夏休み中の魔法を導く奇跡   作:名無しの権左衛門

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4:魔法と物理は相容れないが、共存はできる

4:魔法と物理は相容れないが、共存はできる

 

 

「新たな魔法陣を作ってみたんだ。やってみないか?」

「やってみる、やってみるよ!」

 

 夏休み中、校舎内の図書室で友人と共に魔法陣開発に勤しむ。 

 

 僕は友人から渡された魔法陣の手記を借りて、鉛筆でノートに描く。

そしてトンと突いて終わる。

 

魔法陣は黄色に輝く。

 

 そこから紫電が飛び散って、空中に露散する。

また次の魔法陣を描く。

しかし、構造が精密に緻密になっていくほど、難しく、効果が高くなる。

 

 

「よし、今度はここだね?」

「そうだ」

 

 この魔法陣が完成すると、周囲に光を発する。

その光があたった図書館内の全ての物質は、真新しくなった。

そう、全てが一新されたんだ。

 

これには僕も友人も、苦笑いするしかない。

でも、これは使える。だから、これを手記に書いて保存しておく。

 

 基本的に手記通り書いて、そのあと改変したところを描いて発動したらその効果を書いておく。

これで思い通りにできる。

次にこれを印刷してできるか、先生に頼んでコピーしてもらってそれを発動してみた。

先生にタッチしてもらうが、魔法陣の発動は発生しない。

 

 でも僕か友人が触ると、魔法陣が描かれた用紙は引きちぎれ効果が発動する。

 

 発動した魔法効果は、光が当たった全ての物体を一新する。

でも一新した瞬間、世界が若干暗くなった。

更に言うと、先生が付近からいなくなった。

 

「まずいな」

「うん。とにかく、隠れとこう」

 

 

 

 隠れてみたけど、これは本当に意味がなかった。

何故ならその存在が、壁を破壊して中に入ってきたからだ。

 

「クリエイターを発見しました。これから、殺します」

 

「てめぇ……」

「高町なのは……!」

 

 主人公格第二戦目。開始だ。

 

「逃げろ!ここは僕が稼ぐ!前と同じくやって!」

「了解!」

 

「逃がさないよ?」

 

<Bullet Shot>

 

 あれがレイジングハートだ。

赤い玉が金の輪の中にあり、桃色の柄がある。更に二本の排気口がある。

更にインテリジェンスデバイスの一部で、出自が不明である。

たぶんレリックか何かを改造した違法デバイスを、マルチロール化したかバージョンダウンしたやつかもしれない。

 

 それでも十分危惧しなければならない、その状況把握能力。

 

「シュート!」

 

 僕は友人を守るため、腕時計からあふれる力でその魔力を弾く。

魔力弾は周囲へ弾き飛ばされ、全てを破壊する。

図書室は僕を残して焼失する。

 

「あちゃぁ残しちゃった」

「痛かったよ?」

 

 瞳が死んでいる彼女。だとしたら、後頭部をうてば記憶が戻るかな?

とにかく再度チャージに入ったから、僕は今から陽動に入るしかなくなったよ。

走り出して、左ストレートでぶん殴った。

でもプロテクションで守られた。

 

 まあ僕は死なないからいいんだよ。

問題は友人だ。隼は速いけど、友人は生身だ。死にかねない。

 

「じゃあ、さっさと死んでね」

「拒否するよ」

 

 僕はこんな状態でも笑っていられる。死なないし死ねないから、笑っていられるんだ。

別に脚が震えているわけでもないし、目の前の相手が怖いからでもない。

それでも戦うのは、楽しくない。

 

「ディバインバスター!」

 

 僕は足元にあるその魔法陣を、一瞬で手記に書く。

砲撃は回避した。

というより、ごり押しだけど。

 

「高町なのはさん、僕たちは一般人。

 ただの一般人に手を出すという事はどういうことか、御存じですね?」

「知らない。でも、悪い奴だって言ってたよ?

 だから、今ここでプチッと殺してあげる」

 

 にこやかに言う。

うん、吹っ切れたよ。元の世界に戻れよ、傀儡。

 

 僕は暗記した魔法陣を紙に描いて、陣を突く。

此れをすると魔法陣が光り出す。そして魔法陣から、『ディバインバスター』を発動する。

 

彼女は驚いたようで、空中を蹴って退避する。

この隙を見て、僕は逃走する。

 

友人が全く見えない。

何処に行ったのか確認しに行く。

 

「くっそ、何処に行ったんだ!」

 

 僕が友人を見つけたのは、学校校舎の二階。

校長室の目の前で倒れていた。

友人は胸から血をとめどなく流していた。

 

僕はすぐに魔法陣を使って、友人の回復を促す。

 

 

「新たな敵を発見しました。……はい、はい。わかりました、タブレットの回収を行います」

 

 黄色い雷電を纏う、その漆黒の細い体躯。そしてその肉体に反して大きな斧[ハルバード]。

 

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウンかよ……!」

 

 第二の主人公格だ。

これはもう、ピンチでしかない。

むしろ友人がやばい。

 

触っている間は、僕の仲間として回復してくれるけど動けば、友人が危ない。

 

もしも……。

 

「おい、やるぞ」

 

って、えー……。友人起きるの早くない?

 

「解った、やるよ」

 

 友人は慣れた手つきで、魔法陣を香木で描く。

すると完成した瞬間、書いた紙が光出す。

その紙からは雷電が迸り、フェイトに直撃させた。

 

まさかの攻撃に彼女は驚いている。

この間に走って、殴ろうとする。一応殴れたが、偶然としか思えない。

 

「……ガ……ハ……」

 

 それにしても、さっきから様子がおかしいんだよな。

フェイトもそうなんだけど、意識が朦朧としていたり目が死んでいたり、戦闘意欲が全くなかったり……。

うーん。とにかく、戦うしかない。

 

 

「浩二!」

「え、うわあっ!?」

 

 友人が叫ぶ。

何をやらかしたんだと思ったら、友人はケースの崩壊によって出てきた兵馬俑の石塊を使って、

爆発系魔法陣の用紙を括り付け投げてきた。

 

ドゥゥゥウウウン

 

 

「あ、あほか!?」

「こうでもしないと、俺が死んでいた」

「そうだね!?そこは賛同するよ!」

 

 隼につかまって二階から地上に降り立つ友人。

僕はそのまま地面に降り立つ。脚がバキッとなったような気がしたけど、別に何ともなかった。

 

「アララ、木偶の坊なフェイトちゃんはやられちゃったかー」

 

 純白の悪魔とでも呼べるその態度。

漫画やアニメと違って、洗脳されているのか全く情緒を感じさせない。

これは許せない。魔砲系力技少女が好きな僕にとって、これが許しがたい侮辱である。

故にここは最大の魔法陣を使ってでも、彼女または使用者を葬らなければならない。

 

 僕は魔法陣を高速で作り上げて、発動させる。

目標は相手の無力化!

 

 

「隼、『ラスターパージ』!」

「ヒョロロロロロロ!」

 

「な、何っ!?」

 

 僕が作り上げた魔法陣の攻撃に合わせて、友人が目くらましのラスターパージを隼に発動させる。

さーて、どうなるか。

ラスターパージとこの魔法の効果である即死攻撃。

 

中れば重畳。

 

 

ドドンッ

 

 

 光が晴れると高町なのはが、変身状態を解いた状態でそこに正座を崩した格好でへたり込んでいた。

あのレイジングハートがないが、何処に行ったのか探した。

杖となっていた存在は足元に、粉々になって散らばっていた。

 

「どうする、浩二」

「どうするって、そりゃぁ……やるしかないじゃん」

「よし、排除しよう」

 

 最後は涙を流し瞳に光が戻った彼女の呟きを無視し、隼の『鎌鼬』で肩から腰まで袈裟切りをする。

少女はそのまま真っ白になり、光となって散った。

この瞬間、世界は異色な状況から、元の現実へ戻る。

 

 

「なあ、哲也。いい加減この錠剤の魔法構成を調べて、強力な仲間を増やそう。

 そうじゃないと、動乱は終わらないと思う」

「ああ、浩二。それは前々から思っていた。

 そこで、校庭より広い場所が、公園として機能している場所がある。

 そこでやればいいと思う。魔法陣による錠剤効果の強化は、45%が完成している。

 後は半分だ。急いでやるぞ」

 

 

 魔法陣の中に、物体を中心に置く事でその物質の構成や再構成可能な物質を解析できるものがある。

そいつを使って、錠剤の最上級の透明を使って、解析を勧めた。

透明なのは他のよりも綺麗で複雑な魔法陣ができた。

 

いや、陣ではない。今まで方円だったりそういう対称的な感じだったが、これらは特殊な回路が必要になった。

そう……正に布陣だ。

 

 この布陣を校庭を使って描いた。実際に召喚はしない。一部抜かしているから、召喚できないだけだが。

 

 それとリリカルなのはを見て、足元の魔法陣を実際に描いてやってみたが……まあ実際に発動はできない。

英語だけじゃなくて、この方陣の中にあらゆる紋様や模様による計算が入っている。

 つまり、左右対称のQRコードみたいなものだよ。

これが完成しないと、大きな技なんて発動できない。

 

 唯一できるのが、『ディバインバスター』だ。

 

此奴を超強化した、自動索敵迎撃砲台にする。

つまり魔法陣を使い捨てじゃなくて、永久発動にしたり任意で自爆等ができるようにするんだ。

 

だけど、普通に苦労した。

 

 魔法陣に普通に命令式を入れるだけの囲い込み式方陣だと、使い捨てになる事がわかったんだ。

そこでこの方陣に命令式から命令式に縦に移動させる線や空間を入れて、それぞれの箱になるところに別の命令式を入れる。

クローバー型魔法陣と名付けることにした。

4つの命令と4つの効果を発動できる、今までの魔法陣の常識を打ち破った。

 

 これで、最後は……ピースをはめ込むだけだ。

 

「よし、これで完成だ。後は媒体をもってこればいい。

 俺の兄貴はイラストレータ目指しているから、兄貴に頼んでデザインを考えてもらう」

「OK、わかったよ。たぶん今回の戦闘は、色々知れ渡るだろうからね」

 

 

 僕たちは魔法陣をパーツ毎に厚紙に描いて、十分に気を付けて保管しておく。

そうしないと、莫大な魔力が渦巻いて爆発してしまう。

 

 早く、速く、疾く、やらなければならない。

 彼女たちは道具じゃないんだからな。

 

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