「…よっと!」
階段から飛び降りて降りた先で周りを見ればまた走り出す。
「…全く警備ザル過ぎんだろ」
廊下を走っているキャスターは悪態をついては教室の扉を開ける。キャスターが探しているのはマスター…ルミアを探しており、走っていた。
時は少し遡る。
「ふ~、すっきりした」
数分前、トイレから戻ったキャスターは教室に入ればすぐに驚く。
「…なに?どうなってんこれ」
教室の中を見ればそこにあったのは教壇の前で集まっている生徒達の姿。そこでキャスターの目が変わり近づく。
「何があった?」
キャスターが質問すると生徒の一人・ウェンディがキャスターの方に向く。
「突然黒服の二人が来てルミアとシスティーナを…」
状況を説明するウェンディの話を座り込んで聞いたキャスターは指を動かしていて聞き取りが終われば頷いて立ち上がる。
「ようは攫われたんだな。情報ありがとなウェンディ。後は任せとけ」
「任せとけって何をするつもりなんですの!?相手はテロリストなのですのよ!」
「そうです。あまりにもの無謀です」
となりにいたモデル体型の少女テレサもキャスターを止めようとする。
「テロリストに挑むなんて無謀ですわ、逃げる事をお勧めしますわ。この魔方陣のお陰で抜け出せませんが貴方なら外に出て助けを呼べば…」
ウェンディが止めようと説得しているとキャスターはそのまま後ろを向いて歩きだす。
「んなもんやってる暇なんかねえよ、さっさと片付けるから助けならお前らが行ってこい」
「だからこの魔方陣のせいで「それならもう消した」…え?」
キャスターの言葉にウェンディが気の抜けた声を出すと縛り付けていた魔方陣がいつの間にか取り除かれていた。
「ウソ…複雑すぎて解除できなかったのに…」
「こう見えて勉強熱心なんだよ俺は。これぐらい解けますよ~」
ほんとは別の理由があったが伏せておいてキャスターはそのまま立ち去ろうとするがウェンディが待ったを掛ける。
「ちょっと待ってください!」
「ん…何?」
呼び止められれば立ち止まってウェンディたちの方に向く。
「何ってどこに行こうとしてるんですの?」
心配そうに見てくるウェンディ達にキャスターは何を聞いてるんだろうか?首を傾げて答える。
「決まってるでしょ。…ルミア達を助けに行くんだよ」
「危険ですわ!奴らは私達生徒では敵う筈がありません!一緒に逃げて助けを呼びましょう?」
「あ~うん。そうだねウェンディ達じゃ無理だろうね」
必死に止めようとしてくるウェンディ達にキャスターはウェンディ達を眺めてれば頷いて肯定すする。
確かに相手はテロリストにこっちは普通の学園の生徒だ。
普通に考えればそれは無謀とも言える。
だがキャスターは違う。
「なあ、なんか忘れてない?俺の事」
「え…」
そう言ってキャスターは一冊の本を取り出してその本を開く。
そしてその中から一本の杖を取り出してその杖に魔力を流すとそこからキャスターより少し大きいサイズの杖に変わる。
「俺はルミアのサーヴァントで星の魔術師なんだぜ」
杖をトントンっと地面に突くとキャスターの足元に魔法陣が展開し、キャスターの上着に白いローブが出現し、どこか何処からの世界の花の魔術師を思い出させるような姿になる。
衣装が変わり、笑顔を見せて行こうすると…
「サーヴァントは聞いたことありますけど星の魔術師は初耳ですよ」
「…テレサさんカッコよく決めたんだから空気読んでくれない!?いった俺もめっちゃ恥ずかしいから!」
杖を持って涙目に訴えるキャスターにウェンディ達はほんとに大丈夫なのだろうかと本気で心配をした。
そして時は戻り。
「ここまで走ったけど全然会わないな…テロリストって少数なのか?」
此処まで走り回っていたが生徒はおろか(先程のクラスのみの授業を忘れている)テロリストも会う事かなわず立ち止まって息を整え、歩きながら推理を始める。
「…そもそもなんでルミアなんだ?」
先程のウェンディ達の話を聞くにテロリスト二人はルミアを探していたらしく、レイクという男がルミアを連れて行ったらしい、その後にもシスティーナもジンというチャラそうな男に連れていかれた。
「システィーナはきっとたてついたことから何だろうけど…」
ルミアはシスティーナと違って優しい娘である、魔術に関しても勉強熱心で優秀であるが普通とは変わりないあるとすれば自分を召喚した事ぐらいだろう。
「特別…か。特別な何かをルミアが持ってる?」
だが特別なものと聞いて思い当たる節がない。思い付かなければやる事は決まった。
「わからないならテロリストに聞くのが一番…か」
ある場所の扉の前で立ち止まりキャスターは杖を両手で持ち上げ構える。
「まずは一発。必殺!『ダイナミック失礼します』」
杖をフルスイングで扉をぶち抜いた。
キャスターによって破壊されたドアはバゴン!っと大きな音を立てて中にいた者も驚いて音の方を見る。
「は?」
「…え?」
「どうも~テロリストども少数で来ていい度胸してんじゃねえか今からお前等しょっぴいてやるから覚悟…」
杖を掲げたキャスターは中に入りながら歩いてあらかじめ用意したセリフを言い、中の様子を見ると二人のの男女が重なろうとしていてキャスターは気まずそうにする。
「…ええととりあえず…なんかごめん」
「謝るくらいなら早く助けなさいよ!」
「うお!?なんだ今の音!?」
近くで非常勤講師もようやく追いついたら、大きな音に驚いていた。