ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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op「INNOCENCE」

ED「Fly Away」


第103話「エイラの怒り」

カールスラントの試作新兵器Ⅴ2ロケットの弾頭である核弾頭を取り込んだ大型ネウロイB29を見事撃破した疾風だったが、撃破する瞬間、ネウロイの放射能の霧をもろに喰らい重傷を負い、気を失う、そしてその後、疾風は合流したロスマンたちによって基地に運ばれるのであった。そして談話室ではエイラやサーニャを除いたみんながいた。

 

「先生・・・疾風の状態は?」

 

「軽度のやけど、そして呼吸器系の損傷・・・・今ジョゼが治癒魔法をかけてはいますが助かるかどうかは疾風さんの精神力にかけて見ないとわかりません」

 

疾風が負傷した時、すぐに疾風は医務室に運ばれた。運ばれてきた疾風はまさに死ぬかどうかの瀬戸際で外傷はジョゼやアイの回復魔法によって治ってはいるが放射能による高熱でうなされていたのであった

 

「そうか・・・・・で、エミリア。お前の報告に会ったあのネウロイが放った霧のことを放射能っと呼んでいたんだがそれが何か知っているのか?」

 

「ああ、放射能って言うのは核爆発の後に降り注がれる猛毒の霧・・・・強いて言えば「死の灰」よ」

 

「死の灰・・・・・それではネウロイの瘴気と同じじゃない・・・でも大尉はいつその放射能を・・・」

 

「ええ、疾風はあの大型ネウロイを撃破する直前、あのネウロイは疾風に放射能の霧を浴びせたのよ」

 

「シールドは張ったのか?」

 

「いや、あいつは攻撃に集中するあまりにシールドを張るのが遅れ大量の放射能を浴びたんです」

 

「直す方法はないのかよ?」

 

「私は医者じゃないから、わからないわ・・・・・くッ、こんなことなら放射能について勉強するべきだったわ・・・・・」

 

と、悔しそうに顔を歪め拳を握る。すると

 

「失礼します!」

 

と、警備兵の一人が入りラル少佐に敬礼する

 

「なんだ?」

 

「はい。たった今カールスラント技術省のハンナ・クリューゲ博士が到着しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?」

 

エイラは何も無い空間に1人立っていた

 

「ここはどこダ?それにこの衣装は・・・・・」

 

と、エイラは自分の着ている服を見る。それはいつも着ている水色の軍服ではなくウェディングドレスであった。すると

 

「エイラ。ここにいたのか」

 

「は、疾風!?なんなんだよその格好!?」

 

と、そこに現れたのは白いタキシード姿の疾風であった。すると疾風は首をかしげて

 

「何言っているんだよ。今日は俺とお前の結婚式じゃないかよ」

 

「ふぇっ///!?け、結婚式って!?」

 

と、エイラが顔を真っ赤にすると急に何もない空間から教会の中へと変わり

 

『おめでとー!疾風さん!エイラ!!』

 

「え?」

 

と、突然、大勢の声が聞こえ振り向くとそこには501のみんなや502.そしてエイラに親しかったスオムスの皆が拍手をし二人を祝福していた。そして

 

「エイラ、おめでとう」

 

「イッル!結婚おめでとう!!」

 

「イッル。幸せにな!」

 

「お父さん!お母さん!おめでとー!!」

 

「サーニャ。二パ、姉ちゃん、アイ」

 

と、親友である二人や姉であるアウロラ。そして愛娘であるアイも自分を祝福してくれていた。すると・・・・・

 

「では二人とも終生の愛を誓いますか?」

 

と、目の前にはエミリアがシスターの格好をしてそう言うと疾風は頷き

 

「誓います」

 

と疾風がそう言うとエイラも

 

「私も誓うんダナ」

 

と、そう言うとエミリアはにっこりと笑い

 

「それではこの二人を夫婦と認めます。では誓いのキスを」

 

と、そう言うと二人は口づけをしそして

 

「疾風・・・・・これからずっと一緒だカンナ。アイと一緒に幸せに暮らそうナ・・・・・」

 

そう言いエイラは疾風の体を、愛おしく包むように抱きしめる。まるで疾風の存在、疾風がそこに居るという事実を噛みしめるかのようにそう言う。しかし・・・・・

 

「・・・・ごめん」

 

「え?」

 

疾風がそう言った瞬間、疾風の姿が消え、そしてあたりは急に暗くなり、いるのはエイラだけになった。

 

「疾風?疾風!!何処にいるんだよ!!」

 

と、エイラは走り回って愛する人を探す。するとそこに黒いコートを羽織った男が歩いているのが見えた。そう疾風だ

 

「疾風!」

 

とそう言いエイラは彼のもとへ走ろうとするが・・・

 

「(あれ?足が動かない?)」

 

そう、動きたくても足が石になったかのように動かないのだ

 

「疾風!!疾風!!」

 

と、エイラは大声で疾風に呼びかける。するとエイラの目の前で巨大な光が生まれそして濛々と天に向かって伸びるキノコのような雲、原子雲が現れる。そしてその瞬間、疾風はエイラの方に振り向き

 

「ごめんエイラ・・・・俺、みんなとは一緒に居られないんだ・・・・」

 

「何言ってんダヨ!一緒にいるって約束したじゃないカ!!」

 

「・・・ごめん」

 

「謝るなよ!謝るなら一緒にいてくれ!!」

 

と、エイラは目に涙をためてそう訴えるが疾風は

 

「エイラ。俺のことを想ってくれて・・・・俺幸せだったよ・・・・・・・・ありがとう」

 

「疾風・・・・・」

 

「さよなら・・・・」

 

最後に寂しそうな笑みを浮かべると、疾風はエイラに背を向けて原子雲の方へ歩きだす

 

「待って!行かないでくれ!そっちは行っちゃダメダ!!戻れ! 戻って来てくれ疾風・・・! 疾風!!」」

 

エイラはそう叫ぶが彼女の声は届かず、疾風はどんどん原子雲の方へ行き、そして最後にはその原子雲の黒雲に飲み込まれその姿を消すのであった。そしてエイラは涙を流し

 

「村正ああああああーっ!!!!!」

 

そう泣き叫ぶのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「村正っ!」

 

エイラはベッドから飛び起きた。回りを見渡せば見たことのある室内で隣にはサーニャが心配そうに顔を覗かせていた

 

「さ、サーニャ?(今の・・・・もしかして夢?)」

 

「エイラ…大丈夫?うなされていたけど?」

 

「え?う、うん。ちょっと嫌な夢を見ちゃって・・・・」

 

と、そう言い笑った瞬間・・・・

 

「イッル!!」

 

と、そこへ二パが勢いよく入って来た

 

「に、二パ!?」

 

「二パさん?」

 

「はあ・・・はあ・・・・大変だイッル!疾風さんが!!」

 

「っ!?(まさか・・・)二パ落ち着けって。疾風がどうしたんだよ!?」

 

と、その後エイラは二パから話を聞き終わるや否や顔を青ざめそして布団から飛び出し部屋を出るのであった。そしてエイラは疾風がいる診療室につく。

 

「疾風!!」

 

と、そう言うと疾風はベットで寝ていた。そしてそばにはサーシャやアイがいた

 

「エイラさん・・・・」

 

「お母さん・・・・」

 

とそう言うとエイラはゆっくりと疾風のとこによりジョゼに

 

「疾風の容体は?」

 

「傷は治ったんですが・・・・まだ熱が・・・・」

 

「なんで・・・・ネウロイを倒しただけで疾風が・・・・」

 

「恐らく・・・・核の毒のせい・・・・エミリアさんが言うにはお父さん。ネウロイを倒す直前、核爆弾を飲み込んだネウロイの放射能の攻撃を喰らって・・・・・お母さん。ごめんなさい・・・・・」

 

「アイ・・・・」

 

「私の能力は過激派のばらまいた瘴気なんかを浄化する力があるのに・・・・・その力が使えなくて・・・・お父さん助けられなくて・・・・」

 

と、アイが涙を流してそう言うと、エイラはアイを抱きしめ

 

「アイのせいじゃないサ・・・・・・悪いのは核弾頭なんて馬鹿なものを作った私たち人間が悪いんだ・・・・」

 

と、そう言い慰めるうがエイラも涙を流していた

 

「エイラ・・・・・」

 

「エイラさん・・・・」

 

と、二人がそう言うと二パが

 

「イッル。さっきラル少佐からブリーフィングルームに集まるように言われたんだ。なんでもⅤ2の弾頭を開発した人が来ているらしい」

 

「Ⅴ2の開発者が?」

 

「うん。イッルも来るでしょ?」

 

「・・・・・ああ、もちろんだ。アイ。疾風のことお願いできる?」

 

「うん」

 

そう言いエイラは疾風をアイに任せ二パたちと一緒にブリーフィングルームへ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みなさん初めまして。私がハンナ・クリューゲです」

 

と、ブリーフィングルームに集まると先頭に白衣を着た女性が挨拶をする。そして

 

「まずは502の皆様にお礼を言わせてもらいます」

 

「お礼だと?」

 

「はいラル少佐。今回、私の開発した新型弾頭を取り込んだネウロイを倒してくれたことです。まあ、強いて言えば無傷で新型弾頭を取り返してほしかったんですが・・・・・」

 

「貴様っ!」

 

「落ち着きなさい菅野さん」

 

「いいや、落ち着かないね!オメエあの弾頭がどれだけ危険なものかわかっているのか!」

 

「兵器とは危険なものですよ菅野中尉、あなた軍人なのに何を言っているのかしら?」

 

と、小ばかにしたような顔でそう言うとエミリアが

 

「博士・・・・あれはただの兵器じゃないだろ?プルトニウムという核物質を使ったやつだろ?」

 

と、そう言うとクリューゲは一瞬目を丸くするがすぐに

 

「へ~あの弾頭に使われている物質が何なのか知っているの?」

 

「ああ、・・・・・で、クリューゲ博士。あれの威力のことは知っているんだよな?それにあれが爆発したらどうなるかも・・・・」

 

と、エミリアがクリューゲ博士を睨んでそう言うと他の皆もじっと博士を睨む。するとクリューゲ博士はふっと笑い

 

「ええ、もちろん理論上では知っていたわ。あれの威力とその爆発後に起きる物もね。まあ、実際にその効果がどんなものかそのネウロイとの戦いでデータが十分とれたからあの黒づくめの優男には感謝しないとね~」

 

と、へらへらした表情でそう言うとエミリアが・・・・

 

「その優男が今重傷を負っている貴様の核弾頭の力を利用したネウロイによってね・・・・・貴様の尻拭いをするために怪我を負ったのよ。よく他人事のように言えるわね。彼が死んだらどう責任取るつもり?」

 

「知らないわ。そんなことたかが兵士の一人が死んでも私には関係のないことだし。まあたとえ生きてたしても目覚め無ければこのまま植物状態でしょうね。もしくは・・・」

 

「っ!?お前!!」

 

「てめえっ!!」

 

まるで悪びれて無いような淡泊な態度で言うクリューゲ博士の言葉にエイラと菅野はカッと目を見開き立ち上がってクリューゲ博士につかみかかろうとしたが・・・・

 

「イッル落ち着いて!」

 

「エイラ、ダメ!」

 

「菅野さんも落ち着いてください!!」

 

二パやサーニャがエイラを止め、菅野はひかりが止める

 

「二パ!サーニャ!止めるなよ!」

 

「イッル!気持ちはわかるけど抑えて!!」

 

「ひかり!オメエもだ!こいつ一発殴らねえと気がすまねえ!!」

 

「でも暴力は駄目ですよ菅野さん!」

 

と二パが必死にエイラを止め、ひかりも管野を止める。するとラル少佐が

 

「ユーティライネン中尉。菅野、落ち着け・・・・」

 

「でも!」

 

「そうだぜ隊長!!こいつは殴らないといけない奴だ!!」

 

「落ち着けっといっているんだ二人とも!これは上官命令だ」

 

と、ラル少佐がそう言うが、彼女もクリューゲ博士を睨んでいた。そしてエイラと菅野は渋々大人しく座るが二人のその目はじっとクリューゲ博士を睨んでいた。するとロスマンが

 

「クリューゲ博士、あなたがそのことを知っているとしたらもしかして放射能のことも知ってたんですか?」

 

「もちろんよ。ロスマン曹長。そしてⅤ2が生産することができたら世界中にいるネウロイの巣に目掛けて発射し一匹残らず駆逐する予定よ。まず最初の着弾場所はカールスラント・・・・・特にベルリンを征服しているネウロイの巣に向けて発射する予定ですけどね」

 

『っ!?』

 

その言葉にみんなが驚き、そして下原が

 

「ちょっと待ってください!もしそんなことしたら世界中が放射能っている毒に汚染されるんでしょ?」

 

「ええ、恐らく60年くらいは草木も生えないし、人もあまり住めなくなるでしょうね」

 

「それじゃあ、今のネウロイのやっていることと同じじゃないですか!」

 

と、ジョゼもそう言うがクリューゲ博士は

 

「同じじゃないわ。ネウロイは猛毒の瘴気を発射し人間を滅ぼそうとする。対してⅤ2は核弾頭でネウロイを完全に消滅させる。多少は住みにくくなるがそれでも滅ぼされるよりはましよ」

 

と、そう言うとひかりが

 

「でも、もしネウロイがそれに対抗してそのⅤ2の攻撃でも耐えるように進化したらどうするんですか?」

 

と、そう言うとクリューゲ博士は得意げにふふっと笑い

 

「そう言うと思ったわ。もちろん対抗策は考えてある。その時はプルトニウムを超える核物質でⅤ2をはるかに超えるロケットを作るわ。もうその図面は私の頭の中にある」

 

「酷い・・・・それじゃあ・・・」

 

「それじゃあ、きりがありません!それにそんなことをしたら、疾風さんみたいに放射能で苦しむ人が出ますよ!」

 

「僕もそう思うね~それにそんなことしたら世界は一生人の住めない死の世界になるよ」

 

ジョゼやサーシャやクルピンスキーがそう抗議するとクリューゲ博士は鼻で笑い

 

「はっ!そんなこと知ったことじゃないわ!今は人類が滅ぶかどうかよ。私は祖国を取り戻すためなら何でもするわ!それに疾風大尉は異世界の人間でしたっけ?そんな存在するかしないか幽霊みたいなやつが死んだって犠牲者の数にはカウントされないわ。なんたって異世界から来たイレギュラーなんでしょ?」

 

「っ!?」

 

クリューゲ博士の言葉にエイラは先ほどまで抑えていた怒りの感情がまた沸々と湧き出てくる

 

「それにあの人型ネウロイでしたっけ?あの男も馬鹿じゃないの?敵であるネウロイを自分の娘として接しているなんて頭のねじが飛んでいるとしか思えないね!あんなの射撃の的にでもすればいいんじゃないかしら?それか技術省に預けて人体実験のモルモットとかすればいいのに」

 

と、そう言った瞬間・・・・・

 

 

───プツン

 

 

と何かが切れる音がした。その瞬間エイラの体からどす黒いオーラが湧き出てくる。そして

 

「言いたいことは……それだけカ?」

 

と、静かに立ち上がり彼女は今、二パやサーニャ達ですら見た事の無い鬼のような形相をしていた

 

「(イッルのあんなに怒った顔初めて見た・・・・・・・)」

 

「(・・・エイラ、怖い顔・・・・・)」

 

「イ、イッル・・・・」

 

「エイラ・・・・・・」

 

「ごめんサーニャ。二パ・・・・・もう」

 

そう言いエイラは使い魔を発動させ

 

「我 慢 の 限 界 ダ!!!!!!」

 

エイラは拳を握り締め、かつて無い殺気じみた目つきでクリューゲ博士を睨み、そして殴りかかろうとしたが・・・・・

 

バシッ!

 

「っ!?」

 

エイラの拳はクリューゲ博士に届かず、その拳はエミリアが受け止めた

 

「エミリア・・・なんで・・・」

 

「奥さん・・・その拳は馬鹿亭主が目覚めた時の為にとっておきな。あの馬鹿を引っ叩くためにね・・・・・・」

 

とそう言うや否やエミリアはクリューゲ博士に振り返り思いっきり彼女をグーで殴り

 

「ぐわっ!!」

 

殴られたクリューゲ博士は宙を舞い床にたたきつけられ失神する。そして・・・・

 

「あんたらまっとうな軍人の出る幕はないわ。マッドサイエンティスト(バカ)には・・・・テロリスト(バカ)の拳が一番、お似合いよ」

 

と、そう言うのであった。

 

 

 

 

一方、疾風の看護をしているアイは

 

「私は瘴気を浄化する力を取り戻せたらお父さんを・・・・・」

 

と、涙をこぼしそう言うアイ。すると・・・・

 

「もう大丈夫よアイちゃん。あなたのお父さん・・・・・疾風大尉は必ず助けるわ」

 

とアイの肩をポンっと叩き優しく言う女性の声、アイが振り向くとそこには白衣を着た女性が二人いた

 

「あ、あなたたちは・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 


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