愛の庭で   作:ゴールデン猫缶

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自己紹介 入学前

 

さて、突然だけれどまずは自己紹介するべきだろう。

しかし、自己紹介の前にひとつ。皆は生まれ変わりを信じるだろうか?

死んだら魂が別の器に、とかいうやつだ。輪廻転生とも、転生輪廻とも言うらしい。東洋に関わらず、世界各地にその思想が見られるが、やはりと言うか、仏教やヒンドゥー教を思い浮かべる人が多いだろう。

 

話が逸れているかもしれないが、これが意外と大事な事なのだ。

信じられないかもしれないが、私は生まれ変わりを繰り返し、その記憶を、思い出程度に覚えている。国や人種も立場も、性別どころか時代も順番ではなく、どの私が最初の私なのかわからなくなってしまったが、そこは過去。今の私にとっては思い出程度の過去だ。しかし、人間の記憶しかない辺り、輪廻ではないのか、それとも動物の記憶だけ失ったのか。

 

さて、遅くなったが、今の私の生きる世界と、私自身の話をしようではないか。

 

私の名前は「鹿島 伊織」。かしま いおり と読む。

国は日本、国籍も人種も日本で、性別は女性。

今、世界にはインフィニット・ストラトス、通称ISと呼ばれる最強の兵器が出現し、世間では女尊男卑が当たり前となってしまった。なぜかと言えばこの兵器、女性にしか反応しない助平なのだ。女性しか扱えない最強兵器IS。女尊男卑の風潮。それの兵器を学ぶ女学園、IS学園の存在など、今まで生きてきた様々な人生の中でも、少し変わった時代ではある。

 

直前の人生が軍隊で、海軍に所属していた私は、空に興味を持ち、IS学園に入学するのも良いかと、今年度から新入生として在籍することになる。

 

そういえば、今年は一人だけ男が入学するらしい。織斑一夏といったかな?彼がこの学園に与える影響がどのようなものか、それともたいして影響なんて無いのか。

 

それはそれで気になる。気にはなる、が。

 

それよりも、やはり空だ。

風を肌で感じられるのか、景色は?速度は?

気になって、楽しみで、仕方がない。

乗り物ではなく、ほぼ生身で。

 

昂る感情を抑えるために、外に出て走り込みをする。

しかし、そんな努力を嘲笑うように、思考は空から離れない。

 

自分が今走っている速度、場所。

 

ーーーもっと速く、もっと高く。

 

何度生まれ変わろうと、何度生と死を体験しようと、何度愛し、愛されようとも…

私は今、20年も生きていない、一人の少女なのだ。ならば、未来を想像し、ワクワクするくらいの、年相応の反応だってする。

遠足を楽しみにする少年少女も、結婚披露宴を楽しみにする夫婦も両親も、子供が産まれ出るのを待つ父親だって、年齢なんて関係なく皆楽しみにしていることがあり、それを思い、想って頬が弛むのは仕方がないのだ。

と誰に言うでもなく、自分に言い訳をする。

 

 

もう少し、もう少しで空を飛べる。空を舞える。

少し汗をかいてしまったため、体がベタつく。

先ほど風呂に入ったばかりなので、シャワーですまそう。

入学まで一週間と少し、今日は好きな歌でも聴きながら寝るとしよう。

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