メタルギアの世界に一匹の蝙蝠がINしました   作:チェリオ

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第13話 『山越え…』

 深い森の中…。

 木々と草花で溢れるこの戦場には鳥の鳴き声や風が抜ける音が広がっていた。

 

 周囲は木々で視界も悪く、至る所に高所や身を隠す遮蔽物が存在し、狙撃手にとっては最高の待ち伏せポイントである。

 ここにはザ・ボスに付き従う伝説の特殊部隊【コブラ部隊】の狙撃手―――ジ・エンドが待ち構えていた。

 現代狙撃の祖である彼をこの地で打ち破る兵士など居はしないだろう。

 もしも彼と戦いを挑めと地位のある者が言われれば、周囲の被害をガン無視してでも絨毯爆撃を命じる事だろう。

 待ち伏せされているとエヴァから聞いたスネークもこんなところで戦えば勝ち目はない…そう思っていた。

 

 

 

 ―――だから傷一つ負っていない状態でジ・エンドの後頭部に銃口を突き付けているのは自身でも信じられなかった…。

 

 

 

 「さすがぁ…ザ・ボスの弟子。儂をこうまであっさり出し抜くとは…」

 「俺も信じられないさ。まったくあいつは本当に知恵が回る」

 

 小屋で「グラーニンを助けてくるのでそれまでちゃんと休んでいてくださいよ」と言って出て行ったバットの事を思い出しながら困った笑みを浮かべる。

 休むようにと言われたがすでに身体の自由は戻り、普通に動けるのだからそれほど心配しなくても良いと思う。そもそも戦場で万全の状態になるまで待つなど無理な話で、どんな状態でも任務をこなす為に動かなければならない。

 あの時は少しでも知恵を借りようと質問しただけだったのだ。狙撃手と森の中で戦うならどうする?……と。

 

 「森の中で狙撃手と?………え、戦わないといけない前提なの?」

 「避けては通れないだろうな」

 「あぁ、そうではなくてですね、ボクが言いたいのは狙撃手と長距離での撃ち合いをしなくてはならないのか?という事なんです」

 「…?どういう意味だ」

 「だって待ち構えている狙撃手と撃ち合うなら狙撃の応酬になるでしょう。ボクは狙撃の自信はないしスネークさんは?」

 「あるにはあるが相手が悪すぎる」

 

 ―――「だったら指向性マイクで音を拾って、赤外線ゴーグルで発見。あとはグレネード系で吹っ飛ばすか背後から制圧するかですね」

 

 脱帽したよ。バンダナはしているが帽子などは被ってないがな。

 

 「どうした?撃たんのかザ・ボスの弟子」

 「…一応聞くが降参する気はないか?」

 「っかっかっか!儂に降参を促すか―――――嘗めるなよ小僧!!」

 

 森中に響く怒鳴り声に反応してか肩に止まっていたオウムが飛び掛かってきた。それを追い払おうと手を振るうとその隙に匍匐の状態から横に転がりつつ銃口を構える。素早く流れるような動きからはジ・エンドがかなりの高齢なのを忘れさせる程だった。

 焦りつつも銃口を向け直しトリガーを引く。

 

 二つの銃声が響くとスネークは掠めた頬より垂れた血に気を留めずにただ見つめる。

 狙撃銃を構えたままのジ・エンドは文字通り目を飛び出させてスコープを覗いていたが、口から空気と一緒に血を吐き出すと同時に狙撃銃は手から離れて地面に転がった。

 

 「森の精霊たちよ…ありがとう。

  ザ・ボスよ……素晴らしい弟子だ…」

 

 急所でないとしても胸を撃たれて流れる出血量と年齢が与える肉体的衰えにより助からない。

 だというのに目の前の老人は安らかな笑みを向けてくる。

 

 「一世紀以上も放浪したが…やっと…やっと役目を終える事が出来た………素晴らしい幕切れだぁ…。

  あとは若い世代に任せるとしよう…」

 

 にっこりと微笑む死に際の表情に魅せられているスネークはある事を思い出す。

 人間の死に際にはありえないコブラ部隊の死。

 

 ザ・ペインは自らが操っていた蜂たちを道連れにした自爆。

 ザ・フィアーは数百という鉄の矢を自らの爆発によりクレイモアのように周囲に飛び散らせた。

 

 コブラ部隊は死を迎えるとその肉体を残さないかのように自爆する。

 

 「これで儂も森へ還れる!」

 

 先ほどまで優しげな物言いに力が籠った。

 大慌てでその場より飛び退く。

 

 瞬間、背後より「ジ・エンド!」と叫び声と爆風が襲って来た。爆風により宙に浮いた身体を丸めて顔や体を守ろうとする。何が起こっているかは分からなかったが、腕や足に響く痛みと衝撃から地面を転がっていることを理解する。

 

 痛みに耐えながらも立ち上がると予想通りジ・エンドが居た場所には遺体はなく、転がっていた辺りが少し焦げて開けていた。

 

 「ふぅ…やったのか…」

 「ふぅ…じゃないですよ!」

 「おわっ!?」

 

 息を吐き出して力が抜けたスネークは背後より掛けられた声で肩をピクリと跳ね上がらせながら振り向く。振り向いた先には頬を膨らませてボク不機嫌ですと表現しているバッドと数名のGRUの兵士達が居た。

 バットがそのうち追いつくのは予想通りだが、後ろの兵士たちは予想外である。咄嗟に武器を構えようとするがバットが止める。

 

 「大丈夫ですよ。彼らは味方です」

 「味方?」

 「えぇ、味方です―――――じゃなくて!」

 

 どうやって味方にしたのか?

 彼らはどういう目的で味方になったのか?

 そもそも本当に味方なのか?

 などと色々と疑問を浮かべ、問おうと口を開こうとしたが、その前にバットの大声とずいっと眼前に怒った様子で迫られた事で止まる。

 

 「な・ん・で!!小屋に居ないんですか?」

 「いや、それはだな…」

 「ボクは言いましたよね?体を休めてからと。なのになんで一人で行ってるんですか!?」

 「お前が戦っているというのに俺だけ休むなんて…」

 「休むように言いましたよね!!」

 「………はい…」

 

 何か言おうものなら睨みと一緒に文句をマシンガンのように放ってくる。

 拳銃一発に対してガトリングガンで応戦されるような説教を、森の中で正座させられて聞かされる。周りに居た兵士たちも最初は苦笑いしながら遠巻きに見ていたが、段々と憐れむような視線に変わってきた。

 頼む…助けてくれないか?

 視線を読んだのか一人の兵士が前に出た。

 

 「バット君。それぐらいで」

 「こういう事はきちんと言わないと」

 「しかし我々もここで立ち止まっている訳にはいかない。とりあえず計画を進めないと」

 「それもそうですね。先に進みますか…」

 

 やっと解放され、立ち上がろうとするが足が麻痺したように動き辛く、倒れかける。

 そこを支えてくれたのは先ほど助け船を出してくれた兵士だった。

 

 「すまない」

 「いえ、どう致しまして」

 「では、いざ行かんクラスノゴリエへ」

 

 助け舟を出してくれた兵士に礼を述べていると、バットは明後日の方向を指差しながら胸を張って大声でいうものだから自然と視線が集まる。

 そして勢いよく振り返り首を傾げた。

 

 「クラスノゴリエってどっち?」

 

 抜けた言葉にかくんと全員がよろめいた。

 そしてスネーク達は進軍する前に必要な物資を現地調達するべくツーマンセルで行動を開始した。

 スネークとペアを組まされたのは先ほど助け舟を出してくれた兵士で名をニコライというらしい。軽く話を聞いてみると彼らはヴォルギンのやり口に納得できず、反ヴォルギンを掲げて行動を開始したという。その中でニコライはまとめ役を行っているとか。

 

 「そうか…グラーニンを助けたんだな」

 「えぇ、今は貴方が待機している筈だった小屋に同志と一緒にいる筈です」

 「にしてもあいつは非常識というかなんというか…」

 

 ゼロ少佐に武器や食料は現地調達と言われたが敵より兵士を現地調達するとは思わなかった。

 その意図を察してかニコライは苦笑いを浮かべる。

 

 「確かに彼は非常識この上ないですね。ですがそれが良いんでしょう」

 「二重の意味で仲間であれば心強い」

 「それは戦力的な意味で?それとも食事的な意味合いですかな?」

 「両方だな。戦場で贅沢は言えないというのに旨い飯が食えるんだからな」

 

 朗らかに笑い茂みをかき分ける。

 話も良いが作業も進めないと先に進めない。

 なにせ準備も行わなければ突破は難しい。

 一度たりとも見つからずに進むか、玉砕覚悟で突撃しかないのだから。

 

 これから向かうクラスノゴリエは木々の無い開けた山岳地帯。

 坑道を抜けて山麓から山腹、山頂までかなりの距離を有する。

 配備されている兵士は20弱と少ないのだが装備が火炎放射器だったりする者や、機銃が7つも山腹から山頂まで設置されていたり、上空をハインドが巡回していたりと突破するにはかなり厳しい。

 山頂まで行けば塹壕など身を隠せる場所があるらしいが、途中の開けた場所でハインドと戦闘になれば生きては帰れないだろう。

 

 そこで提案された作戦は敵として潜入、または突破するものでなく、仲間と偽ってすんなり山頂内部に入り込むものであった。

 なるほど…戦わずに堂々と忍び込めるならそれに越したことは無い。

 無いのだが…。

 

 「何故俺たちは食糧を集めているのか…」

 「それは…なんででしょうかね…」

 

 肩をすくめながら笑い合う二人だが何と無しにこの後何が起こるか想像するのは容易だった…。

 

 

 

 

 

 

 バットは痛みを伴い始めた肩を軽く回しながら目の前の鍋に視線を向ける。

 寸胴の鍋にはこぼれそうになるほどのスープが入っていたのだが、すでに三分の一を切っている。

 周りで食事をしてい人数は然ほどでは無いが、毎日レーション食が基本だった地位の低い兵士たちは久しく食べる温かい料理に舌鼓を打ち、数分で三杯もお代りするものもいるほどがっついて食べていた。

 ふむ…と考えながら二杯目の具沢山スープの調理を行い始める。

 

 バットが居るのはクラスノゴリエ山頂。

 木々がほとんど生えてなく、戦闘ヘリのハインドが飛び回るほど警戒を高めているここは拠点の中で重要な部類に入る。

 ここ自体が…ではなくこの先にあるグロズニィグラード要塞があることに他ならない。要塞に向かうにはこの山岳地帯を越えなければならない為に、武装を強化させ要塞の防衛線として使用されているのだ。

 高所な事も含めて、ハインドに機関銃など戦車隊が来ても持ちこたえれそうなクラスノゴリエ。

 

 しかしバット達はいとも容易く侵入してしまっている。

 上級士官でもなく、要塞勤務の兵士でもない彼らの食事事情は厳しい。

 すでにバットやスネークの工作により武器庫だけでなく食糧庫にもダメージを受けており、各所からかき集めて回している惨状。

 そんな中に食糧を運んできた味方の一団を喜ばない者はいない。

 勿論、最初は警戒したがバットに出された料理を口にした者は久々の料理に心から溶かされた。

 

 なにせ彼はユニークスキル【野戦料理人C】を持っている。

 効果は戦場で作った料理に疲労回復と士気向上の効果付与、調理速度の向上などで、よほど不味い物でもなければ彼が作った料理は戦場で御馳走と化ける。

 

 兎に角、食事で兵士たちの警戒を緩め、注意を削いでいる間にスネークやニコライ達が武器や弾薬の類を入手しつつ、食事中の連中の輪に紛れて他愛ない話からヴォルギンの批判や彼が行った非道などを流して味方、もしくは同調する者を増やそうと行動を開始していた。

 

 にしても材料が足りない。

 ソクロヴィエノの森やクラスノゴリエ坑道で採取した材料は前にも食べたガラヴァという果実を十八個にアナウサギを四匹、ミナミオオガニの六匹、オットンガエルを一匹、オオアナコンダ三匹に山羊の一種であるマーコール二頭、あとは草鞋とかいう大昔の履物に似ている蛇が一匹。

 後は山岳地帯を登る途中でゲットしたタイコブラ六匹とベンガルハゲワシ八羽と大量だったのが、今やそのほとんどが兵士たちの胃袋へと消えた。

 すべて簡単に血抜きを行ってからオオアナコンダとマーコールはブツ切りにして木の枝に指し塩で焼いて、ガラヴァはそのまま切り分けて、残りはミナミオオガニを出汁に使ったスープの具材としてぶっこんだ。勿論だがタイコブラの神経毒…いや、臓器ごと捨てた。

 

 今残っているのはミナミオオガニが三匹にアナウサギ一匹、タイコブラ二匹などで具材が少ない。ベンガルハゲワシを捕まえようにも見当たらない。となるとこの草鞋蛇(勝手に命名)を使うか…。

 他には味が微妙なミドリニシキヘビが二匹に、炙って蜂蜜をかけて食べようと思っていたヤ―ブラカマラカ十二個を持っているのだけれど……ミドリニシキヘビも入れようか。味は多少ごまかせるだろうし。

 そうと決まればミドリニシキヘビと草鞋蛇の調理を進める。

 本当なら他にも鳥やら魚やら手に入れたのだけれどもどれも不味く、特に四十個近くあったシベリアヒトヨタケが不味かったのは辛かった。一番量が多かったからスープの具にと思っていたのに…。

 ニコライの仲間の中にはイチゴヤドクガエルやギンガメアジで食中毒、毒蛇毒虫の毒で毒殺、スパーッツァという麻酔効果のキノコで眠らすなどの案が挙げられたが、この世界の食べ物に感動を覚えたボクはそんな手は使いたくなかったので却下した。

 パイカルシシタケより出て来た解毒薬を片手にスパーッツァを毒見したスネークさんがいきなり寝息を立て始めた時はさすがに焦ったなぁ。あの人、毒見だというのに興味津々に食べ始めるから度胸があり過ぎるよ。

 不味いと判断した物のすべてもスネークさんが毒見しました。

 

 「バットさん。ニコライさんが呼んでますよ」

 「ん、分かったけど…これどうしよう」

 「後は煮るだけですか?でしたら私が見てましょうか?」

 「お願いできる――っとスネークさんとニコライさんの分持って行かないと」

 

 ちょっと早いかも知れないけれど二人の分のスープを注いで二人が居るであろう小屋に向かう。

 変わってくれたニコライさんの仲間に鍋番をずっとして貰うのも悪いし出来るならすぐに戻ろかな。

 中央にある武器庫から北東にある廃墟へ向かった。

 廃墟の赤い扉を潜って二階へと続く階段を登るとスネークとニコライ、そしてソコロフが監禁されていた廃墟で別れて以来のEVAが居たのだ。それもすごい警戒した目をニコライに向けながら。

 

 「お久しぶりですEVAさん。って何かあったんですか?」

 「あら、久しぶりねバット。

  色々あるのよ。例えば情報にない味方が居たり、大の男二人が私の着替えを覗いていたりとかね」

 「スネークさん…ニコライさん」

 「いや、違うんだこれは…」

 「スネークさんはこれで二度目ですよね?それとニコライさん妻子持ちなのに良いんですか?」

 「バット。男という生き物はどんなに罵られると分かっていてもしなければならないことがあるんだ」

 「…それに覗きは含まれませんよ」

 

 ジト目を向けられた二人はばつが悪そうに俯き、ニコライはわざとらしく咳き込んだ。

 

 「君に言われたようにいろんな所を探してみたら大量に出て来たよ。最新鋭自動狙撃銃SVDに最新鋭携行用対戦車ロケットランチャーRPG-7本体からMk22、SVD、XM16E1、M37、モシン・ナガン、M1911A1、AK-47、M63などの各種弾薬にグレネードを始めとしたチャフにスタンにスモークからクレイモアにTNT。白燐手榴弾まであった」

 「い、医薬品も充実してたな。血清、固定具、消毒薬、止血剤、包帯、解毒薬、縫合セット、軟膏とほとんどあるんじゃないか。そ、それに食糧はレーション三個に●ロリーメイト、即席ラーメン二袋だ」

 「その即席ラーメンを持って来たのはそこの二人に覗かれていた私だけどね」

 

 冷めた目線を向けたEVAは鍵をスネークに放り投げる。

 鍵をキャッチしたスネークは首を傾げながら見つめ返す。

 

 「地下壕への鍵よ。地下壕に降りてまっすぐ進めばグロズニィグラードに出るわ」

 「ソコロフの居場所は?」

 「グロズニィグラードの兵器廠の西棟に監禁されている。西棟に行くには研究棟である東棟から兵器組み立てを行っている中央棟へと移動し、中央棟から西棟へ続く渡り廊下を渡れば行けるわ。但し問題が――二つほどある」

 

 【問題】という言葉にスネークとニコライの表情が険しくなる。

 一方バットと言えば少なくなっていた医薬品を補充し、弾丸を補充しながら聞いていた。なにせ現在彼が装備している銃器で使えるのはエングレーブ入り45口径回転式拳銃のみなのだから。

 しかもオセロットが決闘を行おうとして渡した一発のみ。

 イサカM37散弾銃とAK-47突撃銃は弾切れしていたからありがたい。ただМ63軽機関銃はグラーニン救出時に森に置いてきたのは痛い。

 ジ・エンドが自爆したことで吹き飛んだモシン・ナガンの弾薬同様使い道がなくなったかな。

 ……箱に詰めて敵地で爆発させるとかしたら使えるかな…持っていくのが大変だから止めておこう。

 

 「一つはフルシチョフ第一書記が軍をこちらに向けた事」

 「……ん?あんた達にとっては援軍に等しいんじゃないのか?ヴォルギン大佐の目もそちらに向くわけだからな」

 「確かに大佐は対抗するべく部隊を集結させようとしているわ。但し前線ではなくグロズニィグラード――シャゴホッドを護るためにもね。そうなったら警備が厳重過ぎて潜入は難しくなる」

 「早めに片付けろという事だな。もう一つは?」

 「もう一つは西棟に行けるのは警戒が厳重で大佐クラスだけって事よ」

 

 そう言うと一枚の写真を見せる。

 映っているのはヘリが墜落した際に水面に叩き落したおじさん――ヴォルギン大佐と、知らない青年だ。

 

 「彼はイワン・ライデノヴィッチ・ライコフ少佐。

  背格好が似ていることから変装すれば行けると思うわ。制服は彼から奪うとして顔は何とかしてね」

 

 確かに制服を奪うのは良いとしても顔は全くと言っていいほど似ていない。

 野性味溢れるスネークと爽やかそうなイケメンでは無理がある。

 

 「じゃあ私は戻らないといけないから」

 「ソコロフを救出した後はどうするんだ?上官からは君が脱出手段を用意すると聞いたが…」

 「ちゃんと用意しているから大丈夫。その時が来たら教える。じゃあ、私は戻るけど二人とも急いだほうがいいわよ。シャゴホッドもフェイズ2の実験に移っているから」

 

 部屋を出て行ったEVAの方向からバイクのエンジン音が響き渡る。

 遠ざかるエンジン音を耳にしながら三人は向かい合う。

 

 「さて、これから俺とバットは潜るわけだがお前はどうするんだニコライ」

 「付いて行きたいところだけど無理だな。一応反ヴォルギン派のまとめ役でもあるんだ。だからここに残るさ。ここは高所で武器弾薬が多くある。同志を増やしながらここを拠点として使うさ。何かあったらこの回線で連絡を」

 「分かった…では、弾薬の補充を済ませたらここを出るぞバッド」

 「了解ですけどその前に一つ」

 「…なんだ?」

 「シャゴホッドって何でしたっけ?」

 

 今までスネークの潜入支援を主目的としか聞いていなかったバットの疑問は当たり前だった。シャゴホッドの名が出たのもグラーニンとの会話の時だけで完全に忘れていたのだ。

 だがゲーム的に言えば中盤から後半へ移ろうとしているここまで知らなかったことにスネークは肩をがくっと落とした…。

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