ゲス提督のいる泊地   作:罪袋伝吉

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松平さんちは、カオスだよ?

やったね!パラオに仲間が増えるよ?






松平家の謀。

 

 さて、ウルズ改めて『ソースケ』を連れて三人はシロガネに帰還したわけであるが、そこに通信が入った。

 

 松平元帥閣下からであり、数人ほどまたパラオ泊地で預かって欲しい、とのことであり現在の玄一郎の状況を説明したれば、ならば『シロガネ』で日本まで来て迎えに来て欲しいと言った。

 

 なお、大本営ではなく松平邸へ来てくれ、とのことであり、その数人とはいかなる人物であるのか、と玄一郎が訪ねでも全く答えてくれず、松平元帥は『来たら理由を話す』という。よほどの事なのだろう、と玄一郎は思い、シロガネに頼んで進路を変えて太平洋を北上し、元帥の言うとおり、日本は東京湾へと向かったのであった。

 

 東京湾には現在、東京湾第一港湾基地があり、シロガネはそこに一度停泊し、全員降りたことを確認してから艦装、というか艦体を解いた。

 

 艦装を解いたシロガネはよく見れば少しきわどい格好をしていた。和服調な姿なのだが、肩は出てるわスカートのような前垂れは利根改二の実はノーパンなんではないか?と思うアレに匹敵するスリットの切れ込みである。しかも胸はデカい。簡単にわかりやすく言うならば、某格闘ゲームの『デッド・オア・アライブ』のクノイチヒロインのコスチュームの前垂れをロングにしたような格好だろうか。色は白にブルーのラインがはいり、周りにオレンジのポイントがはいっている。

 

 髪型は銀髪のストレートロングなお姫様カットにポニテ。かんざし風のアクセサリーっぽくアンテナがあり、目は垂れ目がちでやや切れ長、右に泣き黒子がある。

 

 身体は細身で長身であるが、おっぱいデカい。結構でかい。ややロケットおっぱい調である。

 

「……なんか、目立たない服装を用意した方がいいんじゃないか?とか思うな」

 

 と言うものの、全員が全員目立っているのは否めない。

 

 玄一郎は海軍の軍服なのでまだいい。階級章は准将。この軍港で文句を言う者はいるまい。

 

 レモンは単体で見ればどこかのファッショナブルな女社長のような感じと言えばそう見えるだろう。

 

 クエルボはどこかのクリニックの医師とか歯医者と言えば何となく通る気がする。カリスマ歯科医とか。

 

 ウォーダンはGパンにTシャツ、銀髪はロン毛になっている。どうも機体を解除すると、元着ていた服にもどるようだ。だが、デカい刀がやたらと浮いている。

 

 オウカはウォーダンの隣に居るが、うん、元からパイロットスーツというか、なんというか悪役っぽい格好であり、コスプレ感が否めない。

 

 そこにエキドナを入れたらもう、なにこのコスプレ集団、という感じで、さらにそこにウルズ、つまり『ソースケ』を足したらもう、ビジュアル系バンドか何かにしか見えない。

 

 さらにゲシュペンスト、ラピエサージュ、ヴァイスセイバー、アンジェルグ・ノワール、キャニス・アルタルフが並んでゾロゾロと歩いているのである。

 

 なんだこの集団、というあからさまな視線がやたらとするが、誰も何も言わないのは艦娘の存在に慣れたせいと玄一郎の階級章を見ているからなのだろう。

 

「あ、准将、車が来ましたよ」

 

 オウカがそういい、黒塗りの大きく長いリムジンを指した。玄一郎も何回か見ているが、あれは松平家のリムジンのはずである。そしてその後ろには大型の運送トラックがついている。

 

 リムジンから運転手が降りてきて、そしてその後ろの席のドアを開けるとそこから上品な白いワンピースのドレスを着た叢雲が降りてきた。

 

 彼女が松平元帥の細君、松平叢雲である。

 

「久しぶりね、ゲシュペンスト君。大本営での研修以来ね?」

 

「ええ、お久しぶりです。その節ではいろいろとお世話になりまして……」

 

 この叢雲はこの世界で初めて確認された五人の艦娘のうちの一人であり、その中で唯一生き残っている最古の艦娘である。言うなれば、深海棲艦に初めて反撃の狼煙を上げた栄光の初期艦であり、三十数年の間日本を護り続けてきた女傑であった。

 

 なおゲシュペンスト(玄一郎)が提督になる際に大本営で教官を勤めたのが彼女であり、玄一郎にとっては頭が上がらない艦娘の一人である。

 

「ん~、人の身体になって良かったわね。扶桑達の事、心配してたんだから。でもケッコン出来ておめでと。しかも昇進したって?善い風吹いてきたじゃない!」

 

「あはは、ありがとうございます」

 

「幸せにしたげるのよ?私の数少なくなった戦友なんだから!」

 

 そう、初期の鎮守府で戦艦と言えば扶桑と山城しか居なかった時期に叢雲と扶桑姉妹、そして鳳翔は同じ第一艦隊にいた頃がある。本当の初期の苦しい時に彼女達は同じ釜の飯を食った仲だったのだ。

 

「はい、というか俺がとっくに幸せで」

 

「そう、ってかのろけ過ぎ!」

 

 あはははは、と二人は笑う。叢雲は「幸せならヨシ!」と言って、他の連中を見回した。

 

「ところで、お仲間さんが沢山ね。紹介して欲しいけど、ウチの旦那が待ってるわ。話は車の中でしましょう。で、ロボット達は悪いけどトラックの荷台ね?」

 

〔致し方ないか〕

 

〔はい、私達の機体サイズでは……〕

 

〔そうねぇ、仕方ないわねー〕

 

〔だよね~〕

 

〔あ、すみません、詰めていただけると〕

 

〔というか、アンジェ!羽根広げないでくれ〕

 

 ロボット達は口々にいろいろ言いつつワイワイガヤガヤとトラックの荷台に乗り込む。

 

「……え?ロボット達って喋るの?」

 

 叢雲の目が点になった。そりゃそうだろう。普通は喋るとは思わない。

 

 そこを、たまたま通りがかった東京湾第一港湾基地所属の日向が言った。

 

「まぁ、そうなるな」

 

 流石師匠である。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ふむ、かなりお仲間が増えたようだね、ゲシュペンスト……、いや、黒田准将」

 

 松平朋也元帥はにこにこしながら一行を見た。

 

 ここは松平家の応接室であり、結構広いがさすがにゲシュペンスト達までは入れないので、ロボット達は松平家の庭に待機させている。

 

 軽い挨拶の後、松平元帥はすぐに応接室へと皆を通し、詳細な調査結果や状況整理をしようと言った。

 

「はぁ、恐縮です」

 

 増やしたくて増やした訳ではないのだが。

 

「報告書は読ませてもらったよ。鹵獲されたアメリカのイージス艦の核兵器が使えない状態だったのは幸いだった。しかし、今回の様々な事件の裏に異世界から来た者達が関わっていた、というのはかなり厄介な事だ。しかもアメリカ絡み、というのもこれは見過ごし出来ない部分ではあるが……」

 

 レモンが松平元帥にレポートを渡す。

 

「はい、数人の転移者達がアメリカの高官をそそのかして行っている『ゴーストシップ計画』。シロガネでこちらに来る間にまとめたものがこちらになりますわ」

 

 ゴーストシップ計画。それはイーグリット・フェフとアギラ・セトメが行っている、深海棲息や艦娘を素体に使った生体兵器製造計画である。イージス艦による輸送機襲撃事件や集積地棲姫の拠点だったミンドロ島占拠事件はかの改造された『ゴーストシップ』達によるものであった。

 

 なお、アドラー・コッホは認知症が出ており、もうまともな研究等は出来ないとの事である。どうも前の世界でヴァルシオン改に搭載したゲイムシステムを使いすぎたのがその原因のようである。なお、その介護はヴァルシオン改が行っているとかなんとか。驚異的な戦闘能力を誇ったヴァルシオン改が、介護ロボになってしまっていると聞いて、ゲシュペンストはものすごく複雑な心境になっていたようだが。

 

「『ゴーストシップ』は鹵獲にそこの……、イーグレット・フェフが作ったマシンナリー・チルドレンのウルズ、アンサズ、スリサズ達が行い、改造をフェフが、洗脳をアギラが行っていたのですわ。ですが、『ゴーストシップ』達には兵器としての最大の欠陥があったのです。それは、高速修復剤をぶっかけたり、入渠施設で修理すると、全て元の状態に戻って、身体も洗脳も解けてしまう、という点です」

 

 要するに、改造しても洗脳しても艦娘や深海棲艦の身体から見てそれは損傷と見なされ、修復剤等によって治されてしまうらしい。

 

「コストの割にはお粗末な結果、と言うほかありません。後につながる、『ドーター計画』も、強力な深海棲艦、つまり『同盟深海五大艦』を鹵獲してその体細胞やマシンセルを使って、最強の『ゴーストシップ』を作り出す、というものでしたが、その前に五人はそれぞれの拠点から居なくなったわけです」

 

「ふむ、では『武蔵の深海棲艦』や『雷のレ級』『榛名のタ級』達は君達とは全く無関係、と?」

 

「君達と言われるのは心外ですわ。フェフやアギラ、アードラー達と、無関係ですもの。あとクエルボも同様です。私はアンドロイドやPTの設計は専門ですし、クエルボはマンマシンインターフェースが専門で、ロボットに関してはわかりますが連中の専門分野は専門外ですし。ただ、『雷のレ級』とはお友達ですわ。他は知りませんけど」

 

「はぁっ?!雷のレ級とお友達?!」

 

「ええ、この世界に転移して遭難してるところを助けてもらったのよ。『もーっと私を頼ってもいいのよ!』って言って、カリフォルニアに連れて行ってくれたわ。あの子が助けてくれなければ正直、飢え死にするとこだったわ」

 

 サバイバルは苦手なのよ、とレモンは言いつつ苦笑した。

 

 その後、同盟深海五大艦の鹵獲をアードラー、フェフ、アギラ達が企てているのを知り『雷のレ級』に相談して、彼女達に逃げるように言って欲しいと伝えたのであるが……。

 

「……ふむ、では深海五大艦を襲った『マヨイ』達の軍勢はアメリカやテロリスト達とは無関係、というわけか」

 

「え?襲った?!」

 

「……おそらく、五大艦達は自分達の拠点から動くのを拒否したのだろうな。……あのレ級が雷のままの性格をしているとなると、業を煮やしてやってしまったのだろう。暁型の雷は強引なところがあるからな」

 

 松平元帥はうーむ、と唸り、玄一郎は頭を抱えた。

 

 艦娘達と接する提督にはよくわかる話だった。雷の性格や行動からそれらの事件での『雷のレ級』の行動を脳内でシミュレーションしてみると、まぁ、そうなるな、と理解出来てしまった。

 

「……では、遭難していた俺に『こっちへ来い』といざなったタ級はどうなのだろうか?」

 

 ウォーダンは腕を組み、首を捻った。どうも無人島で遭遇したタ級がかなり気になっているようである。

 

「それはわからない。ひょっとしたら助けようとしたのかも知れんが……本人に聞くしかないだろうな。また会えたらの話だが」

 

 玄一郎はそのタ級がある種、友好的な可能性について考えてみる。レモンの話によれば彼女が接触したのは『雷のレ級』のみであり『武蔵の深海棲艦』や『タ級』については知らないとの事だった。

 

「むぅ。確かにな」

 

 ウォーダンは何事か考えたが、それしかないと結論付けたようだ。

 

 だが、これで玄一郎が思っていたタ級達が『前の世界から転移して来た者達をスカウトしている』という推理は間違っている事になる。

 

 シロガネの追っ手のリオンやその派生機に関してはアメリカかテロリストに所属しているのは間違い無いだろうが。

 

「ふむ、なかなか良い情報ではあるし、これで裏付けも取れたわけだ」

 

 松平元帥は頷き、得心がいったとばかりにそう言った。

 

「裏付け?やはり調査結果でそのように出たのですか?」

 

 やはり大本営は独自で調査していたか、と玄一郎は思ったが、しかし。

 

「いや?本人達が直接来たのでね?先に話を聞いていたのだよ」

 

「え゛?」

 

 斜め上の答えが返ってきた。

 

「入って来たまえ!」

 

「遅いわよ!もーっ、これが暁姉さんだったら『レディを待たせるなんてっ!』とか言って怒ってるところだわ!!」

 

「は、榛名は大丈夫です!タ級ですけど……」

 

「ふん、15年待ったのだ。この程度はなんと言うことはないぞ?」

 

 ぞろぞろぞろぞろ。

 

 レ級、タ級、武蔵の深海棲艦、それに見たことも無い女性とようぢぉとショタな少年が入って来た。

 

「イェアアアアッ?!ムサシ=サン、ムサシ=サンナンデェェェッ?!というか松平さ゛~ん!オンドルゥラギッダンディスカァ!!」

 

 トラウマの元凶が、ふつうに平然と当たり前のように出てきた。玄一郎は椅子から立ち上がって、

 

「撤退っ!!総員撤退っ!!」

 

 と叫んだ。

 

「落ち着きたまえ、黒田准将。彼女達は協力者だ。それと彼女達はパラオに亡命希望しているのだ。ははは、パラオも賑やかになるな?」

 

「あ~、もうっ!別に危害を加えようと思ってないわよ!……扶桑さん達の旦那に何か出来るわけ無いじゃない!」

 

 『雷のレ級』がぷんすかと玄一郎を叱る。

 

「は、はい!榛名は大丈夫です!」

 

 『タ級』が言う。つかコイツ、元榛名なのか?!

 

「……うむ、夜戦にはまだ日が高いからな」

 

 ニンマリと武蔵はクイッ、と腕を組んで大きな胸をやたら強調させてニンマリ笑いながら言った。

 

「いやぁぁぁぁっ!!夜になったらどうせ襲う気なんでしょう!!同人誌みたいにぃぃぃっ!!」

 

 玄一郎はもう半狂乱だった。

 

「あのー松平さん、私達、この方のところへ行けばいいんですか?」

 

 謎のゆるふわな感じも少しする超乳なわりかし露出度高めの女の子が言った。

 

「うぁ~、たらい回しだぁ」

 

 やたら元気そうな貧乳ようぢぉがジト目でいう。

 

「あの、その、ええっと……よろしくです」

 

 気弱そうな、愛宕辺りが見たらドストライクそうなショタが言った。

 

 松平家の応接室はカオスな事になった。

 

「はっはっは、騒ぐのは構わんが暴れないでくれよ?」

 

「……なんか、パラオ泊地が楽しそうな事になりそうよね?あなた」

 

「うむ、近藤君のところもなかなかに楽しいが、平和になったら一度遊びに行こう?叢雲」

 

「そうねぇ、金剛や間宮達にも会いたいしね?」

 

 松平元帥夫妻はやたら朗らかに笑う。かなり無責任である。いいのか?それで。あんたら海軍の最高責任者だろう?!

 

「ぎゃーーーっ、おっぱい当たってるしっ!!ダブルでおっぱい当ててんのよ?!」

 

「当てているのだ。どうだ?ふふふ肉体を得た喜びを存分に堪能するがいい」

 

「あああーっ!!私の提督になんてことを!!ううーっシロガネもぉっ!!」

 

「うひぃぃぃっ!!」

 

 玄一郎は『武蔵』とシロガネに当ててんのよ攻撃され。

 

「あっ、あの……。ご無事でなにより、です」

 

「うむ、よく考えれば、君には殺気も何もなかった。助けようとしてくれていたのか?」

 

「はい、あの頃は長年喋っていなかったので上手く説明出来なくて、すみません」

 

「いや、悪いことをしてしまった。すまん」

 

「いえいえ、榛名は大丈夫です!ちょっと怖かったですけど」

 

 タ級(榛名)とウォーダンは和解し。

 

「ひさしぶりねっ、レモン!無事に逃げられたのね?よかったわ!」

 

「ええ、おかげさまでね。あの時は助かったけれど……あなたに無茶させてしまったわねぇ」

 

「いいのよ!もーっと頼りにしていいんだからねっ!」

 

 レモンと『雷のレ級』はそんな感じで。

 

「……やっぱり、准将って女性にモテるのかしら?」

 

 なんとなく尊敬しつつある人物のそういう一面を垣間見て冷たい目で見つつオウカは言い。

 

「そう言えばカーウァイ・ラウの女難って暴露本が基地の中にあったなぁ。なかなか波乱万丈な感じだったよ?」

 

 クエルボが苦笑しつつ。そこへレモンが介入し。

 

「まぁ、カーウァイ・ラウの異世界同位体らしいけどねぇ……。ふむ、ゲシュペンスト提督の女難って暴露本をこっちで出したら売れるかしら?」

 

 とニタリと笑って言った。

 

「だーれーかー助けてぇぇぇっ!!」

 

「師匠、無理です。僕、叩かれた尻が痛くて動けません」

 

 ウルズ改め『ソースケ』が冷ややかに見捨てる気満々に言った。

 




 カーウァイ・ラウ大佐。

 昔は……。女難の相あり、だったという設定。

 そのうちジェニファー・フォンダが来たりしてね?

 次回、パラオの夜戦!でまたあおう!(嘘)
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