「うぅ・・・・・・はっ!?」
千冬は目を覚ます。そぐ隣では、真耶が心配そうにしていた。
「大丈夫ですか?織斑先生。」
「私は・・・・・はっ!一緒にいた老人たちは!?」
「え!?あっ、はい、外で生徒たちと一緒に居ますが・・・・」
「そ、そうか・・・・」
千冬は慌てて外に出てみる。外では確かに生徒たちを囲んで老イチカたちが焚き火に当たっていた。
「そう言う事だったのか・・・・」
「うん、私ね~みんなと別れた後魔法の修行をしに旅に出て、おばあちゃんになった後不老の魔法憶えたんだよ~。そして、使いました~若返りました~その直後にもち食べてのどに詰まらせて窒息しました~終わり。」
「そんなすごい呪文まで覚えてたかがもちで死ぬとはな?」
「まあ、どれも中途半端な呪文ばっかりだったけどね・・・・・」
老ダンジョーと老リンは笑いながら言う。
「それでお前だけ若いのか?」
「そうみたいだね~。しかも中途半端に覚えていたから他の人に使う方法はまだ覚えていないんだ~。」
老イチカたちの話を聞いて生徒たちはさすがに驚いていたようだった。
「一夏!」
千冬は老イチカの方へと歩いてくる。
「あっ、これはお嬢さん。目が覚めたんですか?」
老イチカは全く千冬本人だとは気づいていなかった。
「・・・・・・・」
「どうしました?急に黙り込んで。」
「お前は・・・・・織斑一夏。それで・・・・そっちの隣の老婆は凰鈴音。間違いないな?」
「ええ、でもどうして妻の姓名を知っているんです?」
「やっぱり・・・・・・」
「?」
「やっぱり、お前だったのか・・・・・一夏。」
千冬は思わず泣きだしてしまった。その様子を見て生徒たちも動揺する。
「どうしたんですか?急に泣き出して!?」
老イチカはさすがに驚いた。
「すまなかった!私が馬鹿だったばかりにお前を・・・・・・」
「????」
千冬の言っていることがよくわからないイチカであった。
「まあまあ、お嬢さん。そんなに泣かないで。きっと弟さんも見つかりますよ。」
「うっ・・・・・いや、もう見つかってる・・・・・」
「えっ?」
「お前だ!」
千冬は老イチカに指を指す。
「?何を言っているんですか?私が姉と別れたのはもう何十年も・・・・」
「その姉が私だ!」
「え?」
「何言ってんのこのお嬢さん?」
「私が織斑千冬なんだ!」
「はあぁ・・・・・」
老イチカはどうも信じられない様だった。
「嘘じゃないんだ!本当なんだ!信じてくれ!」
「ハアァ・・・・そんなことを言われても・・・・・あなたはお若いですし・・・・・」
「きっとあれだ!あの・・・・変な仏のせいなんだ!きっと!」
「ねえねえ~、イッピーのお姉さん(仮)。」
「(仮)を付けるな!」
「なんでこんなに棺桶があるの?」
のほほんは積まれている棺桶を見ながら千冬に聞く。
「それは・・・・・私たちの班の亡くなった生徒たちよ。」
深刻な顔で虚が代わりに答える。
「復活させればいいじゃん?」
「「「復活!?」」」
のほほんの一言に静まり返っていた生徒たちが思わず叫ぶ。
「えっ?知らないの?教会に行ってお金払えば復活できるんだよ?」
「・・・・・・・・」
「のほほんさん、久しぶりにどんな呪文でもいいからかけてみてください?」
「変わらないねイッピーは。よかろう~。スイーツ~!」
のほほんは杖を構えると老イチカに呪文をかける。
「おお・・・・甘いものが・・・・ああ!とにかく甘いものが食べたい!!」
「こんなところでそんなこと言われたってね!アンタ、どうしてスイーツなんてかけたのよ!」
「どうするんだのほほん?何もないぞ!甘いものなんて!」
「うん、どうしようもないね~!(キリッ)」
「山田君!何か甘いものはないか!?一夏に甘いものを!」
「そんなこと言われてもただでさえ食事に制限しているんですからありませんよ!?」
「持ってます。」
老イチカは腰の巾着からまんじゅうを取り出しておいしそうに食べ始める。
「うわあ~。イッピー、完全におじいちゃんだ~。」
「フフフ・・・・・やっぱりアンタは初心者魔法使いだよ!」
「むむ~。リンリンでもバカにするとお仕置きだよ~。チョヒャドチョヒャドチョヒャドチョヒャドチョヒャド・・・・・」
「うわあ~!!寒いよ~!寒いの苦手なんだよ~!」
老リンは震えながら叫ぶ。
「ふふふ~ん~。お年寄りは寒さに弱いのだ~!」
「こら、本音!他の生徒達まで寒がらせてどうするのよ!」
「ほへ?」
のほほんは老リンの後ろを見ると数名の生徒が寒さで倒れていた。
「やっちゃった☆てへぺろ☆」
「しかし、仏はこんな俺たちに魔物と戦えとおっしゃるのか?」
老イチカはスイーツの効果が切れたのか不思議そうに言う。
「みんな~任せて~。この中で唯一若い、ピチピチ若い、すごく若い魔法使いのほほんが次々呪文を唱えて魔物たちをやっつけるよ~。」
「お願いします、のほほんさん。」
「任せたまえ~。」
(・・・・・・・大丈夫なのかしら?こんな状態で。)
翌朝
移動をしようとした一同の目の前にスライムが現れた。生徒たちはたちまち大慌てになっていたが老イチカたちは立ち向かう。
「この程度の魔物、俺が一発で仕留めて見せるわ!」
老ダンジョーは勢いよく剣を抜こうとする。
グギッ
「グウゥ!?ぎ、ぎぃ・・・・・い・・・・いかん・・・・こ、腰が・・・・・」
老ダンジョーの腰がものすごい音を立てた。
「ちょっと~あまり無理しちゃダメだよ~。」
「のほほん、呪文で回復させてくれ。」
「ほいほい、バンデイン~!ってそんな腰にだけ効く魔法ないよ~!」
「のほほん・・・・・ちょっと歩いたから、膝が痛いんだ・・・・・呪文頼むよ・・・・。」
「グルグルグルグル、グルコサミ~ン!ア~ンド、コンドロイチ~ン!ってだ~か~ら~そんな呪文ないよ~!」
「俺が・・・・・勇者である俺が仕留めて見せる!」
老イチカは、剣を勢いよく抜いてスライムに斬りかかる。
「はあ・・・・はあ・・・・」
「うん、全く・・・・・全くダメージを与えられていない。」
スライムの攻撃!
「ぐわあ!!・・・・・・」
イチカはダメージを受けた!
「弱い・・・・相手も弱い。よお~し、ここは私の呪文で・・・・え~!」
呪文を唱えようとしたのほほんはイチカの方を見る。
イチカは死んでしまった・・・・・
「え~!いくらおじいちゃんになったからって弱くなり過ぎだよ~!」
その後イチカは何とか復活しました。
「・・・・・山田君。」
「は、はい。」
「私はこの現実をどう受け止めればいいんだ・・・・・(うるうる)」
「え、えっと・・・・・・」
千冬が目の前で見ている光景。
玉突きをしている老人夫婦。
どこから持ってきたのか某CMで馴染みのサプリメントを呑んでいる老人。
どうすればいいのか困っているのほほん。
その光景に流石に生徒たちも困惑していた。
『イチカ!イチカ――――――――――――――――――――――!!』
そのとき、空から再び仏が姿を現した。
「あっ、やっとホトホトが出て来た~。」
「やい、貴様!なんてことをしてくれたんだ!この・・・・・この弟の面倒の数々を・・・・・どうしてくれる!私の一夏を返せ!」
「織斑先生、言っていることがズレてます。」
千冬は泣きながら老イチカに指を指す。
「仏様、どうか私たちを戦える年齢にまで戻してください。出ないといつまでたっても前進できません。」
『うん、わかっておる。ただ、私が・・・あー、君たちをこのような状態で生き返らせらのには訳がある。』
「どんなわけだ!」
『どんなわけだとお思いかな?』
「若い力のありがたみを分かれという意味ですか?」
『ううん・・・・そうではない。』
「人生の意味を知れとか?」
『そうではない。』
「いいから早く言え!まさかうっかりとかではないだろうな!?」
『私が君たちを死んだときの状態で生き返らえた・・・・そのわけとは・・・・・・・うっかりでぇ~す!ウッキャウッキャウキャンダバスタ!ウッキャウッキャウキアンドバスカルハッタンバッタンバラスティンウリアンドスタンガン!(服ずり落ちる)あ―――――――――!!』
「この仏・・・・・・(歯ぎしりしてます)。」
「うっかりなら今すぐ戻してください!」
『オッケ、分かりました!戻します戻します、仏ビーム!!』
仏の額から光が発し、光に当たった三人は見る間に若返った。
「あっ!おじさん、私よりちょっとボイン(リン)、イッピー!」
「あぁ・・・・一夏・・・・・でも、思っていたよりも大人っぽいな。。。。」
「ありがとうございます、仏。」
「いやいや、あいつのうっかり何だから別にお礼しなくてもいいんじゃない?」
『というわけでイチカよ、お前の今回の使命、悪霊の鍵と呼ばれる魔物たちを封印するための鍵を取り戻すことだ!』
「悪霊の鍵・・・・」
『お前が魔王を倒してから時は流れて、魔物たちの封印を解いたものがいる。その者たちを倒し、悪霊の鍵を取り戻すのだ!その・・・・・・・(笑ってごまかす)・・・って、その・・・ねっ、封印だ!封印。その封印を・・・解いた、者は、おそらく・・・・えっ、悪魔族の者であろう。えー、魔物たちから悪の力を、が、集め・・・・・・」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
『(また、笑ってごまかす)すごい・・・・すごい大きな、とても大きな力を持っているはず・・・・ねっ、えーその者に勝つとてお前に・・・・到底・・・・え・・・・容易なことではナイズ、ナイズってなんだ!ないぞ!えっ、戦いの末にあれと・・・えっと・・・・あれ・・・・勇気を身に付け巨大な敵に立ちむきゃうのだ!舌かんじゃった、立ち向かうのだ!』
「しかし、以前の魔王を倒した時、俺たちも相当の力を身に付けたはずだ。その敵を倒すのも時間の問題かと・・・・」
『うん、いや、ごめんごめん。ほんとゴメン。今の君らね・・・・レベル0なの。』
「え!?」
「何ですって!どういう事よ!普通魔王倒したところで終わったんじゃないの!?」
『ごめんごめん、あの、そこでセーブしてなかったの。』
「セーブって何~!?」
「どこまでクソ仏なのよ!」
「ありえん。絶対にでありえん。」
『ごめーん、ごめーん!今ちょっと、急いでんのー!ちょっと今から家族旅行なの~!』
仏がそう言うとすぐ脇に何か出てくる。
「ホトホトにも家族いたんだ~。」
「何なのよ、そのホワイトボート・・・・そこに予定書くの?うわあ・・・・汚い字・・・・・って、ちょっと!アンタ四号だったの!?」
「代わりに一号呼んでよ~!一号~!」
『うんじゃ、家族旅行行ってきま~す!』
「お~い!」
そう言うと仏は消えてしまった。
「なんてことだ・・・・レベル0だと・・・・」
イチカは剣を抜いて振ってみる。イマイチ遅く感じる。
「うん、確かにゼロね。・・・でも、夫婦の良好度はそのまんま見たい。」
「えっ?そんなゲージあったのか?」
「さあ?」
そう言いながらリンはイチカと手を繋ぐ。
「う~ん~なんか記憶があやふやになってきた~。」
「と言う事はのほほん、お前の呪文もゼロと言う事か?」
「うんうん、一つだけなんか覚えている。」
「それ回復系ならまだいい方なんじゃない?」
「そうだね~試しにお嬢様にかけて見よう~。えい!」
のほほんは楯無に呪文をかけてみる。
「・・・・・何したの?本音?」
楯無が不思議そうに聞く。
「見て、お嬢様の眉毛が太くなってる。」
「えっ!?」
楯無は慌てて鏡で自分の顔を見る。
「何よこれ!?」
確かに眉毛がどっかの漫画の警官のように太くなっていた。
「すごい・・・・」
「おお・・・・」
「この呪文は・・・・・ヨシズミという呪文。面白そうだから今度はイッピーのお姉ちゃん(仮)にかけて見よう!」
のほほんは千冬に呪文をかける。
「おお!千冬姉らしき人がゴルゴみたいになっている!!」
「のほほん、次は俺にかけてくれ。」
「おじさんはかけると顔が全部眉毛になっちゃうよ~。」
「こら本音!この呪文一体何に役に立つのよ!?」
楯無は混乱しながら聞く。
「敵の眉毛を太くすることによって、目に汗が入るのを防ぐんだよ~。」
「・・・・・それ、逆に助けてるよね?」
「・・・・本音。」
「何?お姉ちゃん?」
「お嬢様と織斑先生の眉毛を元に戻しなさい。」
「でも、面白・・・・」
「早く。」
「は、はい。」
虚が怖い顔をしたためのほほんは元に戻す。
「さて・・・・・行くか。悪霊の鍵を探しに。」
「あっ、その前にカボイの村に行かないと。」
「え~?どうして~?」
「あっ、そうね。確かいざないの剣が保管してあるはずだし。」
四人は千冬たちを無視して行こうとする。
「お、おい!ちょっと待て!」
「「「「はい?」」」」
「何とぼけて行こうとする!?それに一夏!なんで私に気づかない!?」
「・・・・・・・・あっ、千冬姉。そこにいたんだ。」
「さっきからいたわ!私を忘れるな!」
「でも何でここにいるんだよ?ここ、別世界だぞ?」
「う~んとだな・・・・山田君。すまないが説明をしてくれ。」
「えっ!?は、はい!」
あっても次は少ないと思う。