和都「ん?戌年だろ?」
紗夜「その通りです!今年は戌年!犬といえば私!つまり…そう!私が無双する年、私の時代なんです!!」
和都・日菜『紗夜(おねーちゃん)が壊れた!?』
紗夜side
それは、いつものようにSPACEでバンドの練習を終えて帰る途中でした…
「さて、ギターピックも補充したし後は帰って練習ね…」
江戸川楽器店でピックを買った私はそう呟き家に帰ろうとした。すると、
キャンキャン、キャンキャン
「?」
何か動物の鳴き声がした。しかも鳴き声からしてこれは犬ね……
「どこからかしら……」
次第に鳴き声が大きくなっていく。聞こえてきたのは楽器店から少し離れた路地裏だった。
「ちょっと狭いわね…大丈夫かしら」
私はギターケースに傷が入らないように慎重に入る。奥の方まで行くと段ボールと『面倒を見てもらえませんか?』と書かれた貼紙が貼ってあった。そしてその中には……
「クゥゥン……キャン、キャン…」
小さな子犬が力なさそうにしていた。毛並みは雨に打たれたりしてなったのかへなへなしててハァハァと息をしているし所々が泥だらけ。今日は晴れているが、ここ最近かなり雨が降っていたので雨ざらしにされて衰弱するのも無理はないだろう。
「………」
私は何を思ったのかその犬を抱きかかえて家に向かった。服に泥が付くとか汚れるとかは今はどうでもいい。この犬をこのまま放っておくわけにもいかなかった。家について玄関を開けると母さんがびっくりした様子で私を見た。
「さ、紗夜?どうしたのその犬?」
「捨てられていたの」
「家で飼うの?」
「まだ決まってはないわ」
「ま、まぁとにかくお風呂入ってきなさい…あなたもその犬も泥だらけなんだから」
私は頷いて犬を抱えたまま一緒に脱衣所まで向かった。
(犬をお風呂に入れる時ってどうやってましたっけ?えっと……テレビでやってた事を頼りにしてみましょう)
シャワーで泥を落としてブラシで優しく、傷がつかないようにゆっくりと撫でる。
「こんな感じでいいのかしら…?」
「キャンキャン!!キャンキャン!!」
「ふふ…気持ちいいんですか?」
「キャン!!」
どうやら喜んでくれたみたいですね。やった事無いのでどうしようかと思ってましたが案外出来るものなんですね。
お風呂から上がったあとは着替えて取り敢えず部屋に連れてった……のはいいんですけど…
(まだ飼うとは決めた訳では無いですし…やはり母さん達に相談しましょう)
そう思い部屋を出ようとすると丁度よく母さんが入ってくる。
「紗夜、その犬の事なんだけど迷惑にならないようにするって言うなら別に構わないわよ?父さんには私から言っておくわ」
母さんはそう一言だけ言って部屋を出ていった。それを見ていた犬が私の足元に擦り寄って来る。
「キュウウン…?」
「大丈夫です、私があなたを飼うことになりましたから安心してください」
そう言いながら犬を抱き、膝元に置く。居心地がいいのかそこでスヤスヤと眠ってしまう。元気になってくれて良かったです…さて、
「犬の飼い方……ちょっと調べてみましょう」
私はスマホを取り出して調べ始めた。ドッグフードと犬用の皿とそれから……
〜数日後〜
「今日の練習はここまでにするわ。自主練を怠らないようにね」
Roseliaでの練習を終えて私はギターをしまってスタジオから出ようとすると、声を掛けられる。
「紗夜〜」
「今井さん?どうしたの?」
「いや、最近練習終わるとすぐ帰るから何かあったのかなって」
そこに和都も話に入ってくる。
「確かに最近すぐに帰るよな紗夜。ひょっとしていいことでもあったのか?」
「あの、実は……いいえ、やっぱりなんでもありません。早く帰ってギター練習してるだけです。失礼します」
私はそう言ってその場をあとにした。そして足早に家に戻って自分の部屋に行く。
「戻りましたよ!」
その声でベッドで寝ていたスノウは飛び起きて私に駆け寄り足元をすりすりしてくる。……あ!スノウって言うのはこの子犬の名前です!白くてふわふわして可愛かったので……へ、変って言わないでくださいねっ!!ぜっ絶対ですよっ!?絶対ですからね!?
「今日もちゃんとお留守番してましたか?」
「キャン!!」
「ふふっ…じゃあご飯あげますね?」
そう言って買ってきたドッグフードを皿に出すと元気よくそれを食べる。因みにスノウの躾をする時に、『ギターには絶対触れない』『私が部屋にいない時はベッドで丸くなって寝てもらう』と言った細かい事を教えるのが大変でしたよ…更には父さんが犬小屋用の角材を持って『Mi●ec●aftしたことあるからちょっと作ってみる』って言って何故か弓矢作った時は焦りました、結局作らないでこうして部屋にいますし。トイレの時もそれ用の物を作ってあるので大丈夫です。
「キャン!!キャンキャン!!」
「どうしたんですか?散歩に行きたいんですか?」
そう言うと「そうだ!」と言わんばかりに飛び跳ねるので首輪を持ってきて首元にしっかり繋いで服を着替える。
「じゃあ、行きましょうか」
「ワォンッ!」
ギターの練習の他にも私の日課となったスノウの散歩。最初はスノウがすごい勢いで走るからなかなか大変でした。でも今はお互いにスピードを調節することができるようになった。
「もうっ、早いですよ!」
「キャン!!」
今日も散歩をこなしてからギターの練習ですけど時々ギター音に反応してスノウがはしゃいだりするんですよ、あれが可愛いんですよね。
「あ、紗夜ちゃん!」
「丸山さん」
散歩の途中、公園で丸山さんに会う。
「今日お仕事はオフですか?」
「うん!……うわぁ、可愛い子犬!紗夜ちゃんが飼ってるの?」
「えぇ…この前捨てられていたのを拾ったんですよ」
「そうなんだぁ〜撫でてもいい?」
「え、えぇ…リードに気をつけてくださいね?」
丸山さんはそう言うとスノウを優しく撫でる。スノウは気持ちよかったのか、きゅうぅと声を上げる。
「ふわふわしてる〜かわいい♡名前とかもあるの?」
「あ、はい……"スノウ"って言うんです…」
うぅ…他人に名付けた名前教えるのがこんなに恥ずかしいなんて…こんな感覚初めてです…
「確かに雪みたく白くてふわふわしてるからピッタリだね!」
「あ、ありがとうございます…じゃあそろそろ行きますね…」
「うん、今度またスノウちゃん触らせてねー!ばいば〜い!」
その後も近所の方とお話をしながら散歩を続けて私は家へ戻る。そしてスノウのリードを外してお風呂場に向かい、足についた泥や雪をおとしてドライヤーで乾かして部屋に入る。
「さ、ギターの練習をしますか」
そう言ってギターを取り出してベッドに座り練習を始める。こんな感じで私の日課と氷川家に新しい家族、"スノウ"が加わりました。
リサside
ヒナに話があるから来て欲しいって言われてアタシはカフェテリアにいる。
「ヒナ、どーしたのそんなにむくれちゃってさ?」
「おねーちゃんが構ってくれない…拾ってきた犬ばっかりにしか構ってくれない〜、あたしにもかまって欲〜し〜い〜」
「あはは……なるほどね、こういうことだったんだ。紗夜が早く帰る理由」
アタシは納得してケーキを一口食べた。………今度その犬見せてもらおうと思ったのは口には出さないでおこっと♪
短めでしたが読んでいただいてありがとうございます。そして華宮和都イメージを貼っておきます。簡潔なプロフィールも掲載します。それとインフルエンザ完治致しました。
【挿絵表示】
華宮和都(はなみや わと) イメージCV.鈴木達央
誕生日3月14日
部活動 演劇部
羽丘学園に通う1年生、緑色の髪が特徴的。華宮家の一人息子でお金持ち。幼少期から英才教育を叩き込まれているおかげでありとあらゆる事が出来る、俗にいう完璧人間。虫だけは大嫌い。ツッコミ気質なところがある。