「アポリア…アンチノミー…パラドックス…直ぐに私も逝きます…これで…やっと…」
今はもう居ない仲間たちの名を呟くのは、イリアステル滅四星{無限界帝・Z-ONE}。
未来に絶望し、その原因であるモーメントを消滅させようとあらゆる手段を講じてきたがその全てが{不動 遊星}を始めとするチーム・5D`sに阻止された。
だが、死に逝く彼のその眼は絶望に染まりきった眼ではなく寧ろ希望に満ちていた。
遊星に…チーム・5D`sに未来への希望を垣間見た彼はマイナス回転をするアーククレイドルのモーメントに自身のモーメントをぶつけて自らを犠牲にし、その永い永い生涯に幕を閉じた。
だが彼らの魂は消えず、なんとも数奇な運命を辿ることになった…
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所変わってここは某県海鳴市。ここに、特徴的な赤い長髪を揺らしながら通学するやや中性的な一人の少年がいた。
「ハァハァ…拙いよ。あと10分しかないよ。」
そう焦りながら走る少年の名は{佐久間 希望(のぞむ)}海鳴付属小4年生だ。
そんな希望の行く先に待ち受ける人影が一つ。
「ふん…何をそんなに急いでいるのだ?希望。」
そう問いかける少年の容姿は黄色と藍色が綺麗に別れた長髪が眼を引く。少年の名は{渡辺 時人(ときと)}希望と同じ学校に通う4年生。
「何って時人、通学だよ?急がないの?」
「残念だが、私にはコイツがある!」
効果音を付けるなら”バァーン!!”が似合いそうな勢いで時人が見せたのは異様にデカイ特長的なバイクだった。
「……ってダメでしょ!?小学生がバイクに乗ったら!」
「そんなことは百も承知なのだよ!佐久間 希望!」
「分かってるなら持ってこないでよ!ああもう!遅刻しちゃうじゃん!」
ボケとツッコミの応酬。この二人のこのやり取りは何時もの光景である。
「バイクがダメなら…フンッ!」
時人が気張ると行き成り加速した。その速さたるや、人類最速の記録を越すとか。
「なん……だと…!?」
「HAHAHAHA!!佐久間 希望よ、覚悟するがよい。これからが本当の勝負!私の真の力を思い知らせてやる!ウオオオオオオオオオ!」
「くそ~…散々弄り倒しておいてただでやられるかあああ!」
希望も負けじと加速する。
「ふん!余程脚力に自信があるようだな…ならばその自信から捥ぎ取ってやる!」
瞬間、二人の掛け声が偶然にも一致する。
「「ランニングデュエル・アクセラレーション!」」
意味不明な掛け声と共にそのまま学校へと加速し続ける二人。そんな微笑ましいかけっこはあっという間に過ぎていった。
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再び所変わってここは海鳴大学付属小学校。ここの玄関に穏やかそうな少年が二人程壁に背を預けていた。
一方の容姿は、青い髪に温和そうな顔をしている。名前は{青野 ジョニー}傍らに居るもう一人の少年の友人である。
もう一人は藍色の眼に特徴のある蟹のような髪形をしたどこか近寄りがたい雰囲気を放っっている少年である。名前は{高木 未来}と言う。
ジョニーが未来に声をかける。
「そういえば未来。この間のテスト、どうだった?」
「これと言って…どうということはありませんでした。」
「そっか。ところで、あの二人は?」
「大方、また遅刻寸前にまでなってもふざけているのでしょう。私たちが心配するだけ無駄です。」
「相変わらずドライだね未来は。」
「そういうものでしょうか?おっと、噂をすればなんとやらですよ。」
そう言って未来が指差した先には全速力で疾走してくる時人と希望がいた。
「あはは…相変わらずだねあの二人は。」
ジョニーも苦笑する。
「はははは!トラップ発動!「その辺の石ころ」!相手を躓かせる!」
「なんの!カウンター!」
時人が石ころを投げ、それを防ぐ希望。
「ふっへっへっへっへ!これで私の勝ちだ!消え去れ!」
「ふおおおおおおおお!?」
……どうやらもう一つ隠し持っていた石は防げずそれが爪先に直撃した希望が顔面からすっ転んだらしい。痛々しいものである。
「ぐぅぅ…汚いぞ時人!土壇場でそんなもの使うなんて!」
「ふははっはは!勝負の世界は非情なのだよ希望君!また一つ賢くなったな!」
「朝からなにを馬鹿なことやっているのですか…まあ今更ですけど。」
「む?ああ、未来にジョニーかどうしたのだ?」
「授業が始まるまで暇だからね。ここで君たちを待っていたんだよ。」
「ん?授業?ちょっと今何時?」
「8時ですが?」
「へ?僕の部屋の時計は8時だったけど?」
「おかしいね。壊れたのかい?」
「いや、新品だけど?」
どうやら希望の早とちりらしかった。すると、今まで黙ってた時人が不敵に笑い出す。
「ふふふふ…あっはははは。」
「ど、どうしたんだい時人!?」
「どうしたって?こうも上手くいったことが嬉しくて仕方がないのだよ!希望、真実を教えてやろうか?君の時計の針の位地をこっそり変えたのは私だ!お前は私の大いなる実験に自ら実験体となってくれたのだよ!」
ものっそい下らないことだった。
「まったくあなたという人は…まあいいでしょう。」
未来も半ば呆れていたが何時もの事なのでこの際無視することにした。
「それよりさ、そろそろいい頃だし教室に行こうよ。」
ジョニーの催促に従い、4人は教室に向かっていった。
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時は過ぎて現在放課後。
未来たちは市内の図書館に来ていた。
「やはりこの季節は合法的な場所で涼むのが一番だな。」
「言い方が悪いけど、まあそうなんだよね。」
そとは炎天下の灼熱地獄。家では狭すぎるのか最近はよくここに来ている。
「むぅ…」
「どうしたの?未来。」
「いえ…この小説、いい加減新刊が出ないものなのかと思いましてね。」
「ああ……」
若干同意するジョニー。
その時であった。
「「「「っ!?うっ…うぁ…」」」」
少年4人が突然うめき声をあげる。
突然の出来事に周りが騒然とするが直ぐに収まり4人も回復する。
痛みが引いた後、4人がそれぞれの顔を見て何かを呟いた。
「「「アポリア?」」」
希望以外の3人が希望を見てそう呟き、
「「「アンチノミー?」」」
今度はジョニー以外の3人が彼の顔を見てそう呟き、
「「「パラドックス?」」」
次に時人以外の3人がそう言い、
「「「Z-ONE?」」」
最後に未来を見てその名を口にした。
イリアステルの第2の人生は、まだ始まったばかり………
メカ生体の方と平行してやっていきたいと思います。すいません……