俺と彼女たちの物語   作:YURYI*

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2.第一印象

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも。突然ですが、俺の視界は地面でいっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぶっ!?いってぇ!!!」

 

 

見事なまでにおでこを地面に強打する。思わず変な声まで出てしまった。

 

あ?大袈裟だって?地球に頭突きかましたら、誰でもこんな声出るんだよ、きっと。

まって、痛い。血がだらだらとか?頭が真っ二つになってたり?…ってそんなことあるわけねぇだろ!

うあぁ…とにかく痛い。

 

すぐさまおでこを触って確認するが、砂がついていたくらいで特に何もなってなかった。

たんこぶすらできないとか俺の体おかしいんじゃ…?いや、まぁ怪我しなかったことは素直に喜ぶところか。

 

 

気合を入れて大きく一歩を踏み出した瞬間に突然後ろから何かにぶつかられたものだから、受け身を取ることができなかった。結果、おでこから地面に落ちた。

はぁ…ダサいにもほどがあるだろ。

恥ずかしさのあまりしゃがみこんで頭を抱えていると、頭上に人の気配がした。

 

 

「あ、えっと…ごめんなさい!大丈夫ですか?」

 

かわいらしい声だな…

反射的にその声に顔を上げると、優しげに垂れた翡翠の瞳と目があった。今は心配そうにと言ったほうが正しいかもしれない。

 

彼女はそのまま俺に向かって手を差し出すと、もう一度ごめんねと謝った。どう考えてもリボンの色が俺のネクタイと同じ色をしているし、俺と同じ新一年生だろう。

 

とりあえず、ありがたくその手を借りることにして立ち上がり、制服についた砂を軽く払い落とした。

 

 

「いや、うん。平気」

 

「本当に?結構すごい音がなっていたけど…」

 

強がってみたが、やはり俺の言葉を信じてくれてはいないようだ。まぁ、いまだに頭はズキズキと痛んでいるし。本当に痛かったし。

でも受け身を取れなかった俺も悪いじゃん?

それに、俺は男だしこんなことで女の子責められないでしょ。

悲しそうな顔をする彼女を少しでも安心させたくて、笑顔を見せる。

 

「ほんとに平気だから。…あ、ここ汚れてるぞ?」

 

 

彼女の制服の袖が少し汚れてしまっていたので軽く払う。

俺の行動に最初はびっくりしていた彼女だったが、行動の意味がわかると優しげに目を細めた。

 

「ありがと。その…桜の花びら見て歩いてたら、あなたがいたのに気がつかなくて。本当にごめんね」

 

彼女は少し恥ずかしそうに、でも優しげな声でそう教えてくれた。照れくさそうな顔をした彼女と、その理由に思わず笑みがこぼれる。

なんだ、俺と同じじゃん。なおさら責められるわけない。

やっぱりなんか、こういう特別なことがある日ってちょっとしたことが全く新しいことのように見えてしまう。

だいたい誰でもそんなもんだろ?

 

 

「俺もさっきまで見てたから気持ちわかるよ。あ、俺の名前は結城大翔。君は?」

 

「えっと、東條希です。よろしくね!ひ、大翔…くん」

 

「おう!希」

 

 

友達…でいいんだよな?

 

春。出会いの季節。

俺はこれからたくさんの人と出会うだろう。今、その一歩を踏み出して、少しだけ心が踊った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでいろいろあったが入学式は無事に終わった。

入学式なんてどこも同じだし、ここも変わったところもなく普通だった。と思う。

まぁ、強いて挙げるとすれば理事長が若かくて美人だったことくらいかな。母さんとは全く違い、大人の色気がすごかった。

 

うお!?なんだか寒気が…

 

 

てか、俺変態みたいなんだけど大丈夫だろうか。べつにそういう目で理事長のことを見ていたわけじゃないってことは言い訳させてほしい。

 

 

 

 

今日は教室に戻ってから担任の話し聞いて終わりだったかな?

 

俺の席はどこだろ…あ、あった。ふむ、やっぱり最初は出席番号順で座るんだな。中学の時は吉田くんだの渡辺くんとかいたからあれだけど…

窓側の一番後ろの席って最高だよな!

 

指定されている自分の席に座り教室を見回す。

クラスの全員が教室にいるようだが、やはり女子の割合の方が高い。

 

もうすでにグループがいくつか出来ているようだ。

数少ない男子同士もグループになって話しているようだが、俺は別に会話に参加しようとは思わない。

ほら、ぼっち最高!ってな。…嘘だけど。

 

 

 

 

「席つけー。HR(ホームルーム)始めるぞー」

 

担任の号令一つで全員が席に座りはじめる。まだ話し足りないのか少し不満そうな顔をする奴もいたが、担任がみんなで自己紹介をするぞ、と声をかけるとおとなしく席に着いた。

 

自己紹介、ね。

めんどくさいけど全員やるんだろうな。

 

「席立って、自分の名前と一言よろしくなー。じゃ、出席番号順に適当にはじめてくれ」

 

先生が言い出したわりには大して興味がないのか、適当に説明を終わらせると窓側に椅子を置いて座ってしまった。

適当すぎるだろ。一番のやつかわいそうだな。

 

そんな気持ちで視線を出席番号が一番の人が座っているであろう方向に向ける。そこにはまぁ珍しい金髪のポニーテールが。

きれいだな、と俺は思わずそれに釘付けになる。

周りがざわついているのを気にもとめていないのかスッと立ち上がる彼女。

 

 

「絢瀬絵里です。よろしく」

 

後ろからだし表情は全くわからないが、こういったことに興味はないのだろう。それだけ言い終わると、彼女、絢瀬絵里さんはすぐに着席してしまった。

 

すぐにその後ろの人が立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだよ今の。

 

 

なんでこんなに心臓がうるさいんだよ。

 

ただ、自己紹介をしただけだろ。

 

 

 

やばい、これはかなりやばい。

 

 

 

 

 

 

 

絢瀬さんの声、めちゃめちゃきれい…だった。

 

 

周りがざわついているあげく、席も誰よりも遠いはずなのに、俺の耳までしっかりと届いたその声は、息をするのも忘れてしまうほどきれいで。

 

もう他の人の声なんて俺には届かない。

 

なんども頭の中でリピートされる。

 

 

 

 

 

しばらくすると、俺の前の人が席を立った。次は俺の番か…

前の人が座ると同時に立ち上がる。

 

ちらりと絢瀬さんの方を向くと透き通るような青い瞳と目があった。またもや息の詰まる感覚。なにそれ、最強かよ。

もう、なんだか俺と絢瀬さん二人きりの空間にいるような。そんな感覚に陥る。

にこりと微笑みかけてみるが、絢瀬さんは興味なさげに前を向いてしまった。

 

 

「最後の人早くして」

 

担任に声をかけられてしまい、現実に戻される。

 

「あ、あぁ結城大翔です。これからよろしく」

 

それだけ言って席に座る。

なんて言えばいいのか。俺、絢瀬さんと友達になりたい。

なんでかわからないが、今の俺の頭の中はそのことしか考えていないようだ。

絢瀬さんの背中をじっと見つめても、意味がないのはわかっている。

 

とりあえず、もう一度彼女の声を聞きたい。

ほんとに、純粋に、ただそれだけで。

 

 

 

こうして、俺の絢瀬さんと友達になろう計画はスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ってことで、主人公は三年生組と同級生ということになります!
アニメのはじまりのところまでまだいくつか話があるので、よろしくお願いします。


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