遂に今回で最終回となります!
この小説を最後まで読んでいただきありがとうございます!!
3月20日。今日は特別な日でもある。俺が紗夜に告白すると約束した日であり紗夜の誕生日だ。俺は部屋の鏡の前で自分の服装を確認する。整髪料などを使って前髪を整え寝癖やアホ毛大爆発して無いか念入りにみる、服装はキメたりしないでいつも見たく私服でいい。
「よし…準備万端だな」
後は最低限必要なものだけを持ちそのまま部屋を出る。
「じゃあ爺や、出掛けてくるよ」
「行ってらっしゃいませ坊っちゃま…ご武運を祈ってますよ」
俺は爺やと役人の奴らに見送られ家を出る。
(やってやるっ!!……今日のこの日の為に俺は考えに考えた告白やサプライズ等もバッチリなんだよ!!失敗なんて…するわけねぇよ!!)
心の中で決意をしっかり固めて俺は紗夜との待ち合わせ場所へと向かった。
紗夜side
「これで…変じゃないわよね?」
私は自分の部屋で服装を確認する。髪は後ろで束ねて1本にして今日は和都と出掛ける日だがいつもとは違う、勝負の日でもあるのだから。今日のこの日の為に私は告白するためのプランや恋に関する事を人に聞いたり調べてみたりしているので完璧です。
「携帯とサイフ……それから、御守りは持ってますね…後は…」
持ち物を確認してるとスノウが足に擦り寄ってくる。
「どうしたんですか?」
くぅんと泣きながらリードを口にくわえて尻尾をちぎれんばかりに振っている。朝に散歩したけどまだしたりないという様子だった。
「散歩をしてあげたいですけど…待っててくれる?これから出かけるので。帰ってきたら…沢山散歩に付き合ってあげるわ、だから……ね?」
スノウは分かってくれたのか元気にワン!と声を上げてベットの上で丸まり、すぅすぅと寝息を立てた。安心した私はショルダーバッグを肩に下げて部屋を出て玄関に向かう。
「あ!!おねーちゃん!どこか出掛けるのー!?」
………まだ元気な犬、もといどちらかと言うと猫であろう妹、日菜が私を呼び止める。
「ええ、ちょっとね」
「いーないーな、あたしも行きたーい!!」
「だめよ」
すぐに言葉を一蹴すると当然日菜は反論する。
「えぇー!?あたしも行きたーい!!おねーちゃん最近つぐちゃんとか和都くんばっかりぃ〜、あたしにも構ってくれなきゃやだやだ〜」
「絶対にダメよ。いい?ついてきちゃダメよ?絶対ついてきちゃダメだからね?」
「えー!それって『ついてきてもいいよ』ってフリでしょー?」
「ダメ」
目力を少し強めにして日菜に言い残し私は家を出て和都と待ち合わせしている場所へ向かった。
和都side
待ち合わせている駅内で俺は紗夜を待つ。まぁ紗夜は今まで待ち合わせに遅れるなんてことは殆どと言っていいほどないから問題ない。
「さて…そろそろだよな…」
「和都」
腕時計を見て時間を確認しようとすると声を掛けられる。そこには春色のロングニットカーディガン、スカーフ付きの青いデニムパンツ、ヒールパンプスを纏っている氷川紗夜がいた。いつもは少しばかり緑や水色、はたまた暗めの色か多いが今日はいつもとは違う紗夜を見ている気がしてならない。俺は紗夜の変貌ぶりに思わず見惚れてしまう。
「ど、どうしたの和都?そんなに私の事じっと見て…は、恥ずかしいですから…」
「えっ!!あ、いや、その…すっげー似合ってるからつい見惚れちゃってさ…は、ははは…」
紗夜は褒められて嬉しかったのか俺から目を逸らして顔を赤くする。
「え!?ええっと…ありがとう…ございます」
そんなに照れると俺の方が恥ずかしくなるだろうが…若干俺と紗夜がピンク色の雰囲気を醸し出してるとアナウンスが鳴った。
『なんか今、駅内でピンク色の雰囲気醸し出してるお客さんがいるかもしれませんが間も無く電車が発車しますのでとっとと乗りやがれです』
随分口調が荒いなぁ…誰だ?そんな雰囲気醸し出してる奴らは…どう考えても俺らだな、うん。
「紗夜、行こうぜ?このままだと乗り遅れるぞ?」
「ふぇっ!?え、えぇ、そうね」
切符を急いで買って目的地までの電車に乗り込む。俺たちの他にも急いでいたのか慌てて駆け込んで来る人たちも見受けられる。俺達は空いている席に隣同士になって座り込む。
「………」
「………」
やべ…何話したらいいかわかんねぇ。いつも以上に緊張してるなぁ俺…と、取り敢えずなんか話題を…
『あ、あのっ!』
考えてることが同じだったのか声がハモってしまい互いに恥ずかしくなってしまう。
「わ、和都からでいいですよ…」
「え?あ、じゃあ……髪型、いつもと違うから新鮮だな、すっげー似合ってる」
紗夜は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。ありゃ?まずい事言っちゃったか?そんなことを思いながら俺は窓から景色を眺めることにした。
紗夜side
ま、まさか髪型を褒められるとは…おろしていくべきか悩んだんですけどこっちにしてきて正解だったのね…そして純粋に嬉しい!!嬉しすぎて和都の顔が見れない……
(この日のことを考えて羽沢さん達や他の皆さんに協力やらアドバイスをもらって良かったです…なんとしても成功させて良い報告をしたいですね)
…まさかとは思うけど日菜がついてきてるわけないわよね?キョロキョロと電車内を見渡すがそれらしき人物はいなくて良かったわ…それ以前に今日のこと日菜に話してないから来るわけないわよね。
『次は八津崎〜、八津崎に到着いたします、お降りの際には大変込み合うのでご注意くださいませ』
「和都、そろそろ着きますy…」
目的地のアナウンスが流れたので私は和都に声をかけようとするが、
「……ん……」
和都はすぅすぅと寝息を立てて寝てしまっている。
「ちょっと、和都!起きてください!八津崎に着きますよ!?」
肩を揺さぶるが一向に起きる気配がなかった。私は強行手段とした頬をつねって起こそうとする。
「……いででで!?って紗夜?どうした?」
「はぁ…やっと起きましたか…」
「ん?ありゃ?もう八津崎に着いてるじゃねぇか!?」
私と和都は慌てながら電車を降りて行き目的地の八津崎へ到着した。簡単に説明させてもらうとここ八津崎は有名な場所らしく男女2人で観光する比率がとても高い、ショッピングモールにはここでしか手に入らない洋服や小物もあり、和都のお母さんが経営している宝石店もあるとか。
和都にリードされながら街を歩いていく。煌びやかなネオンがここに来た人達を祝福してると言わんばりに光りだす。
「綺麗ですね…」
「そうだな…お前の方がキレイだけど(ボソッ)」
「ん?何か言いましたか?」
「い、いやっ!?別に何も言ってねーぞ!?」
なんで慌ててるのかは理由はさておき、どこに行くんでしょう…
「あの…和都、今からどこに行くんですか?」
「?そろそろ腹減る頃だろうし昼食でもどうかなって…もしかして腹減ってなかったりする?」
「いいえ、私も丁度昼食は食べたいと思ってましたので構いませんよ」
「よかったぁ…じゃあ、ここの店にするか」
そう言う和都が来たのはハンバーガーショップ。マ●ドナルドとはまた違ったオシャレな店でジャンクフードの店と思わなかったのか一瞬目を疑いましたよ。店に入ると突然クラッカーがなった。
「え?」
「おめでとうございます!!おふた方は男女二人組入店600組目となりました!!当店自慢のカリッとジューシー!フライドポテトが無料となります!!おめでとうございます!!」
フライドポテトが無料!?私は思わず和都に飛びつきそうになったが何とかこらえる。
「わ、わ、わわわ和都!?き、聞きましたか!?ふ、フライドポテトが無料ですよ!?」
「1回深呼吸しろ、はい吸ってー、吐いてー。落ち着いたか?」
「はい、落ち着きました。では早速食べましょう」
店内に案内されて席に座って注文して待つこと数分、出来たての無料分のフライドポテトとハンバーガーが出てきた。私は思わず写真を撮ってしまう。
「こ、こんなに沢山のフライドポテトが……」
「紗夜がそんなに目を光らせるなんて初めてなんじゃね?日菜さんみたいだな、さすが姉妹」
「ちょ、今は日菜の話はいいですから食べましょう!」
和都side
紗夜はフライドポテトをガツガツと食べ進めていく。まぁ俺も食べるけども。うん、上手い。やっぱり下見してきて正解だったぜ。
実は今日の日に備えて俺は八津崎の事を片っ端から調べまくってあらゆるところ全てリサーチ済みだ。最初はこの店に来てその後は服を買いに行く、そしてシメはレストランのディナーで誕生日プレゼントを渡す&紗夜への告白!!この完璧な計画には支障も失敗も許されない!……とまぁ今は紗夜との食事を楽しむか。詰め込みすぎて頭がパンクしないようにしねぇとな。しっかし…美味そうに食べるよなぁ。見てるだけで腹いっぱいになりそうだぜ。
「和都も食べてくださいよ」
「食ってるから大丈夫だって」
紗夜は殆どフライドポテトを1人で食べてしまっている。あれほど練習とかじゃジャンクフードは興味ないって言っておきながら食べてるのはもうポンコツと言っていいのかどうなのやら…まぁ言わねぇけど。あとは紗夜がフライドポテト食べ終わるの待つだけか…このあとのスケジュールでも確認するか。そう思った俺はメモ帳アプリを開こうとすると紗夜に話しかけられる。
「和都」
「どうした?紗y…んぐっ!?」
気づいた時にはフライドポテトの何本かが口に入れられていた。
「ちゃんと食べてくださいってば…」
「もっごもーっご…(食ってるーっての…)」
なんかイジけてるような気もするが食べ終わったのを確認して俺達は店を出た。
紗夜side
(和都ったら…せっかくのお昼なんですから少しくらい構ってくれてもよかったのに…)
思わずイジけてしまいましたが気を取り直さなくては。私は頬をぺちぺちと叩いて自分を鼓舞する。
この後私と和都は洋服店に行って互いにコーディネートして服を買い、ゲームセンターにいって太鼓の形をしたゲームをしたりもした、もちろん私は全然やったこともないので出来ませんしそれ以前にやったことないので…なんで和都は目を閉じて出来るか知りたいくらいです。気づけばもう夕方になってしまい人通りの多い道路ではイルミネーションが輝き始めていた。
「そろそろ夕飯の時間ですね…」
私はそう呟くと和都は「いい店を知ってる」と言って私を案内する。着いたのはテレビでも取り上げられる程の有名な高級店だった。
「ここってかなり高い店だと聞いたんですが?」
「大丈夫、俺常連だし」
「そういう問題じゃぁ…」
私は財布の中身を、野口英世の枚数を慌てて確認する。
「おいおい、そんな慌てなくていいんだがな…だって俺が払うし」
「でも高i」
「だからぁ!俺が払うから気にすんなって、な?折角2人で予約だってしてるんだから!」
「え!?」
和都に腕を掴まれ店の中に入っていくと、高級店あってか店の中は外以上にゴージャスな空間だった。私達が座った席からはそこの景色が一望できる窓際の席。
「綺麗ですね…こんないい所があったんですね」
私がメニューを取り出して頼もうとすると頼んでないはずの料理が出されてきた。困惑した私は給仕の人に確認をする。
「あの、私達まだ何も頼んでませんが…?」
「今回、華宮様のご意向により今回の食事代は全額華宮様が既にお支払いを済ませてますので氷川様はご安心なさって食事してくださいませ」
給仕の人が言い終わるとスタスタとその場を去っていく。
「わ、和都…あなた本当にすごいわね…」
「これぐらいどうってことねぇよ」
お通しから始まり前菜や肉料理と言ったフルコースを堪能させてもらった。どれも食べたことのないような料理ばかりだったがすごく、この上なく美味しかった。
最後に互いにデザートを食べ終えて和都への告白の計画と準備をしようとすると和都が私を引き留める。
「ど、どうしたんです?」
「待って紗夜…実は、お前に見せたいものがあってな、窓を見ててくれ」
和都に言われて私は窓の外を見る。夜の街に色あざやさなイルミネーションが灯っているだけだが…和都は一体何をするつもりなのかしら?
和都が指をパチンを鳴らすと目の前のイルミネーションが全て消えた。
「えっ!?い、一体何をっ!?」
「見てろって…そいやっ!」
もう一度鳴らすと光で文字が浮かび上がってくる。そこには『Happy Birthday SAYO』と映し出されていた。突然のサプライズに私は目を疑った。
「和都、これってまさか…」
和都の方に顔を向けるとプレゼントが入っているであろう箱を持っている。
「誕生日おめでとう、紗夜」
そう言って私にプレゼントを渡した。
「開けてみても…いいですか?」
「いいぞ?と、言うか今開けてもらわないと困るからな…」
「?」
どういう意味か分からないが早速その場で開けてみるとそこにはアクアマリンのネックレス、ブローチが入っていた。
「3月の誕生石ってアクアマリンだって聞いたから、母さんの店でオーダーメイドで仕立ててもらったんだ。それとさ、アクアマリンの意味って知ってるか?」
和都は淡々と語り始める。
「アクアマリンの宝石の意味は沈着、勇敢、聡明。そして…」
数分間の説明を終えると和都は真剣な目で私を見る。
「紗夜、中学の時に初めて会ってから色んなことがあったよな。友希那とリサ、あこに燐子さんと会ってRoseliaに加入してバンド活動をしたり、出掛けたり、夏フェスに出たり、トラブルがあったり、初詣に行ったり…この前なんかNFOのせいで俺ん家にバンドメンバー全員が目の下に隈つくんじゃないかってくらいゲームもしたもんな…」
和都はそこで言葉を区切る、そしてさっきの真剣な目とは違う、覚悟を決めた表情で私を見る。と、いうかそんなふうに見られると恥ずかしいですよ…他のお客さんがご飯食べるのやめてみてますから!?
「そうやって行く内にオレはいつしか……紗夜に惹かれていったんだよなぁ…。だから言わせてくれ!俺は………
紗夜のことが好きだ!!良かったら………付き合って欲しい!!…です」
和都は顔を赤くして私に告白をした。一瞬何が起こったか本当にわからなくなりそうだったが言葉を聞いて、確かめて、私は…その言葉の意味を知った時には自分自身が紅潮していることに気づく。
(え!?今なんて!?和都が…わ、わ、わわ、私のことが好きだ!!って言ったんでしゅかっ!?へ?これは夢ですか!?いや夢じゃないです!?た、確かに私も和都のことが好きですから……こここ、これって両想いだったってことですかぁぁ!?ふぁぁ!!)
サプライズ過ぎて頭がパンクしそうになり思わず私は頭を抱える。お、落ち着かないと……
「ふぅ…はぁ…」
深呼吸してなんとか落ち着いた私は頬を僅かに緩める。そして、
「……全く、和都、貴方はずるい人ですね。私も貴方のことが好きですよ」
「じ、じゃあ……」
「はい…私、氷川紗夜は華宮和都と付き合うことを宣言します。よろしくお願いします」
言い終わると同時に店内は拍手喝采に包まれた。
〜電車内〜
「まさか両想いだったとは思わなかったぞ…」
「ふふ、そうですね。と言うか私も今日、和都へ告白をしようと思ったのに先に言われちゃいましたよ」
「そこまで考えてることが同じだと笑いを通り越して驚きしかねえな…」
「ですね」
八津崎から帰ってきた私は和都に家まで送って行くと言われて今は和都のお爺様の車で送迎されています。
「ぼっちゃまも紗夜様もおめでたいですねぇ…これからが大変ですよ?」
「爺や、そんなの百も承知だってーの」
「これは失礼、おっとっと。紗夜様、氷川家にご到着なされましたぞ」
窓の外を見ると家の前についていたので私はドアを開けて車を出る。
「明日、友希那達に報告しないとな?」
「そうですね……あ、そうです和都」
「?どうした?」
「今日は素敵な一日でした、貴方のことを好きでいて良かったです…本当にありがとうございます。これはそのお礼です」
私は和都へお礼をして、「また明日」と言い、家に戻った。
和都side
俺は家に帰ってからは部屋に行ってそのまま放心状態となってしまった。無理もない。だって紗夜にお礼って言われて恋人繋ぎしてキスされたら驚くってーの。
(まさかキスされるとはな…不意打ちにも程ってもんがあるだろーが…紗夜の唇、柔らかかったなぁ…って!?何考えてんだよ俺はぁぁぁぁぁ!?)
俺は寝るまでずっと頭を抱えたままベッドを転がり続けるのだった。
俺が紗夜と付き合うことになったという事を友希那達や他のやつらに言うとたちまち広まり、嫉妬に狂った花咲川の男子や演劇部のメンバーに追いかけ回されたり、雄天や上原達にからかわれかけたがそれでも嬉しかった。Roseliaの練習もとい手伝いに行った時もメンバーはいつも以上に楽器が上達していた。
異性を好きになり付き合うというのは初めてのことで俺も紗夜もわけわかめだがそれでも俺と紗夜なら、それを支えてくれる友希那やリサ達Roseliaとならどんな道だあれと突き進んでいける。
たとえそれが……棘だらけの茨道であれと
努力家と天才の茨道〜歌姫を添えて Fin
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今日で本編完結となります!0話から読んでくれてる人、そうでもない人、読んでくれてるだけでも本当に嬉しいです。
そして本日3月20日は氷川姉妹の誕生日となります、お二人共おめでとうございます!!これからも姉妹仲良くいてほしいと思ってます。
完結しましたが、他にもひまり小説、ハロハピ小説などはまだ続きますし新作も投稿予定あるので更新ペースは亀のごとく遅いかも知れませんがそれでも待っていてもらえれば幸いです。若しかしたら要望次第ではストーリーアンケートもあるかも?知れません。
合計33話にわたるストーリー、見ていただいて本当にありがとうございました!他の僕の作品もよろしくお願いします!!