俺は昔から、英才教育を受けてきたありとあらゆる事を仕込まれてきた。料理、掃除、裁縫、運動、人との会話の仕方、楽器、他にも色々な事を小さい頃からやってきた。その中で楽器はすごくのめり込んで行った。父さんは
「和都には音楽の才能があるな!自分の長所を伸ばすことは素晴らしいことだ!」
と言われるほどだった。それからというもの俺はありとあらゆる楽器を手に取っては演奏をした。中学の頃、家の近くの公園でギターの練習をしていたら人が見に来るほどだった。その中に見に来た人の中で青い髪をした女の子がいた。名前は氷川紗夜さんと言ったかな?双子の姉の方で別々の中学に通っているとの事らしい。そんな中紗夜さんがギターの演奏を終えた俺に尋ねてきた。
「あなた、どうやってそんなに演奏できるようになったの?」
真面目な態度で聞いてくる紗夜さんに対して俺は、
「俺は昔から英才教育を叩き込まれてきて色々な事をしてきたんです。楽器もその一つですよ?」
あっけらかんとした態度でそう言い返すといきなり紗夜さんが頭を下げてきた。
「!?さ、紗夜さん何してるんですか!?頭を上げてください!!」
紗夜さんは頭を上げることなく言葉を発する。
「お願いがあります!私にギターを教えてくださいませんか!?」
頭を下げたまま、紗夜さんはそのまま話を続けた。
「私はギターを毎日練習しているんです。ですが一向に上達してないんじゃないかって思い始めて…妹との差はどんどん広がるばかりで…お願いします!私にギターを教えてください!」
この人の、氷川紗夜の熱意は本気だと言うことが分かった。だけどどうも気になる。
「何故俺に頼むんですか?俺以外にもギターを教えてくれる人なんて沢山いますよ?」
そう聞き返すと紗夜さんは頭をあげて俺の方を見てくる。そして、
「あなたでないと駄目なんです!」
と言った。お、俺でないと駄目?な、何か恥ずかしいな…
「じ、実は私、ギターを始めて間もない頃、あなたが演奏していた所を何回か見て、それに魅入ってしまって、それであなたに教えてもらえれば成長できる気がするんです!そうすれば日菜にだって…」
紗夜さんは顔を赤らめながら言ってきた。日菜?もしかして双子の妹の方かな?まぁそれは後で聞くとしてだ……
「……紗夜さんがそこまで言うなら、俺みたいなのが役に立つなら力になるよ。これから宜しく」
俺が紗夜さんの方に手を差し伸べる。紗夜さんは、
「こちらこそよろしくお願いします」
と言って手を取った。
「あの、あなたの名前、教えてくれますか?」
「俺の名前は、華宮和都。気軽に和都って呼んでくれればいいですよ?」
そう言い終わると、
「分かりました。これからよろしくお願いします、和都君」
「こちらこそよろしく。紗夜さん」
これが、俺と紗夜さんの出会いだった……
そしてその出会いから数年……紗夜さんから連絡が来た。なんだろうと思いながら眠たい目を擦り通話に応じる。
「紗夜さんどうしたんですか?急に電話してくるなんて」
俺が不思議そうに聞くと、紗夜さんがバンドを結成したとの事だ。それで、ギターの練習に付き合ってくれたおかげです!ありがとうございます!ってさ。
「俺1人のおかげじゃないですよ。紗夜さんだって頑張ってたじゃないですか?バンド頑張ってくださいね?」
そう言うと紗夜さんはありがとうございます!是非応援していてください!と言って電話をきった。応援するに決まってるじゃないですか…そんなことを思っていると部屋の外から爺の声がした。
『坊っちゃま、朝ごはんの準備が整いました』
「爺、いつもありがとう。着替えたらすぐに行くよ」
俺は爺に返事をして着替えに行った。俺の家は株式会社HANANOMIYAという大手企業で父さんがそこの社長を務めていると同時に家の家主でもあり、現在俺はその実家の華宮邸で生活している。因みに母さんは宝石店を隣町で営んでいて家を空けることがほとんどなんだよ…父さんも家主のくせに家を空けるのが多くなってるし…まぁ、いいや。寝巻きから制服に着替え終わって広間に行き朝食をさっさと食べ、洗面所に行き諸々の事を行い部屋に戻り準備を整える。
「じゃあ、行ってくる」
「坊っちゃま、行ってらっしゃいませ」
爺や、執事やメイドに見送られながら家の門を開けて学校に向かって歩いていく。
「紗夜さんがバンドか…どんなバンドか今度聞いてみるかな」
そんなことを呟き俺は学校へ向かった。
初めましての人は初めまして。そうでない人はこんにちは。2作目投稿となります椿姫です。
「夕焼けに誓う幼馴染達」の方も書いてます。まだの人は見てもらえると嬉しいです。
※花宮和都のキャラ紹介は「夕焼けに誓う幼馴染達」で紹介してます。
※投稿は不定期更新の可能性
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