第15話 ごみ溜め
キマリスが滑るように、滑空する。すれ違い様に一機のガルム·ロディに槍をぶつける。他のガルム·ロディがマシンガンを発砲する。装甲に当たるが気にせず、目の前の一機をなぎ倒す。その数秒後、背中で爆発音がした。見なくてもわかる。ガイアが、ガルム·ロディのマシンガンを撃ったのだ。その様子を見て、回りにいた機体が来る。
カイン「いいぞ.....来い‼」
槍を斜めに構え、一機のガルム·ロディを潰す。この作戦は敵拠点の破壊ではない。あくまで陽動だ。だから、出来るだけ、目立った方がいい。
カイン「このっ」
槍のライフルを敵の固まっているところに発砲して、注意を引く。
カイン「ガイア!」
ガイア「分かってる。」
接近してきた、モビルスーツ二機をガイアが破壊する。
これで注意が引ける。
ギャット兵「なんなんだ...こいつら...」
カイン「..」
多数の敵のマシンガンがこちらに向くが、あの距離では傷をつけられるかどうかも疑わしい。おかしい。敵は見るからに、初心者が多い。前の戦闘の時に殺られたのか...それともこれが陽動だとばれたか...
カイン「いや。違う。」
ピーピーピーピー
ガイア「カイン!あれ....」
カイン「!?」
ギャット兵「退避ー退避ー‼」
ガイア「下がっていく....」
そうだ。さっきまで戦っていた兵士が不意に、下がり始めた。まずい。これでは、ブロウ達が行ったときには戦力に余裕が出てしまう。とりあえず、一機でも多く仕留めようと、武器を回す。巻き込まれるものもあったが、ほとんどが無傷で戻ってしまった。
ガイア「どうする?カイン?」
この作戦のこの隊の指示はカインがやることになっている。
待てよ。今はチャンスじゃないか?敵には守りがない。つまりは-
カイン「僕とガイアで敵拠点を破壊。他は、新手の処理だ。」
ギャラルホルン兵「しかし.....ブロウ二尉の隊が....」
カインがそこで言葉を切った。
カイン「まだブロウさんの隊が出ていない。つまりはチャンスだ。」
ギャラルホルン兵「しかし、誘いの可能性も....」
カイン「奴らには、切り札がある。それが出てきたあとでは、拠点の撃破が難航する。だから、今のうちにやっといて、あとで、切り札やら、サーシェスやらをやればいい。」
そこで言葉を止め、数秒間待った。
カイン「異論は....無いな。」
それを言った瞬間に、カインは、キマリスのスラスターで、拠点へといく。この距離では、拠点には、傷くらいしかないだろう。なら、近づいて、当てる。ガイアは援護だろうか。カインと一定の距離を空けて、斜め後ろをとる。
ギャラルホルン兵「(これは出世のためではない。)」
カインのそのままを見たような気がした。
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サーシェス「奴等は?」
シス「こちらへと向かっております。.....罠とも知らずに」
そう言って微笑んだ。
サーシェス「そうか」
ギャットはカイン達が陽動だとは気づいていない。しかし、このままただ戦っても部が悪い。なので、奴を罠に嵌めることにした。
拠点の防御を薄くし、来たところで囲み込むと。そして、囲みをつくるメンバーは一般兵ではなかった。
サーシェス「奴等の準備急がせろよ。まぁそれと戦うくらいしか取り柄のないやつらだがな。」
その物言いは、まるでギャラルホルンに搾取されていた人を武力で救いたいと考える男の顔ではなかった。しかし、シスは動じない。これが、サーシェスなんだ。サーシェスは悪い人ではない。それをもっともよくわかっているのはシス自身だから。
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カイン「こうもいないとは....」
ガイア共に拠点に向かっている。向かっていると言うことは、拠点は想像より遠いと言うことだ。さっき戦っていた場所より、2分はかかる。平坦なところなのでそんなにかかるとは思えないが、敵の拠点はでかいのでそう見えたかもしれない。それに、地雷や罠の可能性も捨てきれないので、警戒しながらのため、近く見えても、2分はかかるのだ。カインとガイアの後ろにはおよそ10機のゲイレールがいる。敵がいない。その状況がこうも緊迫するとは思わなかった。
カイン「よし。ここをポイントとして、ゲイレールはここで待機。10分しても、戻ってこなかったり、敵が来たときは、本隊へと戻れ。僕とガイアで、拠点を潰す。」
「了解」という声を聞いて、確認したあとすぐにキマリスを走らせた。
ガイア「...なぁカイン。」
突然、ガイアが話しかけてきたので戸惑った。
カイン「どうした?」
ガイア「嫌な予感がする。」
その表情は冗談ではないことをものがっている。
カイン「奇遇だな。僕もだ。」
ピーピーピーピーピーピー
突如のアラーム。画面を見ると「警告(ワーキング)」の文字が浮かび上がる。
その瞬間。煙が出てきた。罠だ。罠だったのだ。
カイン「ガイア。どうやらその予感はあったみたいだ...な!」
細かい弾が見えたような感覚がしたので、盾を構える。その瞬間衝撃が走った。マシンガンだ。しかしこの音....
ピーピーピーピー
モビルスーツ隊がまっすぐこちらに向かってくる。数は推定.....
ドドドドド
カイン「⁉」
数えている暇もなかった。盾で弾を受け止めるが、敵を見失った。
ガイア「くぅっ!?」
それはガイアも同じだそうだ。それに、装甲を付け足したとはいえ、ガイアのマン·ロディには、盾がない。避ける時間も無かったので、おそらく直撃。敵の奇襲に、驚いたが、すぐに調子を取り戻した。煙が濃くてよく見えないが、迫ってきている。そのシルエットは何故かマン·ロディに似ていた。
カイン「このっ!」
迫ってくるモビルスーツに合わせて、槍で殴り込んだ。しかし、それは避けられ、地面に当たる。その動きは....
カイン「阿頼耶識⁉...まさか...」
ガイア「ヒューマンデブリ.......」
そして機体はマンロディ。キマリスに乗る前に乗っていた機体。そのカラーはギャットだ。よけた一機に、狙いをさざめ、横に振る。脚を引っ掻けて、転んだ隙に、コクピットを潰した。しかし、一機一機に、こうしている時間は与えてくれないようだ。
ガイア「まずいな.....」
煙の効果はまだ続き、敵の数ですら特定できてない。頑張れば抜けて拠点を破壊することもできそうだが、リスクが高い。そこでやられては10分後と思い、待っている隊が危険になる。ここを崩さなければ、ブロウさんの隊も危険だ。となれば.....
カイン「ガイア!」
ガイア「おうよ!」
迫ってきた、マン·ロディに向け、発砲する。これで稼げる。あいつらに、言えばなんとか....
とりあえず一機一機崩していこう。まだ波のように、少数で来ている。大きな隊が来る前に、一機でも...
ガイア「死ぬわけには‼」
槍で迫ってきた三機を破壊した後、ガイアが言った。
ガイア「カイン!ここは俺がやる!拠点を潰せ!」
カイン「しかし....」
一人では危険だ。という言葉が漏れそうになるのを堪えた。たださえ、ガイアはあのときのヒューマンデブリでは一番だった。この数では殺られない。という意識があるのを知ったからだ。確かにガイアなら、穴を作れるかもしれない。しかし、ガイアとはいえ、リスクが.....
ガイア「俺は死なない。こんなところで死ねるやつじゃない。」
その時、また三機のマン·ロディが迫ってきた。
カイン「ガイア....」
ガイアが前に出て、一機のマン·ロディを潰す。
ガイア「早くしろ‼いつまで耐えれるかわからない。」
カイン「すまない...すぐ戻る!」
そう言って勢いよく、ペダルを踏んだ。
ヒュイーン
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シス「サーシェス様こちらに向かってくるモビルスーツ一機。おそらくキマリスです。」
大きな部屋に秘書の女性とシスとサーシェスの三人でいる。
サーシェス「ヒューマンデブリ組は?」
シス「戦闘中に逃がした。との報告です。」
その後、秘書に上着を脱がせ、
サーシェス「そうか...ならば」
シス「俺が出るにはまだ早いですか?」
出たい。そういう意識があるが、まだ、奴らには、ブロウがいる。ここで離れては危険だ。そういう意識があった。
サーシェス「そうだな。ヒューマンデブリ組のみでやらせろ。」
シス「ですからその包囲網を....」
とまでいい考え直した。おかしい。ならなぜ、敵は攻撃しないのか。外を見ると、戦闘はしているが、攻撃がない。
サーシェス「安心しろ。ヒューマンデブリ組が逃がすときは、全滅の時だ。」
サーシェス「そのときにはお前に出てもらう。シス。」
シス「はっ!」
頭の中ではもう理解していた。包囲網を抜けられた。という報告とこちらに攻撃がない。という事実から出てくる、戦場を。
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カイン「このっ!」
ガン
一機のガルム·ロディが倒れる。間髪入れずにきたモビルスーツの攻撃を盾で受け止める。
カイン「はぁぁっ!」
また一機飛んだ。ヒューマンデブリの包囲網を抜けたカインだったが、わかった点がある。あそこにサーシェスがいる。狙って当てられない事はない。しかし....
カイン「離れろ‼」
カインのキマリスには、マンロディがくっついていた。このマンロディが行動を抑制する。その上、何機かのガルム·ロディがいるので危険だ。剥がさなければならないが、離れない。ずっとくっついている。剥がそうとしているところに、ガルム·ロディが何らかの手信号を送る。わかるわけない。つまりこの信号は、仲間への通信。何が....
その瞬間マンロディがスラスターで浮いた。もちろんキマリスも浮く。
カイン「なっ......」
もちろんこうなってしまえば、格好の獲物だ。殺られるしか道は.....
突然一機のガルム·ロディが爆弾を取り出す。他のガルム·ロディも。
その瞬間カインはてきの意図がわかった。
敵は.......
理解してから、引き剥がすのに数秒とかからなかった。いままであんなに苦労したのに、これも、危険を理解したときの人間の能力なのだろうか。
ドーン‼
数秒後バックパックの後ろで、マンロディがはぜた。爆発した。その瞬間キマリスを急上昇させた。その瞬間、地面がガルム·ロディの爆弾で抉れた。
カイン「ふぇー危ねぇー」
まだガルム·ロディがいる。なんなんだこいつら...ヒューマンデブリは爆弾かよ。上空に何かが飛んでいる。おそらくエイハブリアクターだろう。それを回収してまたヒューマンデブリに乗せる気だ。こいつら...
これはサーシェスではなく、この施設にサーシェスが居ないときの司令官デトリス·ミュリ中将の策略だった。デトリスはこの危険な状態でもシスがいるから大丈夫と思っていた。しかし、階級が上とはいえ、彼はサーシェス直属の部下なので、デトリスが何もなしに出撃させるわけにはいかない。なので、ヒューマンデブリの薄い包囲網を抜けたモビルスーツがあるといい、シスを出撃させるつもりだった。しかし、出撃なしで放置のため、厚いヒューマンデブリと新人パイロットの作戦を始めていた。敵モビルスーツを止める時間稼ぎという命令を。
デトリス「おい!シスはまだか⁉」
ギャット兵「ま...まだ出撃してきません。」
その声からは、恐怖が出ていた。敵にやられるのではなく、仲間にやられる恐怖を。
デトリス「ちっ...」
デトリス「ごみ溜めドモが....」
舌打ちが指令室に響く。何故こんな奴がギャット一番の施設の責任者なんだと兵は思った。サーシェスには考えがあるのかもしれない。しかし、今はそれより、ここは危険だ。
早く出てください。とでも言えば済む話なのに...
デトリス「早くしやがれ役立たず!」
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ガイア「うわっ!」
ガイアのすぐ後ろの地面をチョッパーが抉った。振り返っていれば直撃だった。
ガイア「危ねぇ」
敵モビルスーツ目掛けて、また武器を振るが、当てられない。こんなにもいてしまえば...
ガイア「けどまだ死ねない‼」
懐から、首にかけるネックレスを出す。特にすごいものではない。そこら辺の店でも売っていそうなほどだ。しかし、これはただのアクセサリーではない。
ガイア「ユリン....」
そうそれはこの戦いの前だった。
第15話終わり
新キャラデトリスですけどフランス語(何故だ?)でゴミだったような気がする....
役目はあのペチャン公と同じヘイトを溜めるため.....はい。なんでもありません。