薄ピンクのハイネックニットワンピースに黒のニーハイブーツ。胸元の金色のネックレスと風に揺られる黄金のアホ毛が輝く総司が、ボーダー本部の廊下を歩いていた。
彼女にしては珍しい私服姿は、通り過ぎるボーダー隊員達の目線を一身に集め、彼等彼女等を魅了していた。
「コホッ………なんだか今日はいろんな人から見られてる気がしますね………似合ってないのかな?」
普段は周りの視線に気付かない総司でも、普段以上に見られているため、流石に気付いて少し居心地が悪そうである。
それでも持ち前のマイペースぶりで、まあ良いかと放置し、通路を進んでいった。
今日の彼女は非番。
しかし、ボーダーのイメージモデルとしての仕事があり、普段見ない私服姿をしていた。
そのせいもあってか、彼女の表情は少し暗めである。なにせ、カメラマンや根付達から色々な注文を受けては撮られ受けては撮られを繰り返し、長い時間ずっとモデル仕事を受けていたのだ。
そう言った事が好きな女性は良いかもしれないが、総司は病人なのに行動派だ。精神がガリガリに削り取られていた。
ちなみに撮影は基本ボーダー隊員服である。が、トリガーを起動する前の状態も撮ると言うことで、総司はこうして私服を着て来たのだ。
「あーもー、あーもー! なんで沖田さんがこんなことやらなきゃいけないんですか! もっとスタイルの良いオペレーターの人や隊員の人がいるでしょうが! こっちは羞恥プレイなんですよもーー! コフッ!」
いつになく吐血しながら荒ぶる総司。美人も色々と大変だった。
気持ちも昂ってか早歩きで通路を突き進んでいく。
その勢いで彼女が通路の曲がり角を曲がろうとした時、丁度その角から人が飛び出してきた。
「うわわ!」
「おっと、すまない………ん、総司じゃないか」
「ありゃ? 京介君じゃないですか珍しい」
総司が遭遇? した相手はボサボサイケメンこと烏丸京介その人だった。
京介も普段のボーダー隊員服とは違い、私服を着ている。
「こんなところでどうしたんです? しかも私服なんて」
「それを言ったらお前もな。その服、似合ってるぞ」
「へ? …………えへへ、ありがとうございます京介くん」
若干頬を朱に染めながら照れる総司の姿はとても魅力的なのだが、鈍感さが売りの京介は狼狽えることなく頷いて済ます。
伊達にファンクラブまである程のイケメン。京介の心は、鉄のように冷たく硬かった。
「さっきの質問だが、俺の後輩達が今日正式に入隊でな。それの付き添い兼応援に来たんだ」
「へぇー、今日入隊日だったんですね…………それ、私も着いていって良いですか?」
「俺は構わないが………少し遅れててな。ちょっと急ぐぞ」
話は決まり、総司は京介と並んで来た道を戻る。
何かと容姿で目立つ二人は、すれ違う隊員の目線を浴びながら訓練場へと向かった。
「そう言えば小南先輩がお前に会いたがってたぞ。たまには玉狛に寄ったらどうだ?」
「小南さんがですか? まあどうせ戦闘訓練の相手でしょうけど……… まあレイジさんの料理が食べられますし、今度お邪魔しますね?」
「ああ。皆に伝えておく」
世間話を加えながら小走りに進んでいくと、訓練場の前まで着く。
二人は中へと入っていく。
すると丁度扉の前に二人の隊員がいたようで、しかもその一人が彼の知り合いだった。京介は後ろ姿で訓練室の様子を観ている一人の隊員に声を掛ける。
「修」
「あ」
「かッ、かかか烏丸先輩!!?」
二人の隊員。三雲と木虎だった。
「……こないだの修少年。それに木虎ちゃん」
「おー木虎。久しぶりだな」
二人が京介の声で振り向いたことで、総司も三雲と木虎のことに気付く。
総司と京介が二人に近付いて来ると、木虎はあることに、三雲は総司に気付き固まった
「か、烏丸、先輩? なななんで沖田さんが一緒に………それに二人とも私服姿で?」
「烏丸先輩………その人って………」
「ああ、そういえば言ってなかったな。紹介するよ。此方A級隊員の沖田総司。んで総司。この眼鏡が三雲修だ」
「ふーん………京介君の後輩って、この修少年とネイバーの子なんですね」
二人が総司の姿に別の意味でそれぞれ警戒しているのを他所に、総司は三雲を一瞥すると興味を無くしたのか、視線を仮想訓練室の方へと視線を向けた。
そこで総司は視界の隅にある三人を見つける。
「あれ? 風間隊の人達………勧誘ですかね?」
少し疑問に思いながら、総司はこの間の一件のほとぼりが冷めるまで会わないと決めていたので、見付からないよう訓練の様子を見守った。
「にしてもピンと来る人がいませんねー。 0.4秒台が一人で、他は一分位が数人………不作?」
「そう言うな総司。 お前ほど才能あるヤツなんてそうそういない」
「んー………村上さんくらい骨のある人がいれば良いんですけどねー」
そんことを総司が呟いていると、隅にいたはずの風間が唐突に観戦席の前の方に出て来る。
それを見た総司はバレないよう瞬時に隅の方へと隠れたのだった。
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その後、風間が迅の後輩の実力を試す為と言った名目で三雲に勝負を仕掛けたのを隅っこから眺めながら、総司は溜め息を吐いた。
「…………うーん。このまま彼が風間さんにボコられれば、私の危機感も無くなるんですかねぇー………微妙かなぁ」
十戦目が終わり、三雲が風間に手も足も出ず負け続けるのを尻目に、総司は観戦席に移動する。向かう先は空閑と共にいる京介の隣。
「いやぁーボコられてますね京介君の後輩さん」
「ん? 総司、どこ行ってたんだ?」
「ちょっと色々ありまして………」
「おっ、こないだのすばやい人」
京介の隣に座ると、反対側にいた空閑が総司に気付き声をかける。
素早い人と呼ばれたことに、以前の任務のことで文句でも言うのかと総司は身構える。が、空閑から嫌な感情を向けられて無いことを感じ取り、落ち着いて返事を返した。
「ええ、そうですよ。………こないだはすみませんでした。一応、任務だったので」
「いやいや。俺は気にしてないよ。良い経験になったし」
「なんだ? 二人は知り合いなのか?」
「かつては敵同士でしたね」
『三雲、ダウン』
三雲が風間に倒される報告を告げる音声をBGMに、総司は会話を一旦区切り、風間の動きに注視する。
が、実力差がかけ離れている三雲を相手にしているせいか、普段より風間の動きが悪いことに気付く。
手加減をしているのだろうと理解し、総司は興味を無くした。
「風間さん、手加減してますね。当たり前と言えばそうなんですが………彼はいつまで続ける気なんですか? 正直飽きましたよ」
「それは二人次第だな。風間さんは修から何か感じ取ろうとしているし、修は経験のためにやってる訳だし」
「いや………経験て言っても、さっきからおんなじ方法で彼、殺られてますよ? 手加減されてる状態で延々と同じ殺され方しても、経験も何も無いでしょうに…………」
「あ、終わったっぽいよ?」
空閑の声に反応して訓練室を見れば、二人は戦闘を終わらせて、何か話し込んでいるようだった。
しかし、話の内容はここからでは聞こえないので、終わるまで周りに目を向けて暇を持て余そうとする総司。
そこで彼女はあることに気付いた。
後方の席で、総司を睨み付けながらハンカチを噛んで引っ張る般若、木虎の存在に。
以前の爆発巻き込み事件を根に持ってるのだと勘違いした総司は、慌てて訓練場から逃げる準備をする。
「きょ、京介君。沖田さんそろそろ行きますね」
「ん? ああ、また今度な」
「ええ! さようなら!」
そう京介に別れの挨拶を告げた総司は、脱兎のごとく廊下に続く扉へと走り抜けていった。
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パラメーター
トリオン 8
攻撃 13
防御・支援 7
機動 14
技術 9
射程 2
指揮 4
特殊戦術 5
トータル 62
トリガーセット
メイントリガー
弧月
旋空
グラスホッパー(改)
スコーピオン
サブトリガー
バッグワーム(だんだら模様)
カメレオン
グラスホッパー(改)
シールド
沖田さんの私服。絶対可愛い。
今回短かったので沖田さんのステータス上げてみた。