Diplomatの日常   作:rainバレルーk

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人外番外編:吸血鬼と優しき王・・・11

 

 

 

ノーサイド

 

 

 

「コォォォッ・・・!」

 

『グルルル・・・!』

 

 

金色の鎧を纏った刹那は、頭に乗っけていた子駒を圭に預けると拳を構え、ガドルと向き合った

 

 

「ところで暁、お前の連れは一体どうしたんだ?あの姿は・・・」

 

「あぁ、あれはな―――」

 

負傷した藤堂に肩を貸しながら、アキトは刹那の変わりようを説明した

 

刹那が『魔力』を取り戻した事や、刹那が纏わせている鎧が『武装錬金』だという事を

 

 

「『No.000』『戦鎧』の武装錬金、『lack&plack』・・・やっぱり刹那にはピッタリだったわ」

 

「いやいやシェルス、あの核鉄はノアが、「常人には扱えへん!」て理由で『封印』してたよなぁ?」

 

「・・・お喋りはこの位にして・・・凪沙、mr.藤堂と狼ちゃんをお願い」

 

「ちょっ、シェルス?話をすり替えんなよ・・・」

 

「シェルス殿俺はまだ戦える・・・凪沙、因幡探偵と助手達と子駒を頼む」チャキ

 

「はい!お任せを鏡志朗さん。野崎くん、因幡探偵を担げる?」

 

「は、はい!」

 

「なら僕は猫は担ぎま~す」

 

『頼むで~お嬢ちゃん』

 

そうして圭と凪沙は因幡を抱え、優太は子駒を抱えてその場を離れた。それを確認したアキトは刹那に近づき肩を叩いた

 

 

「刹那、やれるか?武装錬金は体に馴染んでるか?『覚悟』はOK?」

 

「Yes Yes Yes・・・Yes!何だか心まで踊るほどに気分が良いよ!アキ兄!」

 

「なら―――」パンッ

 

アキトは合掌するように手を叩いた。それを合図に

 

 

「WRYYYYYYYYYYYッ!」ダンッ

 

『ゴダグギザー!』

 

アキトはガドルに向かって飛び出した!

一方のガドルも腕に雷を纏わせて、ファイティングポーズをとった

 

 

「『気化冷凍法』ッ!」パキィッ

『グガッ!?』

 

先に飛び付いたアキトがガドルの腕を凍らせた・・・が

 

 

「ぐぁッ!?」バチバチバチ

『ギルガダ!』

 

ガドルの発する雷撃はアキトに骨身にまで感電した!

 

 

「こ、この野郎・・・!」

『ゲゲゲダバ!』バチバチバチ

 

「でもよぉ・・・悪いが、俺はこんくらいの雷撃は狼から何度も何度も喰らってんだよ!無駄ァアッ!」パキィッ

『グルバァアッ!?』

 

だが、アキトはそのままガドルの腕を骨身まで凍てつかせた!

 

 

「今だ!叩き込めぇッ、刹那ァアッ!叩き斬れ、藤堂さァん!」

 

「「応ッ!」」

 

「『影の太刀』ッ!」ドシュゥウ!

「『雷黄色の波紋疾走(ライジングイエローオーバードライブ)』!!!」ドゴン!

『ギガァッ!!!!!!』

 

先制に藤堂が凍ったガドルの胴体を斬り、それに続けとばかりに刹那の拳撃がガドルを砕いた!

 

 

『ギ・・・ガドルガダザバド!』グァッ

 

「うわッ!?」

 

胴体を砕かれガドルの頭部だけが宙に浮いたが、ガドルは刹那の首を噛みつこうと首の断面から触手を出し、刹那の首に絡めた

 

 

「させると思う?『空裂眼刺驚(スペースリパースティンギーアイズ)』!」ズギャン

『グガッ!?・・・』ベチャリ

 

しかし、噛みつかれる前にシェルスの必殺がガドルを撃ち抜いた!

 

 

「あ、ありがとう。シェル姉」

 

「気をつけなさい。まだヤツは仕止められてない!」

 

『ギ・・・ガ・・・グギギダ・・・!』

 

頭を撃ち抜かれ、体をバラバラに砕かれ、無惨に地面にばらまかれても尚!ガドルは生きていた!

自らの砕かれた体をコールタールの流動体に変化させ、もとのコールタールの化物へと戻った

 

 

「ッ!?」

 

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ・・・なんて生命力だ。しかも姿形が『刹那にソックリ』じゃあないか?!」

 

「『もとの姿』に戻ったか・・・!」

 

「『もとの姿』?アレがもとの姿だって言うの!?まるで『ドッペルゲンガー』じゃあないの!」

 

「ドッペルゲンガー・・・」

 

コールタールの姿に一同は驚きを隠せずにいた。愕然としていると・・・

 

 

『ギガ・・・ズグバ・・・な、ゼダ?』

 

「・・・え?」

 

『ナぜ、こんナにモ違ウのだ?コタエろ『バオウ』ノ血筋・・・』

 

「しゃ、喋ってやがる・・・!」

 

コールタールガドルはグロンギ語から人語を喋りだし、刹那に語りかけた

 

 

『ワレは、わたしハ、僕は・・・お前ノ『コピー』ダ』

 

「え・・・」

 

「刹那!答えるなッ!ここでケリをつけるぞ!」キュゥゥン

 

アキトは刹那を制止しながら、紅い眼にエネルギーを溜めた。だが・・・

 

 

「・・・」スッ

 

「刹那・・・!?」

 

刹那はアキトの前に立ちふさがり、コールタールガドル・・・いや、『ドッペルゲンガー』に近づいた

 

 

「何やってんだよ刹那!?」

 

「待ってアキト」

 

刹那を止めようとしたアキトだったが、逆にアキトはシェルスに止められた

 

 

「なぜ止めるシェルス!?このままだと刹那が!」

 

「『信じて待つ』・・・」

 

「!?」

 

「待ってみませんか?アキトさん?」

 

「・・・俺は知らんぞ・・・どうなっても」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」ザッザッザッ

 

『ナぜだ?なぜ・・・僕はお前を『完璧』にコピーしたはずなのに・・・ナぜわたしはこんなにも『不完全』なのだ?ナぜナぜナぜナぜナぜナぜ何故なぜ?』

 

疑問符ばかりを投げ掛けるドッペルゲンガーに刹那近づき・・・

 

ダキリ

 

『ッ!?』

「「「ッ!?」」」

 

ドッペルゲンガーを優しく抱き止めた

 

 

「・・・」

『え・・・う・・・が・・・?』

 

刹那は抱き止めたまま涙を流した

 

 

『・・・何故、お前ガ『泣く』?『バオウ』の血筋が、『王』の血筋がナぜ泣ク・・・?』

 

当然の疑問を投げ掛けるドッペルに刹那は答えた。「わからない」と

 

 

『なに・・・?』

 

「でも感じるんだ・・・『心』で理解した。君の感情を・・・君の『思い』を・・・!」

 

『・・・かは・・・カハハハ・・・クハハハ』

 

ドッペルは刹那の腕の中で笑いだした

 

 

『お前はトンだ『偽善者』だな?敵に涙ヲミセルなんてヨォ・・・』

 

「それでも・・・それでも僕は君の為に泣けるよ。だって僕は・・・」

 

言葉を詰まらせる刹那にドッペルは悲しそうに笑いながら

 

 

『フッ・・・泣くなよ・・・『優しい王様』に涙は似合わないよ』

 

「え?」

 

その言葉を最後にドッペルゲンガーは刹那の腕の中でシャボン玉のように弾けて消えた

 

 

「刹那・・・」

 

心配そうにアキトは刹那に近づくと、刹那はサメザメと泣いていた

 

 

「『優しい王様』かぁ・・・僕は優しいかな?アキ兄?」

 

そう答える刹那をアキトはただ黙って抱き締めた

 

その場には、風に吹かれてカサカサと鳴く竹の音だけが響いていた

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 

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