扶桑と山城って、なんか霊感とか強そう。
それはさておき、いろいろ出ちゃいます。
アイオワさん、乳デカい。肉食ってるやつぁやっぱ違うぜ!!
月月火水木金金、と昔の海軍の偉い人は言った。
今日は金曜日である。
ガシャコン、ガシャコン、ガシャコン、ガシャコン、チーン、と明石は昨日、つまり木曜日から金曜日、夜なべして建造を見守る仕事を延々と繰り返していた。
現在、午前1時を回った所である。
今日の秘書艦は扶桑、俗に不幸戦艦と言われている扶桑であるが、その割に建造は順調、駆逐艦と駆逐艦ではないが海防艦という珍しい艦種の子が建造されていた。
海防艦というのはあまり確認された事は無いものの、何隻か大本営のデータにはあり、明石は単に「ああ、そういう子達もいるのね」と特におかしいと思ってはいなかった。スペックを見るに、駆逐艦と良く似た性能を持っており、どうやら防衛任務が得意な子達のようだからと気にもしていなかったのだ。
海防艦を建造した鎮守府は、今まで確認されていないという記述を全く読まずにそのまま読み飛ばしたのである。
なお、今まで建造した駆逐艦は神風、朝風、春風、松風、の神風型と呼ばれる古風な格好をした子達である。ネームシップの神風はあの鳳翔と同じ年に建造された船であり、大東亜戦争を最後まで戦い抜いた船である。
この子達も、通常建造は不可能かつその存在は希少であるが、明石はやはり(ry。
レア艦娘、それも建造では出来ないはずの子達がやたらとやってくるこの怪奇現象。しかし、明石はそうとはまだ気づいていない。
秘書艦が扶桑のときにしばしば起こる、信じられないような現象がすでに起こっていることに。
「ん~、順調順調。さて、次の子を建造しちゃいましょうか。さーぁおいでー?」
明石はオール30で建造機のスイッチを押した。海防艦もノルマ達成の中に勘定してまであと3人なのである。
当然ドック三人分、オール30で設定。
「ふわっ、ふわわわわっ」
欠伸が出て目がしばしばした。
「ダメね、このままじゃ寝ちゃうわ。コーヒー買いに行きますかね……」
明石はそう言うと、コーヒーを買うために工廠の廊下へと席を外したのである。
そう、目を離した隙に、建造機に忍び寄る大きく白い靄(もや)のようなものが三つ。そして小さなもやが幾つか。
そう、それらは、今だ!とばかりに製造機のコンソールに飛びついた……。
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ゲシュペンスト提督はアマンダ(元明石)の自動車修理工場からの帰りに『鉄板焼き屋RJ』に寄って深夜まで建造をしている明石への夜食にたこ焼きを買って工廠の前まで来ていた。もちろん、妖精さん達へのお菓子もコンビニで買っている。
まだ工廠の明かりはついており、妖精さん達が振るうハンマーの音や溶接の音が響いている。
おお、みんな頑張っているなぁ、とゲシュペンスト提督は感心して工廠の建造機の操作盤のある明石のラボへ続くドアを開けた。
その途端。
『きゃああああああああっ!!』
と、明石の悲鳴が聞こえてきた。
何事かっ!!とゲシュペンスト提督は明石のいるラボへと向かい、そして見た。
建造機の資材カウンターが勝手にカシャカシャカシャカシャと動き、それでも足らずに大型建造のスイッチが何も操作していないのに、ポーンという音と共に入り、そして有無を言わせず高速建造の表示がなされ、さらにそれが三つのドックで同時に行われる様を。
しかしゲシュペンスト提督は落ち着いたもので、あ、またか、と思っただけだった。
「あー、なるほど」
コンソールの向こうの窓から見える建造ドック、その艦娘の本体を建造するカプセルの中に、超高速で艦娘が産まれていた。その身体から察するに大型の戦艦クラスだった。
コンソールのモニターには「アイオワ」「ウォースパイト」「ガングート」とあった。
これらの艦娘のデータはゲシュペンスト提督にも無かったし、大本営のデータベースにも無い。とはいえそんな艦娘が来るのは今に始まった事では無かった。
「落ち着け明石。そういやお前、扶桑が秘書艦の時に建造するの初めてだったな。いや失念してたわ」
「て、提督っ、これは何なのですか?!こ、こんな、まるで機械が勝手にっ?!」
「扶桑は昔から霊力が強い、というのか、こう……なんか引き寄せてしまうんだ。今回も強い艦魂がこの世に顕現したい、と願って引き寄せられたんだろなぁ。お前の前任の明石(アマンダ)が建造したときにも何回かあったんだよ」
「そそそ、それって、れっ霊障なんじゃ?!」
「いや、それを言うと建造って軍艦の魂を呼んで顕現させるんだし、みんなそうして建造されたんだ。怖がることは無いだろう。まぁ、他じゃなかなか見られる現象じゃ無いだろうけどな?しかし、まぁ、ご丁寧に資材オール9999か。それが三隻とは……高くついたなぁ」
資材消費が少し痛いが、まぁ出て来ちゃったもんは仕方無いわなぁ、と他人事のようにゲシュペンスト提督は言い、そして今まで建造された艦娘のデータをコンソールで見た。
「……神風型4人に海防艦の択捉、か。建造で出るのはこのパラオが初めてになるが、多分他の所じゃ無理だろなぁ」
ええっ?!と明石が目を見開き、そして慌てて自分のノートPCで大本営のデータバンクにアクセスする。
どの娘も建造されて来た事は無い、とあった。
「……つか、アイオワって確かまだ現存しててアメリカで博物館になってる艦じゃ無かったか?つか、大本営もこの三隻は未確認、っつーか、出現自体これが初めてなんじゃねーか?」
そう、明石も今調べたが。
アイオワ、ウォースパイト、ガングート。この三隻の戦艦は、ドロップ現象も建造も、どこにも前例はなかった。つまり、三隻とも、この世界でおそらく初めて顕現したという事になる。
「三笠とかミズーリとかが来ても俺は驚かないね。そのうち自衛隊のイージスとか護衛艦も来るんじゃね?ってか、まだ資材のカウンター動いてるぜ?」
かたかたかたかたっ……。
今度はカウンターが減り、オール30になった。
「きゃっ!!」
「おお、今度はオール30か。気を使ってくれたのかねぇ。どんな子が来るんだろ。今度は駆逐艦っぽいな」
「も、もう、いやぁっ、なんなのこの現象っ?!」
「だから建造だっての。彼女らは仲間になりたくて来るんだ。むしろ喜んで迎えてやってくれよ。つか、お前と仲のいい夕張も『こう』だったんだぜ?お前、アイツがこんな風に来たからって怖いか?」
怖くねぇよな?と明石を諭しながら、ゲシュペンスト提督はテーブルの上にたこ焼きを置き、
「ま、出てくるまでこれでも食って落ち着け?」
と、明石にたこ焼きを勧めた。
明石は親友である夕張の名を出されて、ええっ?!と顔を青ざめさせたが、ゲシュペンスト提督の一言でなんとか納得したようだ。
すなわち。
「あの発明バカがなんかオカルトな存在だと思うか?発明ばっかして失敗ばっかやらかして、大抵爆発オチなバカが怖いか?」
である。
パラオ泊地の夕張は現在はそうでもないのだが、少し前まではやたらと発明品を爆発させたり、暴走させたりしていた。まぁ、それは大抵の夕張にありがちな事であり、夕張の夕張たる所以とも言えたりするのだが、逆にそれを出されれば明石も納得するしかない。
とはいえ。
「というかな、明石。俺は勝手に建造されにくる艦娘の魂よりもなによりもな、この資材の大量消費を知った大淀の怒りの方が怖い」
あっ!と明石もまた顔を青ざめさせた。
そう、この大型建造三回分で使われた資材は、燃料、弾薬、鋼鉄、ボーキサイト、全てあわせて約30000。普通の鎮守府や基地ならば明日の艦娘達の出撃さえも危ぶまれる程の量なのである。
始末書ですまない程の超大失態なのである。
「安心しろ。俺が命じた建造だ。全ての責任は俺にある。あと、パラオの備蓄量はこのぐらいではビクともしない。運営になんら影響は無い。……ただ、すまんが大淀に謝りに行くのには付き合って欲しい。大淀、マジコワいもんな……」
頼りになるのかならないのかわからないような事を言いつつ、ゲシュペンスト提督は建造されていく艦娘達を遠い目で(実際にはアイカメラなのだが)見守った。
いかにゲシュペンスト提督でも大本営からの任官娘である大淀には頭が上がらないのであった。
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朝。
ゲシュペンスト提督は司令室の執務用のデスクに座り、新しく着任した駆逐艦や海防艦、そして戦艦達の在籍証明書や各種関係書類を作成していた。
明石には怖い思いをさせてしまったが、まぁ、この勝手に軍艦の霊が建造機を動かして自身を顕現させるといあ現象はこのパラオでは珍しい事ではなく、過去にも散々あったのだ。
例えばビスマルク達ドイツ艦が来たときもそうだったし、大和もやはりそうだった。さらに、武蔵が来たときには別の理由でゲシュペンスト提督も怖かったが、まぁ、そういうものである。
来たい艦娘はくれば良いし、出てくる艦娘は出てくればいい。
もっとも、深海棲艦のあの武蔵は来たらもれなく逃げる。本当に逃げる。そのためのジェットスクランダーはもう作成済みである。
さて、時刻はもう午前6時である。
そろそろ扶桑姉妹を起こさねばなるまいとゲシュペンスト提督はお気に入りのコーヒーメイカーを動かした。
コーヒーを飲めないのに何故にお気に入りかと言えば、このコーヒーメイカーはドリルや電動工具で有名な日本のメーカーが作ったもので、どう見ても電動工具にしか見えないその無骨なデザインを気に入っているのだ。
これで淹れたコーヒーは艦娘達に出しても好評であり、紅茶党の金剛以外は喜んで飲んでくれる。
コポコポコポ、とマグカップに二杯。自動で淹れてくれるので手間要らずだ。
扶桑は砂糖とミルク、山城はミルクだけ。
「んぁ~、珈琲の匂い……朝、かぁ~」
山城の少し間の抜けたような声が聞こえる。
「おはよう、山城。ほら、ちゃんと服を直さないと」
扶桑は寝起きはいつも良い。
コーヒーが入れ終わって、ソーサーにカップを置いて、ミルクと角砂糖を置く。来客用のテーブルにそれを置き、昨日コンビニで買ったパンの袋も置く。
「おはようございます、提督」
「おはよー、提督」
二人はゲシュペンスト提督の自室から出てくると、テーブルの前に来た。
「ああ、おはよう。こんなもんしか無いが、まぁ、食ってってくれ」
「ありがとうございます、提督」
「あんたロボットの癖にこういうのはマメねぇ。ってコンビニのパンかぁ」
「すまんな。金曜の午前は間宮も伊良湖ベーカリーも休みだ。それで朝飯にしといてくれ」
そう、パラオ泊地の間宮食堂は金曜日の朝は店を閉めている。伊良湖のやっているパン屋も同様だ。
金曜日はカレーであり、間宮と伊良湖はその仕込みに全力をかけて取り組む。昔はそこに鳳翔も手伝いによく行っていたものだが、現在は長門や天龍が暇な時に手伝いに行っているらしい。
なお、比叡は出禁であるのは言うまでもない。不味いからではなく、かつて提督に毒を混入させて食べさせようとした前科があるからである。
二人がコーヒーとパンを食べている間に、日本本国は舞鶴鎮守府の近藤大将のところへホットラインを入れる。昨晩の大型建造三回分の報告を大淀にする前にやっておくことがあるからだ。
『アイオワ』『ウォースパイト』『ガングート』の三隻は言わばまだ未知の艦娘であり、その存在を知った大本営直轄の『特殊艦造船廠』などの艦娘研究機関や派閥はおそらく、いや十中八九なんらかの圧力をパラオ泊地に加えて三隻を引き渡せと言って来るだろう。
大淀は大本営から各基地、鎮守府、泊地に送られる任艦娘である。彼女がスパイであると言うわけではないが、彼女は職務として任艦娘として、泊地で起こった全てを大本営に報告する義務があり、またその義務を怠れば彼女とてなんらかのペナルティーを被ってしまう事になる。場合によってはクビもありうるのである。
故にゲシュペンスト提督は三隻を大本営に引き渡さず、大淀に対してなんら咎のないように穏便に済ますために、こちら側、すなわち艦娘擁護派陣営のお偉いさんと裏工作をしているのである。
相手は大本営の重鎮にして舞鶴鎮守府の提督を兼任する海軍大将近藤勲閣下である。
「はい、こちら舞鶴鎮守府、秘書艦の大和です。お久しぶりですね、げし、げ……すみません、噛んじゃいました」
「いや、言いにくい名前ですみません。近藤さんは?」
「はい、今、愛宕さんと高雄さんに追いかけられてます。あ、捕まった。やれやれ、ちょっとひっぺがして来ますのでお待ちください」
受話器越しに、「ヤメロォー、ハナセー、マダシツムチュウーッ!」「アラアラウフフ」「ダンナサマァ、チョットキュウケイグライ、イイデショウ?」などと聞こえてくる。
近藤大将の所は相変わらずのようである。
近藤大将は海軍初の重婚提督である。ケッコンカッコカリではなく、ガチの重婚だったりするのだが、これはこの世界における日本の法律では合法となっていたりする。
と、言うよりはその艦娘とのケッコンカッコカリや重婚を許可する法律の最初の被害者が彼であったとも言える。
なにしろ彼は艦娘達に全く手を出さずに約八年間も逃げ通していたのである。彼に(性的に)あの手この手と襲い来る舞鶴鎮守府の艦娘達から、時には妖精さんの力を借りて。時には憲兵さんに助けられ。時には大本営への極秘の任務を装って松平元帥の元に逃げた事も一度や二度ではない。
そう、彼はずっと童貞を守り通したのである。ケッコンカッコカリシステムが施行されるまで、である。
このケッコンカッコカリシステムは『艦娘祭祀派』と呼ばれる派閥が提唱したものである。この艦娘祭祀派は元々は艦娘出現前に深海棲艦に対して霊力で対抗しようとした神社や仏閣の者達で構成された旧『対深海霊体機関』がその前身であり、実際、通常兵器では歯が立たなかった深海棲艦に対してかなりの効果を出した事から、彼らの地位や言動は今もなお海軍内では強く、また寺社仏閣関係者にありがちな政治家との強いパイプもあることからかなり幅を利かせている。
艦娘祭祀派は艦娘と心を通わせた一部の提督が、その絆によって艦娘達の霊力やその力を限界以上に引き出せるという現象に着目、研究し、それを艦娘達の意見や要望なども含めて『ケッコンカッコカリ』システムを作り出し、さらに最も艦娘達から多かった要望、すなわち本当に法的に結婚できるように政治家に圧力をかけて作り出してしまったのてある。しかも『重婚カッコガチ』と呼ばれる状況までOKなとんでもない法案を。
なお、この『艦娘祭祀派』が研究対象としたり艦娘の意見や要望を聞いたのがこの舞鶴鎮守府の艦娘達であり、さらにそれは近藤が大本営直轄に出張している間に行われたのだった。
そう、『艦娘祭祀派』の土方歳子によって、である。土方歳子は『艦娘擁護派』にして『艦娘祭祀派』であり、さらに艦娘達大好き艦娘ラヴューンな変態、もっと言うならば艦娘の言うことなんでも聞いちゃうよおねぇさんだったのである。
結果。
近藤の妻の数は65名。舞鶴鎮守府の艦娘全てが彼の妻、嫁、奥さん、ワイフ、という大ハーレムが日本に建造されたわけである。
彼が大本営の重鎮の一人となった今でも舞鶴鎮守府の提督を兼任せねばならない理由は、離れられないからなのである。そう、離れたら舞鶴鎮守府の彼の妻達は何をしでかすかわからないからなのである。
俺、ロボットで良かったなぁ、とゲシュペンストはしみじみ思いつつ近藤が電話に出るのを待った。
「……待たせたなぁ、ゲシの字」
「いえ、お元気そうで何よりです」
「嫌みか?ゴラァ。で、何のようだ?また何かトラブルか?」
「いえ、本来ならばそうではないのですが、少し発表しますと大本営のうるさがたが騒ぐような艦が建造されまして」
「……またか。つかお前んとこは特異点かなんかかぁ?土方ん時はそんなの……いや、ちょっと待て。今度も扶桑絡みか?」
近藤大将もよくおわかりである。扶桑絡みで建造されたビスマルクやグラーフ達は以前、『旧・軍主導派』の幹部連中からの引き渡し要求で苦労させられた覚えがあったからである。また、秘書艦だった扶桑に対しての引き渡しも行われたため、ゲシュペンスト提督が暴れそうになったという事件もあったのだ。
故に、その轍を踏まないようにしっかりと今回は根回しをしているのである。
「はい、今回もまた扶桑が秘書艦なのですが、建造された戦艦は『アイオワ』『ウォースパイト』『ガングート』の三隻です。どれもおそらくはファースト・メイドですあとは海防艦三隻、神風型駆逐艦四隻です」
「これまた有り得ない子達を……。いや、アイオワはアメリカで一体確認されてる。この報告は昨晩入ったばかりでな。博物館だったアイオワが、3日前に深海棲艦の襲撃で沈している。おそらく原因はそれだろう。ふむ、ウォースパイトとガングートは確かに今回が初めてだな」
「アメリカでそんな事が?現存する戦艦なのに何故艦娘になったのか疑問でしたが。……それはさておき、おそらくこれが大本営の『旧・軍主導派』や『特殊艦造船廠』のうるさ方に知られますと引き渡し要求を出してくる可能性大ですので、それはちょっと三隻にとってよろしくない事になりかねません。そこで大将のお力をお貸しいただければ、と」
「皆まで言うな。俺んところは直接大本営のメインサーバーに書類通せるからな。大本営が引き渡し要求する前にこっちで登録してとっくに在籍してるってことにしたいんだろ?受理しとくから書類寄越せ……っと、もうウチのPCに届いてるじゃねぇか。いつもながらやることが早ぇな。よし、ほい受理したぞ。大将様直々の在籍証明だ。ま、松平元帥閣下にも根回ししとくから、これで連中は手が出せねぇ。そっちの大淀にもな。四の五のぬかしやがったら絞めとくからよ?」
こういうときに近藤は頼りになる。階級の大将、というよりは、よっ、大将っ!の大将肌である。
「ありがとうございます。あと、パラオ泊地視察に関して土方歳子中将から打診がありましたが、そちらは何か?」
「なに?……いや、ふむ、そうだな。アイツはパラオに向かってるのか。……今は詳細は話せないが、アイツは今、非常に政治的な事に絡んでやがってな。おそらく、『VIP』がパラオに来るはずだ。おそらく沖田も一緒にな」
「……『VIP』ですか。それはまた、厄介な」
この『VIP』とは、概ね対話可能な深海棲艦の上位個体を指す。また、土方歳子は一応とは言え大本営幹部であり、またそれに沖田総美少将が加わるとなると……。
「そっちの海域の『VIP』にもそれとなく話通せ。デカいのが来るってな」
「……まさか『武蔵の深海棲艦』とか言わないで下さいよ?」
「安心しろ、それは無い。というか奴はあの小島基地壊滅事件からこっち、どこにも出て来ていないからな。まぁ、詳細は到着し次第、土方と沖田に聞け」
近藤はそう言い、では松平元帥に根回しするから、と電話を切った。
近藤さんは重婚カッコガチ(鎮守府内の艦娘全員嫁)。
なお、『旧・軍主導派』と『特殊艦造船廠』はブラック鎮守府の生き残りの派閥であり、わりと今後出るかもしれません。
なお、『アイオワ』の語源はネイティヴアメリカンの言葉で『眠たい人』だそうです。
山城が開発すると、二分の一で失敗ペンギンかものすごい装備が出て来るという設定。