活動報告通りに投稿するゼい!
でも気分が乗っちゃって、文字が8千超えちゃいましたよ。
・・・十時間かけたらそれはなるね。
あと、何気に『彼』がちょこっと出て、後半がアレな表現ですが悪しからず。
それでは、ちゃんと甘く書けたかな?
という訳で、どうぞ・・・・・
「やあ、切君♪」
「げ・・・ッ!?」
ある冬の日。
彼、『灰村 切』は使用で『皇 鼎』教授の勤める大学を訪れていた。
教授の部屋を訪ねる道中、廊下で聞き慣れた声がすると思って振り返ると見覚えのある赤い三白眼の持ち主がニタニタ笑っていたのだ。
「『げッ!?』とは酷いなぁ~、切君。久々の再会だってのに、辛辣じゃあないかい?」
「『久々』って言う程じゃあないじゃあないですか。三日前にも会ったばかりですよ、『アキト』さん」
「おん? そうだっけか?」
『カカカッ♪』と朗らかに笑うこの男。
ついこの間まで切とは戦ったり、共闘したり、戦闘を伝授されたりし、現在では親戚のおじさん的なポジションに収まったヴァレンティーノファミリー幹部にして、化物から化物と呼ばれる吸血鬼『暁 アキト』である。
「それで切君、こんな糞寒い日になんでこんなとこにいるの? 外、メッチャ雪降ってるぜ」
「僕はあれですよ、
「定期報告~?・・・あぁ、あれから何か月も経つものなぁ~・・・。『祝』は元気かい?」
「ええ、元気ですよ。って、だから三日前にシェルスさん共々会ったばかりでしょうが! ボケてんですか?!」
祝とは、切の恋人『武者小路 祝』の事である。
彼女もついこの間まで数世紀にも及ぶ『呪い』に悩まされ苦しんで来たのだが、切との出会いによってこれを踏破した芯の強い人物だ。
定期報告というのは、先に言った呪いが本当に解かれたのかを確認する観察報告の事である。
「もう『呪髪』の症状は出ないんだから、報告なんてしなくてもいいだろうに」
「そうなんですけど・・・『何百年も続いた呪いだから、もしも・・・』って、教授が・・・」
「ヤレヤレ・・・研究熱心なのは良いが、その関心をもっと別なモノに向けてくれりゃあいいのに」
「?」
「いやな俺が此処に来た理由ってのが、あの野郎に見合い写真を持って来て渡したんだよ」
「・・・はぁ?!」
聞くところによるとこの皇教授、実は名家『皇家』に最も近い分家の出であり、本家筋から縁談の話がひっちゃかめっちゃか送られてきているらしいのだ。
「本家からのモノは受け取り拒否にしているからって・・・神楽耶ちゃん、渡し役を俺に回してくるんじゃあないよ。これ持って来ると法子ちゃんが悲しそうな瞳で睨むんだぜ?」
「あはは・・・しょうがないですよ、教授の友達なんて限られてますからね」
「そうかぁ~・・・俺、教授と友達だったんだな」
「自覚なかったんですか・・・」
「おん、それはそうと切君や」
「はい?」
一旦話を切り上げたアキトは、コートの内ポケットから筆で書かれた書上のような物を取り出し、切に渡した。
「・・・なんですかコレ?」
「旅行券だよ、切君」
「旅行券? それにしては随分、物々しいですよ」
「中に御断りの文と一筆したためてあるから・・・今度の土日に切君や祝と一緒に旅行行ってきなさい」
「なッ!?」
余りにも突拍子もない言葉に動揺する切。
『これだから吸血鬼は・・・』と変な偏見が頭をよぎる。
「本当はシェルスと二人で行こうと思ってたんだが・・・・・どっかの糞馬鹿がうちのシマでヤクを売りやがったから、その殲滅に行かなくちゃあならなくなったんだよ。向こうさんにも無理言って部屋をとってもらったから、行かないというのも悪いしな」
「え・・・だからって、なんで僕達に?」
そんな切の疑問符に吸血鬼は含み笑いをしながら、何故か小声で言葉を紡ぐ。
「いやなぁ、そろそろ二人の子供の顔とか見たいなと思ちゃったりなんかして」
「僕達まだ未成年ですッ!!///」
顔を真っ赤にしての渾身ツッコミが廊下に響き渡り、廊下を歩いている周囲の目が引き寄せられる。
「・・・ま、冗談はこれくらいにして」
「ホントに冗談だったんですか? マジに聞こえましたよッ」
「そう興奮するなよ、切君。シェルスとの相談でも、折角だから切君と祝に使ってもらおうなんて話になったんだよ。だから、素直に年長者からの心配りとして受け取りなさい」
「え~・・・」
「という訳で・・・さらばだ切君! 因みに祝には、三日前にシェルスの方から伝えてあるんで!」
「やっぱり覚えてるじゃあないですか! というか、何勝手にやってるんですかぁあ!!」
切の叫びも虚しく、アキトは吸血鬼の特性で霧のように消え去ったのであった。
「こ・・・この・・・ッ!」
・・・『吸血鬼コノヤロウ』と切は思った。
―――――――
「(早めに着いてしまった・・・)」
という訳で、祝と一緒に箱根へ一泊旅行に行くことになった切。
待ち合わせ場所は特急が出ている駅の改札口。土曜日という事もあってか、大勢の人が駅を利用している。
「(祝ちゃん大丈夫かな・・・さっきバスに乗ったって連絡きたけど・・・)」
本当は祝を家まで迎えに行こうと思っていたのだが、『恋人らしく、待ち合わせがしてみたい』という彼女のお願いを聞いてしまった彼は、言いようのない不安にかられていた。
「切くん!」
「!」
そんな彼の不安を打ち消す様にショートカットの黒髪の少女が可愛らしい笑顔を向けて現れた。
彼女こそ、切の想い人兼恋人の『武者小路 祝』である。
「ごめんね。早めに家を出たんだけど・・・切くんに先を越されちゃったね」
「大丈夫だよ、祝ちゃん。僕も思ったより早く着いただけだから。それじゃあ行こうか」
「うん!」
こうして初々しい恋人達は談笑しながら特急の列車へと乗り込む。
車内は結構広く、内装も清潔感の漂うきれいなものであった。
「ふわぁ~・・・」
「あれ? 祝ちゃん、もしかして寝不足?」
「うん。切くんと二人っきりで旅行なんて初めてだから・・・楽しみで眠れなくて」
「僕もだよ(・・・ん? あれ?・・・ッあ”!!)」
今日まで祝との旅行の事だけしか頭になかった切だが、先程の祝の発言で思い出した。
そう。『
今までも彼女と一緒に宿泊した事はあるにはあるが、それは祝の命を狙う者から守る為などであった。
こうして、行楽の為に旅行へ行くことは初めてであったのだ。
どうりで、家を出るときに彼の妹である針がニヨニヨしていた訳だ。
というか、年頃の男女が外泊するのだから、それは勿論の事・・・・・
「(うわァアアアアアッ!!///)」
「どうしたの切くん?」
「う、ううん! なんでもない!!///」
「? 変な切くん。あ、そうそう。私、実はお弁当を作って来たんだよ」
「え!?」
急に深刻そうな顔をする切を尻目に祝は持っていた紙袋の中からお弁当箱を取り出す。
蓋を開けてみると、中には美味しそうなライ麦サンドイッチが整列していた。
「シェルスさんからレシピを教えてもらって作ったの。景色を見ながら食べよ」
「・・・祝ちゃん・・・・・僕、今一番幸せかも・・・」
「早いよ、切くん。ふふふッ♪」
深刻そうな顔から、満面の笑みへとコロコロ表情を変える切にクスリと笑う祝。
誰もが羨む微笑ましい空間がそこにはあった。
「着いたー!」
「結構早く着いたね」
箱根に到着した二人はまず、温泉街へと歩を進める。
「温泉まんじゅういかがですかー」
「あ、切くん温泉まんじゅうだって。お土産に買って行こうよ」
「祝ちゃん、お土産にはまだ早いじゃあないかな?」
美味しそうなニオイに釣られたのか、可笑しなゆるキャラが立っている饅頭屋へと誘われる祝。
変なゆるキャラに怪しみながらも、ホカホカの饅頭を見る切。
「・・・一つ買ってみようかな」
「!」
ガシッ
彼の発言を聞いて近くにいた変なゆるキャラが突然、切の手を両手でつかんで振った。
「えッ? わ!?」
「まんじゅう博士も喜んでますよ~」
「ちょッ、離して! 祝ちゃん、助け・・・撮ってないで!!」
「動かないで切くん! ベストショットが撮れそう!」カシャカシャ
突然の事に戸惑う彼氏を逃すまいとスマホのカメラシャッターをきる祝カメラマン。
なんともシュールな光景に周囲の観光客がクスリと笑う。
それから二人はバスに乗り、旅館のチェックインの時間までを観光に使うことにした。
近辺の美術館や無料の足湯に行き、最後はニュースでも紹介されたプロジェクションマッピングを観覧したりなどしたのだった。
「え・・・ッ!?」
「おお~・・・!」
さぁ、そろそろ夜が来ようという頃合。
二人は、アキトとシェルスが泊まるはずだった旅館へと向かったのだが・・・・・。
「切くん・・・なんか、すごっくキラキラしてる」
「うん・・・そうだね・・・」
その旅館が何ともまぁ言い表せない高級感を放っていたのだ。
まるで『一見さん御断り』とばかりの雰囲気を出す旅館にたじろぐ二人。
「おや? どうかされましたかね?」
「え?! え~と・・・そうだ」
そんな二人の様子に気づいたのか、軒先を掃き掃除していた初老の従業員が声をかけて来る。切は動揺しながらも、アキトから受け取った書状を彼に渡した。
「うん、どれどれ・・・・・なッ!? こ、これは!! 失礼いたしました、すぐにご案内致しますので!!」
「「?」」
老眼鏡をかけて書状の中身を確認した初老従業員は突然慌てふためくとすぐさま二人を敷地内へと通す。
「『伯爵』様ご友人ッ、ご到着でぇーす!!」
『『『ッ!!?』』』
慌てて声が裏返った初老従業員の叫びにも似た声を聞いた全従業員がゾロゾロと入口から出て来る。
そして、均一に整列した従業員が二人に一礼し、一言。
「ようこそ、いらっしゃいませ!!」
「「あ・・・はい・・・」」
その光景についていけなかった二人は少しポカーンとしてしまう。
「ようこそいらっしゃいました。私、当旅館の大女将でございます。ささ、どうぞ此方へ」
「は、はぁ・・・」
圧巻のスケールに圧倒されながらも荷物を預けて案内される二人。切も祝もどうしてこんな事になったのか聞きたかったが、あまり詮索しない様にした。
触らぬなんとやらである。
「此方がお部屋になります」
「「おおっ・・・!」」
二人はなんとも豪華な部屋へと通された。
切は『学生の身分で良いのかな・・・』と訳のない罪悪感にさいなやまれるが、隣で目を輝かせる祝を見て、考えるのを止めた。
「お布団はお夕食の後に係りの者が敷きに参りますが、如何されますか?」
「そうだなぁ~・・・どうする祝ちゃん?」
「先にご飯にしようよ、切くん」
「そうだね、僕も祝ちゃんも結構、歩いたし。すいません、先に夕食で」
『はい、ではそのように』と仲居が出ていくと二人は少しの間ゆっくりと足を延ばす。
暫くすると部屋に宿自慢の品々が運ばれて来た。
「うわ~!」
「すげぇ~・・・」
山の幸、海の幸をふんだんに揃えた豪華絢爛のものばかりで、美味しそうな料理に感動する二人。
「食べよ食べよ、切くん!」
「うん!」
「「いただきます」」
「あっ、これ美味しい!」
「これも美味しいよ、祝ちゃん」
行儀良く手を合わせ、談笑しながら食事を平らげていく。
普段めったに食べられない料理に舌を楽しませ、楽しそうに笑い合いながら二人は食事を終えるのであった。
「おふろおふろ~♪」
夕食を食べ終えた二人は、着替えの持って温泉に向かう。
「源泉かけ流しだって仲居さんが言ってたよ」
「私、温泉なんて初めてだから楽しみだなぁ~」
「・・・・・」
「うん? どうしたの切くん?」
祝の何気ない言葉に急に黙る切。
思えば、祝は幼少の頃より呪いによる『呪髪』を患っていた。
呪いが解けた事で今は首までの長さだが、出会った当初は引きずって歩く位の長さで、一人でお風呂に入るだけでもさぞや重労働であっただろう。
それが今や普通にお風呂を楽しめている事になんだか切は、自分の事のように嬉しかった。
「ううん、なんでもないや。楽しみだね、温泉」
「うん。あ・・・」
「どうしたの?」
「え、えと・・・そういえば、家族風呂があるって聞いたんだけど・・・・・切くん・・・一緒に入る?///」
「・・・ふぁッ!?///」
突然の『お誘い』の言葉に固まる健全男子。
急にそんな事を言われたものだから、思考回路が真っ新になってしまった。
けれど・・・
「あ、もう予約でいっぱいだった」
「ああ・・・」
残念(?)な事に予約欄はびっしりと埋め尽くされていた。
この時の切の心中は彼にしかわからない。
「じゃあ、お風呂を出たらここで待ち合わせしよう」
「うん。あ、でも私の方が遅くなるかも・・・」
「大丈夫だよ。初めての温泉、ゆっくりしていって」
待ち合わせ場所を決めて別れる二人。
祖父がたまに口ずさむ歌にこんなのがあった気がすると切は微笑みながら思うのであった。
カポーン・・・
「あ~、気持ちいぃ~!」
久々の温泉にまったりと寛ぐ切。
自身としても久しぶりの温泉に満足し、来てよかったと思った。
「・・・・・・(幸せだなぁ)」
満足しながら、切はこれまでの事柄を思い出していく。
『
『
『
ついこの間まで日常とはかけ離れた戦いに身を置いていた何て信じられない位、こうしてゆっくり二人で温泉旅行なんて出来るなんて夢にも思わなかった。
「(何だか・・・妄想が全部、現実になったみたいだ。・・・信じられないよなぁ、祝ちゃんと二人で旅行できる日が来るなんて・・・・・)」
温泉からあがった切は、水分補給をしながら物思いに更けていく。
「切くん」
そうしていると自分を呼ぶ声が聞こえて来る。
振り返ってみれば、そこには烏の濡れ羽色の美しい黒髪を束ねた愛おしい人が立っていた。
ドキリッ
「い、祝ちゃん・・・温泉気持ちよかった?///」
「うん。とってもよかった」
話ながら彼の隣に座る祝。
「・・・///」
その艶っぽい姿に目を向ける事すら躊躇いがちになる。
「・・・(あ・・・綺麗・・・)///」
一方の祝も切から漂う湯上りの色気に心の臓腑が大きく脈打つ。
「か・・・顔が赤いよ、切くん?///」
「・・・お・・・温泉、熱かったから・・・湯冷めをしない内に部屋に戻ろうか!!///」
「そ、そうだね!!///」
気恥ずかしさの余り、変なテンションになる二人。そのテンションとは裏腹に体は古びたロボットの玩具のようにぎこちない。
「おお、布団が敷いてある!」
「いつの間に・・・いや知ってたけど!!」
漸く部屋に戻った二人は、変なテンションのまま布団が敷かれてあることにオーバーなリアクションをとってしまう。
ドキンッ
二人の鼓動が大きく重なり合う。
だってそうであろう。布団が
「「・・・///」」
ストン
目の前の光景に変なテンションは劇高になり、終いには両者無言となって布団の上に座ってしまった。
ドキドキドキドキドキ・・・///
胸が痛いくらいに激しく高鳴る。
実はこういう事は前にもあった。
其の時は他の権利者が祝の命を狙って来た時だったのだが、今は状況が違う。
若い年頃の恋人同士が密閉された空間に、しかも命の危険がない状況で向かい合っているのだ。
「・・・い、祝ちゃん!」
「は、はひぃッ!!」
先に仕掛けたのは切だ。
彼は決心し、大きく両の手を開いて笑顔を彼女に向け一言。
「こっちおいで!///」
「・・・うん!///」
ギュッと抱き合う形になる二人。
祝が倒れ込む様に切へ抱き着いている為に彼の胸板に頭が傾けられる。
「切くん・・・ドキドキしてる~///」
「だって、しょうがないよ・・・は、恥ずかしいんだよ・・・///」
「えへへ~♪ 切くんかわいい~///」
「むッ・・・///」
余裕のある祝の態度に少しだけムカついた切は、背中に回していた右手を頭の方へと持っていく。
「ひゃッ!?///」
そして、彼女の黒髪に指を絡ませて何度もすく。
「ん・・・やぁ・・・ぁ・・・///」
艶やかな彼女の声と自分の背中を引っ張る手が彼の鼓膜と触感を揺さぶり、なんとも言えない高揚感を刺激する。
「綺麗な髪・・・『クライムエッジ』があれば・・・あの時みたいにチョキン・・・チョキン・・・って切れるのになぁ。ねぇ、そう思わない? 祝ちゃん///」
「・・・・・もう!」
「あてッ!?」
ポカリポカリとそんなに痛くない祝の打撃が切を襲う。
「変態へんたい! 切くんの変態!!」
ポカポカッ
「あてて。ごめん、ごめん祝ちゃん・・・って―――」
「あッ・・・―――」
不意に二人の目が合う。視線が合う。
潤んだ瞳が、薄紅色の頬が瞳に映る。
互いの艶やなか唇を意識してしまう。
「「・・・・・ちゅ・・・///」」
どちらかからは判らない。というか、そんな事はどうでもいい。
自然と唇と唇が磁石のS極とN極のように魅かれ合って、惹かれ合って、引かれあって、合わさった。
「(あ・・・マズイ・・・)」
切は危機感を感じた。
このままこの状況でキスを続ければ、きっと『戻れなくなる』『取り返しのつかなくなる』と。
「祝ちゃ―――んむッ・・・///」
「ちゅぅ・・・」
切の制止も虚しく、祝はキスを続ける。
それどころか、切の身体をめいいっぱい押して倒してしまった。
「い、祝ちゃん?! ちょ、ちょっと・・・!!///」
祝の大胆な行動に焦る切であったが、次の瞬間に口籠もる。
何故なら・・・。
「切くんとの旅行、嬉しいなぁ~///」
「あ・・・///」
彼女の艶やかな笑みが網膜に映ったからだ。
その表情は見た事もないくらいに鮮烈で美しいものだった。
「・・・!」
「んむ・・・ッ!!///」
こんな顔を魅せられて、滾らない男はいないだろう。
切はグイッと身体を起き上げ、祝の唇を塞いだ。
「ちゅル・・・///」
「んん・・・!? んむッ・・・///」
小鳥が木の実を啄ばむようなバードキスから一転。切の舌が祝の口へと侵入し、淡いピンク色の歯茎を蹂躙していく。
「「ぷはッ・・・」」
唇を離すと銀の絹糸が灯りに照らされ、怪しく光った。
「・・・き・・・・・り・・・くん」
「~~~ッ!!」
蕩け切った祝の表情に切の中でプチりと何かが切れた。
「ぺろ・・・」
「ん・・・///」
切が右手を頭に添えると唇を首筋に持っていき、舌を祝の肌に下から上へと滑らせる。
そして、残った左手で部屋着の裾を掴むと果実の皮を剥くように脱がしていく。
衣の下にはライチの果肉のように瑞々しく、きめ細かい肌とオシャレなフリルがあしらわされた白いブラが目に入る。
「ちゅ・・・ちゅ・・・///」
「あ・・・んン・・・///」
ドキンッドキンッ・・・ドギンッ!
遂に切は背中に両の手を背中に回し、ホックへと指をかけた。
「・・・・・祝ちゃん・・・///」
ここで切は再び祝の瞳に目を合わせる。
熱に浮かされた涙で濡れた眼が切の表情を映すと声帯をバネに彼女の言葉が紡がれる。
「き・・・りくん・・・いいよ・・・///」
「・・・・・///」
トサリッ・・・
切は祝の返答を聞くとその肩を掴んでゆっくりと優しく、されど力強く・・・・・彼女を布団へ押し倒した。
―――――――
チチ・・・チ・・・
「う・・・ううん・・・あ?」
小鳥の泣き声と朝陽に起こされた僕は、眠気眼で少し下を覗く。
「すぅ・・・すぅ・・・」
するとそこには、愛おしい僕の女王様が可愛らしい寝息を発てて眠っていた。
・・・一糸まとわぬ姿で・・・。
「(・・・ああ、そうか・・・僕は昨日、祝ちゃんと・・・・・)///」
昨日の事を思い出すと顔が赤くなり、同時に背中がヒリヒリと痛んだ。
「(これは当分、人前で服を脱げないな・・・特に背中は晒せないや・・・)」
「う・・・んミュ・・・切・・・くん?」
物思いに更けっているとやれ愛しの人が目を覚ました。
僕が彼女に『おはよう』と声をかけるとなんだか彼女は恥ずかしそうに俯いてしまう。・・・きっと彼女も昨日の事を思い出してしまったんだろう。
自分でも解るくらいに顔が熱いのがわかった。
「祝ちゃん・・・///」
「ん・・・///」
あまり間を置きたくなかった僕は、そっと彼女を抱き寄せる。
彼女の肌のぬくもりが身体に伝わり、甘い香りが鼻をくすぐった。
「(ああ・・・温かい・・・)」
この温もりは、勝ち得たものだ。
あの戦いで、あの逆境で、あの困難を打ち負かして得たかけがえのないものだ。
もう離すもんか、手放すもんか。
この人は僕のものだ・・・!
「うわ・・・///」
「どうしたの切くん?」
「いや・・・なんか、独占欲が・・・///」
「ふ~ん・・・ねぇ、切くん」
「なんだい、祝ちゃん?」
「好きだよ・・・切くん///」
・・・
・・・・・
・・・・・・・・ああ・・・それはズルい、ズルいよ・・・祝ちゃん・・・・・ッ!
「ああ・・・僕も好きだよ、大好きだよ・・・祝ちゃん・・・///」
この人を守っていこう。
今の僕にそんな力があるかどうかなんて、解らないけれど・・・僕は彼女の傍に居続けよう。
―――――――
こうして、一人の男の新たなる決意が表明された。
例え物語が終わろうと彼と彼女の物語は続いていくのだから。
・・・因みに今回の旅行のお土産は、寄木細工と温泉饅頭であったという。
チャンチャン♪
切祝は良いものだぞ?