パ「ブロリー、一体どうしたと言うんだ・・・まさかスランプだとでも言うのか、もしそうだとしたら」
ブ「ネタが思いつかぬぅ!!」
パ「oh.no」
鉄心から学園入学を聞いた日から1週間後
「・・・これでいいのか?」
ブロリーは川神学園の制服を身に纏い、自分の姿を確認する
ただでさえ長身なブロリーは一番大きなLサイズの制服でも着ることが出来ず、1からサイズ調整のためにブロリーの身体検査などをして特注の制服を作るのにちょうど一週間かかってしまった
ちなみに身体検査といってもあくまで上着のサイズ調整のために上半身を測っただけでズボンの方はLサイズのものでギリギリなんとかなったために尻尾は見られてはいない
ブロリーの制服が完成するまでに魔理沙とフランは先に川神学園に入学しており、今日でブロリーは遅い学園生活のスタートとなるのだ
「はぁ・・・やっと学園生活か。俺は記憶を取り戻す事は出来るんだろうか」
「おーいブロリー。制服は着れたか?」
「百代か。着れたぞ」
「じゃまするぞ。おー、よく似合ってるじゃないか既存のじゃ着れなくて特注品が来るまで随分かかったしな」
「なぁ、これ絶対着てなきゃだめなのかぁ?」
「ん?まぁ学校の決まりだしな」
「なんだか落ち着かないです、いつもの格好でいたい」
「いや、さすがにあんな半裸姿はじじぃが許さないって」
「百代だってワン子みたいに制服着てないじゃん。なぁんで鉄心が怒らないの?」
「私はじじぃに特別な許可貰ってるからな」
「ずるいです・・・」
普段の姿で学園に通ってる百代をちょっと不機嫌顔でみるブロリー
「おーい百代ーブロリー。早くしないと置いてっちまうぜー」
「お、そうだった。ほらブロリー鞄持って急ぐぞ」
「・・・はい」
鉄心から渡された教材などが入った鞄を持ってブロリーと百代は部屋を後にする
玄関で待っていた魔理沙、フラン、一子と合流し五人は川神学園へと登校していった
川神学園
学園長室
「ほっほっほ、なかなか様になったのブロリー。特注品で頼んだだけの事はあるわい」
「鉄心、俺は教室とやらに行かなくていいのか?百代達からここに案内されて入ったが」
「うむ、それはそうじゃ。儂が頼んだからの。一応お主も魔理沙とフランと同じように転校生という扱いじゃからの」
「転校生ってなんだぁ?」
「本来は違う学園から訳あってまた違う学園へと移るのが転校なんじゃ。つまりお主は今はそういう理由で川神学園に入学する事になっておる」
「なぁるほど」
コンコン
「ンン?」
『学園長、小島梅子です』
「小島先生、入って構わんよ」
「失礼します」
扉から入ってきた小島梅子と名乗る女性
きっちりと着こなし、その礼儀正しさから教員だとすぐ分かる
「ブロリー、彼女は小島梅子先生。お主の学び場になる2年F組の担任じゃ」
「君が転校生のブロリーだな。話は学園長から聞いている、私が君が通うクラス2年F組の教師だ、厳しくいくから覚悟しろ?」
「はい・・・ブロリーです、よろしくお願いします」
「ふむ、礼儀はなっているようだな。では学園長、彼を教室へ連れて行きます」
「うむ、頼んだぞ梅子先生」
「ではブロリー、教室に案内する。ついてこい」
「はい」
梅子先生に従い、学園長室を後にしたブロリー
しばらく歩いたのちある一室のドア前で止まり梅子先生がブロリーを静止させる
「では、私が先に入りしばらくしたら呼ぶ。その時に教室に入れ」
「・・・はい」
先に教室に入った梅子先生、そのドアについてる窓から少し中を覗くと見知らぬ男女が何人もいる中で見知った顔を二人見つけた
『では転校生、入れ』
「はい・・・」
梅子先生の言葉通りに教室へと入って行くブロリー
「今日からこの2年F組のクラスメイトになる転校生だ。自己紹介しろ」
「ブロリーです・・・(えっと、確か)い、家の事情でこの学園に転校してきました。よ、よろしくですぅ」
鉄心や百代から教えて貰った転校時の自己紹介をして、一礼をするブロリー
「あぁ!お前は変態橋で不良とやりあってたマッチョマン!」
「へあっ?!」
赤バンダナを頭に巻いた青年が指さして嬉々とした表情で叫んだ
その瞬間、F組の生徒たちはざわめき出す
「こら!まだHR中だ!静かにしないか!!」パシンッ!
梅子先生は教鞭で教卓を叩いて生徒たちを静止させた
「色々質問したい事はあるだろうがそれは休み時間にしろ!ではブロリー、君の席はあそこの席、魔理沙の隣だ」
「は、はい・・・」
先程の騒動でちょっと動揺してしまったブロリーだが、なんとか指定された席につく
「・・・小さいなぁ」
「よ、ブロリー。朝から災難だな」コソコソ
「魔理沙」
「まぁ、ワン子からも聞いてたけど相当派手にやったんだってな。まぁ大丈夫、この川神市じゃたまにある事らしいぜ・・・それより尻尾は見られてないよな?」
「大丈夫、身体検査でも見られてないです」
「そっか、あまり尻尾は見られないようにしとけよ」
「はい・・・」
魔理沙とフランに尻尾を見せた時から魔理沙はかなり考えこんでいたが、学園に入らないかと提案されたあの日から魔理沙は俺に極力尻尾は誰にも見られないようにしろと言われた
(魔理沙は俺が何者か知ってるんだろうか・・・)
そんなブロリーの考えも無視するように授業は開始されていった
休み時間
「授業、疲れる」
机に突っ伏すブロリー
もう1つ気づいたのは自分はそれほど勉学が得意ではないとゆう事だ
「ブロリーくん、大丈夫?」
「ワン子か」
魔理沙と同じこのクラスで見知った顔がもう1人やってきた
「もしかしてブロリーくんも勉強苦手?」
「・・・たぶんな」
「そっか、私も修行は好きだけど勉強はちょっとね。まぁだからF組になっちゃったんだけどね、あはは」
「F組ってのは問題児や成績がほぼ下のクラスらしいから色々陰口言われたり、あとやっぱS組とは中が極端に悪いぞ。まぁ基本は無視してれば大丈夫だ」
「・・・誰だお前は?」
自然に会話に混ざってきた青年に対し、ブロリーは冷静に聞いた
「俺は直江大和、ワン子の友達で同じF組のクラスメイトだ。転校生のブロリーに挨拶に来たって奴だな」
「そうか。ブロリーです」
「あぁ、改めてよろしく・・・んで、ブロリーはやっぱキャップが言ってたように変態橋で姉さんが返り討ちにした不良グループとやりあってたんだよな?」
「おぅ!その話俺も混ぜろ大和!俺も話したいぜ!俺は風間翔一だよろしくな!」
「なぁんか、いっぱい来た」
「ある意味有名人だぜブロリー」
そのあとは色々質問攻めだった
最初は大和と翔一だけだったがその後から島津岳人、師岡卓也、クリスティアーネ等、F組のクラスメイトから質問ばかりが飛ぶ
ブロリーだけでは大変だと魔理沙とワン子も協力しながら一緒に質問攻めを捌いていた
「つまり、ブロリーは記憶喪失なのか?」
「はい・・・」
「それでも家の事情で川神学園に転校しなきゃいけなかったのか。お前も大変だったんだな〜」
(・・・とは言っても、記憶探してた時に不良とやりあえるほど自分は強かったってのは思い出せてたのか?それとも無意識か・・・なんか怪しいんだよなブロリーの奴)
「しかし、他人に迷惑ばかりかけるあの不良グループに対して逃げずに立ち向かうその正義の行動にはこのクリスも感動したぞ!」
「もう、クリスはまたそうやって正義に結びつける」
「く、こう見ると確かに服の上から分かるくらい、俺様より筋肉ありそうだ・・・」
「ついに岳人の個性も薄れかかってきたね」
「うるせぇモロ!」
「・・・しょうもな」
ざわざわ ざわざわ
「なんか騒がしくないか?」
「おい、どうやらS組の奴らが1年のフランちゃん連れて来たらしいぞ」
「あー・・・あのハゲか」
「ハゲってなんだ?」
騒がしい廊下の方を見るとまた見慣れた顔が見えてきた
「フランさまのお通りだー道を開けろー」
「フランちゃん。2年F組に着きましたよ」
「小杉ちゃんに準もありがとう。前も魔理沙に会いに来たけどなかなか覚えられなくて。てへっ」
「う。い、いえいえ、飛び級とはいえ転校したてなら仕方ないから(か、可愛い。これで素なんだから憎めない・・・)」
「ごはっ!!ふ、フランさまで良ければ俺がいつでもどこでも案内いたします!!!」
「うん、ありがとう♪あ!ブロリー!」ダッ!ドゴッ!
「ぬおっ!・・・痛いですぅ」
「えへへ、やっと来たんだね」
「よ、フラン。相変わらずなんかハゲに手厚くされてんな」
「そう言えば魔理沙と同じクラスなんだよね。いいなーずっとブロリーと一緒だー」
「まぁ、私は普通ならCかDなんだけど学園長に頼んでFにしたからな」
「え、そうなの?どうして魔理沙?」
そんな見慣れた光景にワン子も普通に混ざって会話に入るが周りはただでさえ知らないが故に唖然とするのがほとんどだった
「ふ、フランさま!そ、そそ、そいつは知り合いですか?」
「んー?うん、ブロリーだよ。一緒に住んでるんだもんね」
「・・・そうだな」
「ふ、フランさまと同居だと!?な、なんてうらやま・・・」
「残念でしたね準」
「ハゲざんね〜ん」
「やぁ大和くん」スッ
「あぁ冬馬、挨拶はいいが不意に触って来ようとすんな」
「つれないですねぇ」
「また増えた・・・」
ただでさえ騒がしいのに更に人が増えて来た
「どうも、ブロリーさんですよね。私は2年S組の葵冬馬と申します」
「おい、同志よ。若は女も男もどっちもいけるぞ」
「なぁにがいけるんだハゲ?」
「好きでハゲたんじゃねぇ!ってか、分からないのか?」
「おやおや、これはもしかしてワンチャンありってやつですかね」
「・・・いくら準の友達でも、ブロリーはあげない」ムスッ
「おや、まさかのフランちゃんに拒まれるとは。では手を出すのは控えましょう」
「やめようとしないのはさすが若」
結局意味を教えてはくれず、魔理沙たちの方を見るが何故か魔理沙と大和は顔を合わせようとしなかった
「僕は榊原小雪だよ。マシュマロ食べる〜?」
「マシュマロってなんだぁ?」
「え〜?マシュマロ知らないの〜?美味しいよ」
「美味いのか・・・ならいただきまぁす」
「は〜い♪」
小雪という少女から口が開いた紙袋を差し出され、袋からマシュマロを1つ摘むブロリー
見たことないし聞いたこともない故に、感触も食べ物にしてはやわ過ぎる事に恐る恐る口に入れた
「・・・美味いなぁ」
「本当?もう1つ食べる〜?」
「・・・はい」
「珍しいな。小雪が自分から餌付けしてるなんて」
「うん。なんだかブロリーって僕と"同じ感じ"がするんだ〜」
「?・・・小雪、俺を知ってるのかぁ?」
「ん〜?知らないよ〜あったのも初めてだよ〜」
「・・・どう思います若」
「分かりませんね。しかし、小雪にはなにか彼に思う事があるんでしょう」
その後、フランを抱えながらなんだかんだ小雪のマシュマロを全部食ってしまったブロリーだった