ゲス提督のいる泊地   作:罪袋伝吉

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 鳳翔さん、とっとと逃げてた。やはりオカンはちが(ry

 ゲシュペンスト、霊力バッテリーにされる。

 土方、大淀に目をつけられる。

 金剛さんもリフレッシュ。

 データしか出ないアニメ主人公(笑)とデータしか出ないメインヒロイン。

 


【過去話】怨霊艦隊~ゴーストシップ(26)

 

 明石(土)と比叡の姉艦である金剛がストレッチャー(医療の現場で使用される患者を搬送する為の移送ベッド)に乗せた比叡を運んで来た。

 

 明石(土)が戻って来るまで、時間にして約20分。

 しかし戻って来た時には鳳翔の姿はあぎょう丸の甲板にはおらず、霊波受信板の前のゲシュペンストと大淀、そして鳳翔の代わり……なのか、土方歳子中佐が居た。

 

「あれ?ホーショーはぁ?」

 

 金剛が首を傾げて土方にそう聞いた。鳳翔が来ていると明石(土)から聞いて話がしたかったというが、その鳳翔は体調不良でゲシュペンストの拠点へと戻って休んでいる。

 

「Oh、熱中症デスかネー?」

 

「まぁ、南国だからね、はははははは……」

 

 土方がタハハーと笑うが、その額にも冷や汗がタラーリ。

 

(そりゃあ、あの『大淀』があんなキラキラ澄んだ目で乙女な感じになってたら鳳翔さんでなくてもああなるわ)

 

 と思うも大淀本人のいる場所でそんな事は言えない。たとえ小声であってもこの大淀はとんでもなく地獄耳であり、声が届かないところでも相手の唇の動きだけで会話を理解するような艦娘なのだ。

 

 とはいえ、はて、と土方は金剛を見て違和感を感じた。この金剛は連日のように比叡に霊力の供給しており、かなり体力を消耗している。

 そのため顔色も身体の調子もそんなに良くなかったはずなのだが、今、かなり顔の血色も良いように見えるし動きもきびきびしている。

 

「あれ?金剛、なんか顔色良くなってない?」

 

「Oh、ワカリますカー?今日はとても身体が軽いネー。やはり比叡の治療が出来るって聞いたからデスかネー、とても嬉しいヨー」

 

 満面の笑みでそういう金剛。

 

 金剛は比叡への霊力供給を始めてから自身の霊力不足によってかなり弱っていた。それもまともに戦闘すらも出来ないほどに。

 だが彼女は明るい性格とは裏腹に意地っぱりかつ誰よりも優しいが故に人に心配をかける事を嫌う。いつも誰かの心配をしているというのに。

 故に彼女は弱っていてもベッドで休むということをしない。

 規則正しく生活し、朝に起きて日中はお気に入りのいつものテーブルに座りさながらお淑やかな英国の老淑女のように紅茶を飲みつつ、比叡と共に過ごしている。

 

「今まで散々戦ってきたのダカラ、ここでは楽隠居させてもらいマース!」

 

 と笑いながら嘯く。

 

 そんな金剛の姿を土方は見てきたが、その顔色を誤魔化すためのメイクの朱をいつも悲しく思っていた。

 

 土方は『艦娘祭祀派』の中でも霊能力に秀でた提督であり、どれだけ外見を取り繕っても金剛のその弱った霊力が見えるのだ。誤魔化す事は出来ないというのに。

 

 だが、今日の金剛のその姿はどうだろうか。昔に出会った頃の『元気過ぎる金剛』のようではないか。

 

「……金剛の霊力が、戻ってる?!」

 

 朝に見た金剛の霊力の色は、弱々しい赤銅のような色だったのに、今の金剛の霊力の色は最盛期の黄金色になっていた。というかここまで霊力がほとばしっているのは出会った頃でもなかった。というか今気づいたが金剛はメイクをしていない。

 

「明石、これどういう事?!」

 

 驚き、土方は機材の操作パネルを弄っている明石(土)に叫ぶように尋ねたが、しかし明石(土)は何かの数値が書かれた紙を挟んだファイルを無言でポイっと土方に投げて来た。

 

「今、微妙な所調整してんだから声かけないで。それ見といて!それが答え、以上!」

 

 明石(土)の投げたファイルはゲシュペンストの霊力値などが書かれたカルテだった。明石(土)の分析が殴り書きであちこちに散乱したように書かれているが、まぁ、土方もそれは読み慣れている。

 

 それをまとめればこうなる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

【アンノウン一号(正式名称・ゲシュペンストtypeS)】

 

 艦種   : 該当する艦種無し。ロボット?

 

 霊力値  : 9999(測定器のカウンター桁足らず)

 

 霊力放射圏: 100m(有効圏内:約50m)←霊場クラス

 

 霊力属性 : 陽極(男?) ←不明

 

 提督適性値: 有り・76(Lv.70クラス)

 

 和荒魂平衡: 和:90 荒:29 (善)

 

  

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 土方は目をむいた。

 

 (なんだこの数値は?!)

 

 そりゃあそうなるだろう。土方が驚いている理由を一般的な艦娘のカルテを幾つか出して説明すると、

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【吹雪(フブキチ)】

 

 艦種   : 特型(I)駆逐艦一番艦(吹雪型)

 

 霊力値  : 156

 

 霊力放射圏: 5m(有効圏内:約1m)

 

 霊力属性 : 陰極・水

 

 和荒魂平衡: 和:40 荒:0 (善)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【扶桑】

 

 艦種   : 扶桑型戦艦一番艦

 

 霊力値  : 389

 

 霊力放射圏: 20m(有効圏内:約8m)

 

 霊力属性 : 陰極・氷

 

 和荒魂平衡: 和:72 荒:36 (善)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 普通の艦娘である場合、霊力値の平均は

 

 駆逐艦  :125~150程度

 

 軽巡洋艦 :150~200程度

 

 重巡洋艦 :150~250程度

 

 空母(軽空母含む):200~360程度

 

 戦艦   :300~400程度

 

 

 なお、一般的な人間の霊力値の平均は、5~10程度であり、これより霊力値が高い人間は提督の素質があるとされている。

 

 例として近藤勲大佐のカルテを出してみると、

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【近藤勲】階級・大佐

 

 所属   : 大日本帝国海軍・舞鶴鎮守府(司令)

 

 霊力値  : 29

 

 霊力放射圏: 1m(有効圏内:約0.4m)

 

 霊力属性 : 陽極・人

 

 提督適性値: 有り・42(Lv.40クラス)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 となる。

 

 艦娘と比べればさすがに霊力などの数値はかなり低く見えるかもしれかいが、近藤大佐の霊力値は常人の二倍である。また霊力放射圏も実際には常人離れしている程に高い。

 

 何故、土方のカルテではなく近藤大佐のカルテを出したかと言えば、彼が現在の日本海軍の提督の中で最も艦娘に好かれている人物であるということと、土方の場合、霊力値や霊力放射圏が近藤よりも常人離れしており、こんがらがってしまうためだ。

 

 さて、近藤大佐がやたらと艦娘に好かれる理由は無論彼の性格が好ましいからということが大きいのだが、やたらと艦娘達に抱きつかれたりするのは、陽極の霊力を強く持つからであり、そしてその放射圏は約0.4m、つまり40センチという狭い範囲だからである。

 

 艦娘達は相性の良い提督の霊力を補給したくなるという習性があり、それはもはや本能のようなものと言っても良いだろう。

 

 艦娘が提督の霊力を得た場合、わかりやすい現象としては『キラ付け』状態というものがみられる。

 

 この『キラ付け』は提督との接触以外でも『間宮・伊良湖券』や戦闘でのMVP獲得などでも起こるが、名前の通りに艦娘が絶好調だったり、非常に嬉しいことがあった際に、その霊力の出力が増したために光り輝いている現象である。

 

 その状態の艦娘は戦力が増しており、またその霊力値は通常時より30%から最大で100%増しまで上昇するという。

 

 この事から一部の研究者は冗談めかして提督の事を『テイトクニウム』とか『霊力ブースター』とか、艦娘に力を出させるための物質や補助装置のように呼ぶ者もいる。

 

 さて、この辺でもうわかった方は多いと思われるが、ゲシュペンストのカルテにある数字や記載事項にはおかしな点がかなり見られる。

 

 霊力値が四桁の測定器でカンストしているのもそうだが、霊力放射圏の範囲がとんでもなく大きい。

 

 明石(土)の書いたと思われる『←霊場クラス』は、霊験あらたかな山や寺社などの霊力放射圏がだいたい50~120m程であることからそれにたとえているわけだが、意思を持った存在でそんなバケモノじみた霊力と霊力放射圏を持った存在は今まで確認されたことなど無い。

 

 また、そんな存在が非常に高いレベルの『提督適性値』を持っているというのもとんでも無い話なのである。

 

 先ほども記したが、艦娘達は相性の良い提督との接触によって霊力をブーストする事があるわけだが、では、ゲシュペンストのような霊力の塊が艦娘達に与える影響はどのようなものになるのか。

 

 答えは、比叡と金剛の霊力の大回復である。いや、大淀もそうであるし、ゲシュペンストの作った拠点で保護された多くの艦娘達もまた彼の霊力によってかなりの霊力回復をしたのであろう。

 

 要するに、回復している艦娘達は、ゲシュペンストとよほど相性が好意をもっている……のだろう。

 

「……破壊神が、艦娘の救世主?!はは、ははははは、なんてことなの」

 

 土方は思わずそう呟いてしまった。そう、非常に拙い事に、地獄耳の大淀の近くで、よりにもよってゲシュペンストの事を『救世主』などと言ってしまったのである。

 

 狂信者の喜ぶ事を言ったせいで、土方はとんでもない事に巻き込まれる事となるわけであるが、まぁ、しかたないね?

 

「ところで、俺はいつまでこうしていればいいんだ?」

 

「比叡の手術に必要な霊力源として、手術が終わるまでその霊力受信板のところにいてください。というか動かないように」

 

「ええ……」

 

 ゲシュペンストを巡る様々な思惑。しかしそんな事もしらず、本人は呑気だったとさ。

 

 とっぴんぱらりのぷう。

 

 

 

 




 なお、霊力云々は完全に創作ですので目くじらタテナイデネ?

 ゲシュペンストの霊力はほとんどズフィルードクリスタルのせい。

 おっぱい成分……そろそろ欲しいなぁ。

 なお、なんか足りないんで書き足したりいろいろする予定でふ。

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