Fate/Zero Another Animation heroes 作:亜弐
そんなー(´・ω・`)
ある冬木のホテル。そのスイートルーム。
赤毛の女、ソラウと金髪の男ケイネス。そして金色の獣「とら」と槍を持った中学生くらいの男の子、「うしお」。
うしお「すまねえな・・・マスター。」
うしおがケイネスに謝る。
ソラウ「ランサーはよくやったわ。・・・ランサーだけに結果を急がせてあなたは後ろでずっと隠れて・・・」
うしお「これ以上はダメだよ、ソラウの姉ちゃん。」
ソラウがケイネスに対する会話は、婚約を約束した者同士の会話ではなく、冷め切ったものだった。
ホテルのベルが鳴る。少しして、電話が鳴り、ケイネスが受話器を手に取る。
ケイネス「・・・・・・わかった。」
短く返事をし、受話器をすぐ元に戻す。
ケイネス「下の階で火事だ。まぁ、間違いなく放火だろうな。」
ソラウ「放火?よりによって今夜?」
ケイネス「人払いの計らいだよ」
ソラウ「じゃあ・・・襲撃?」
港の倉庫街で起きた初戦。セイバーに対してうしおの持つ槍だけが攻撃を与えられる。
ランサーの宝具は魔術の隠匿が難しいもの、自身が纏うもの。そして槍の3つ。
ランサーは初戦では宝具を使っていない。それで最良のサーヴァントセイバーと互角に打ち合えたのだ。
今油断しきっている状態を狙いセイバーのマスターは、早々にランサーを脱落させたいのだろう。
ケイネス「フッ、セイバーのマスターは可能な限り早急にセイバーにダメージを与えられるランサーを脱落させたいと見える。ランサー、下の階に降りて迎え撃て。・・・無下には追い払ったりはするなよ。」
とら「おう」うしお「わかったぜ」
ケイネス「お客人にはケイネス・エルメロイの魔術工房をとっくりと堪能してもらおうではないか。・・・フロア1つ借り切っての完璧な工房だ。結界24層、魔力炉3基、猟犬代わりの悪霊、魍魎数十体、無数のトラップに廊下の一部は冥界化させている空間もある。お互い秘術を尽くしての競い合いができるというものだ。」
ケイネス「私が情けないという指摘、すぐにでも撤回してもらうよ」
ソラウ「ええ、期待してるわよ。」
ホテルのフロア1つが、並の魔術師ではできないようなものばかり。天才であるケイネスは万全を期した状態でソラウにいいところを見せたかった。
しかし、ホテルは爆発した。
切嗣「150mからの高みの自由落下。どんな魔術結界で防備を固めていても、助かる術はない。」
ホテルの外に集まる人々。おそらくホテルにいた人々の中に、切嗣はいた。
舞弥が外からケイネスを見張り、切嗣が爆弾を起動させる。
ホテルの爆発を見る人々。その人々野中に女の子が泣き、それを母親がなだめている。
切嗣はすこしそれを見て、無線で舞弥に撤退の指示を出す。しかし無線からは発砲の音が聞こえただけだった。
ホテルの近くの建設途中のビル。舞弥がケイネスを見張っていた場所に、若い神父が一人。
綺礼「それにしても、建物もろとも爆破するとは、魔術師とは到底思えんな。いや、魔術師の裏をかくことに長けているということかな?」
舞弥「言峰綺礼・・・!」
綺礼「君とは初対面の筈だが?それとも、私を知る理由があったのか。ならば君の素性にも予想がつく。」
舞弥「ッ!」
舞弥が舌打ちをする。サーヴァント抜きでもこの男は強い。自分では到底勝てない相手だとわかる。
綺礼「私にばかりしゃべらせるな、女。返答は一つだけでいい。お前の代わりに来るはずだった男は、どこにいる!?」
その一瞬、柱から身を出し、持っていたハンドガンを撃つ。しかし、一瞬ではじかれてしまう。拾う時間など無い。前転し、隣の柱に移る。
綺礼「なかなか悪くない動きだ。相当に仕込まれているようだな。」
柱に近づきながら、両手に黒鍵3本ずつ構える。
しかし、どこからか投げ込まれたスモークグレネードのおかげで、飛び降りる。綺礼は即座に反応し、切り込む。1秒でも遅かったら舞弥は首が胴体と分かれていただろう。
綺礼「あの女が投げたものではないか・・・まぁいい、あの女を助けるという存在がいたということだけで、今夜は収穫だ。」
すると、綺礼の後ろから緑髪の青年が現れる。
綺礼「表ではみだりに姿を晒すな、と言っておいたはずだが?」
アサシン「いやぁ、ついにキャスターの居場所がわかったもんでね。今すぐに言っておかなきゃいけない情報っしょ、これ。」
綺礼がすぐに時臣に連絡する。
キャスターとそのマスターは深山町から隣町の高校で、世間を騒がせる大虐殺を行なった人物であること、配慮なく魔術の行使、痕跡の秘匿すらなし。
綺礼「もはや聖杯戦争自体眼中に無いのかと」
時臣「錯乱して暴走したサーヴァント、それを律することないマスターか・・・一体どうしてそんな連中が聖杯戦争に・・・」
璃正「これは放任できんでしょう、時臣君。キャスターたちの行動は明らかにルールを逸脱している」
時臣「無論です。私は魔術の秘匿に責任を負う者として、断じて許せない。」
璃正「んん、キャスターとそのマスターは排除するほかあるまいな。若干のルール変更は私の権限の内です、すべてのマスターをキャスター討伐に導引しましょう。」
キャスターが行った虐殺は、既に50人以上の無辜の人々が犠牲となっている。その他にも、誘拐された人々もいる。最早キャスターは災害と化しているのだ。
しかし、その夜にはキャスターの計画は既に最終段階で手遅れだということをまだ知らない。
セイバー「ここか」
日本には余りにも似合わない風景。それもその筈、セイバーの目の前には城があり、それが自分達の拠点であるからだ。
アイリ「どうかしら?セイバー、ここならあなたの宝具を発動できると思うのだけれど...」
セイバー「ああ、このぐらいの城ならば3割くらいか...」
セイバーの宝具は固有結界であり、発動条件は広い土地、龍脈の流れがあるところになる。
そして、一番の問題が、その場所はかなりの金額がかかった場所でなくてはいけないのだ。
金銭の代わりに魔力、聖遺物で代用も可能だが、その聖遺物はまだ届いていないのだ。勝つつもりがあるのだろうかとセイバー、切嗣、アイリまでも呆れる。
切嗣「届く聖遺物はかの騎士王の鞘、アヴァロン、だったか。再生効果でセイバーの強化にも使える、と」
セイバー「それが私の宝具を完全にする程の物か...興味はあるが、必要ないな。勝つなら守護者2人だけで十分だ。マスターが持っておくといい。」
セイバー「そもそもマスターはじっとしてくれて構わない。私だけで十分だ。...それと、この森も使わしてもらうが、構わないか?」
切嗣「僕がマスターを仕留める計画。それをいきなり切り替えろというのも無理だ。それに、サーヴァントを倒してもマスターが生きていれば、他のサーヴァントと契約すること、新しくサーヴァントを召喚する者も出てくる。」
セイバー「ならばこれを持っておくといい。危なくなったら吹けば、使い魔が出てくる。サーヴァント相手なら数秒は稼げるだろう。」
セイバーが空間からアイテム(笛)をとり出し、切嗣とアイリにも渡し、赤い液体も渡しておく。
セイバー「もし、魔力が枯渇するようなら飲むといい。傷も癒える。」
セイバーが渡した数本の赤い液体。切嗣もアイリも固まってしまった。
アイリ「こ、これ...霊薬かしら。ここまで完成された霊薬なんて...神代の遺物と見劣りしないレベルよ、これ」
セイバー「何、勝つならこのぐらい。それに、私の持つ物はこれだけではない。本来、10割の力を出せたなら、1日でこの戦いは終わらせれる。前回の戦いでは相手の戦力がよくわかった。」
城内に向けて歩きながらセイバーが切嗣とアイリに自身が感じた戦力差を述べる。
セイバー「あのなかでも厄介なのがランサーか、あの少年の槍は下手すれば私を一撃で倒す代物だ。宝具も通用しないかもしれない。気を付けなければな。」
切嗣「一撃、か」
アイリ「それに、あの男の子が来たときに獣の力が明らかに強くなってたのも...」
切嗣(おそらく2人組になることによってステータスが上がるサーヴァントか。厄介だ。アサシン、キャスターもまだ現れていない。聖遺物が来るまで、慎重に事を進んでも問題はない、か)
その時、森に仕掛けていたトラップが発動し、城内にアラームが鳴り響く。
切嗣「付けられていたか...」
監視用の水晶を用意して、警報に引っ掛かったモノを見た時、切嗣が珍しく驚いた表情をする。それと同時に、セイバーまで驚いた声を上げた。
そこには、桃太郎と、二足歩行するムキムキの犬、猿、雉がいた。
セイバー「サーヴァントではないな、セイバークラスが2人いるというのはあり得ないこと。おそらくキャスターの使い魔か。」
切嗣「ただの使い魔じゃない。アレは...サーヴァントに匹敵する。尋常じゃない魔力を持っている。...セイバー。いけるか?」
セイバー「既に守護者を向かわせた。すぐに方が着くだろう。」
切嗣「何を言ってるんだセイバー、僕の魔力は減っていない。」
切嗣の声が荒らげる。だが
セイバー「魔力は使わん。召喚されたとき、既に我が守護者達は召喚されていた。幻霊としてな。」
セイバー「私の宝具は、自らの城内ならば、魔力を少量消費するだけで幻霊1人なら形造れる。守護者を全員現界させれば、それ相応の魔力は使われる。それに、私の魔力を用いたのだ。マスターからは取っていない。」
水晶玉に映った昆虫の形をし、白銀の体、4本の腕にはそれぞれ違った武器が握られている使い魔。
自分が呼び出された。至高の御方に信頼されている。ならばその信頼に応えなくてはいけない。
「ココヲ通ス訳ニハイカン」
そのとき、森が凍り、猿が両断され、犬が凍り、砕かれ、雉の首が胴体と離れる。
桃太郎?「使えねえ奴らだぶぇ」
桃太郎らしきモノが喋り終える前に両断される。
その3つの死体が凍る。そして、消える。
「御期待ニ副エタダロウカ・・・」
十分すぎる結果を残したにも関わらず、その昆虫のような使い魔は自分がちゃんと仕事をこなしたのか、不安がっている
切嗣「強すぎるじゃないか・・・」
ただの使い魔の筈。それがあのキャスターの宝具によって作られた桃太郎一味を瞬殺する。
しかも、片手の大太刀しか使っていない。
セイバー「あれはフロスト・オーラ。周囲を凍らせる・・・どうやら本気で使ったらしいな。」
アイリ「セイバー?守護者っていう使い魔は何体呼び出せるのかしら・・・?」
アイリがおそるおそる聞く。
セイバー「守護者ならば7人、守護者と比べ強さは劣るが、戦闘メイドは7人、統括で1人。他にもいるが・・・今は十全にできぬのでな」
アイリと切嗣にセイバーが説明しているとき、セイバーの使い魔が現れる。
「防衛したところと反対方向に敵影です。いかがなさいますか?」
角が生え、腰から黒い翼をつけた美人が背後に現れる。
「オ待タセシマシタ、次ハ何処ヘ向カエバヨロシイデショウ?」
水晶玉の中で暴れていた昆虫型の使い魔が扉を開けて現れた。
セイバー「そういえば、私の名前はモモンガ、と言ったな、マスター。いい機会だ」
使い魔2体にセイバーが
セイバー「ナザリックが威を示せ!」
使い魔2体が「はっ」の声と同時に姿と気配が一瞬で消える
アインズ「私の名前はアインズ・ウール・ゴウン。この名前が私の真名だ」
真名を告げ、フルプレートの甲冑でなく、2本の大剣でなく、黒いローブに身を包み、7匹の黄金の蛇がからみあったような杖を、様々な宝石がついた指輪を嵌めている骨の手で持っている。そして、胸に赤く光る玉。
どれもが宝具ランクA以上、EXに届くものだとわかる。
そして、まだアインズは真の宝具を使っていないという恐ろしさ。
城の周りのキャスターの使い魔が、アインズが名乗り終えたときと、掃討されたのは同時だった。