GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり 作:にょろ35106
まだ旅館編は終わっていませんが同時進行で起こっている出来事と思ってください。
勢いのまま書いたので少し短いです。
9月から少し更新頻度が下がるかもしれません。
何でかって?
9月頭に東方天空璋が届くからですよ。
下手の物好き、STGは下手なのに大好きというあれです。
月面・月の都防衛軍
嘗ては地球から来る対妖怪の小さな組織であった。
増長した妖怪達を率いて月の技術を手中に収めようとまだ野望に満ち溢れていた頃の八雲紫が月に攻め入った。
結果は八雲紫の惨敗。
月に攻め入った妖怪の殆どが死ぬか弱体化し、紫もなす術もなく逃げ帰ると言う苦渋を飲まされた。
それから千年。
かつて人間を脅かしていた妖怪等の勢力は地球人類の科学技術が進歩するに従い弱体化。
五百年程前に八雲紫が妖怪達の楽園を作るべく幻想郷を創立。
百年程前に博麗大結界を構築し小さな世界に閉じこもった。
監視を緩めたことはないが月での幻想郷に対する警戒度は最低に位置付けられていた。
代わりに警戒度が上昇したのは地球全体。
蒸気機関による鉄道網の構築から始まり地球人の科学技術の発展速度は異常に早かった。
飛行機械により空を飛び始め、次第にその高度をあげて行く。
やがて地球の外・・・宇宙空間に人工物を打ち上げるほどになる。
月の地球人類に対する警戒度は中に高められる。
この頃から月は地球人類にとって身近な天体・・・自分達が住むこの月に到達するのは時間の問題との結論に達する。
この時期に立ち上げられた防衛軍創立計画。
そして遂に地球人が月に辿り着いた。
警戒度は高に引き上げられる。
まだ計画完遂には程遠い段階ではあったが当時の地球人を月から追い払うには十分な装備だった。
その後何度も地球人類は月面基地建設計画で月に来た。
玉兎兵及び月面戦車と地球の宇宙飛行士達の戦闘で玉兎兵にも数多くの犠牲が出たが月は勝利。
地球人は月に手を出さなくなった。
しかしこの異常な進歩速度は科学技術の進歩が緩やかな月の技術レベルを追い越す可能性が高くなる。
今のままではいずれ月は地球に負ける。
この危機感が高まり防衛軍の拡大が急務となり今の大規模な防衛力を持つ軍が出来上がった。
そして一週間ほど前に八意永琳に蓬莱山輝夜のメールアドレスを利用しメッセージを送信。
輝夜の手配を含むすべての情報を月から抹消する事を条件に月の代理人として地球人に今後一切月と関わるなと公式にメッセージを送った。
予定通りに軍事演習を行い地球との技術力の差を見せつけることにより月に手出しをさせないために。
「なのに、だ」
月の防衛を担う綿月姉妹。
その妹の方である綿月依姫は玉兎兵が今しがた行って来た報告にこめかみをピクピクとさせる。
師である永琳先生はこちらの要請通りに行動してくれた。
相変わらず輝夜はフリーダムだったがそれは問題ない。
地球から発せられる指向性の電波を受信したとの報告が上がって来た。
電波の向けられた方向は月。
その電波は映像であった。
「月の皆さん、初めまして。私は地球を代表すると言っても過言では無い大国であるアメリカ合衆国大統領のディレルです。月に生物が居住しており、地球を凌ぐ文明を持っていると知り驚いております。私もつい先ほど知りましたが、かつて月面基地開発を強行しようとした地球との不幸な戦いがあった事は残念です。今の我々にあなた方に対し侵略する意図はありません。逆にあなた方の素晴らしい技術を師として互いに手を取り合い広大なる宇宙に共に進もうではありませんか。良いお返事をお待ちしております」
そう映像の中の地球人・・・米国大統領ディレルはメッセージを送って来た。
「この地球人は馬鹿なの?一切関わるなと永琳先生は伝えたのにそれを理解できないのかしら?」
姉である綿月豊姫も同時に映像を見ていた。
はぁっ、と溜息を吐く。
「で、どうするのかしら?」
「姉さん、決まっています。メッセージには返事が必要でしょう?」
「あら、返事を送るの?」
「ええ、同時に警告の見せしめを行いましょう」
「どれにするの?核?反物質?プランク?」
「プランク爆弾にしましょう」
「でも、これは警告よ?」
「分かってるわ姉さん。ちゃんと無人地域に・・・そう、無人島のどれかを消滅させればこの馬鹿も理解できるでしょ」
唐突に地球上のすべてのテレビの電波がジャックされた。
電波の送信元は月。
地球上のすべての放送形式に復号可能な電波で送信されていた。
「お初に目にかかる。私は月の都防衛を担う一人、綿月依姫だ。先刻、アメリカ合衆国のディレルと言う者から我が月に通信が行われた。今からその返答を行う」
突如の電波ジャックに騒然とする視聴者達。
当然ワシントンもホワイトハウスも大騒ぎになる。
ディレルも執務室のテレビを閣僚達と見ている。
「大統領・・・!!」
「メッセージは届いた。返答を行うとは我々を無視しないと言うことか?」
緊張の面持ちでテレビに釘付けになる。
「ただ一言、“馬鹿め”だ。もう一度言う、“馬鹿め”だ。私達は月に一切関わるなと永琳先生を通じて地球上にメッセージを送った。それにも関わらず通信を送って来た」
一呼吸置く。
「警告を兼ねた見せしめを行うと通達する。通信終了直後に米国とやらの無人島の一つにプランク爆弾を送り込む。壊滅的な爆発影響圏内に人間は居住していない事は確認済みである。これ以上関わるになら、人口密集地に同様の行動を行う事も月は厭わない。二度と月に関わるな。繰り返す、二度と月に関わるな」
直後に通常の放送に戻る。
顔を赤くさせ手をプルプルと震わせるディレル。
電波ジャックでどれほどの範囲に放送されていたのかこの時点では知る由もなかったが放送電波と同じ周波数で馬鹿めと言われたのだ。
固唾を飲んで閣僚達が見守る。
同時刻。
太平洋上の米国領の無人島消滅。
その爆発光は夜間であった一番近い有人島を十数秒真昼間のように明るく照らした。
衛星が捉えた核を遥かに凌駕する大爆発、そして島が消滅したとの報告がディレルにもたらされる。
「だ、大丈夫だ・・・・」
先程とは代わり顔面を真っ青にさせたディレルがコーヒーを飲もうとカップを手に取るがその手はカタカタと震えていた。
「だ、大統領・・・・」
「え、映像の中で、ら、来賓の一人のことを先生と言っていた・・・・。つ、つまりは、月にとっても無視できない重要人物だと言うことだ・・・・・」
自分に言い聞かせるディレル。
閣僚達は本当に大丈夫なのか、むしろ逆に月を怒らせてしまうのではないかと不安に駆られた。
なお、依姫のメッセージは地球全土に月の技術で言語の壁を無視して届いた。
中国の薹、ロシアのジェガノフ、北の将軍等の米国とあまり仲の良くない国や組織のトップ達はこの放送を見て大笑いしたとか。
感想欄を見ていたらこのネタを思いつきました。