東方古神録~幻想幼女~   作:しおさば

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お久しぶりです。

今回はちょっと短くしましたが、今章からタイトル回収をしていきますっ!!


2章/行方知れずの代償
13話/人里ではよくあることらしい


side霞

 

「突然だが、体に悪いものが食べたい」

 

妖怪桜が起こした異変『春雪異変』を解決してはや一ヶ月。

暖かい陽気に誘われるように、俺はルーミアと姫咲を連れて人里を歩いていた。

あれだけ積もっていた雪もすっかり融けて、やっと活気が戻ってきた。

そんな中、とくに行く当てもなくブラブラと店を冷やかしながら、冒頭の一言をつぶやいた。

 

「・・・このキノコ、食べる?」

 

ルーミアはポケットから米国でも吃驚なほど色とりどりのキノコを取り出した。どこにそんなのが生えてたんだ。傘の部分が虹色って長く生きてきた俺でも始めてみたぞ。

つーかそんなのさっさと捨てなさい。

 

「いや、そういう直接的に命にかかわるような、体への悪さじゃなくてさ」

 

俗に言うファーストフードだったりジャンクフードだったり。

もしくはこの際カップ麺でもいい。

 

「なによその『かっぷめん』って」

「ほら、お前にも食わせたことあるだろ?ラーメン。あれを即席で食べれるようにしたやつだよ」

「・・・なに?外の世界ではみんなあんたみたいな能力があるの?」

 

確かに俺にかかれば手間隙かかるラーメンも、手を合わせるだけで完成の超即席麺にはや代わりだが。

そういうんじゃなくて、あのお湯を入れて三分間待たされた後に訪れる至福の時間。生麺タイプで五分間だったときの絶望感。夜中に食べるカップ麺の罪悪感。そんなんが懐かしいってことなんだが。どうもその辺を理解するのは幻想郷の住人には難しいらしい。

 

「三分待つくらいならあんたが創ったほうが速いじゃない」

「いやそうなんだけどさ~」

 

そんな他愛もない話をしていると、通りの向こうに見覚えのある人影が見えた。長く伸ばした銀髪に白いシャツ。赤いもんぺをサスペンダーで留めた、まるで戦時中の女学生のような出で立ちの少女。

 

「お、妹紅だ」

 

どうやら向こうも気がついたらしく、こちらへと駆け寄ってきた。さながらその姿は久しくあえていなかった友人に駆け寄るようで。

 

「・・・どう見てもあんたを殴り飛ばそうと助走つけてるわよ」

 

すでにそれは『駆け寄る』ではなくなっていた。まるで短距離走でも走っているかのような全力疾走で行きかう人の間をすり抜ける。よくもまあぶつからないもんだ。

 

「創造神んんんんんんんんんっ!!!」

 

そう叫びながら、妹紅は跳んだ。右手に込められた霊力は、なるほど長い年月を生きただけはある。

しかし。

 

「はい妹紅、『お座り』」

 

俺のその一言によって、物理法則を無視して空中から地面へと叩きつけられた。

土煙を上げて急停止した妹紅は顔面から地面と接していた。

 

「おぉう、女の子がしちゃいけない格好してるぞ」

「あんたがさせたんじゃない」

 

妹紅の履くモンペにはいくつものお札が貼られていた。それらは俺が作り出したものだが、それぞれ効果が異なる。そのうちのひとつ『俺、もしくは本名を知るものに『お座り』と言われた瞬間、モンペの重量を三百倍にする』というものだ。いくら鍛えてあるとはいえ、三百倍にも増えた重量は容易に立ち上がれないだろう。

 

「元気そうだな妹紅」

「くそがぁぁぁ、ぶっ殺してやる・・・」

 

顔だけ動かしこちらを睨むが、如何せん体制が四つんばいから上半身を地面に伏せたような格好であり、なんとも怖くない。

 

「まーだ諦めてないのかお前は。いいかげん懲りないか?」

「うるせぇ!いつか必ずお前と輝夜を殺してやるからなっ!!」

 

以前に起きた大異変。その際に輝夜に倒され紆余曲折あり人里のある人物へと預けられた。

 

「どうしたんだ妹紅、急に走り出し・・・おや霞殿」

「やあ慧音。元気かな?」

「あぁ、おかげさまで息災に過ごしているよ」

 

妹紅がやってきた方向から歩いてきたのは青いワンピース状の服に身を包む知的そうな女性。頭にはこう、形状を説明しにくい帽子(?)のようなものを乗っけている。名前を上白沢慧音。人里で寺子屋を営み、教師をしている。

 

「・・・また霞殿に襲い掛かったのか」

 

地面に伏せている妹紅を見下ろし、小さくため息をついた。

度々人里を訪れた際、妹紅は俺を見かければその都度襲い掛かってきた。俺の記憶が正しければ、今回で二十一回目だ。

なんとも飽きないものだ。

 

「霞殿は買い物か何かか?」

「いんや、散歩みたいなもんだ。いうなれば日曜日に家を追い出されたお父さん」

「??」

 

どうやらこれも幻想郷の人間には理解できない感覚らしい。世のお父様方よ、ぜひとも幻想郷には来ないことをお勧めする。

 

「ま、まぁ散歩というならば、どうだろうかこれから寺子屋に来ないか?」

「寺子屋に?」

 

以前に一度だけ顔を出したことがある寺子屋。少し広めの敷地に人里の子供たちが集まり、慧音が算術や読み書きを教えていた。

前回は結局子供たちにもみくちゃにされて終わったのだが。

 

「是非とも神という者の生き方などを子供たちに教えてやってほしいのだが」

「前回もそう言われて、結果おもちゃにされて終わったんだが?」

「・・・今回は・・・大丈夫さ」

 

なんとも心強いことを目を逸らしながら言ってくれる。

まぁ、今回はルーミアを姫咲という生贄・・・もとい見た目同世代が一緒なわけだから、俺への被害も少なくなるだろう。

 

「あんた今失礼なこと考えなかった?」

「滅相もない。そんじゃちょいとお邪魔しようか」

 

こうして暇をもてあました俺たちは、慧音の勧めで寺子屋へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

「おいっ!私をおいてくなっ!!」

 

 

 

 




霞「妹紅の扱い、あれでいいのか?」

作「大丈夫、次回は妹紅が大活躍するから」

妹「ほんとだろうな!嘘だったら燃やすからな!」

作「・・・」

妹「なんか言えよっ!!」


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