Diplomatの日常   作:rainバレルーk

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人外番外編:吸血鬼と優しき王・・・6

 

 

ノーサイド

 

 

 

役者は揃ったように部屋には様々な顔が並ぶ

 

 

「えと、どうも『因幡探偵事務所』所長、因幡洋。横にいるのは助手の圭と優太だ。君が俺達に依頼をくれた『皇』さんで間違いないな」

 

「えぇ、私が皇家現当主『皇神楽耶』です。」

 

「それで・・・一体どういう『ご依頼』なんですか?」

 

圭は恐る恐る神楽耶に口火をきる

すると神楽耶は桐箱を取りだし、因幡の前に差し出した。箱の中には白髪の束が入っていた

 

 

「これは・・・?」

 

「これは先々代の、私のお祖父様の『遺髪』です」

 

「『遺髪』って――」

 

「因幡さん、貴方にはこの髪から我が家に伝わる『鏡』を見つけていただきたいのです」

 

「『鏡』?」

 

「はい、『鏡』です。」

 

「どうして鏡なんかを」

 

「実は―――」

 

神楽耶の話によると、皇家当主は家を継ぐ儀式を行うために代々伝わる『鏡』が必要だという事だ。

しかし、神楽耶の先々代が剣の有りかを告げずに亡くなってしまったという

 

 

「私が家を正式に継ぐ為には『鏡』なのです。どうかお願いできますでしょうか?」

 

「任せてください・・・って先生?」

 

因幡は優太の背に隠れていた

 

 

「おい、どうしたよ狼?お前の好きな人毛だぞ?」

 

「・・・この髪・・・『染めてる』」

 

「「「・・・え?」」」

 

「あ~・・・そういう事か・・・」

 

暗くなる因幡に疑問を持った刹那は、隣にいたアキトに聞いた

 

 

「アキ兄?どうして因幡さんは落ち込んでるの?」

 

「あぁ・・・刹那、アイツが『毛フェチ』なのわかるよな?」

 

「うん・・・それが?」

 

「自然な毛髪を愛するが故に『染料』で染めた毛が大嫌いなんだよ」

 

「変態には変態の理念がある訳だね」

 

「カカッ♪言うね♪」

 

「理解に困るね・・・」

 

「アンタが言うな変態教授」

 

 

「因幡さん!依頼を受けましょうよ!口開けてください!」

 

「やだやだやだやだッ!絶対にやだ!染めた毛なんて自然な毛髪への冒涜だ!絶対にやだ!絶対にだ!」

 

「依頼受けないと『報酬』がもらえないですよ!」

 

「それでもやだぁ~!」

 

嫌がる因幡に手こずる圭はアキトとシェルスに目をやり、二人はアイコンタクトをすると行動に移った

アキトは優太の後ろに隠れる因幡の背中を取り押さえるとシェルスが頭を掴んだ

 

 

「何すんだよッ!?この野郎!」

 

「はい、因幡さんアーンしてください」

 

「いぃぃやぁあッ!」

 

「刹那くん、見ちゃダメだよぉ」

 

「う、うん」

 

優太が刹那の目を隠している間に圭は因幡の口は無理矢理こじ開け、遺髪を束のまま捩じ込んだ

 

 

「う、うげぇ・・・ま、マジぃ~・・・」

 

「はい因幡さん、よく噛んで」

 

「うぅ・・・」

 

間もなくすると因幡は髪から情報を取り込み、鏡があるであろう蔵に案内係とともに向かっていった

 

 

「大丈夫なのかね彼は?」

 

「大丈夫だろう。アレでも一応、警視庁の元エースだからな」

 

「ふ~ん」

 

「それでアキトさま?」

 

「おん?」

 

「こちらの可愛い方はどなたで?」ナデリコ

「うみゅ~・・・///」

 

教授とアキトが話をしている間にいつの間にか、神楽耶が刹那の頭を撫で、刹那は恥ずかしそうにしていた。そんな神楽耶を刹那から剥がし話をはじめた

 

 

「もしや・・・アキトさまとシェルスさまのお子様ですか?いつの間に―――」

 

「違うからな!今、預かってる子が刹那だ。その刹那の事で話がある」

 

「と言うと?」

 

「あの人・・・『子駒(ここま)』に会いたい」

 

「子駒ちゃんにですか?」

 

「『ちゃん』付けかよ・・・会えるかな?」

 

「たぶん大丈夫ですよ・・・?」

 

「疑問系にしないでよ・・・」

 

アキトと神楽耶が話している中で、刹那がシェルスの袖を引っ張った

 

 

「ねぇシェル姉?『子駒』さんて誰?」

 

「そうね・・・私も実際に会った事はないんだけど・・・」

 

「けど?」

 

「『魔法のスペシャリスト』だそうよ?」

 

「へぇ~・・・え!?『魔法』ッ!?」

 

こうして刹那達は問題の場所へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

刹那サイド

 

 

 

サワサワサワサワ・・・

 

竹が風に靡いて音をだす。

あれから僕達は神楽耶さんに案内されて、皇家邸宅の裏にある竹林に来ていた。

 

 

「刹那、足元悪いけど大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「神楽耶、無理しなくていいから」

 

「シェルスさま・・・ありがとうございます」

 

でも不思議だな~、僕の世界で人気の作品『コードギアス』の本物のキャラが隣でシェル姉にお姫さま抱っこされてる

 

 

「?どうかしましたか、刹那さま?」

 

「あ、な、なんでもないです!///」

 

ヤバ、凝視しちゃった・・・変に見えなかったよね?

 

 

「どうした刹那?神楽耶ちゃんに見とれてたか?」

 

「べ、別にそんなんじゃないよッ!?///」

 

「まぁ、嬉しい」

 

「あら?まさかの?まさかかしら~?」

 

「もう!からかわないでよ!///」

 

なんか僕、この世界に来て弄られてるな・・・ん?

 

 

「ねぇ、アキ兄?向こうから誰か来るよ?」

 

「おん?あ、『藤堂』さん」

 

『藤堂』・・・?藤堂ってまさか!?

 

 

「オーイ!藤堂さぁーん!」

 

「む・・・暁か」

 

僕達の目の前には、『切れ長の鋭い眼』に『作務依姿』の男の人が歩いて来た

 

 

「久しいな暁」

 

「えぇ、お久し振りです藤堂さん」

 

「ヴィクトリア殿も久しく」

 

「お久し振りmr.藤堂」

 

「御苦労様です藤堂」

 

「今日はウチの姫さまを連れてどうかしたのか?」

 

「実は――」

 

僕、この人知ってる・・・!

コードギアスで『厳島の奇跡』を起こし、『黒の騎士団』の強キャラ、『藤堂鏡志朗』だ!

 

でも僕の知ってる藤堂鏡志朗より『若い』?のかな?

あと、『優しい』感じがする。実物知らないけど・・・

 

 

「ん?」

 

おぉ・・・こっち見てきた!緊張するな~

 

 

「ちょっと藤堂さん?あまり睨んでまないでくださいよ?只でさえ強面なんだから」

 

「それはスマンな。凪沙にも言われる」

 

「おやおやおやおや~?シェルスさんやシェルスさん?」

 

「なんですかな?アキトさん?」

 

「これはノロケ話ですな」

 

「そうですな。どう思いますか?神楽耶さん?」

 

「ノロケ話ですね。何時もコレです」

 

「・・・やめてくれ///」

 

藤堂さんは顔を片手で隠した。耳まで真っ赤だ

中々にレアなんじゃないのコレ?

 

 

「それで藤堂さん、子駒さんはいるかい?」

 

「なに?」

 

「その格好、子駒さんの所に行ってたんだろ?」

 

「あぁ、薬をもらいにな」

 

「・・・因みになんの薬だい?」

 

「やめなさいアキト。mr.藤堂、気にしないでね。」

 

「あぁ、何時もの事だ。コイツにはいつも手を焼かれるからな」

 

藤堂さんは苦笑いをして、アキ兄は舌を出していた。なんか二人が仲が良いのがわかるな~・・・

 

 

「藤堂、蔵で凪沙が因幡さま達と鏡を探しています。手伝ってはもらえませんか?」

 

「わかった。それではな暁」

 

「じゃあ、また後で」

 

 

 

 

 

 

 

ザッ・・・ザッ・・・ザッ

 

藤堂さんと別れた僕達は、もっと深い竹林に入っていった。もう方位もわからないぐらいに周りは竹ばっかりだ

 

 

「アキト~?まだ着かないの?」

 

「ここら辺だったけ?神楽耶ちゃん?」

 

「どうでしょう?」

 

「どうでしょうって、まさか『迷った』の?!」

 

どうやら『遭難』しちゃったの!?

 

 

「アキ兄~・・・」

 

「あぁ、刹那、泣きそうな顔するなよ・・・藤堂さんに聞けばよかったな・・・」

 

元の世界に帰る前に屋敷に帰れるかな?

 

 

――・・・ャア――

 

「ん?なんだろ・・・?」

 

なんか竹藪から何か聞こえてきたぞ?

 

 

ザクザク・・・

 

音が聞こえて来た方向に歩みを進めると、笹の葉がこんもりと積まれた山に一匹の縞柄『猫』が顔を洗っていた

 

 

「どうしてこんな所に?野良猫かな?」

 

『・・・?』

 

猫は僕に気づいたのか、僕の顔を見てきた

 

 

「にゃ、ニャア~・・・」

 

僕は好奇心から猫に近づいた。猫は逃げる事や身構える事なく、その場に止まった

 

 

「お前は逃げないんだな~?」ナデリコ

 

『・・・ゴロゴロ』

 

頭を優しく撫でてやると猫は気持ち良さそうに喉を鳴らした

 

 

「刹那~!」

 

「刹那さま~!」

 

「あ、いた!」

 

猫を撫でているとアキ兄が血相かえて出てきた

 

 

「刹那!お前心配しただろうがッ!」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

「まぁ、よかった。無事でよかった・・・」

 

アキ兄は一頻り僕を怒った。こんなに怒られたのは久しぶりかもしれない

 

 

「ふむ、しかし、子駒さんはいませんね」

 

「だな・・・取り合えず今日の所は―――」

 

『待てや小僧』

 

「おん?」

 

帰ろうとする僕達を呼び止めるようにシワ声が聞こえて来た

 

 

「誰ッ!?姿を見せなさい!」ギラリ

 

シェル姉の雰囲気がイッキに変わった!まるで抜き身の刀のように

 

 

『そう怖い顔するなや吸血鬼の姉ちゃん』

 

「だったらどこに―――」

 

『ここや』

 

「どこよッ!?」

 

『ニャア~!』

 

「「「え?」」」

 

目線を下げると、そこには僕がさっきまで撫でていた猫がいた

 

 

「あら『子駒』ちゃん。今度は『猫』になってたの?」

 

『そうやで神楽耶、可愛いやろ?』

 

猫はなんとも言えないシワ声で『人語』を喋り、『二足』で立っていた

 

 

「はぁ・・・やっと会えたよ・・・」

 

「アキト・・・まさかだと思うけど・・・?」

 

「そのまさかだシェルス・ヴィクトリア。このニャンコが『魔法のスペシャリスト』、『ワー・ココマン』だ」

 

『イヤやわ暁の兄ちゃん?昔の名前で呼ばんといてぇな。ワシは今、『子駒』や。子駒のジーさまや。よろしゅう頼むで新顔さん達?』

 

 

猫あらため、『子駒』さんは僕達にニッコリと笑った

この世界はなんでもありだな・・・

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 

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