あいつのことか? ああ、知っている。 話せば長い――そう、古い話だ……。
知ってるか? メイドは三つに分けられる――。
強さを求める奴。
プライドに生きる奴。
戦況を読めるやつ。
――この三つだ。
あいつは――メイドじゃなかった。
「それよりも手を動かしてください。 ああ、本当に生活能力が無い人なんですね……。 束様が珍しくキッパリ言うものですから冗談だと思っていましたが……」
あ、クーちゃんクーちゃん。 冷蔵庫の中のアルコール類は全部、そうだねぇ……水に変えちゃっていいよ! ん、中身だけ取り替えたい? つまりビールだと思って飲んだら水だったって? どうせならメントスコーラみたいなヤツを置いとこうよ。 開けた瞬間に中のコーラにメントスが落ちる仕組みでさ~。
ふふふ、仕事中のちーちゃんが宿直室を我が物顔で使ってるのは知ってるのだよ――そこに潜入する私はスパイダーマッ!
今回はちーちゃんを私とクーちゃんのダブルメイドでお出迎えした後にイタズラしまくって帰る――そこで気が抜けたちーちゃんはビールを飲もうとして大惨事! って寸法さ――あ、ちなみに発案はクーちゃんだから。
なんだかちーちゃんに対抗心なのか何なのか分かんないけど燃やしてるみたいだし、娘の願いを聞き届けるのが親の務め! え、親という義務を放棄してラスボスだったり子を虐める親がいただって? そいつはふてぇヤロウだね!
「ところで束様――何故に内装はバーカウンターを主体としたメイドとは関係ない感じの渋めな設定なのでしょう?」
そのほうが室内にあるもの全部アルコールだって誤認すると思うんだよ。
飛天篠ノ之流は隙を生じぬ二段構え――え、篠ノ之流はそんなものじゃない? こまけぇことはいいんだよ! 少し前にちーちゃんが“打鉄”で似たようなことやってきたけど、きっと気のせいだよ!
そういえば……いっくんは大丈夫かな? そろそろ元に戻ってる頃だとは思うけど。
「とりあえずそうですね――壁掛けの棚にはポー○ョンとギャラク○ードリンクで埋めておきます。 デスソ○スもついでに置いておきましょう」
うわぁ……クーちゃんがちーちゃんを殺しにかかってるよ。 まるでイタズラというよりも味覚障害を故意に引き起こそうとしてる感じ。 クーちゃんや、そんなことやるぐらいなら糖尿病に向かわせるほうが建設的だよ。 手っ取り早いし。
それにしても、ああ――本当にクーちゃんは可愛いねぇ~。 食べちゃいたいぐらい――いや、だから束さんはいたってノーマルだし、そういう意味じゃないからさ。
『ん、工事中? ああ、そういえば色々とヤってしまったからな……。 今日だったか――ん、なんだ? 開かない……!?』
「……随分お早いご帰宅ですね――計算以上の速さです、流石ブリュンヒルデ」
いやいや、ちょいと細工はしたけど普通ならビクともしないはずのドアがガタガタいう時点でなんか、もうおかしいから……。 もう人間やめちゃったの、それともゴリラの生まれ変わりなの? Bastard三枚の上に宝具までBastardな剣士なのかな――あ、武蔵ちゃんをゴリラというのはやめて差し上げろ。
クーちゃん、何か言ってあげてよ――ほら、蝶ネクタイ型変声機。
「私にバーローになれとでも? 身体は子供、頭脳は大人――その名は……」
そこから先を言ってはならん。
だけど私の育てた娘は身体は子供でも束さんを骨抜きにするぐらいには魅力たっぷりだから、身体が子供でも特に問題ないんじゃない? きっとクーちゃんは今が一番可愛い。
「やはりそういう目で見てるではないですか。 半径10m以内に入らないでくださいね」
(´・ω・`)そんなー
▼△▼
「お帰りなさいませ、ブリュンヒルデ(ご主人様)!」
うん、いつ聴いても語呂が良い――これを考えた人には100点万点あげよう。 ん、無印時代からの知り合い? マーベラス! まるでちとちよから剥ぎ取った甲標○を装備したハイパー北神様が有無を言わさず初撃でイベントボスを貫くレベル。 ちなみに束さんは木曽派。
「やはりまた貴様か!!」
おー、どうしたんだい? そんなにガチギレしちゃって? なになに――ドアを開けたら意味のわからない空間が広がってて、そこでラスボスを倒すまで帰れなかった? 普通に戦っても「ヤツは剣では倒せない!」とか言われて頑張って途中まではダメージを与えたというのに全回復されて、レーザーで全滅しそうになった? それなんてダオス?
それよりもちーちゃん……夢は寝て見るからこそ夢なんだよ?
何故かグーパンされた。
「だいたい何だ、また勝手に人の部屋を……」
ここ、ちーちゃんの部屋でも何でもないよね――というか空間系の技が使える人間なんて一人しかいないキガス……。
チラリ。
ドヤァ。
ああ、うん――めっちゃいい顔で苛立ってるちーちゃんをニマニマ見てるクーちゃんの図。 先生、犯人がわかりました。 ワールド・パージだね――そんなタイトルで人工頭脳がウ=ス異本を描いてた気がするけど。
「まぁまぁ、ブリュンヒルデ――丁度良いモノが入荷してますよ、一杯どうですか?」
「……もらおう」
警戒心マックス!
束さんがやると有無を言わずに殴るくせにクーちゃんがやると最終的に受け取るって、差別だー! え、区別だって? ふーんっだ! せっかく母の味をと思っておにぎりを握って待ってたのに……。
「メイドがおにぎりを握るシュールな光景は見ていて面白かったです」
「というか束……お前がメイド服着ても、いつもの色違いにしか見えないのだが……」
せっかくクーちゃんが用意してくれたメイド服を、いつもの亜種だと申すか。 よく見るといい――クーちゃんの愛が詰まった、この服を。 この娘の愛を!
わからないというのなら家に帰ってニコニコする動画でも見てるといいよ!
「……すまないが、コイツが何を言ってるのか翻訳できるか?」
「申し訳ありませんが、束様の発言は時々理解するものではなく感じるものになるので」
つまり今までクーちゃんは束さんの言ってる意味を正確に把握してないということだね――ナンテコッタイ! あ、ヨーギラスとミニリュウが近場に出た――少し行ってくるね~♪
正直なところ、またIS学園にイタズラ仕掛けに行くのはいいけどセットで行かなくては些細なイタズラは書きにくい。 そうだ、ネタを合わせ技一本にしてしまえ――と思ったら妙に微妙な感じになった。 後悔はしているが反省はしていない(ドヤッ
最近、ようやくミニリュウが捕まえられるようになった(`・ω・´)ムフー