GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり 作:にょろ35106
反省はしていないし後悔もしていない。
え?
そこに痺れもしないし憧れもしない?
ごもっともで御座います。
「「「メルクリウス超うぜえぇぇぇっ!!」」」
起動キーワードが音声入力される。
同時に起動キーワードが外部スピーカーでて拡大され戦場一帯に響き渡る。
イタリカの住民、野盗、ピニャは「メルクリウス?人の名前か?」な状態だった。
自衛隊側は自衛隊側で「メルクリウス?ローマ神話だったっけ?」な状態だったがヘリのパイロットや数名の隊員、そして倉田は「は?何でDies iraeのニート?」と戸惑った。
グランド・ギニョルの起動シークエンスが進む。
制御用のKAPPA OSが待機状態から制御モードへ切り替わり画面に外部カメラの映像と機体の各情報を表示する。
「さぁ、行きますよ!」
「おっけー。機体伸縮開始!」
諏訪子が圧縮してあった水蒸気を送り込む。
非想天則の一部機構と同様に作ってあり、蛇腹構造の手足が伸びる。
バキバキバキッ!
箱を内側から破壊してグランド・ギニョルが陽の光を浴びる。
「なんだ!?」
「ゴーレム!?魔法使いか!?」
槍を突き出し弓を射るが表面の金属に擦り傷すら負わせられない。
ギュイイイイイィィィィィンッ!
右腕の先端のドリルが高速回転を始め早苗の操縦に合わせて野盗の集団に突き入れられる。
「ぎゃああぁぁぁぁぁっ!!」
「ひぎいぃぃぃぃぃぃっ!?」
回転する金属に肉を抉られ、臓物を引き摺り出され絶命して行く。
「むっはーっ!巨大ロボですよ巨大ロボ!必殺技とかないですけど私達今巨大ロボに乗ってるんですね!」
興奮状態の早苗。
「おやおや早苗、大はしゃぎだね。でもさ、こうやれば必殺技っぽくなると思わないかい?」
神奈子の指示通りに早苗は他の野党の集団に向かってパンチを繰り出す。
同時に神奈子の神通力がパンチを伝って放出され荒れ狂う暴風と化しその野盗の集団を天高く舞い上げる。
あとは重力が仕事をしてくれるだけだ。
「これですよこれ!まさに必殺技です!」
「んじゃ早苗、次はあれ行こっか?」
「はい諏訪子様!ドリルロケットパーーンチッ!」
ドリルが回転している方の腕が射出され野盗達をミンチにしながら突き進む。
推力を失うと同時に腕と本体を繋いでいるワイヤーがモーターで巻き戻される。
その際のワイヤーも攻撃に使用し野盗達の体がワイヤーで弾け飛ぶ。
途中に偶然にも聖がいたがバイクをスライディングドリフトさせ完璧に避ける。
グランド・ギニョルが歩くたびにズシンッ!ズシンッ!と音を響かせる。
「今度はロボット・・・だとっ!?」
その様子を見た建軍は狭間陸将が常識で考えるなと伝えていた理由がわかった。
常識で考えていたら身がもたない。
「こ、こんなのが戦いだと?こんなのが戦いと言えるかっ!」
「正々堂々戦えっ!」
既に城門内でロゥリィに殺された野盗と似たようなセリフをグランド・ギニョルの目の前で叫ぶ指揮官クラスの野盗達。
《この人、何言ってるんでしょう?ロボでの戦いは浪漫ですのに》
《早苗、構わずに踏み潰しておしまい》
《はい、神奈子様》
プチッ。
グシャッ。
そんな感じでグランド・ギニョルは指揮官クラスの野盗を踏み潰した。
更に自衛隊側の度肝を抜く事態が発生した。
ふょんふょんふょんふょんふょんふょんふょんふょんふょんふょん。
何処からともなく赤色、緑色、そして極め付けは虹色に変色するUFOの大群が現れ地上の野盗達を攻撃する。
「ゆっ、UFO!?」
「れっ、レーダーには何の反応も!?」
当然だ、そのUFOに実体は存在しない。
封獣ぬえの霊力で作り出されたのだから。
だが実体はないがそこから放たれる光線やら弾幕は霊力で威力を持つ。
「幻想郷側の聖輦船・・・あの空飛ぶ木造帆船の船長からの連絡です!あのUFOは向こう側の封獣ぬえと言う妖怪が霊力で作り出したので警戒の必要はないとのことです!」
「もはや何でもありだな・・・」
「あれ・・・?」
レーダーを監視していた隊員が声を上げた。
「どうした?」
「建軍一佐、恐らくは鳥でしょうが一瞬だけUFOの中にレーダー反応がありました。でも一回映っただけですぐに消えましたので警戒の必要はないかと」
「そうか。まぁ、とにかく常識で考えてはいけないと言うのは本当だったな」
「これ、どんな状況なのよ・・・?」
栗林は城門の上から見た外の光景に唖然としていた。
真横の同僚達とロゥリィ、テュカ、レレィ達もぽかんと呆気にとられている。
既に城門内は鎮圧されている。
空飛ぶ木造帆船からは爆弾が投下され、一体の巨大ロボが野盗達を蹂躙し、炎を纏った少女が暴れ回り、混乱している中を爆走するバイクが一台、極め付けに無数のUFOが我が物顔で空を覆う。
そう、既に状況は栗林の理解の範疇を超えていた。
脳が考える事を放棄してしまっている。
少し離れた場所では同じく城門の上から外を見たピニャがいる。
目が点となりあんぐりと口を開いたまま固まっていた。
お供の兵と思われる人物がピニャの目の前で手を上下に動かすが反応しない。
気持ちはよくわかる。
戦いは終わり、聖輦船は高度を下げ地上に降り立つ。
それを迎える伊丹達地上組と自衛隊一行。
「見て下さい伊丹さん!巨大ロボですよ巨大ロボ!」
目をキラキラさせた早苗がむふーっ!と言う感じで自慢げに紹介する。
「完成したんだ・・・・。ところで動力源の問題は?霊力リアクターだと出力が搭乗者に左右されるって問題視されてたよね?神様レベルだと出力が高過ぎて処理が追い付かなくて暴走しちゃう、人間だと霊力吸い上げすぎられて失神しちゃうって問題点があったけど・・・」
報酬に賽銭入れると誘惑され実験体になった霊夢が5分と持たずに根をあげ失神した状態で運び出された時の事を思い出す伊丹。
博麗の巫女歴代最大の霊力保持者の霊夢でさえそんな羽目になった。
ちなみに丸一日寝込む羽目になり最初の提示額では割に合わないと賽銭の額値上げを脅は・・・げふんげふん!交渉したおまけつきだ。
「な・ん・と!常温核融合炉を神奈子様の指南を受けた河童が作り上げたんです!」
「じょ・・・・常温核融合・・・・」
倉田が唖然と呟いた。
「倉田、そんなに驚いているが原子力発電とどう違うんだ?」
「お、大違いっすよ隊長!今の地球が使ってるのはどんなに最新のでも核分裂!核融合なんて夢のまた夢なんです!世界中が競って研究中の技術なんですよ!なんせ核融合を行うのに必要な温度はなんと一億度!そんな温度を安定して維持・隔離する技術も大変なもので今のところ1秒未満しか実現してないんですよ!」
「そ、そんなに凄いのか・・・・?」
「太陽が一番身近な核融合を行なっている物体っすよ!21世紀中に実用化できるかどうかも分からない未来技術なんです!ましてやそれを常温で行う・・・・・!!」
倉田の言葉の意味を理解するにつれとんでもない技術だと知る一行。
「ご、ご協力感謝いたします・・・・」
領主のミュイ・フォルマル伯爵がおどおどしながら感謝の言葉を述べる。
彼女もあの戦いの一端を見た一人である。
ピニャは彼らからどの様な要求をされるのか気が気ではなかった。
自衛隊側は捕虜になった野盗達を人道的に扱う様になど、いくつかの項目を要求する。
ピニャは勝者の権利をほとんど求めていない条約文にハミルトンがどんな手を使ったのかと思いを巡らす。
だが自衛隊だけではなく幻想郷との交渉がまだ残っている。
「さぁて、あたし達はどうしよっかねぇ?」
「うーん。昔神奈子の国とわたしの国が戦争やってわたしが負けた時みたいにこの国乗っ取って裏から操っちゃう?」
「また懐かしい話をするねぇ諏訪子。じゃあ、まず街の住民を百人ばかり生贄を捧げてもらおうか?」
「百人ぽっちでいいの?」
「じゃあ、千人にするかい?それとも一万人?」
とんでもない話をする神奈子と諏訪子に顔を真っ青にするピニャ。
「守矢神社の神様方、お戯れはそれまでに・・・」
その声にピニャ、ミュイ、そしてこの室内にいる自衛隊一行とフォルマル伯爵家家臣が驚きながら声の主を見た。
そこにはいつの間にかスカーレット家のメイド長・十六夜 咲夜が立っていた。
「咲夜さん、いきなり姿表すの心臓に悪いですよ・・・・」
「失礼しました。八雲紫殿より手紙を預かり聖輦船に同乗させて頂いておりました」
「え?紫さんから?」
手紙を開封し、内容を読む。
「紫さんにしては常識的な内容だ・・・・」
内容は概ね自衛隊側と同じだがいくつか異なる点があった。
幻想郷側の伯爵領での無制限行動許可、幻想郷側に対し危害を加えようとした場合の実行犯及び命令者の処罰権、幻想郷側要請時の情報提供等。
それらを要求された時もピニャはそれに同意せざるを得なかった。
???内部。
「危なかったです、一瞬とは言えステルスが機能不全になったなんて・・・」
「帰還したら整備玉兎兵に文句言いましょう」
「それにしても貴族様達の考えは分かりません。なぜ私達がこんな所まで派遣させられて調査をさせられるのか・・・」
最後に会話だけ登場した二人、一体何レイセ・・・玉兎兵なんだ?(すっとぼけ
神奈子様と諏訪子様の生贄要求の会話は神様ジョークです。