ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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op「INNOCENCE」

ED「Fly Away」


第97話「並行世界へpart7」

「単刀直入に言いますわ軍曹。私にこの世界の地球をくれないかしら?」

 

「っ!?」

 

メフィラスの言葉に宮藤は目を見開き驚くのであった。そして宮藤は

 

「それはどういう・・・・」

 

「言葉通りの意味よ。この世界にいる我が同胞はどうか知らないけど、あなた達人間たちがこの星が好きなように私もこの星が大好きなのよ。さて、宮藤さん。私はこの世界に流れ着きしばらく観察してどうしてもこの世界の地球とあなたが欲しくなったのよ。だが、私は上官であったヤプールとは違って暴力を使うのは嫌いでしてね。私の種族でも紳士・・・いや淑女というのは礼儀正しいものよ。力づくでこの世界を奪うのは他の過激派ネウロイやこの世界のネウロイと同じ行為だし、それ以前に私のルールに反するのよ。そこでウィッチであり純粋で正義の心を持つあなたの了解をもらいたいのよ。で、どう?了解してくれるかしら?」 

 

と、メフィラスは目を細め宮藤にそう言うと、宮藤は首を横に振り

 

「だ、ダメですよ!地球を売り渡すようなことはできません!!」

 

と、そう否定するとメフィラスはうんうんと頷き

 

「そうでしょうね~誰でも自分の住む星を売り渡すはずはないわね。でも私もただでよこせとは言っていいないわ。ちゃんとお礼はするつもりよ?」

 

「それでもです!!自分の住むところを明け渡す人なんていません!!」

 

と、宮藤がそう言うとメフィラスが

 

「やはりこの世界もあの世界も宮藤芳佳という人間は変わらないのね。だがね軍曹。よく考えなさい。もしあなたが私に地球を売り渡せばあなたが一番会いたい人に会わせることもできるのですよ?あなたの父、宮藤一郎をね?」

 

「えっ!?お父さんと!?」

 

「そうです。私の力にかかればすぐにでも再会されることが可能ですのよ。そして再会した後は二人で幸せに暮らせばいい。どう?地球やそこに住む仲間のことは忘れて父親と暮らしたいとは思わない?」

 

と、メフィラスは最後の切り札として宮藤の父親の名を使い誘惑する。しかし・・・

 

「お断りします!!」

 

宮藤は力強くそう言うとメフィラスはきっと目を吊り上げ

 

「なっ!?聞き分けの無い人ですね!なぜ素直に地球を渡しますって言えないの!あなたは父親に会いたいとは思わないの!?」

 

「はい!そんなことをしてお父さんに出会っても、お父さんはきっとそんなことを望んでいません!!」

 

と力強くそう言いそして強い信念を込めた目でメフィラスにそう言うと

 

「さあ、ここから出してください!!私はみんなのもとに帰ります!!」

 

と、そう言うがメフィラスが

 

「帰すと思うの?あなたは私の存在を知った。知られたからには帰すわけにはいかないわ。ここで一生閉じこもってもらうわよ宮藤軍曹」

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宮藤が消えた?」

 

宮藤がメフィラスと話をしている中、基地内では宮藤がいなくなったことで騒ぎになっていた。

 

「ええ、そうなのよ。杉田艦長に貰ったお土産をもって部屋に飾るとか言っていたけど・・・・」

 

「どこかで散歩しているんじゃないの?」

 

「土産物をもって?それはちょっとおかしいんじゃないですの?」

 

そう、宮藤が赤城の艦長の杉田大佐のお礼の品を受け取った後、行方不明となっているのだ。

 

「確かにただの散歩だとしてももう3時間たってたっている。もしかして何かの事件に巻き込まれたんじゃ・・・・・ミーナ!すぐに探さないと!!」

 

「そうね・・・・・すぐに宮藤さんを探しましょう」

 

と、ミーナさんの言葉にみんな宮藤を探しに行く。そして俺とエイラとサーニャも宮藤を探しに行くのであった。そして今俺たちは基地外れの庭を歩いている

 

「宮藤が行方不明・・・・俺たちの世界ではそんなことなかったな」

 

「はい。私たちの世界ではキューブ型のネウロイが現れるだけでしたから・・・・・ん?アイちゃん。どうしたの?」

 

と、サーニャはアイの様子がおかしいのに気づく。するとアイが

 

「何か・・・・・何かがこの基地内に潜んでいる・・・・・」

 

「潜んでいる?ネウロイかアイ?・・・・・ん?」

 

「疾風どうしたんダヨ?」

 

「どうしたんですか疾風さん?」

 

「お父さん?」

 

俺が立ち止まり、それを見たエイラたちがそう言うと

 

「いや、あそこに何かうごめいたような・・・・・」

 

「え?あの壁か?何も見えないゾ?」

 

と、エイラがそう言うとサーニャがその場所に近づく。するとサーニャの魔導針が反応し始める

 

「あ、・・・・・あそこにネウロイの反応が・・・」

 

「え?でもこれはただの壁ダゾ?」

 

と、そう言いエイラは壁を叩こうとするが、エイラの手はその壁をすり抜けた

 

「なっ!?ナンダコレ!?」

 

「フェイクか・・・・もしかしたらこの先に宮藤がいるかもしれないな・・・・行ってみるか」

 

「いや、その前に中佐たちに報告したほうが?」

 

「それもそうだが、その間に宮藤が危険な目にあう可能性がある。エイラたちは先に行ってミーナさんたちに報告しに行ってくれ。俺はこの壁の向こうへ行ってみる」

 

「わ、わかった!」

 

「疾風さん気を付けて!」

 

と、そう言いエイラとサーニャはミーナさんたちのもとへと向かう。そして俺はワルサーを取り出し壁の向こうへ行こうとするとアイが

 

「お父さん。私も行く。同じネウロイなら私が説得する」

 

「・・・・・・わかった。アイ。離れるなよ」

 

「うん」

 

とそう言い俺とアイは壁の向こう側へ進むのであった。一方エイラたちはミーナさんたちのもとへ着き報告をしていた

 

「なんですって?この基地にネウロイが潜んでいる!?」

 

「はい。基地のはずれにある庭の壁にネウロイの反応をキャッチしました」

 

「まさか宮藤はネウロイに捕らわれて・・・・・ミーナ」

 

「ええ、すぐに行きましょう!」

 

と、そう言いミーナさんたちはその場へ向かおうとしたがその瞬間上空から金切り音が鳴り響くみんなが上を見上げるとそこには多数のキューブ型のネウロイが基地を囲んでいた

 

「なっ!?ネウロイ!?」

 

「いつの間に!?観測班は気づかなかったのか!?」

 

「取り合ず出撃しましょ!!」

 

と、そう言い格納庫へ向かおうとした瞬間

 

『やめたまえ、ストライクウィッチーズの諸君。争いはやめよう。戦おうと思えばいつでも私の命令で攻撃を開始する。しかし私は争いは嫌いだ』

 

急にどこからか声が鳴り響く

 

「なっ!?誰だ!姿を見せろ!!」

 

『その必要はないわ。私には君たちが見えている。この世界の小型も中型も大型のネウロイたちもすぐに私の命令で攻撃をすることが出来るわ』

 

「そんなものすぐに私たちが倒して見せる!」

 

『ははは!バルクホルン大尉。あなたたちは狭い庭を全世界だと思い込んでいる小さな蟻よ。自分たちの力を過信してはいけないよ。私はこの世界のネウロイのように力づくでやるのは嫌いでね。私は人の心に挑戦しに来ただけよ』

 

「人の心?」

 

「そうだシャーロット大尉。もうすぐ宮藤軍曹が私の要求を呑んでくれるだろう。ではごきげんよう・・・・・』

 

と、その言葉を最後に謎の声は聞こえなくなった。

 

「待て!宮藤をどこにやった!それに私の要求とは!!」

 

「美緒。とにかく今は宮藤さんとキューブ型を何とかしないと」

 

「そうだな。ミーナとバルクホルンとハルトマンそれにリーネとペリーヌは私と一緒にあのネウロイを、ほかは宮藤の救出に行け!」

 

『了解!!』

 

と、そう言い坂本たちは二手に分かれて行動を開始し始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、宮藤は

 

「どう軍曹?いい加減そろそろ地球を明け渡す気になった?」

 

「いやです!」

 

「そう・・・・なら、あなたにはもう用はないわ。可哀そうだけどあなたが生きていればこの世界のネウロイも痛手を受ける。それは避けなければならない」

 

そう言うとメフィラスは元のネウロイの姿に戻り宮藤に迫る

 

「まさか私を殺すの?」

 

「まさか そんな理不尽なことはしないわよ。ただあなたがいるといろいろと邪魔だから別の世界へ飛ばさせてもらうわ。今その装置を動かした。後数分もすれば次元嵐が起こりあなたを別世界へ飛ばすことが出来るわ。それが嫌なら私の要求をのみなさい!」

 

「いやです!!」

 

「そうなら仕方がないわね。ではさよならよ宮藤軍曹」

 

と、そう言い笑うメフィラス。すると

 

「そうはさせないぞ!」

 

「ん!?誰だ!!」

 

と、その瞬間空間が裂けてそこから疾風とアイが現れる

 

「疾風さん!それにアイちゃんも」

 

「大丈夫か宮藤?」

 

と、疾風は宮藤を無事保護するとメフィラスが

 

「あ、あなたたちは・・・・疾風大尉それに『アースクリーンプログラム』試作T-1000型・・・・なぜこの空間に入り込めた?」

 

「簡単さ。ウィッチに不可能はない。ただそれだけさ。あ、それとアイの能力のおかげかな?」

 

「~♪」

 

俺がアイの頭を撫でるとアイは嬉しそうに微笑む。そうあの壁をすり抜けた後見えたのは真っ暗な空間だった。そしてそばにいたアイが宮藤の反応をキャッチしそこへ誘導してくれたおかげでたどり着けたのだ。そして疾風はメフィラスを見て

 

「・・・・・やはりお前、過激派ヴェネチア軍団の生き残りか?なぜ生きている?」

 

「ふっんこのスパイめ、ああ、そうよ私はヤプール軍団の生き残り。そして私は空間移動能力を持ったネウロイ。ヤプールが倒される直前消滅する前にワープしてこの世界に流れ着いたのよ」

 

「そうか・・・・・メフィラス。大人しくこの世界から去れ。それとも戦うか?」

 

「ふっ・・・・」

 

と、そう言と疾風は刀を掴み、メフィラスは手に光線を溜め、互いににらみ合った状態になり動かず。アイや宮藤はその様子をみまもっている。するとメフィラスが腕を下ろし

 

「・・・・・・よそう。疾風大尉。この世界で別世界の者同士が戦ってもしょうがないわ」

 

と、軽いため息をつくメフィラス。そして戦う気がないとわかった疾風も刀を持った手を離す。そしてメフィラスは

 

「私が欲しかったのは地球の心だったのよ、だけどね私はあの世界でもこの世界でも負けた。今思えば最強を誇る過激派ヴェネチア軍団がなぜあなたたちごときに敗れ去ったのか私はそれがわかった気がしますわ・・・・・・でも心しておいてください。私はまだ諦めたわけではありません。私はまた必ず戻ってきてあなたたちに挑戦しに戻ってきます。この世界もそしてあの世界にもね・・・・・・必ず来るわよ!」

 

と、そう言いメフィラスは姿を消すのであった。そして疾風は宮藤のもとへ行き

 

「大丈夫か?宮藤怪我はないか?」

 

「はい大丈夫です・・・・・でも疾風さん。どうやってここから出るんですか?」

 

「ああ、それなら・・・アイ?」

 

「はい。お父さん。こっちの方からお母さんたちの反応がします。ついてきて」

 

と、そう言い俺たちはアイについていくとその先に光が見えそこへ行くとそこはいつもの庭で、そこにはエイラたちが俺たちを待っていた。因みに基地の上空にいた多数のキューブ型ネウロイはメフィラスが消えたのと同時にその姿を消したというがまあ、無事に宮藤たちを救うことが出来たので坂本さんはそれはそれでよしと笑っていた。そして基地に戻り風呂に入った後みんなが談話室でくつろいでいた時、窓を眺めていたアイが目を大きく見開き

 

「お父さん、お母さん、サーニャお姉ちゃん!あれ!!」

 

「え?」

 

と、アイがある場所を指さし俺たち三人はその方角を見るとそこには北欧で見たあの低気圧だ!

 

「あ、あれって北欧で見た・・・・・」

 

「あの時の嵐ダ!」

 

「あれに飛びこめば・・・・」

 

「はい。元の世界に帰れます!!」

 

と、アイがそう言い俺たち互いにうなずくと俺たちは荷物を纏めユニットを履き基地の入り口まで来るとそこにはみんなが見送りに来ていた。

 

「ミーナさん。たった一週間でしたがいろいろとお世話になりました」

 

「「「お世話になりました」」」

 

と頭を下げてそう言うと

 

「私たちもいろいろとお世話になったわ。疾風さん。それと向こうの世界に帰ったらもう一人の私にもよろしく伝えといてね」

 

「はい。かならず・・・・」

 

と、ミーナさんは名残惜しそうな顔をする。すると

 

「ねえ、本当に帰っちゃうの?せっかく仲良くなれたのに……」

 

「おい、無茶言うなよルッキーニ。皆には皆の帰る場所があるんだからさ」

 

と、ルッキーニが寂しそうな声をしリーネや並行世界のサーニャも同じ顔をする。

 

「アイちゃん。わたし、アイちゃんのこと忘れないからね」

 

「うん・・・・私も宮藤さんたちのこと忘れない・・・・」

 

と、アイが宮藤やリーネたちと話している中

 

「おい、お前!」

 

と、並行世界のエイラが俺に話しかける。そして

 

「向こうの世界の私を大切にしろよ!絶対だぞ!不幸にしたら絶対に許さないんだからな!!」

 

「ああ、もちろんだ。エイラは俺の大切な人だからな」

 

と俺は隣にいるエイラを見るとエイラはにこっと笑いそして並行世界のエイラの方を見て

 

「じゃあ、またな。お前もサーニャのこと大切にするんダゾ?」

 

「もちろんだ!サーニャは私が守るんだからナ!」

 

「さすが私!」

 

と、二人のエイラががっちりと握りしめそう言うと二人のサーニャが

 

「「もう・・・エイラったら・・・・・」」

 

と、苦笑していた。するとアイが

 

「お父さん。急がないと嵐が消えちゃうよ?」

 

「ああ、そうだったな。エイラ、サーニャ。そろそろ」

 

「ああ、ソウダナ。じゃあまたな~」

 

「お世話になりました」

 

と、そう言い嵐の方へ飛び上がり俺は

 

「ミーナさん。坂本さんではこれでさようならです」

 

「ええ、でも私たちはあなたたちのことは忘れないからね」

 

「私もだ」

 

とにこやかにそう言うと俺は二人のもとに近づき

 

「二人とも、少しだけ警告します。マロニー大将にはくれぐれも気を付けてください。何かよからぬことを企んでいますから」

 

と、小声でそう言うと二人は目を少し丸くし、そして

 

「ええ、わかったわ」

 

「心に留めておく」

 

とそう言うと

 

「お~い疾風。何やってんダ~」

 

上でエイラたちがそう言う

 

「ああ、すまない。今行くよ!それではお世話になりました。またいつか会いましょう」

 

と、そういいおれも 空へと上がりエイラのもとへと向かう。

 

「行っちゃったね・・・・・」

 

「そうだね・・・・また会えるかな?」

 

「会えるよ・・・・・きっと」

 

そしてそれを見送った501達は見送り終えると次々と基地内へと戻る。そしてその場に残ったのはへ行く世界のエイラとサーニャだった。

 

「エイラ?戻らないの?」

 

「なあ、サーニャ・・・・・」

 

「なに?」

 

「私にも疾風やアイのような奴と出会えるのかな?」

 

と、そうぽつりとつぶやくとサーニャは微笑み

 

「会えるよ・・・・・エイラにもきっと向こうのエイラのように立派な人に出会えるよ・・・・・・」

 

「そっか。そうだな・・・・」

 

と、そう言い二人は基地の中へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、疾風たちは嵐の中を飛んでいた。するとこの前と同じように頭上からゴロゴロと雷鳴が鳴り響く

 

「来るぞ!みんな離れないように固まるんだ!」

 

とそう言いみんなが集まった瞬間。やはり前と同じように雷が俺たちの真上に落ち、そして俺たち4人はその光に包まれるのであった。そして光が収まり目を開ける

 

「な、なあ・・・・元の世界に帰れたのカ?

 

「あ、エイラ。あれ見て!」

 

と、サーニャが指を指した方向には大きな湖がありその真ん中に要塞を改造したような滑走路と基地があった。あれは間違いない502の基地だ

 

「帰って来たんだな・・・・」

 

「そうだな。」

 

俺たちは安心したようにほっと胸を撫で下ろしそして本来の配属先である502へと向かうのであった。

 

 

 

 

 




やっと並行世界編を書き終えることが出来ました。次回は502編を書きたいと思います。次回もお楽しみに!!

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