わにゃわにゃ ワドルディ   作:にゃもし。

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ルフィと山賊

 

 

ルフィを取り囲む山賊たち。

敵は一人しかおらず、増援の気配も感じられない。

一対多のこの状況。その圧倒的な人数の優位さ故に心に余裕が生まれたのだろう。ヒグマはルフィに尋ねてみた。

 

 

「せっかくだ、てめぇがくたばる前に聞いておこう」

 

「なんだ?」

 

「なんでオレたちが()()を通るのをわかったんだ?」

 

 

二重三重に用意した人を騙すためのトラップ。

特に目の前の小僧は感情的に動く部分が透けて見え、罠や策謀等といった搦め手にあっさりと引っ掛かりそうな単純な思考を持った人間。──というのがヒグマが抱くルフィに対しての人物像である。 

 

…にも関わらずこうして現にルフィはここにいて行く手を遮り、己の体一つで立ち塞がっている。

 

 

「あいにく、オレは頭が悪いからな。

 村のみんなに相談したら──ここで待っていれば、お前が来るだろう……って言われたんだよ。そいつらを、ワドルディを売るためにな」

 

 

少額の金額による取引なら兎も角、まとまった金額になってくると大きな街、あるいは都市に出向く必要がでてくる。

ましてやそれが大きな街が一つしかないドーン島にあるゴア王国なら尚更である。

 

その回答を聞いて納得したヒグマはアゴに手を当てながら、やおら思案にふけ…

 

 

「よし決めた」

 

 

何やら考えが思い付いたのか、悪どい表情でヒグマは非情なことを宣告する。

 

 

「てめぇは死なない程度に痛め付けた上で、てめぇの目の前で村の住人を一人残らず一人ずつ始末してやろう」

 

 

「やれ」という合図とともに一斉に雪崩れ込んでくるヒグマの手下たち。

 

二人の山賊が一気に駆け込み、すれ違いざまに左右から横殴りに棍棒を振るうも────

 

ルフィは片手で麦わら帽子を押さえつつ、すんでのところで山賊たちの頭上高くまで跳んで攻撃を躱し…

 

 

「お前たちにはできねぇよ」

 

 

眼下にいる山賊たちとヒグマに向かって宣言する。

 

 

「オレがお前たちを一人残らず吹っ飛ばすからだ」

 

 

言い終えると同時に真下とその周囲にいる山賊たちに向かって高速の乱打を浴びせる。

 

 

「ゴムゴムのォ銃乱打(ガトリング)!!!!

 

 

伸び縮みするルフィの腕から放たれる拳が命中するたびに体勢を崩し、のけ反り、吹っ飛ばされる山賊たち。

 

やがて乱撃がおさまり、ルフィが地上に下りる頃には襲いかかってきた山賊たち全員がルフィの周囲で伸びていた。

 

 

「んなバカな…」

 

 

ルフィから離れていたために攻撃から免れたヒグマは目を大きく見開き、さらに口もだらしなく大きく開けた状態で小さく茫然とそんなことを呟いていた。

 

 

「あれから一体何年経っていると思っているんだ?

 オレが弱いままでいるわけねーだろ」

 

 

さも当然のことのように呆れ気味に言うルフィの言葉にヒグマの脳裏にはいつかの赤髪のシャンクス、その部下の一人が自分の手下を圧倒する場面がよぎった。

 

そして、その後に起こった自分の身に関する出来事とその末路を…

 

そのことを思い出し身震いする。

  

僅かな時間の間に考え、思考し、考察する。

この場を切り抜ける最善の道をヒグマは彼なりにはじき出す。

 

 

「お前が強いってことはわかった!

 もうお前とあの村には手を出さねぇ!

 なんなら、この珍獣もお前に返そう! 本当だ!

 お互い過去のことは水に流そうじゃねぇか!? なっ!?」

 

 

両手を上げて降伏の意を示すヒグマ。

もっとも内心では珍獣をどうやってもう一度手に入れようかと考えているが…

 

 

「知っているか? ヒグマ」

 

「なんだ?」

 

「海賊にとって一番大事なのは『仲間』でその次は『船』なんだよ。

 お前はオレの仲間を売り飛ばそうとしたし、オレの仲間が作った船も破壊したんだ。

 そんなことをするヤツをオレが許すと思っているのか?」

 

「んぐっ…!」

 

 

問われて言葉が詰まるヒグマにルフィは「それに…」と言い、さらにその先を言う。

 

 

「どっちみちお前は山賊だろ?」

  

 

過去にシャンクスに言われた言葉。

そのことからヒグマは到底話し合い等の交渉は不可能と判断し、すぐさま義手────左腕の掌をルフィに向け────直後、掌に空いた穴の部分から球形の物体を射出。ルフィの手前で破裂し、瞬時に煙幕がルフィを覆い、彼の視界を遮る。

 

さらに撃つと同時にヒグマは脇目を振らずに一目散にワドルディを人質にするため彼らを乗せた荷車へと駆け出す。だが背後から「ゴムゴムのォ…」というルフィの言葉が耳に入り…

 

 

“ピストル”!!!!

 

 

ついで、伸びたルフィの拳がヒグマの頬に突き刺さった。

 

 

「ふんがぁっ!!!?」

 

 

思いのほかダメージが大きいのか、一撃で前のめりになって崩れ落ち… お尻を上に突き上げた格好でヒグマは地面に突っ伏した。

 

 

「な、なんで… オレの居場所がわかった…?」

 

 

煙が晴れて姿を現せたルフィに、ヒグマは地面に突っ伏したまま顔だけを向けて問うと、ルフィは一言だけで答えた。

 

 

“勘”

 

 

ヒグマはそれだけ聞くと「納得いかねぇ…」という言葉を最後に気を失い。ルフィはヒグマを含め山賊たちが動かないことを確認してから…

 

 

「うし! リベンジ完了!」

 

 

…と誇らしげに言い放った。

 

 




(´・ω・)にゃもし。

まあ、ヒグマさんだし…
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