わにゃわにゃ ワドルディ   作:にゃもし。

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ワドルディとフーシャ村の住人

 

 

お尻を上に突き上げて地面に突っ伏した体勢のまま気を失っているヒグマ。

 

やがて意識を取り戻してガバッと急に上半身を起こすと、今度はせわしなく首をキョロキョロと動かして周囲の状況を探る。

 

そこには彼を殴って気絶させたルフィと売り飛ばそうとしたワドルディたちの姿はどこにもなく、それどころか手下たちの姿すらも見当たらない。

 

 

「──ようやく、お目覚めかい? ヒグマ?」

 

 

背後から聞こえてくる声に思わず振り向いたヒグマはその声の主に硬直する。凶悪な人相をした取り巻きたちを従わせ、その取り巻きたちよりもさらに強面でいかつい体格の中年の女性がこん棒を片手に彼の目の前に立っていたからだ。

 

彼女はヒグマの知る人物だった。

 

 

「……げげっ!? ダダン一家のカーリー!? なんでこんなとこにいるんだ!?」

 

 

同業者の間では良くも悪くも名の知れた山賊と彼らを束ねる女棟梁。

 

それが夜の闇の中、月と星の光を背景に不機嫌そうな表情を一切隠さずに鬼のような形相でヒグマを睨み付けていた。

 

 

「話は村の連中とルフィから聞かせてもらったよ。

 随分と豪気なことを言ってたそうじゃないか?」

 

 

気絶から目覚めた直後のせいもあり頭の回転が鈍く、一瞬なんのことかと分からなかったヒグマだが、頭が冴えるにつれて理解し、途端に顔色を青ざめていく。

 

 

「いや待てカーリー。小僧に言ったのは脅しであって別に本気でやろうと思ってたわけじゃねぇんだよ?」

 

 

言い訳がましく宣うヒグマにカーリーは無言で右手に持ったこん棒をゆっくりと頭上に高く掲げると…

 

 

フンッ!!!!

 

 

気合いとともに勢いよく一気に振り下ろす!

 

 

「ひぃぃぃっ!!!?」

 

 

自分に向かって振り下ろされたと思い小さな悲鳴を漏らしたヒグマだが、こん棒が彼に当たることはなく、彼の前にある地面の土を抉るのみでとどまる。

 

 

「生きたまま海軍の前に突き出されるのと、死んで森の肥やしになるのと、どっちか好きな方を選びな!!

 

 

悪鬼羅刹。鬼神の如く吼えるカーリーにヒグマは情けない声と表情で海軍に突き出されるのを選んだという。

 

 

 

 

──翌朝。

 

 

「わにゃわにゃ…」

「わにゃ」

「わにゃー」

 

 

表情こそ、いつも通りだが肩を落としてガッカリした様子のワドルディたち。彼らの目の前にはヒグマらが率いる山賊の手によって破壊された船の残骸があった。

 

山賊から救出されたワドルディたちは今現在なにをするわけでもなく自分たちが作った船の無惨な有り様をじっと見つめていた。

 

そこへルフィが神妙な面持ちでワドルディたちに近づくと…

 

 

「すまねえ。謝って済む問題じゃねえのはわかっているけど、すまねえ」

 

 

頭を垂れて──ワドルディたちに謝罪した。

 

 

「「 わにゃっ!? 」」

 

 

突然の謝罪にワドルディたちは「わにゃわにゃ」と両手両足をバタバタとバタつかせて慌てふためく。

 

ワドルディたちのその様子を知って知らずか、ルフィは顔を伏せたまま彼らに語り始める。

 

 

「オレがアイツらと関わっていなかったら、オレがもっと強かったら、オレに仲間がいたら、船を壊されることはなかったし、お前らが攫われることはなかった。

 お前たちが作った船でお前たちと一緒に海へ出るはずだったし、オレはそれを楽しみにしていた」

 

「わにゃ…?」

 

「でも実際はこの様だ」

 

 

ワドルディたちは大人しくなり、周囲にはいつの間にかに村の人間が集まって人だかりができていたが、ルフィは構わず続ける。

 

 

自分の仲間も船も守れねえで何が海賊王だ!

 

 

腹の底から声を振り絞って出されたであろう大声。

 

 

「もう二度と船を壊されるような真似はさせない。

 だから、もう一度船を作ってくれねえか?」

 

 

しんと静まり返り、数瞬の間ののち…

 

 

「オレはお前たちが作った船で航海したいんだ!!!!

 

 

顔を上げると「頼む!」と一際大きな声で怒鳴るように言う。

 

 

今度はオレも手伝うからさ!

 

 

「「 いや、それはやめておけ 」」

 

 

その場にいた村人全員が同じことを言い、ワドルディたちも「わにゃわにゃ!」と首を激しく横に振って拒否。ルフィ本人は自覚がないのか、納得しかねる顔をしていたが…

 

ワドルディたちが「わにゃわにゃ」話し合い一人がルフィに向かって「わにゃ」と片手を上げると彼らは船の残骸に移動して何やら作業を始めた。どうやら残骸を分けているようだが… ワドルディたちが何のためにやっているか考えているルフィにウープは答える。

 

 

「まだ使えそうなのと分けているようだな」

 

「ん? それって、もしかして…」

 

「アイツらはもう一度船を作るつもりなんだろう」

 

「よし。それじゃあ、オレも手伝ってくる」

 

「だから、それはヤメロと言ってるんだ。

 お前が関わると余計な手間を与えるだけだ」

 

 

それでも不満そうな顔を出すルフィにウープは「じっとしていろ。それが一番の助けになる」と言うと…

 

 

「それじゃあ、船が完成すれまでオレはここにいる! んで怪しいのが来たら殴る!」

 

 

どかっと胡座をかいて地べたに座る。

 

 

「まあ、好きにしろ」

 

 

ウープが呆れ気味にそれだけ言うとワドルディたちの作業をじっと見つめる。

ちょうど村の男たちが船作りの作業に加わっているとこだった。

 

 




(´・ω・)にゃもし。

2作品交互に投稿してるんだ。
だから遅いんだ。すまねえ。
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