Diplomatの日常   作:rainバレルーk

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リハビリ投稿のようなモノ・・・・・



ホンノカキテ

 

 

 

遥か昔・・・

人間が歴史を持つずっと以前の昔・・・

その『生き物』たちは、進化の過程の中でこの世界に現れた。

 

その生き物は『夜』しか生きる事が出来ず、太陽の光を浴びると消滅してしまう。だから彼等は地底に住んだ。

陽の光が無くとも他の動物や植物のエネルギーを吸い取る事によって、長い年月生きる事が出来た。

 

やがて現れた人類の祖先たちは、彼等を恐れ敬った。

 

彼等は死の確率がとても低いので、増殖の必要は少なく、その生き物の個体数も少なかった。

だから争いもなく、長い間平和に暮らしていた・・・・・

 

 

だがッ!突然そこに一人の『天才』『奇才』が生まれた!!

 

 

天才は思った。

 

『この身体に秘められた力と能力はこれ程ではない筈。もっとより強い力を!』と・・・

 

奇才は考えた。

 

『この身体に秘められた力と能力で、我々よりももっと強い生物を作り出せるのではないか?』と・・・

 

こうして天才は究極生物(アルティミット・シイング)』に()()為に『石仮面』を作った。

 

こうして奇才は絶対生物(アブソリュート・シイング)』を()()為に『儀式』を行った。

 

最初、考え方は似ている事から、両者は手に手をとって『研究』を進めていた。

しかし、ほんのちっぽけな諍いや相違で両者の溝は深まってしまい、それはその生き物の一族全てを巻き込んだ『戦い』へと変貌してしまった。

 

やがてその生き物は度重なる戦いによって徐々に数を減らし、遂に歴史の中から姿を消してしまう。

 

後に残ったのは、不気味な『造形物』のみである。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

「・・・なんだ此れ?」

 

ある大学の教授室。

整然と並べられた棚から取り出した一冊の本を眺めた少年『灰村 切』少年は、ポカンとした表情で感想を述べるのだった。

 

 

「へぇ。君がそんなモノに興味があったなんて知らなかったなぁ」

 

「おわッ!!? プ、『教授(プロフェッサ)』!!」

 

そんな彼を後ろから覗き込むように声をかけたのは、モジャ髪に黒縁眼鏡の奇妙な雰囲気を醸し出す男『皇 鼎』。この部屋の主である。

 

 

「驚かさないでくださいよッ。ただでさえ、教授は不気味なんですから・・・」

 

「おおっと、これは失礼。・・・というか、何気に失敬だね灰村君」

 

ジト目で彼を眺めながら、皇はドかりと自分の椅子に腰をかける。

椅子の先にはいかにもな長テーブルが配置されており、その上は本棚とは真逆のゴチャゴチャの散らかり放題だ。

 

 

「・・・で、灰村君。お探しのモノは見つかったかい?」

 

「あ、いえ・・・」

 

「ふむう・・・・・とすると、やっぱりあそこで落としたんじゃあないかい? ほら、昨日のVelvetでさぁ」

 

「そうかなぁ・・・」

 

どうやら灰村少年は昨日落とし物をしたらしい。

そこでこうやって昨日訪れた場所に来ては、くまなくしらみつぶしに探しているようだ。

 

 

「しかし、君もちょいとヌけているところがあるとはねぇ。『彼女』からの贈り物を落っことしてしまうなんてさぁ」

 

「うう・・・それを突かれると痛いなぁ・・・・・ホントに見てませんか?」

 

「見る訳ないだろう。『鋏の鞘』なんて」

 

「うぅん・・・どこで落としたんだろう・・・・・」

 

溜息にも似た皇の言葉に灰村少年は困った顔をして、再び昨日の記憶を頭に展開する。

 

 

「・・・ところで、話は変わるが灰村君。その本、面白かったかい?」

 

「え?」

 

「ほら、探し物の箸休めに読んでいた本さ」

 

「あぁ。これですか」

 

再び灰村少年が手に取ったその本は、表紙が赤黒く塗られており、なんとも不可思議な仮面の絵が描かれていた。

 

 

「そうそう、その本だよ」

 

「なんですかこの本? 最初の(ページ)しか読んでませんけど・・・何というか・・・奇妙だ。本の形になっているのに、『題名が無い』なんて・・・」

 

「そりゃあそうだよ。だって、それ既製品じゃあないからね」

 

「はぁ?」

 

「そう変な顔をしないでくれよ。昔の僕の友達が、僕が教授になったお祝いにくれたモノだよ」

 

「はぁ・・・友人・・・ッ」

 

二、三、色々と聞きたくなるような話だ。

『どうして、その友人が既製品ではない本を送ったのだろうか』とか、『この本は一体どこから来たの』とか。

しかしそんな質問よりも、灰村少年は皇に友達がいた事が驚きだったようだ。

 

 

「で、面白かった?」

 

「え・・・えと・・・・・お、おもしろかったです・・・」

 

「え”ッ!?」

 

「え?」

 

灰村少年の感想を聞いて、皇は口元を大きくへの字に歪ませた。そして、目の前に鎮座する灰村少年に疑いと驚愕の視線を突き立てたのである。

 

 

「お・・・おもしろかったのかい?・・・やはり『権利者(オーサー)』は常人とは違う感覚を持っているのか・・・」

 

「わぁーッ! 待って、待って! 待ってください!! 正直に言うと、よく解らなかったですッ! はいッ!」

 

「そうなのかい? な~んだ・・・案外つまらない人間だねぇ、灰村君」

 

ガッカリする皇の態度に彼は少々ムカッと来たが、ここで反論すれば、またいつもの様におちょくられる可能性がある為にグッと堪えた。

 

 

「というか、この本何なんですか? 結構これ、『あっちの世界』の何かに関わっているものなんじゃないですか?」

 

「だろうね。『石仮面』なんて、正にそれだよ」

 

『石仮面』

それは一体どこの誰が作ったのか未だに不明とされている超古代のオーパーツ。

発見された地域によって細かな差異はあるが、額部から鼻筋にかけてある縄状の装飾と、犬歯のはみ出した唇、涼しげな目つきが特徴。 また裏面には、8本の肋骨状の針『骨針』がある。

 

 

「世界中のあらゆる古代文明の最深遺跡から発見され、当時の権威の象徴と表向きでは公表されているが・・・その実、それを血に濡れた状態で被れば、被った者を異形の『怪物』へ変貌させる恐ろしい仮面・・・まさに太古の『負の遺産』ってやつさ」

 

「でも、なんか引っ掛かりますよ」

 

「なにがだい?」

 

「いや・・・この本だと『天才』っていう人は、究極の生物に成る為に石仮面を作ったんでしょう? だったら、『奇才』っていう人は何をしたんでしょう? 『儀式』だけじゃあ、具体性に欠ける。それに『絶対』の生き物って・・・・・?」

 

「・・・ククク・・・」

 

皇は馬鹿に嫌な笑みを溢す。

灰村少年にとっては、会うたびに見せる表情である為に気にも留めないが、初めて見る人間の眼には不気味に見える程のものだ。

 

 

「それに関しては、その本の著者である()()()()()()()()()()()が目下調査中だよ」

 

「え・・・・・ま、まさか・・・この本を書いた人って・・・ッ!」

 

灰村少年には思い当たる人物が一人いた。

 

燃えるような紅い眼とナイフの様な鋭い牙を有し、太陽の下で笑い踊る黒髪で怪力無双の『人外』・・・・・

 

 

「・・・あの人、エジプト文明が専攻じゃなかったんですか・・・」

 

「違うよ。彼は古代文明全般・・・・・いや、そういう系のモノ全てに興味があるんだ。所謂、雑食というやつだ」

 

「『化物退治の専門家』に『マフィアの大幹部』、そして『世界最強の吸血鬼』・・・それに加えて今度は、『新進気鋭の考古学者』ですか? 本当、あの人が何者か解らなくなりますよ」

 

「灰村君、『世界で二番目の男性IS適正者』ってのを忘れてるぜ。それに解らなくて結構なんじゃあないの。彼がどれだけ野蛮で、残忍で、冷酷で、冷血で、鉄血で、熱血で、姑息で、快闊で、温和で、ヒステリックで、サディストで、マゾヒストで、御人好しで、誑しで、能天気で、紳士的で、戦闘馬鹿で、チートで、鬼才で、策士で、愚者で、賢者で、美食家で、悪食で、大酒飲みの大食らいであっても・・・彼は彼だろう?」

 

「ええ、勿論ですよ。・・・というか、ちょくちょく悪口挟んでいません?」

 

「ん? そうかい?・・・・・ああ、そういえばッ」

 

「?」

 

皇は何かを思い出したように長テーブルの引き出しの中をガサゴソと物色しはじめた。

彼の行動を不思議に思った灰村少年が、引き出しの中を覗くと・・・・・

 

 

「あッ、それは!」

 

中にあったのは、見覚えのある『鋏の鞘』であった。

表面は飾り布で装飾されており、刺繍糸で彼の名前が縫い付けられている。

 

 

「教授ッ、さっき見ていないって言ったじゃあないですか!!」

 

「悪い悪い、すっかり忘れていた。まぁ、そう怒らないでくれよ。Velnetのドリンクのタダ券あげるからさぁ」

 

「まったくッ・・・ホント、『あの人』に似てますよ教授・・・」

 

「そうかい? 君の方がよっぽど似ていると思うけどね」二ヒリッ

 

イタズラっぽく笑う皇にヤレヤレと灰村少年は溜息を吐いた。

この後、灰村少年は皇に貰ったドリンクのタダ券を手に愛しの『武者小路 祝』嬢をデートに誘ったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

チャンチャン♪

 




本編と関わりがあるような、ないような・・・あるみたい。
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