努力家と天才の茨道〜歌姫を添えて   作:椿姫

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和都「紗夜、あけおめ。新年もよろしくな」
紗夜「こ、こちらこそよろしくお願いします和都」
和都「俺から紗夜にプレゼントあるんだ…受け取ってくれるか?」
紗夜「え?それって……」

紗夜「……っていい所で夢が覚めたんですよ…」
リサ「あはは、紗夜ってば☆」



episode19 「新年はあなたと迎えたい」

 

 

 

和都side

 

 

『私と…………初詣行きませんかっ!?』

 

 

そう言われて俺は二つ返事で「OK」と言った。そして数日経ち今日は大晦日。紗夜との約束の日だ。俺は鏡の前に立ち髪を整える。そしてコートを羽織って部屋を出る。

 

「坊っちゃま、氷川様とお出かけですか?」

「分かってるなら聞くなよ…」

「行ってらっしゃいませ」

 

爺と、執事メイド達に出迎えされながら、俺は家を出る。夜風が冷たい。早く行って紗夜の事を待っていないとな。初詣に誘われた時に待ち合わせ場所を決めておいた。場所はこの近くの神社だ。

 

(紗夜の浴衣……いや、晴れ着って言った方がいいのか?)

 

俺は紗夜の晴れ着姿を想像してしまう。下ろした髪を纏めていたり簪使ったり……いつも以上に綺麗な紗夜が………って、これじゃまるでカップルみたいじゃねぇか!?何考えたんだよ俺!カップルは雄天と上原みて腹いっぱいだってーの!!

 

 

雄天side

 

 

「へっくしょい!?」

「どうしたのゆうま?」

「ん…誰か噂してるような……」

「気の所為だよ♪早く行こ?みんな待ってるよ♪」

「そうだね…行こっか」

「うんっ♪」

 

 

和都side

 

 

だいたい俺が紗夜と付き合うなんて……そんな……あれ?何でこんなに紗夜の事考えてるんだ?

 

「んあぁっ!!わかんねぇ!!」

 

訳が分からなくなりそうだ。早く行かねえと……。

 

 

紗夜side

 

 

ふぅ……少し早く来すぎたのかも知れませんね…私はバッグの中に入れてある携帯を手に取り時間を確認する。

 

「流石に張り切り過ぎましたね…」

 

和都との待ち合わせ時間まであと40分もある。和都と初詣だなんて初めてですし…は、晴れ着もこの日のために新しいものに新調して来たんですよね。

 

「和都……褒めてくれるんでしょうか…?」

 

和都が私の晴れ着をみて褒めてくれるのを思わず想像してしまう……

 

「おねーちゃん、和都君の事想像してるのー?ほんと和都君のこと好きなんだねー?」

 

………まさか日菜まで付いてくるなんて計算外ですけどねぇ!

 

「日菜、なんで貴女まで来てるのよ?私は付いてこないでって言ったはずなのだけど…?」

「おねーちゃんずるいー!和都君ばっかりに構ってるー!あたしにも構ってくれなきゃやだやだー!」

「こんなところで駄々こねないで…和都が来たらどうするのよ…」

「紗夜、俺がどうかしたのか?」

「え?」

 

振り返ると、某錬金術師の軍用コートに似た黒いコートを身にまとい髪をセットアップしている和都が立っていた。

 

「わ、和都っ!?」

「和都君だ!やっほー」

「紗夜驚きすぎだろ…ってか日菜さんもいたんですね?」

「うんっ!おねーちゃんが『和都と初詣行くから』って言ってそのまま言っちゃったから付いてきたのー!そしたらるるるんっ♪ってきたんだ!」

「やっぱり最後はよく分かりませんが…要するに俺と紗夜と行きたいって事ですか?」

「うんっ!だってそっちの方がるんっ♪てするもん!」

 

和都と日菜が話をしている。このままだと私と日菜と和都の3人で回ることになってしまう。……折角のところ悪いけど日菜…あなたは一緒に回れないわ!何故なら……

 

「あら日菜ちゃん」

 

日菜が話しかけられ振り向くとそこには白鷺さんや丸山さん、pastel paletteメンバーがいた。そしてそのまま引っ張られるように日菜が遠ざかっていく。

 

「おおおおねーちゃあぁん!助けて〜!」

 

……日菜…ごめんなさい……ごめんなさい!そして白鷺さん丸山さんみんな…ありがとうございますっ!

 

「ええと…紗夜?」

「あ、失礼しました。日菜はpastel paletteのメンバーと初詣に行くことになりましたので」

「え?お、おう…」

 

なんだか日菜さんが強引に連れていかれてるような気がしたが、そこはスルーしておこう……うん。後で千聖さんに聞いてみるか。

 

「あ、あの…和都」

「ん?」

「ど、どうでしょうかこの晴れ着……似合ってますか?」

 

 

和都side

 

 

「ど、どうでしょうかこの晴れ着……似合ってますか?」

 

紗夜に言われて俺は晴れ着をじっくり見る。ナチュラルグリーンと藍色が紗夜らしさを醸し出しているし普段下ろしている髪もこの日の為にセットしてきたんだろうということが手に取るようにわかる。ま、まぁ俺もちょっと髪弄ってきたけどな。

 

「すごく似合ってる」

 

俺がそう言うと紗夜は耳まで赤くして「ありがとうございます」と言いながら目をそらす。それを見てるとなんだか俺まで恥ずかしくなる。

 

「ほら…早くいこーぜ」

「ええ、そ、そうね…」

 

俺と紗夜は互いに直視出来ない状態で並んで歩き始めた。補足事項として言っておくんだがここの神社は年末年始人が多くなる。理由としては名所としても名高く更にパワースポットまであるときたもんだ。賽銭は勿論のこと、おみくじ、厄払い、破魔矢、御守り、清めの水と言ったものがある。周りには屋台もあって紗夜が好きなフライドポテトも売ってて、因みにこの神社にはリサも友希那Roseliaメンバーは疎か、雄天達も来ているらしい。

 

 

紗夜side

 

 

「じゃあまずは賽銭でもしていくか?」

「そうです、ね」

 

私は和都と賽銭の所まで行く。当然ながらすっと行ける訳でもないのは分かってました。人が多いです。もし白金さんが見たら卒倒レベルなのでは…って端の方に居ましたね宇田川さんと。ぜえぜえ息切らせてるのがここからでも見えます。思わずふふっと笑ってしまう。

 

「どうした紗夜」

「いいえ、宇田川さんと白金さんがあちらにいたので」

「ん?あっ、ホントだ……燐子さん息切らしてるし……」

 

中々行列が進まない。後ろの人たちに押されて思わず転びそうになってしまう。その時、和都が私の手を引っ張って体制を整えてくれた。

 

「紗夜、大丈夫か?」

「だ、大丈夫です……そ、その…」

 

和都がずっと私の手に触れているままだった。和都は気付いたのか慌てて離す。

 

「わ、悪い…」

「いえこっちこそ……離さなくても良かったのに…」

「なんか言ったか?」

「な、何でもないですっ!」

「お、おう」

 

そうこうしている内に私たちの番が回ってきた。私と和都は財布から5円玉をとって賽銭に投げ入れる。チャリンと音を立てて入っていったのを確認して私は鐘を鳴らして拝む。

 

(Roseliaでいつか……バンドの頂点に……日菜と肩を並べて歩けるぐらいに追いつく……そして和都に…私の気持ちを伝えたい……『貴方が好き』だと言うことを……)

 

なんだかこんなに頼んでしまうと欲深い人ですね私……いや、本当に欲深いかも知れませんね私は…

 

それから私と和都は出店や厄除けなど色々回りました。フライドポテトが美味しくて頬一杯に頬張ろうとしたら和都がすっっごく笑いながら見ててかなり恥ずかしかったです………いつの間にかpastel paletteの方や日菜までもが出てきてもう恥ずかしいのレベル通り越してますよ…年の最後でなんてことを……

 

「さて…そろそろ時間だな…」

 

和都がスマホを見る。私は和都のスマホを覗き込む。22時33分を指している。

 

「新年まであと1時間半か……なぁ紗夜」

「どうしました?」

「紗夜と会ってから…色々なことがあったよな…」

 

和都は私との出会いを語り始めた。中学時代に会い、ギターを教えてもらい教えたり、Roseliaに入ってバンドをしたり、出掛けたりと色々な話を聞いてる内に笑いそうになったりもしました。

 

「初詣って言うか、なんかフライングしちゃった感があるよな…」

「和都、そういう時はまた来れば…ですよ?」

「今度はRoselia全員でか?」

「ですね」

 

笑い合いながら話し、スマホを見ると23時を回っていた。その時に和都が立ち上がる。

 

「そろそろ…帰るかな?紗夜もまた来年な」

 

和都がそう言って帰ろうとする。が、私はコートの袖を引っ張る。

 

「待ってください!」

「さ、紗夜……?」

 

和都がどうしたんだと言わんばりの目をしている。

 

「あ、あの……し、新年を、」

「新年がどうかしたのか?」

 

私は思い切って和都に言う。

 

「一緒に、2人で新年を迎えたいんです…」

 

和都はしばらく間を置いて「分かった」と言ってくれた。

 

その後私は2人きりになりたいが為に和都の家に行きたいと言って和都の家に行って、部屋に上がった。

 

コートをハンガーにかけて、ベッドに和都が腰掛ける。私はそのまま隣に座る。ぴたっとくっつくと和都がちょっとだけピクって反応する。

 

「和都、私の我儘通してくれてありがとうございます…」

「いや、べつにいいよ……」

 

和都はあくび混じりに応える。

 

「眠いんですか?ちゃんと布団かぶってくだs」

「紗夜…ごめん」

 

和都はそう言って私の太腿の当たりに頭を落とす。そしてそのまま寝息を立ててしまった。

 

(和都の頭が近いっ!………なんですかこの拷問は!頭を撫でたい衝動ですよこれ/////)

 

私は抗えずにそっと頭を撫でる。サラサラの緑色の髪は触り心地が極上と言ってもいいくらい。質の良い繊維を触っているかのようだった。ふとスマホを見ると時刻は23時59分を回っていた。

 

「和都…もうすぐ新年ですよ、起きてください」

 

私は寝ている和都に声を掛けるもぐっすりと寝て起きそうにない。そしてそのまま、新年を迎えてしまった。0時0分。今日からは2018年、新しい年になってしまった。

 

「和都ったら…寝たまま年を越すなんて……」

 

私は和都をベッドに横たわらせてその横に寝転がる。

 

「私の想い…いつか貴方に…『好きです』って伝えたいです。本当は今すぐに伝えて返事が欲しいですよ…でも今伝えるわけにはいきません……だから」

 

私は和都の頬にそっと手を添えて顔を近づける。そしてそのまま、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝ている和都へ口付けをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん………これはその前払いですからね?」

 

私は和都に蹲るようにして静かに眠りに入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(大好きです……和都)





皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。ぶっちゃけひまり小説の方を先に…と思ったんですが、こちらの方から完成したので新年1発目はRoseliaにしようってことになりました。

今年から社会人になって更新ペースも遅くなりますし、駄文で皆さんから不快におもわれるかもしれませんがそれでも僕の書く小説を見て言ってもらえると嬉しいです。感想評価意見はいつでもお待ちしています。

ではみなさん、今年1年良いお年になること心から願います。
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