一日遅れの投稿ッ!
まぁ、バレンタインデー回から大分、期間が開いちゃいましたけど・・・
あっちこっちネタでお送りする次第でございます。
あと最後らへんはネタに走りますが、悪しからず。
という訳で、どうぞ・・・・・
春の兆しを感じるある三月の事。
路地裏沿いにある隠れ家的なBAR『Velvet』にいつもの三馬鹿野郎が集まっていた。
「三馬鹿は余計だッ!」
「・・・誰にツッコミ入れているの、圭くん?」
Velvetの厨房に集まったのは・・・
自称一般人の逸般人『野崎 圭』。
守る覚悟を持った殺人貴『灰村 切』。
そして・・・
「多分、次元を超えた先のヤツにだろう。圭君、そういう能力があるから」
敵に回せば、世界最悪クラスの吸血鬼『暁 アキト』である。
彼等がこうして集まったのは、数日後に迫るイベント『ホワイトデー』の為だ。
バレンタインデーに義理でも本命でも友でも貰ったお三方は、これから休日を利用しての御返し作りをするのであった。
「巧く作れる自信がないんだけれど・・・」
「切くん、作り始めたらなんとかなるさ」
自信なさそうに呟く初心者に同居人が料理人の中級者が声をかける。
「切くんや。バレンタインデーに貰った祝のチョコ、手作りだったろう? だから、こうして俺に菓子作りを聞きに来たんじゃあないのか?」
「ああ・・・まぁ、そうですけれど・・・」
こう見えてアキトは、料理が特技と言って良いレベルの上級者だ。
裏の仕事で世界中を飛び回っている為、その国ならではのの美味な料理を沢山知っているし、再現して作る事も好んでやっている男だ。
「でも俺、既製品でもいい気がしますけど」
「・・・・・圭君、君はチョコをなんと心得る?」
「へ? チョコは、ただのチョコでしょう?」
何気ない圭の一言にアキトはヤレヤレと溜息を吐きつつ首を振ったと思ったら・・・
「『
ズギャァアア―――ッアン!!
「どわァアッ!!?」
彼の片目から勢いよくレーザーのように血液が発射され、圭の頬を掠めた。
「い、いきなり何すんだアンタッ?!!」
「バレンタインデーのチョコを『ただのお菓子』と言う・・・まずはその偏見をぶち壊すッ! さぁ、歯ぁ喰いしばれ!!」ゴゴゴゴゴゴゴ・・・ッ
「喧しいィ! 説明しろォ、このイカれ吸血鬼ッ!!」
「ちょっと、落ち着いて二人とも!!」
一触即発の二人を何とか宥める切。
彼としては、店のオーナーから厨房を借りている為に粗相を起こして行きつけの店を出禁になるのは極めて避けたい。
「ハァ・・・圭君、バレンタインデーにガブさんからチョコ貰って嬉しかっただろう?」
「そこでなんで、ガブリエラの名前が出て来るのかがわからない・・・しかも『チョコをもらった』っていうよりは、『チョコまみれにされた』っていう方が正しいし・・・カラかわれているだけだと思うし・・・」
取り敢えず落ち着いたアキトは、呆れながら圭に文言を垂れる。
一応、圭もバレンタインデーに同じ職場の同僚である女装少年、優太からはホワイトチョコ(という名の石鹸)を。
敵対しているにも関わらず、目を付けられているヴァレンティーノファミリー暗殺部隊隊長、ガブリエラからはバズーカ砲で大量のチョコをお見舞いされている。
「フンッ・・・鈍いな、圭君」
「はァッ?」
「まぁ、兎に角にも。義理だろうが、本命だろうが、そこに真心が込められているのならば・・・チョコは送り主の心と知れェえい!!」ドーンッ
「た・・・確かにそうだ・・・!」
アキトのスゴ味と力説に流されてしまう圭。
こういう事で無駄にカリスマスキルを乱用してしまう所が彼らしいと切は改めて思う。
「高価な御返しを送るのが、良い御返しとは言えない。切君みたいに誠意には誠意を持って返すべきだと俺は思うぜ」
「う~ん、そうか・・・なら、俺も心を込めてガブリエラにロケット砲でチョコを・・・」
「なんか違うよ、圭くん。それじゃあ、御返しってよりは報復だよ」
そんなこんなで、お菓子作りが開始されるのであった。
「まず、何からすれば良いんですか?」
「え~と・・・切君が作るの何だっけか?」
「キャンディーですかね」
「おん。じゃあまず鍋に砂糖と水入れて、弱火にかけてん」
「はい」
「圭君は、ホワイトチョコクッキーだったよな?」
「はい。まずはホワイトチョコを細かく刻むんですよね」
「そうそう」
各自が各自で、決めている自分の作りたいお菓子の材料や器具を取り分けたりなどしていく。
「そう言えば・・・ホワイトデーって、御返しのお菓子で意味がなかったっけ?」
「本命がキャンディーか、マシュマロだかで曖昧だったような・・・アキトさん、どっちでしたっけ?」
「ああ~・・・大体、ホワイトデーって日本で始まった習慣だからなぁ。わかんないけど、マシュマロだと・・・『チョコに込められた思いを純白のベールで包んで返す』とか」
「・・・は、恥ずいっすねそれは///・・・なら、キャンディーは?」
「お~ん・・・『君への思いを甘い宝石に変えて送るよ』とかかな」
「おおッ! アキトさん、たまに詩人すっね」
「まぁ俺は、キャンディーが本命の御返しだと思うぜ。キャンディーは、そのほとんどが砂糖を占めているし、口の中で長く味わうモンだからだからなぁ。本当は『甘い日が長く続く』や『交際が長く続く』つう意味があるんだろうさ」
「へ~・・・だってさ、切くん」ニヨニヨ
「・・・///」
「フッ・・・初心だねぇ」ニヤニヤ
「もう! 二人して、僕を見ながらニヤケルのやめてください!!///」
真っ赤な顔の切をカラかいながら、トリオは作業を進めていく。
作業が進むにつれて、甘い香りが厨房に広がって行くのが分かる程である。
「WRY~・・・こんだけ丁寧に作ってると三倍どころか、十倍返しぐらいにはなるよなぁ」
「別に何倍返しとか、関係ないと思いますけど」
「でも切くん、たまに三倍返しを考えたヤツを歴史から抹消したいって考えた事ない?」
「いや、そこまではないよ」
「過去のホワイトデーに何があったんだよ、圭くん・・・。だが、後の世に残したくない文句ではあるな。でも実際、三倍返しを期待している人って少ないと思うぞ。・・・女権主義の糞アマ共を覗いては」
「こんな世の中ですからねぇ。圭くんの言いたい事も何となく解る」
「御返しには、『目には目を、歯には歯を』の精神でいきたいよな」
「アキトさん、それは仕返しの精神だ」
お喋りを交わしつつ、彼等の菓子作りは最終工程を迎える。
切のキャンディーは、あとは冷蔵庫で冷やし固めるのみで、圭のホワイトチョコクッキーはとは焼くだけである。
「ニュホホ~ン♪」
「ん?」
二人が最終工程に入る中、アキトは焼き上がるマカロンの隣でに何かを作っていた。
「なに作ってるんですか、アキトさん?」
「おん。今、特別なお菓子を作ってんだよ」
「え、でもシェルスさんの御返しはマカロンじゃあないんですか?」
「シェルスには、彼女の為だけのお菓子がいるんだよ」
「「?」」
疑問符を浮かべる二人を余所にアキトは作業に打ち込んでいく。
どうやら作っているのは切と同じキャンディーのようであるが、彼の金平糖入りのタイプとは違い、シンプルな鼈甲飴タイプだ。
「よし、あとは・・・」
あとは形を揃えて冷やすだけの工程まで来たアキトは、おもむろに液体状の飴の上に手とナイフを―――
「ちょッ、ちょっと待ったアキトさん!!」
「おん? なんだよ、圭くん」
どう考えても嫌な予感しかしなかったので、圭はついに叫ぶ。
「ま・・・まさかだと思いますが・・・」
「なんだよ、
「やっぱり・・・」
大方の予想通り、お菓子に自らの血液を入れる事に何の躊躇もないアキトにドン引き二人。
もう頭を抱え込まずにはいられない。
「ダメに決まっているでしょう!! なに考えてるんですかッ!」
「え~ッ、いいじゃんか。シェルスだって、バレンタインデーのチョコに血入れてくれたんだぜ」
「「え”ッ・・・!?」」
更にドン引きする二人。
この吸血鬼カップルは、本当に何をやっているんだか。
「いや~、アレ美味かったなぁ~。チョコの甘味と苦味も俺好みの味だったし、何より隠すつもりのない隠し味の彼女の血が実に最高に―――」
「ああ、もういいです」
「ホント・・・甘いんだか血生臭いんだか、安定してますよね。アキトさんとシェルスさんって・・・・・」
「「ヤレヤレ・・・」」
血生臭い彼の惚気話にもう何も言えなくなった二人。
まぁ取り敢えず御返しのお菓子作りは成功し、三人はそれぞれ無事にホワイトデーを迎えたそうだ。
チャンチャン♪
息抜きには季節ネタですなぁ。