墓場を歩く。
ざり、ざりと灰塗れの道を踏み締める。
広間を抜け、視界が開ける。崖の向こうには見渡す限りの闇だけがあった。
墓守共を捻じ伏せた。
本当に、あの最初の無様がなんだったものか。
枯れているのだろう己の記憶に、自らが魔術師だった以上の過去は出てこない。
ただ、それでも体が、ソウルの器が覚えている。
柄に竜の意匠が施された、片手で扱うに手頃な
先を金属の鍔であしらった、学院のものより半分も短い杖。
魔術で打ち据え、剣で叩く。それで獣も墓守も息絶えた。
じつ、と闇を見晴らす。
一通りの視界に闇と崖と、その沿いに道が見えた。この闇は暗いが、不思議と視界を妨げない。
興味のままに崖の下も覗きんで、すぐにやめた。
何もないだろう筈の底から細波が見えた。何も居ない筈なのに、覗きこまれていると思ったのだ。
崖沿いを進み、再び広間に出る。
右手に深い闇を見晴らし、左手には巨大な棺桶。巨人でも収まっていたのだろうか。
中央に一人、像が蹲っていた。
右手に
鎧だ。像とも見紛う鋳鉄の男は傍らの斧槍を拾い、構える。
避けて進むには遅すぎた。やらねばならない。剣を構えた。
鋳鉄の男に向けてソウルの太矢を放つ。
太矢が鎧に刺さり、弾ける。僅かに鎧が仰け反るだけに終わった。
痛痒はあるのだろう。そうでなくば困る。あの鉄の塊をちまちま剣で叩くなどと。
鋳鉄が走る。跳ねる、振りかぶる。思わぬ身軽さに、咄嗟に身を横に投げうった。
斧槍が地面を叩く。途端、土塊が爆ぜる。跳ねるようにカチ上げられた斧槍。
迂闊に受ければ、行きと返りで体を三つに分かたれていただろう。
鋳鉄の重圧と、斧槍の威圧を堪え、立ち向かう。
魔術を編み、太矢を撃つ。寄られたならば剣先で斧槍を叩き、逃げ回る。
幾度かそれを重ねれば、自慢の魔術はしっかりと役目を果たしていたようだ。
鋳鉄は罅割れ、破片がぱらりと剥がれ落ちた。
鋳鉄が吠えた。斧槍を抱え、突き込んでくる。
焦れたのか、突撃か。術師相手に猪など。
慣れていた。またこれも捌ける程度なのだろう、所詮鋳鉄も亡者なのだと。
そうして、横に身を投げ、太矢で撃ち据えようとして
「かっ…」
世界が飛んだ。息が止まった。
灰と闇が目まぐるしく回る。ようやく止まれば体は動かなかった。
遠くでは鋳鉄は斧槍を振りぬいていた。
震える視界を凝らしてみれば、鋳鉄が踵を返して広間の中央へ戻っていく。
指先が崩れる。熱のない、灰がこぼれていく。
そんな、と。散りだす思考で感じるしかなかった。
出遅れた私に、資格などないのだと。
星のカービィvsダークソウル、書いて…みたかった…よ…