉えた。

 

 

「なッ、なん――!」

 

 

それは、壁を抜けるときの感覚と同じだった。

ハッとするタケル。すぐにアカリの前に回りこみ、大きく手を振ってみせる。

 

 

「おいアカリ! 止まってくれ! 止まって――」

 

 

アカリはしょんぼりとした表情のまま、目線を下げて歩いていた。

そしてそのまま、前に居たタケルにぶつかると、構わず『歩き続ける』。

 

 

「――ッ」

 

 

アカリが、自分の身体をすり抜けた。

タケルは目を見開き、青ざめる、歯をカチカチと鳴らしていた。

まさか、いやそんな筈は、タケルは大声でアカリを呼び止める。

しかし無視。腕を掴む。すり抜ける。掴む、すり抜ける。掴む、抜ける。以下ループ。

 

だったらと、昔アカリと一緒に寝たときに彼女がおしっこを漏らした黒歴史を大声で叫ぶ。

しかしアカリは表情一つ変えなかった。演技ではない。

この女にそんな高度な事はできない。タケルは知っている。

 

 

(まさかッ、そんな!!)

 

 

タケルは踵を返すと、全速力で走り、御成のところに戻ってくる。

息切れ一つなく、タケルは必死にで御成に今あった事を叫んだ。

 

 

「心配ですな。仲直りしているとよいのですが……」

 

 

帰ってきた御成の言葉がコレである。

その瞬間、タケルは半狂乱状態で叫びまわった。

御成、御成! 御成!! 名を連呼する。しかし御成は全く表情を変えない。

タケルは理解した。アカリと御成が自分を認識できなくなっている事に。

それはつまり、タケルの幽霊化が進んでいる事を意味していた。

 

 

「クソ! なんでだ! おい! アカリ! 御成! どうなってるんだ!!」

 

 

見えなくなった。聞こえなくなった。

それはもしかして幽霊化が進んでいるからなのか。タイムリミットまではまだ少し時間がある筈だ。

いや逆を言えば、もう、少ししか時間はない。分かっていた。アイコンが見つからない。アイコンの情報すらない。

まさか、まさか、もしかして――。

間に合わない――?

 

 

「い、イヤだ!」

 

 

タケルは首を振り、後退していく。

 

 

「イヤだ!! 死にたくない! 死にたくないよッ、おれ!」

 

 

叫び、走る。

寺についたタケルはシブヤとナリタに必死に話しかける。しかし二人はタケルを無視してテレビゲームで遊んでいた。

 

 

「なんだよ! ウソだ! ねえ、誰か! 気づいて!!」

 

 

ポルターガイストの一つでも起こせればよかったのだが、何に触れてもタケルの手はすり抜けていくばかりである。

ダメだ、本当に目視されなくなっている。タケルは頭を抱え地面に膝をついた。

 

 

「ッ!」

 

 

そしてその瞬間、脳裏にフラッシュバックしていく光景。

 

 

「――ァ!」

 

 

色とりどりの戦士達が戦っていた。

 

 

「ァァ!!」

 

 

数々の爆発が巻き起こった。

 

 

「アァッァアァア!」

 

 

その中で、灰色のオーロラが見えた。

 

 

『タケル! 手を伸ばせ!!』

 

 

ピンクの野郎が叫んだが、すり抜ける腕。だっておれは死んでる。

 

 

『―――』

 

 

その果て、その向こう、何か、画面があって、そこに触れて――。

その先に、禁忌があった。

 

 

『お前のせいだ』

 

「ウアァァアアアアアアアアア!!」

 

 

叫び、途切れ途切れになる世界。記憶にノイズが掛かる。

天空寺タケルはその場で気を失い、彼の世界はブラックアウトした。

 

 




Tips
『仮面ライダーゴーストはシリーズ最大の駄作である』
『こんなクソしかつくれないようならば、ライダーシリーズは終わったほうがいい』
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