わにゃわにゃ ワドルディ   作:にゃもし。

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ルフィとヒグマ

 

 

島にある王国へと続く山道の中を────薄汚れた白い布で被せた何かを乗せた荷車を引くヒグマ一行。その布で隠された物の中身は……ワドルディたちが入れられた檻があり、その檻の中でワドルディたちはすやすやと小さな寝息を立てて気持ち良さそうに目を伏せて静かに眠っていた。

 

 

「道具を使う珍獣って話ですから苦労するかと思いましたけど… 難なく捕まえましたッスね。ヒグマさん」

 

「ああ、ウサギを狩るよりも楽な作業だったな。正直、拍子抜けたぜ」

 

 

「今夜は売ったお金で酒盛りだ!」──ヒグマの提案に部下たちは諸手を上げて賛同し、ガラの悪い男たちは上機嫌に進んでいく。しかし、その歩みが止まる。

 

 

「悪いけど、そいつらはオレの大事な仲間なんだ。返してもらうぞ」

 

 

道の先に麦わら帽子を被った青年────ルフィが待ち構えていたからだ。

ヒグマは苦々しい表情でルフィを見据え…

 

 

「そこをどけ、大人しく道を開けるんだったら見逃してやる」

 

 

そう告げるもルフィが道を開ける気配は見せない。むしろ…

 

 

「なんで船を壊したんだ?」

 

 

平淡で抑揚のない声音と感情の読み取れない表情で問う。しかし、ルフィの放つ雰囲気から怒気が感じ取れる。

 

 

答えろ!! ヒグマぁぁぁ~~~~~っ!!!!

 

 

耳をつんざく暴力的な怒鳴り声を撒き散らすルフィ。

そのあまりの声量の大きさにヒグマたちは思わず耳を塞いでしまう。

 

 

「このバカを殺せ! バカでかい声を出しやがって!」

 

  

怒号とともに手下の一人に命令を出すヒグマ。

巨漢の山賊が一人。片刃の幅の広いサーベル片手に動き出す。

 

先ほどの怒声がよほど不快だったのか、はたまたこのあとに行われるであろう酒盛りの邪魔をされた腹いせか、血走った眼でルフィを睨み付けながら駆け寄る。

 

しかし彼がルフィの元に辿り着くことはなく、肉を打ち付ける鈍い音ともにその巨体が宙に舞い────ヒグマたちの上を通過し、彼らがいる場所よりも後ろへと…………落ちた。

 

 

「「 …………………… 」」

 

 

唖然とした表情で動かない仲間をじっと見つめる山賊たち。だがそれよりも彼らを驚かせたのは…

 

 

「ヒグマさん! アイツ、腕が伸びませんでした!?」

 

 

手下の問い掛けに「ああ、伸びたよ」とあっさりと認め、ついで目の前にいるルフィに問いただす。

 

 

「テメェは()()()のガキか?」

 

「ああ、そうだ」

 

 

──10年ほど前のフーシャ村での出来事。

ヒグマはそこに停泊していた海賊とその船長であるシャンクスを敵に回し、逃れるために当時まだ幼かったルフィを人質に海へと逃亡したが…

 

 

「てっきり、海の主に喰われたと思ってたけどな…」

 

 

少なくともルフィの目には逃走用に使った小舟ごと巨大な海洋生物に丸呑みされたように映っていた。

 

 

「あの化け物も獲物がオレ一人よりも二匹いた方が食い出があると思ったんだろ。テメェらに狙いを定めてる間に逃げ切ったってわけよ」

 

 

言葉を一度区切って左腕を見せるヒグマ。その腕は金属が剥き出しになった作り物の腕──義手だった。

 

 

「──もっとも代償は高くついたけどな」

 

 

多少腕に自信があり強くとも所詮は一人。かつて出会ったシャンクスの部下ほど強くはあるまい。

 

ヒグマはそう考え、ルフィに手下をけしかける。

多勢に無勢、あっという間にルフィを取り囲むように散らばる山賊たち。

 

 

「何で船を壊したのか答えてやろう。

 オレが腕を失った原因の一端を作った赤髪のシャンクスとかいう海賊。オレはそれ以降、そいつを連想させるものを見ると無性に壊したくなるようになっちまったのさ…」

 

 

ヒグマが喋る傍ら、武器を取り出しジリジリとルフィとの距離を縮める山賊たち。

 

 

「船と赤い髪をした人間。やたらとヘラヘラした男。

 それとテメェみたいに麦わら帽子を被ったヤツを見るとなぁ!?」

 

 

それを合図に雄叫びとともに山賊たちが襲い掛かる。

 

 




(´・ω・)にゃもし。

ルフィとヒグマ。まだ続くよ。
ヒグマってこんなだっけ? …と考えながら執筆してるよ。
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