努力家と天才の茨道〜歌姫を添えて   作:椿姫

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久しぶりの更新です。話が中々纏まりませんでした。
待った方すいません


episode16「謝罪、そしてこれからどうするか」

 

 

翌日、俺の予想通り友希那からの招集があった。14時にファミレスまで来て欲しいとの事だ。俺が行くとそこには友希那以外を除く全員が座っていた。

 

「みんなやっぱり友希那から招集があったんだよな?」

 

俺がそう言うとみんな頷く。そして俺は紗夜の隣に座る。

 

「ちょっ、和都?」

「どうした?隣に座るのはダメだったか?」

「そ、それは構いませんが……その……ち、近いと、意識、しちゃう……」

「ん?どうした?顔赤いぞ?」

 

俺は紗夜のおでこに手を当てる。良かった、熱は無いな。その時、ガチャっと店の扉を開ける音がした。入ってきたのは友希那だ。その瞬間、一気に険悪なムードが流れる。

 

「ごめんなさい。待たせてしまったわね?」

 

友希那がそう言うとみんなはそんなことは無いぞと言わんばかりの顔をする。

 

「それで湊さん、私達を呼び出した理由とは何ですか?」

「今からそれを全部話すわ…」

「その前に俺からいいか?」

『?』

 

みんなが疑問符を浮かべている中俺は立ち上がり友希那に頭を下げる。

 

「わ、和都っ!?」

「……この間はすまなかった。お前の理由も聞かずに勝手に責めちまって」

「貴方が謝る必要は無いわ…あれは私が私情を隠していた事が悪いのよ…私が全部悪いんだから…」

 

俺は友希那の頭に手をやってポンポンと軽く叩く。

 

「私情隠してたお前もお前だけど…今はそんな卑屈になってる場合じゃないだろ?取り敢えずは話を聞かせてくれよ、何でRoseliaを作ったのか…お前の父親についても、な?」

「……ええ、そうね」

 

俺と友希那は再び座る。そして語り出した。

 

「……私のお父さんはかつて有名なバンドだったわ…もうすぐメジャーデビュー、もといFWFへの出場出来るってところで引退するってことになったわ…引退してから父さんは音楽の話をしなくなった。それと同時にお父さんのバンドをバッシングする人が増えてきたわ…お父さんのことを何も知らないくせに…今までどんなに苦労してきたのかも分からないくせに……その時から私は心に決めたわ……自分は何を失っても、犠牲にしてきてもいい、私の音楽で認めさせる…いや、認めさせてやるって!お父さんの事をバカにした人達やなにも知らない人たちのことをっ!!」

 

友希那がこんなに声を荒らげたのは初めて見るかもしれない。

 

「リサは友希那がこういう考えを持って今までバンド活動してたことは知ってたんだな?」

 

俺がリサにそう聞くとリサは無言で頷く。なるほどなるほど……そんな中紗夜が口を開く。

 

「…湊さんの言い分は分かりました。けど私達のことを『踏み台』扱いした事には変わりはないってことですか?」

「ちょっ、紗夜!」

「リサ、紗夜、その事についても話すから…FWFの人達からの勧誘は…昨日断ったわ」

 

友希那がそう言うとみんなちょっと驚いたように見えたがホッとしているようにも見えた。まぁそれは俺もなんだが…

 

「紗夜の言う通り最初はFWFに出れるならメンバーは誰でも良かった、そう思っていたわ。でも次第にそれは変わっていった。紗夜と出会って…あこと燐子に会って…リサが加入して……和都が居てくれて…」

 

そこで友希那は言葉を区切る。

 

「……すごく楽しかった。SPACEで1人で歌っている時よりも遥かに良かった……でも、『私情は挟まない』って自分で言っておきながら1番私がなってなかったわね…みんな、本当にごめんなさい」

 

そう言って友希那は深々頭を下げた。あの友希那が頭を下げる。やはりみんなその光景に驚いていた。そして紗夜が再び口を開く。友希那に対して意見するかと思いきやそれは違かった。

 

「湊さん…顔を上げてください」

 

友希那は頭をあげる。

 

「……私も私情を挟んでいたのは事実です。『日菜よりも上手くなりたい』『日菜に認めさせる』の一心でしたからね…」

 

紗夜がそう言うとあこと燐子さんも口を開いた。

 

「あ、あこも!おねーちゃん見たくカッコよくなりたいって思ってたし!な、何より友希那さんと演奏が出来たらって!!」

「私もですっ……!!自分を変えたいっておもってましたっ!」

 

それを聞いて友希那は呆気に取られているような感じだった。自分だけが私情を挟んでをいたと思っていたのだろうな。

 

「アタシは……言わなくても分かる、かな?ははは…」

「リサは友希那の側で支えてやりたい…だろ?」

「わ、ワト!!分かってるなら言わないでよぉー」

 

リサがちょっと赤らめて口論してくる。そして友希那は口を開く。

 

「みんながそういう考えだってのは分かったわ…だからこそ私は責任を取らないといけないと思うの」

 

次に発した言葉は俺達の想像を絶した。

 

「私は………Roseliaを辞めるべきだと思うわ」

『っ!?』

 

俺はすかさず止めに入った。

 

「待て友希那!!お前は責任を感じすぎだ!!か、考え直せ!?今やめてどうなるんだよっ!?」

 

俺の言葉を皮切りに他のメンバーも声を上げる。

 

「み、湊さんっ!!」

「友希那さん!そんなこと言わないでください!」

「湊さん……」

「友希那っ!」

「でもっ!」

 

再び友希那は声を上げる。

 

「私は………このメンバーと一緒にトップを目指したい!わがまま言ってるのは分かってる!!でもっ!それでも私は!みんなと一緒に!バンドの頂点にたちたいっ!!!」

 

友希那の言葉にあこと燐子さんは涙ぐんでいた。リサと紗夜もそれは一緒だ。

 

「……ここまで友希那が言うなら…俺は信じるぜ友希那のことを。皆はどう?」

 

俺がそう聞くとみんな同じ意見だった。

 

「友希那、お前のトップへの道…改めて俺も手伝わせて貰うぜ、よろしくな?」

「こっちこそ改めてよろしくね、和都」

 

俺と友希那は硬い握手を交わす。

 

「やったぁ!これでRoselia再始動ですねっ!!」

『解散して(ないわ)(です)(ねーよ)』

 

この時の俺と友希那と紗夜のセリフが被っておもわずみんなで笑ってしまった。その後はみんなでご飯を食べてこれからどうするかを話し合った。

 

「みんな…これを見て」

 

食べ終わって満腹感に浸ってると友希那が1枚のCDを出してきた。それには「LOUDER」と書かれていた。

 

「湊さん、これは?」

 

紗夜が訝しげに聞く。それに友希那が答える。

 

「それはお父さんがメジャーデビューと同時に発表するはずだったCDよ……」

「友希那!それはっ…」

「大丈夫よリサ。お父さんには許可を貰っているわよ」

 

そう言って友希那はCDプレイヤーとイヤホンを取り出す。そしてCDを入れて再生を押す。俺とあこがイヤホンを付けてと言われて言われるがままにつける。すると力強い音が一気に伝わってきた。その後は燐子さんと紗夜も聴いた。

 

「これをカバーしようと思うのだけれど…出来るかしら?」

「湊さん、私達はRoseliaですよ?完璧な演奏をする為、そしてバンドの頂点に立つため……ですよ?」

「あこもやるっ!!この曲聞いた時にバーーン!!ってなったもん!!今からでも練習したい!!」

「私も……この曲を…弾いてみたいです!」

「アタシも♪」

「みんな…ありがと」

 

友希那がうっすらと笑っていた。

 

「あー!友希那さんが笑った!」

「あ、あこ…私だって笑う時はあるわよ!」

「それはそうと湊さん、練習はいつからですか?」

「紗夜…その話は抜かりないわ」

「この顔だと友希那、スタジオ取ってるんだな?」

 

俺がそう聞くと友希那は頷く。

 

「当然よ?みんな、行くわよ?」

 

そう言って皆は店を出た。さて、俺も行くか。その時、店員が俺の肩をつかむ。

 

「お客様」

「どうしました?」

「お金、払ってませんよ?」

「え?友希那達は自分の食べた分は払ったんじゃ……」

「皆さん「連れの男の人が全額払います」と仰ってましたので」

「……………え?」

 

そう言われて渡された請求書。ご丁寧に華宮和都様と書かれていた。額は…

 

「……………うわぉ、結構あるんだな…」

 

この後全員分の食事代35,000円を払いました。店を出てから俺はすうっと大きく息を吸う。

 

「……………最後の最後でふざけんなよぉぉぉぉ!?」

 

店を出てから放った俺の声は今日いちばん響き渡りました。ちなみに1番食べていたのは紗夜ですごくフライドポテトを6個ほどLサイズで注文してました。

 





明日からまたイベント。今度はRoseliaとパスパレの合同イベでしょうかね?
新規の紗夜が今からでも待ち遠しいです。
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