ちなみにこっちの始まりでは一夏と鈴は結婚しています。
勇者イチカと悪霊の鍵(仮)1
勇者イチカが魔王を討伐して早百年。
世界は平和に戻ったかに見えたが何者かが魔物の封印を解き、世界は再び悪に苦しめられていた。
更にその影響はかつて勇者イチカが暮らしていた世界へも広がり、二つの世界は交わってしまった。
カボイの村 近くの山
「きゃあ!?」
パワードスーツを身に纏った少女たちは怯えながら射撃を行う。目の前にはかわいらしい銀色のスライムがいる。
メタルスライムに1のダメージを与えた。
「ダメよ!コイツ、全然喰らってない。」
「そら~俺、メタルだからね。」
怯える少女たちに対してメタルスライムは平然と答える。
「どうしようどうしよう・・・・・・シールドエネルギーもう少ないし・・・・」
「あのさ。」
「ひぃい!」
「俺、もう攻撃していい?」
メタルスライムはあくびをしながら言う。
「もう、今日眠いしさ。君たちなんか呪文とかなにも使わなくて攻撃弱いんだもん。最近の冒険者って弱すぎるから逃げなくても楽なんだよね。」
「よ、弱い・・・・・」
メタルスライムの一言に少女は絶句する。
メタルスライムの攻撃!
パーティーは全滅してしまった・・・・・・
カボイの村
一方カボイの村では、複数の少女を連れた女性が何やら村の村長に聞いていた。
「では、ここは私たちが知っている世界とは違うと?」
「ええ、儂らの村は愚かおそらくほとんどの者がその・・・・アイエスというものを知らんじゃろう。」
「そ、そうですか・・・・・」
女性は首をかしげる。
この女性の名は織斑千冬。
勇者イチカの実の姉にして彼の世界では世界最強と呼ばれた女性だ。
そんな彼女がこの世界に迷い込んだのは数日前だった。
学園で授業を行っていた彼女たちは突然の天候の悪化などの怪奇現象に見舞われた。
その後、世界は一変。魔物が現れるようになり、弱いものならばISで対処できるもののそれ以上の魔物には対処できず、次々と被害に遭っていた。
更に世界の各精鋭たちが魔王を名乗る者に一瞬で全滅されてしまい、多くが謎の棺桶に収められてしまっていた。ちなみに復活の方法など知る筈もないため、そのまま土葬か火葬。
そこで政府はまだ通信できるうちに残ったISで部隊を編成させ、原因の追究と打開策を探すことに決めた。
千冬はIS学園の中で自分のクラスの副担任と生徒数人、自薦で来た他のクラスの生徒、生徒会の一部のメンバーを率いて調査をすることにし、その途中でカボイの村を発見した。
「どうでした?織斑先生?」
彼女の元に自分の受け持つクラスの副担任である山田真耶が心配そうに聞く。
「・・・・どうやら、この異変はただ事ではない様だ。」
「と言う事は・・・」
「何が原因かわからないが私たちの世界は別の世界と交わってしまったらしい。」
「・・・・・」
「信じられない話だがな。」
「でも、今まで見たこともない生き物を見れば・・・・・・何となく認めるしかないです。」
「ああ、それに・・・・」
千冬たちは目の前にある棺桶を見る。
「ここ数日の戦いでオルコットと篠ノ之、ボーデヴィッヒを失ってしまった。我々も警戒せねば・・・・」
千冬は深刻な顔で村から出て行く。
その後、村長らは勇者イチカを復活させるべく仏に頼み込んだという。
数日後 カボイの村から少し離れた山の中
「織斑先生、今日はどの辺まで行く予定にしますか?」
元IS学園生徒会会計・布仏虚がインスタントコーヒーを入れてテントに入ってきた。千冬たちは外で数名見張りに付かせた後、元生徒会のメンバーを中心に今後の計画を練っていた。
「現在の状況、我々にとって有益な情報は何一つ見当たらない。よって、現段階ではあの奇妙な生物『魔物』に対しては戦いは十分避けることが唯一犠牲を少なくする方法だ。」
「しかし、織斑先生。現に私たちはかなり犠牲者が出ています。みんなあの謎の棺桶に入ってしまって・・・・これ以上増えると運搬も困難になります!」
元生徒会会長更識楯無は言う。
「更識、お前が言うのは最もだ。だが、ISを下手に使えば数日前の村に来れなかった部隊のように無駄に戦力を削る事態になる。シールドエネルギーや武装の消費による補充が保障できない以上、むやみに使うことはできない。」
「・・・・・はい。」
楯無は不安そうな表情をしながらも引き下がる。そこへテントの中に楯無と同じ髪の色をした少女が慌てて入ってくる。
「織斑先生!ここから少し離れたところに妙な光の柱が!?」
「何!?」
一同は急いでテントに出てみる。確かに彼女たちがいる辺りから少し離れた場所に妙な光の柱が見えた。
「あれは一体・・・?」
「山田君は他の生徒たちとここで待機。私と更識、布仏は一緒に来てくれ。あの光の正体を探る。」
「分かりました。」
千冬たち三人は光の柱の方へと向かって行く。
「あれは一体・・・・・・」
千冬たちは光の柱のすぐ近くで隠れながら様子を見ていた。
「織斑先生、あれも魔物か何かが出る瞬間なのでしょうか?」
「さあな、それは私にもわからない。」
虚の質問に千冬は何とも言えない顔で答える。
「あっ!何かが出てきます!」
楯無が言うと二人は茂みの中から様子を見る。光が消えたかと思いきや一人の女性が出現した。
「うにゅ?」
女性は不思議そうに辺りを見回す。
「あれ~?これは一体~どうなってんの~?」
女性は不思議そうにしていた。
「あの女性は何者・・・・・ん?どうした?布仏?」
千冬は隣で呆然と見ている虚を見る。
「ほ・・・・・本音?」
虚は目の前にいる女性に向かって行く。
「あっ!ちょっと、虚!」
楯無も慌てて止めようとするが虚はお構いなしに女性の方へと行った。
「本音!」
「うん?」
女性は虚の方を見る。
「おや~?なんかお姉ちゃんのそっくりさんが出て来た~?」
「あの喋り方、間違いなく本音だわ!」
虚は急いで女性に近寄る。
「本音、あなた今までどこ・・・・・」
「どうも~初めまして~!私は、魔法使いのほほんさんでぇ~す!」
のほほんは別人だと思い挨拶する。その様子に虚は唖然とする。
「魔法使い?あなた一体何を・・・・」
「あの~今何年ですか~?のほほんさんはなんか生き返ったような気がするから時間とかがよくわからないんです~はい。」
「!?!?!?」
のほほんの言う言葉に虚は混乱する。
「虚、一体何勝手なことを・・・・・」
そこへ虚を追ってきた楯無ものほほんを見て口を開く。
「あり?今度はお嬢様そっくりの人が出て来た~?」
「本音!?あんた確か行方不明になったはずじゃ!?って言うかなんか私たちよりもなんか大人っぽい!?」
「布仏!更識!お前たち何をしている!?」
混乱している二人に千冬は思わず怒鳴る。
「あれれ~?って言う事はこの二人は本物のお姉ちゃんとお嬢様?」
のほほんはジロジロと二人を見る。その様子に千冬は思わず警戒した。
「お、おい。お前、一体何を・・・・・」
「うわあ~ん!会いたかったよ~!」
のほほんは思わず泣きながら虚に抱き付いた。
「本物だ~!間違いなく本物だよ~!数十年ぶりのお姉ちゃんだ~!」
「す、数十年?あなた何言ってるの?あなたがいなくなったのは2年前しか・・・・・・」
虚が言おうとした瞬間上空が光る。
『勇者イチカと・・・・・・その仲間たちよ!』
「あっ、その声は・・・・・ホトホトだ~!」
「「「ホトホト!?」」」
三人は上空を見る。よく見ると雲の上に巨大な仏がいた。
・・・・・・・・・何かクレープを食べながら。
『魔物たちの・・・・・・封印が何者かによって解かれた。(クレープを頬張る)。』
「な、何を食べながら言っているんだ!?コイツは!?」
千冬は思わず言った。
『うんうん、まいうー。え~(また頬張る)ふひゃひゃひ・・・・・・あと、・・・・・戦うのだ!』
「口に含んで言われてもわかりません!」
『戦えよぉー!・・・・まいうー。』
「あの・・・あの人ほんとに仏なの?」
「ホトホト~。しっかり話してよ~。」
『え?もういいじゃん。もう、戦えよ。もう・・・・』
そう言うと仏はクレープを食べながら消えてしまった。
「まってよ~。美味しそうなスイーツを食べながら天のお告げするなんてずるいよ~!」
「・・・・・・・なんなんだ?あのふざけた輩は・・・・」
千冬は戸惑いを隠せないままだった。すると三つの光が差す。
「何なの!?この光!?」
楯無は警戒する。
「あ~!なるほど~。要するに生き返ったんだ~。」
「生き返った?」
「えっ~と、この光はイッピーとリンリンとダンダンおじさんが生き返るって合図なんだよ~。」
「イッピー、リンリン、ダンダンおじさん!?」
楯無は何を言っているのかさっぱり分からなかった。
「また冒険が始まるんだなあ~。」
「冒険?」
「あっ、お姉ちゃんに紹介するよ~。私の仲間のイッピーと・・・・・・」
のほほんが言おうとしたと同時に光は消え、三人の老人が現れた。
「ほへ?あれ?おかしいな?一体どうなってんの~?」
「・・・・・・のほほんさん。」
「あっ、イッピー!イッピーではあるんだね~!?」
一人の老人に名前を言われ、のほほんは納得する。
「イチカ?なんで私たちここにいるの?」
老婆が言う。
「う~ん、わからん。・・・・・ダンジョーさん。お久しぶりです。」
「これは一体どういう事なんだ?イチカ?」
「う~ん~~~~~あっ、わかった。」
「流石です。っで何を?どういう?」
「え~っとね、私たちは再び魔物を封印するために生き帰らせられたんだよ~。ホトホトに。」
「あのクソ仏ね・・・・・」
「クソはひどいよ~。」
「でも、見る限り確かにクソそうね。あの仏。」
「お嬢様もひど・・・・・」
「ああ、クソだなあ。」
「・・・・・えっと、つまり・・・・・・・死んだときの状態で生き返らせられちゃったのかな~?」
「死んだときの状態?」
老イチカは不思議そうに言う。
「・・・・・・と、取りあえずこのままでは埒が明かん。更識、布仏。この老人たちを連れてキャンプに戻るぞ。」
「えっ!?この訳の分からない老人たちを連れて行くんですか!?」
「止むを得んだろう。このままほっとくこともできんし。それに行方不明になっていたはずの布仏の妹がいるからに何か手がかりが掴めるはずだ。」
千冬たちは老イチカたちを連れてキャンプに戻る。
「・・・・・・・・」
「ん?どうしたご老人?」
「い、いえ、昔別れた姉によく似ているので。」
「そうなのか。私にも行方が分からなくなってしまった弟がいてな、今でも行方を捜している。」
「弟?そうなんですか。」
「ちなみにご老人の姉とは一体何という名前なんだ?」
「はい、千冬という名前です。」
「えっ?」
千冬は老イチカを見る。
「・・・・・すまないがもう一度言ってもらえないか?」
「ええ、ですからあなたが昔別れた姉に・・・・」
「いやいやいや、そこからじゃなくて名前だ。」
「え?千冬という名前ですが?」
「・・・・・・」
千冬はしばらく黙る。
「・・・・・・ご老人、あなたのお名前は?」
「はい、イチカと言います。」
「・・・・・・・イチカ・・・・・・」
千冬は、仏とのほほんの言葉を思い出す。
『勇者イチカと・・・・・その仲間たちよ!』
『死んだときの状態で生き返らせられちゃったのかな~?』
「・・・・・・」
「お嬢さん、大丈夫ですか?」
老イチカは心配そうに動かなくなった千冬を見る。
「ち、ちなみに・・・・・・・姓名は?」
「え?織斑です。」
「・・・・・・・」
「ちょっと、お嬢さん。いつまでうちの夫を見ているの?」
老婆の方が老イチカの方へと向かう。
「お、夫?」
「ああ、紹介します。家の妻のリンです。」
「リンインです。」
「・・・・・・・・・・・」
千冬は白目を剥いて倒れてしまった。
つづくかな?
まあ、メインの方がまだだからやっても一話分までかな?