メタルギアの世界に一匹の蝙蝠がINしました   作:チェリオ

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 投稿が遅くなり申し訳ありませんでした。
 リアルが忙しく、体調不良が続きまして…。


蛇を恨む鷹

 恨みというのは何処で買っているかは解らないものだ。

 加害者と被害者という解り易い構図から嫉妬や逆恨みと見え辛いものなど多岐に渡り、潜入工作を主にであるが実戦に携わったソリッド・スネークも恨み辛みというのは山のように抱えている。

 だから彼らもそのどちらかだったのだろう。

 新型メタルギアを開発した研究者を救出すべく、建物内を出て兵舎へ向かった先には聳え立つ丘があり、そこで奴は待ち構えていたのだ。

 

 「待っていたぞ(・・・・・・)、ソリッド・スネーク!」

 

 開けた場所に入ったところで高所より声が響き、丘へと視線を向けると数メートルの段差の上に人影が見える。

 眼を凝らすと上半身を着用せずに、鍛え上げられた肉体を晒す男が一人。

 バルカン・レイブンと違って大柄ではなく細身であるが、細くとも肉体の鍛え込みは尋常ではない。

 鋭い眼光で見下ろす奴の周りを鷹が飛び回る。

 即座に名前を言い当てた事にバットが「知り合い?」と尋ねて来るが、まったくもって覚えはない。

 

 「デルタ・フォースを潰した傭兵の一人か」

 「ふん、退屈凌ぎにもならなかったがな」

 「何故俺がソリッド・スネークだと解かった?」

 「俺達にとってその名は特別だ。知らぬはずがない。俺達ブラック・チェンバーにとってな」

 

 先ほどまでも鋭かった眼光に殺意や怨嗟が込められ、ゾワリと背筋を凍り付かせる何かを放つ。

 粗ぶった感情を抑えるように一呼吸入れた男は、スッと目を細めて睨みつける。

 

 「ここの連中は将軍に陶酔しているが俺達にとって奴らの理想や真の独立など興味は微塵もない。俺が、俺達が狙うはお前の首だけだ。最高の特殊部隊はフォックスハウンドではなくブラック・チェンバーであると言う事を、このオレ“スラッシャー・ホーク”が証明してやる!」

 

 鷹が高く飛翔すると同時にホークは一メートルを優に超すブーメランを放る。

 巨大なブーメランは回転しつつ獲物であるスネーク、そして次いでバットへと円を描くように襲い掛かって持ち主の下へと帰って行く。

 

 「ミネット、そこから前に出るなよ!」

 「当たり前じゃない。梅雨払いは任せるわ」

 

 拓けた場所ゆえに警戒して足手纏いになりかねないミネットを、バットは待機されていたのが功を成した―――と言うべきだったのか?

 なんにせよ戦闘範囲内に入っていなかったミネットに注意を飛ばすと、勿論そうするわよと上からの返しにバットがイラついたのは理解した。

 

 「ブーメランか」

 「それはお前達が付けた名前だ。俺の育った部族では“ウォルガル”と言う伝統と誇り高き武器だ!お前達がその名を成したこの地を墓標に眠れ!!」

 

 咄嗟に銃を構えるも段差の後ろに下がられて視界外へ隠れられ、まるで見えているかのように襲って来るブーメランを地面を這うようにして回避に専念する。

 さすがに戻って来る事が前提なだけに、地面すれすれは投げて来ないだろうと思ったが、奴はそのすれすれを狙うだけの技量があるらしく、伏せていても当たる様な低所を滑らせるように放り投げて来る。

 四苦八苦しながら回避する最中、バットはステアースカウトを手にしながらウィーゼルに無線入れる。

 

 「スラッシャー・ホークについての情報は?」

 『巨大なブーメランを扱う傭兵の話は聞いたことがある。決して侮るんじゃないぞ。元々ブーメランというのは狩猟用の武器なんだからな』

 「要はアレを撃ち落せば―――ッ、硬い!」

 

 飛び回るブーメランの軌道を読んでの狙撃を敢行するも、放った弾丸が当たって多少ずらす事は出来たものの、撃ち抜くか圧し折れると予想していたバットの期待を容易に裏切り、ぶつかり合った金属音を響かせるばかりで欠ける事すらなかった。

 

 『奴のブーメランは鋼鉄製だ。子牛だって真っ二つにしたって話だ』

 「まじでスラッシャーだったんだな。くそったれが!」

 

 舌打ちを一つ零すバットに追い打ちをかけるようにマクブライドが『そいつを倒さねば先へ進めまい』と一言を入れ、「ンな事は端っから解ってんだよ!」と怒鳴らせていた。

 そんな口論をしている間にもブーメランが迫って来る。

 円弧を描いていた軌道はジクザグに曲がったりと変幻自在で、楽に回避できなくなってきた。

 

 「なんとか狙撃できないか!?」

 「段差で見え辛いんだよ」

 

 上から見ているならまだしも高所を陣取られて、切り立った段差が邪魔でホーク自身が見えないし狙い辛い。

 一応レーダーのおかげで位置は大体で解るのだが、手榴弾を放り込んでも気付かれれば蹴り返されたり(・・・・・・・)、即座に離れて爆発の範囲から逃れてしまう。

 逆に向こうはタカより位置を理解しているのか鋼鉄のブーメランを投げ放題。

 手持ちの手榴弾の数にも限りがある為、無くなればこちらから打つ手がなくなってしまう。

 

 「スネーク、次ブーメランを投げたら手榴弾を」

 「効果があるかは分からんぞ」

 「頭上辺りに放ってくれれば良い」

 「そう言う事か。分かった」

 

 意図を察したスネークはブーメランが投げられると、手榴弾を放り投げつつ向かって来るブーメランを回避。

 戻って来るブーメランを回収すべく、落ち着いた様子で転がった手榴弾をそのまんま返してやろうと待ち構えるスラッシャー・ホーク。

 そこを狙うバットに気付いたが自分が撃たれる事は無いと高を括り、狙いが別にあった事に気付くのに遅れてしまった。

 

 頭上へと放り投げられた手榴弾が狙撃された。

 爆発を起こして破片を降り注がれ、破片が肌を斬り付け刺さり、片眼もまた被害を受けた事で怯む。

 そこへ鋼鉄製のブーメランが戻って来たため、ホークはその身で受け止める事に…。

 

 「グゥオ!?こんな手で…」

 

 強靭な肉体も切れ味と強固な硬さを誇る鋼鉄製のブーメランを見に受けて無傷で済むはずもなく、手榴弾の降り注いだ破片も伴って血みどろ状態のホークは立つ事も難しく、高所より転がり落ちて来た。

 見下ろすように近づくとそこに鷹が降り立って、同じくスラッシャー・ホークを見下ろす。

 

 「何故俺を主に(・・)狙った?」

 

 助からないのは傷口を見れば明らか。

 せめてこの男が自分を狙ったのかを知りたい。

 そう思って問いかけるとホークはゆっくりと語り出した。

 

 「ブラック・チェンバーは俺の唯一の居場所だったんだ。

  オ、オレはオーストラリアのお前達がアボリジニという部族の一つ育ったんだが捨て子でな。

  父と母は村長の反対を押し切って育ててくれたが、余所者はいつまで経っても腫物扱い。

  どれだけ掟を護ろうと仲間とは認められずに両親が亡くなったその途端に追い出されてしまった。

  それから世界を転々とするもどこでも余所者であり、誰もオレを認める事は無かった。

  だが、ヴァイパーだけは仲間と認め、ブラック・チェンバーの一員として迎えてくれたのだ。

  ……それを、お前達は!」

 

 憎しみの籠った瞳を向けられるもスネークに思い当たる節はない。

 これがビッグボス絡みやリキッド絡みならまだしも、ブラック・チェンバーという傭兵に関しては知らない事ばかり。

 身体に力を籠めるホークから血が噴き出て、意識が遠のくホークは言葉を残す。

 

 「オレは死ぬ。しかし復讐は必ずやヴァイパーが成し遂げてくれる!思い知れ、俺達の怒りと悲しみ、憎しみを!!」

 

 腹の底――否、心の奥底より漏れ出した怨嗟の声に計り知れぬ物を感じ取る。

 一体何があったというんだという疑問が増すも、ホークはそれ以上内容を語る気はなかった。

 

 「間違ってもオレの死体を焼こうとは思うなよ。部族のタブーなんだ。部族では鷹はトーテム……守護神だ。オレの魂を故郷へと運んでくれる。……あぁ、これでやっと帰れる………今度は、仲間として…受け入れて…」

 

 そう言い残してスラッシャー・ホークは息を引き取り、見届けた鷹は何処かへと飛び立って行く。

 奴が育った故郷へと魂を連れ帰るのだろう。

 姿形が見えなくなるまで見送った一行は先へと進み、兵舎へと足を踏み入れる。

 

 「さっさと探して来てね」

 「少しは手伝えよ。見ろよ、スネークもイラついてエレベーターのスイッチ殴ってんだろ」

 「分かったわよ。手伝えばいいんでしょ」

 「………俺はただボタンを押しただけなんだが?」

 「「――え!?」」

 

 どう見ても敵兵を殴りつける勢いのままにボタンを殴っているスネークの否定に、バットもミネットも息を揃えて驚きの声を漏らした。

 嘘だろ…と唖然としつつ疑問を浮かべ、エレベーター内で上か下かのボタンを押す際に同じく殴りつけた事で、これがエレベーターのボタンの押し方かよと二人してツッコミを入れておく。

 探し回った結果、怪しいのは二階の荷物運送用のベルトコンベヤという事で、何故かスネークがダンボールに潜んで行ってみると言い出す始末…。

 

 「本気で言ってます?」

 「荷物に紛れるならダンボールを被るしかないだろう」

 「いや、そうじゃなくて…」

 「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

 「分からん。なんでもダンボールは潜入に絶対的信頼と信用、そして実績のある必需品らしいから」

 「本気で言ってるのソレ」

 「知らん。俺は潜入工作員でなくて狙撃手だっての」

 「なにをひそひそしているのか知らんが行ってくる」

 

 首を傾げつつ自信有りと言った様子でダンボールに入ったスネークがベルトコンベヤに運ばれて行く。

 先の方を覗いてみると検査用の機械があり、どうもダンボールの色で運ぶ方向が変わるようだ。

 あれで中身をスキャンする機能があったらどうするつもりだったんだろうかと呆れながら、バットはベルトコンベヤに被らずに乗って、検査機手前でベルトコンベヤより居りて周囲を見渡す。

 カメラも無いし警備の兵士もいないのなら好き放題に乗り降りできるわけだ。

 

 「ルールを破っても良いの?」

 「敵が作ったルールに従ってやる義理はねぇだろ」

 「それもそうね」

 

 一人ルールを護って他の赤と青のダンボールを入手してコツコツよ移動するスネークと、好き勝手に行くバットとミネットは手分けして調べ周り、ベルトコンベヤが行き交う仕分け部屋から当たりのコースを探し出し慣れた赤外線の部屋や進むにつれて現れる警備の目を掻い潜って先へ進むと鉄格子で遮られた一室を発見した。

 

 「ちょっとそこのあんた!ここの連中じゃないみたいだね。ボクを助けてよ」

 

 鉄格子に挟まれた先に人がいた。

 身体は肥満によりかなり大きいが顔立ちから十代と思われ、捕まっている事も考慮してもデルタ・フォースの生き残りや違反をした兵士という訳ではなさそうだ。

 という事は彼がメタルギアを開発した科学者なのだろうかと首を捻る。

 

 「助けてくれなきゃ大声出しちゃうよ」

 「―――あ?」

 「嘘!嘘だから待って!」

 「上から目線で頼むなんてね。気持ちは分かるから撃っちゃえば?」

 「どちらにとっても大声を出しても為にならない。だから叫ぶな。バットは銃を降ろせ。ミネットは煽るな」

 

 助けが来たという期待からかそれとも元々横柄なのかは知らないが、バットは騒がれるなら封じる方が早いと言わんばかりに銃口を向けていた。

 正直バットも馬鹿ではないので脅しを入れてそういった態度や行動を抑制する考えだったのだろう―――と、信じたい。

 

 「名前は?」

 「ジェイムズ・ハークス。ジミーって呼んでもいいよ」

 「メタルギアの開発者?それにしては若く見えるが二十代?」

 「失礼な奴だな。まだ十代だよ」

 「その若さでメタルギアを作るとか…天才って奴か。で、閉じ込められてるって事はメタルギアの組み立ては終わったのか?」

 「そうだよ。酷い連中だよ全く。メタルギアを組み立てている時はまだ自由だったけど、終わった途端こんな狭い所に閉じ込めて」

 「そりゃあそうだろ。組み立てが終えた時点で用無しだろうからな。寧ろ良く消されなかったな」

 「ところでアンタ達は誰なのさ?」

 「メタルギアの破壊と救出を任された―――あー、混成部隊?」

 「なんだよソレ。まぁいいや。早いとこ此処から出してよ」

 「バット、開けれるか?」

 「多分行けるとは思うが」

 

 ポーチから取り出した工具を用いて鍵穴を弄り、あまり時間も掛からずにガチャリと開く。

 それを本人は誇る様子もなくさっさと工具をポーチに仕舞い、ジミーは鉄格子で閉じ込められていた独房より出てやれやれと肩を竦める。

 

 「さぁ、ここから出よう。もう居るのも嫌だよ」

 「その前に俺達にはやるべき事がある」

 「脱出するんじゃないの?」

 「メタルギアをどうにかしなければならない。まずは情報だ」

 

 すぐに要塞から脱出できない事に不満を隠そうともしないジミーの態度に、気にする事なくスネークは問いかける。

 新型メタルギアは兵舎の北西出口より北へ向かった先にある地下基地にて、組み立て作業を終え伝送系の最中調整のみ。

 元々新型メタルギアは南米での実践演習が目的で、パーカー陸軍参謀長肝いりの作戦だっただけに本物の核弾頭も運んでいたらしい。

 つまりは調整が済めばいつでも核弾頭を撃てるという訳だ。

 

 「メタルギアの実践演習とは穏やかじゃないな、核を撃つ気だったのか?」

 「さぁ、そこまでは知らないよ。計画名が“プロジェクト・バベル”って事以外は教えてくれなかったし。興味ないしね」

 「お前が造った兵器だろう」

 「それこそ僕の知った事じゃないよ。造った人間ではなく使った側の問題だ。僕は僕の力が活かせる場所があればそれで良いんだから」

 

 悪びれもせずに淡々と当たり前のようにそうジミーが言った時、ぱちりと電気が消えて暗闇が周囲を支配する。

 敵襲かと前が見えないだけに伏せながら銃に手を伸ばし、音を頼りに周囲を警戒するが敵襲という訳ではないらしい。

 

 「敵襲……ではないのか」

 「奴ら、メタルギアで核を撃つ気だ」

 「なに?しかしそれと停電に何の関係が?」

 「ボクが造ったメタルギアはレールガンで核を撃ち出すのさ。その際に大量の電力を充電しなきゃいけないから」

 「レールガン!?こいつにもREXと同じくレールガンが装備されているのか?」

 「REXってのが何かは知らないけど、不味いよこの状況。あと30分ぐらいで充電が終わっちゃう」

 

 三十分後には核発射体制に入れる事もだが、同時に短い期間に作られた新型メタルギアがレールガン装備という点に疑問を抱かずにいられない。

 しかしREXをジミーは知らないと言う。

 疑問は残るがスネークとバット、それとジミーがいくら話し合っても回答を出せる問題ではなかった。

 ただただ聞いていたミネットこそがその事実を知っている。

 

 いくらパーカー陸軍参謀長が肩入れしていようとも、同時期に二機ものメタルギア開発予算が降りる訳が無い。

 片方はアームズ・テック社によって造り出された事で製造に関しては予算を使わなくとも、データ収集やその他では国防省長官ジム・ハウスマンとDARPA局長ドナルド・アンダーソンが協力体制であった事から出さない訳にもいかず、比べれば些細かも知れないがそれでも莫大な資金を有する。

 そこで行われたのが収集されたデータの共有。

 ロビト島とストラテロジック社で得られた歩行データや電子兵器などの実験記録を収集していたアームズ・テック社より提供を受ける事で、“プロジェクト・バベル”の予算の減少と時間短縮を図ったのだ。

 関り裏側を知っている者は少なく、探っていたリキッド側はその事情を当然ながら入手していた。

 

 クスリと微笑みながら事情を話さず眺めるミネットに気付かず、バットは発電所へ向かったクリスへと無線を入れる。

 

 「聞こえるかジェンナー軍曹」

 『聞こえるわ。発電所が突然フル総業に入ったのだけど、一体何があったというの?』

 「核発射の為の充電中らしい。こちらに合流できるか?」

 「待て、バット。博士の保護を任せよう」

 

 制止を入れたスネークが正しい。

 もう時間がない中でジミーを連れ回しても足手纏い。

 それなら後で助けるとしてクリスに護衛を任せて待機させるのが良いとの判断だった。

 だけどバットは首を横に振るう。

 

 「連れて行く。置いて行って再び捕虜になられても面倒だ。どうする博士?俺達と行動を共にするのは危険を伴うが、敵地のど真ん中に置き去りにされるのとどっちが良い?」

 「そんなのついて行くしかないじゃないか」

 

 不貞腐れ気味に返答を返して疑念を持たなかったらしい。

 スネークは眉を潜めて声の感じからこの辺かと当たりを付け、バットに近づくと小声で話しかける。

 

 「で、本当の理由は?」

 「アレの言葉はある意味事実だ。作り手よりは使い手の問題。しかしながら認識が甘い。自分がどのようなものを作っているのかの理解が足りない」

 「そのためにリスクを負うのか?」

 「でなきゃここで実体験させて解らせる(・・・・・・・・・・)

 

 強い意思を銃を抜こうとする行動から察し、スネークは仕方ないとため息をつく。

 今後どうするかは解らぬが、確かにあれは放置できない。

 クリスと合流して戦力的には整う事で、護衛しつつ向かうのも何とかなるだろう。

 

 「暗いが道は分かるかバット」

 

 タンと舌打ちを一つ響かせると頷いたのを何となく察した。

 

 「問題ない」

 「……お前蝙蝠(生物)だったのか?」

 「前から蝙蝠(コードネーム)だっただろ」

 「いや、なんでもない」

 

 暗がりに慣れて来た事もあって先へ進もうとジミーを引っ張りつつ先へと向かおうとするのだが、バットが何かに気付いてぴたりと足を止めると独房に振り返る。

 他に誰も居なかっただけに何を見ているのか解らない。

 

 「どうしたバット?」

 「あの独房内に隠し通路は?」

 「隠し通路なんて……そういえば一か所壁が薄いところがあったような」

 「博士は俺達の後ろに―――出て来いよ。そこに居るのは解ってんだよ」

 

 殺気が込められた一言が向けられた独房の壁がちょっとした爆音を響かせ、爆破されると隠し通路が現れて敵らしい人物が姿を現す。

 最も暗くてはっきりと見えていないが三人ぐらいはいるようだ。

 一人はロングコートでもう二人は着物姿。

 耳の良いバットが居なければ背後からの奇襲、または挟撃を受けていたところだった。  

 

 「暗がりでの戦闘は不利だな。博士を連れるとなると余計な」

 「ならここは俺が――…」

 「ふふ、私がやるわ」

 

 そう言って前に出たミネットはポンポンと持っていたケミカルライトを放り、ぼんやりと照らされて相手の人相が幾らか判別がつき易くなり、彼こそがミネットが狙っているターゲットなのだろう。

 ニヤリと怪しい笑みを浮かべるミネットに、殺意と怒気を振り撒く相手。

 ただ事ならぬ雰囲気を振り撒く二人を交互に眺め、ここは任せた―――ではなく協力体制の条件ゆえにスネークとバットはジミーを連れてその場を離れて行った。

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