Diplomatの日常   作:rainバレルーk

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人外番外編:吸血鬼と優しき王・・・8

 

 

 

ノーサイド

 

 

 

―――本当に気持ちが悪いなコイツ

 

―――このヨウナシが!

 

―――最低!キモッ!

 

―――言ってやるなよ、こんな見た目なんだら当然じゃないか

 

―――じゃあ、もっと殴ろうぜ♪

 

「やめて・・・やめてよ・・・痛いよ・・・!」

 

 

コールタールの化物達に囲まれ、刹那は悶え苦しんだ。忌まわしき記憶と幻覚、幻痛に苛まれながら・・・

 

 

―――邪魔なんだよウジ蟲が!

 

「あぁ・・・ァアああぁ・・・」

 

―――死ねよ

 

「イヤぁあぁあァアァアァァアアアアァアァアッ!」

 

刹那の悲痛な叫びが空間に響く。すると・・・

 

 

『Vオォ・・・いみ・・・のこ』

 

ある一体のコールタールの化物が口を開いた

 

 

『忌みの子・・・お前は世界に必要がない』

 

「ァア・・・ア・・・!」

 

そして、周りのコールタールの化物達も口々に言う

 

 

『魔の子・・・』

        『悪しき子』

   『忌まわしい『ベル』の血、『バオウ』の血筋』

 『お前は世界に仇なす怨敵』

                 『滅せよ滅せよ』

『イラナイ子イラナイ子』

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

刹那は膝まずきながら何度も何度Te iubesc も何度もあやまる

そうしているとコールタール達は一列に並び、その中の一体が刹那に手をのばして来た

 

 

『苦しかろう?憎かろう?でも大丈夫だ』

 

「・・・え・・・?」

 

『我々と来い、お前にとっての『世界』へ』

『我々の為だけの『世界』へ』

『真の『魔王』となり、世界を蹂躙しよう』

『我々だけの『欲望』の『世界』を造り上げよう』

『さぁ、来い。『魔王』に優しさなど不要だ』

『『『『『さぁ、さぁ、さぁ、さぁ、さぁ!』』』』』

 

「僕は・・・僕は・・・」

 

刹那は差し出された手に恐る恐る腕をのばした・・・

 

 

 

 

 

 

 

しかし・・・!

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

「え・・・?!」

 

後ろから出てきたコールタールとは違う『手』が刹那の腕を掴んだ

 

「堕ちるな・・・『愛しき子』よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那サイド

 

 

 

コールタールの人達にのばした僕の手は、後ろから現れた赤と金に装飾された手甲に止められた。振り返るとそこには・・・

 

 

「『ベル』の愛しい子よ・・・堕ちるでない」

 

『赤と金に装飾された鎧』に赤と黒の『マント』を装着し、『蛍火の髪』を振り乱し、『血のように紅い眼』をギラつかせた『鎧の人』が僕の手を力強く、されど優しく握っていた

僕は不思議とその人から『恐怖』や『嫌悪』は感じられなかった

 

 

『バカなっ!』

『何故だッ!?』

『何故、貴様がここにいる?!』

 

コールタールの人達はその騎士を見るやいなや、一歩、また一歩と後ろに退いた

鎧の人は膝まずく僕を抱き抱えると、コールタールに向かって異形の『戦斧』を突きつけた

 

 

「失せろ下朗共。もとの常闇へと戻れ」

 

『いやだ!イヤだ!』

『道連れだ!その忌みの子も道連れだ!』

『何故だ!何故『ベルの魔の子』を庇う!?』

『〇〇〇〇〇〇〇の王よッ!?』

 

「・・・」

 

コールタールの人達は騎士の人に叫ぶ。でも騎士は戦斧を上へとあげた

 

 

「我に従う輩達よ。我とともに生きる兵達よ」

 

『『『『『『『『『『はッ!』』』』』』』』』』

 

「えッ!?」

 

僕達の後ろには赤と黒の『軍勢』が突然現れた

 

 

『『『『『陛下!陛下!王よ!ご命令をッ!』』』』』

 

「我に従う輩に兵達よ・・・我等が怨敵を殲滅せよ」

 

『『『『『仰せのままに!我が王よ!』』』』』

 

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"ッ!

 

『『『うギぁやああぁァアッ!』』』

 

軍勢はコールタールの人達を剣で斬り、槍で刺し、斧で叩き切り、弓で射抜き、棍棒で叩き、銃で撃ち、戦盾で潰す。コールタールの人達は断末魔をあげながら軍勢に殲滅される

 

 

「愛しき子よ」

 

「ひゃいッ!?」

 

不意に鎧の人が僕に語りかける

 

 

「お前は『優しき王』だ。『あの者』に似て優しき『王』の血を引き継いでおる」

 

「え・・・」

 

「元の『世界』へ帰り、お前の愛する者達を『安心』させよ」

 

「で、でも・・・僕、帰り道がわからない」

 

「あるではないか『核鉄』が」

 

「え?・・・あッ!」

 

僕はシェル姉から貰った『お守り』を懐から取り出すと、そのお守りは『黄金』に光っていた

 

 

「こ、これは!」

 

「さぁ、優しき王よ『叫べ』。『覚悟』の言葉を」

 

「『覚悟』の言葉・・・?そんなの僕は知らないよ?」

 

鎧の人は僕を地面に降ろすと僕の耳元で呟いた

 

 

「『Te iubesc』。『聖』と『魔』の間に生まれた『革新者』の『優しき王』よ」

 

その声は優しく艶やかで、どこか冷たい声色だった

鎧の人はそのまま戦斧を担ぐと軍勢のもとへと歩いていった僕はその場に立ち尽くすだけだった。でも・・・

 

 

「元の『世界』へ帰る・・・『セシア』達がいる世界へ・・・だから・・・だからその為に僕に力を貸して!『核鉄』!」

 

核鉄は答えるように光り輝いていった

その光りとともに僕は『覚悟』の言葉をのせた

 

 

「僕は・・・僕には『帰る理由』があるッ!!『武装錬金』ッ!!!」

 

そのまま僕は黄金の温かな光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーサイド

 

 

 

「行ったか・・・」

 

鎧の人は光りになって上へと飛んでいく刹那を見て呟いた

 

「『No.000』戦鎧の武装錬金『lack&plack』・・・お前に『幸運』と『勇気』を・・・ベルの子よ。お前は忌まわしき記憶を振りほどいた。生きろよ」

 

そういって鎧の人はモノクロの『海』へと沈んでいった

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 

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