ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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op「INNOCENCE」

ED「Fly Away」




やっと書き終えることができた・・・・・


第104話「Hope&despair」

「あんたらまっとうな軍人の出る幕はないわ。マッドサイエンティスト(バカ)には・・・・テロリスト(バカ)の拳が一番、お似合いよ」

 

と、エミリアはクリューゲを殴り飛ばし失神させると、凛々しくそう言うのであった。

 

「クリューゲ博士!」

 

「き、貴様!何をするんだぁ!!」

 

と、彼女の助手らしき二人の女性がクリューゲに近づく。片一方はそのまま彼女を抱き起し、そしてもう一人はエミリアの襟をつかむ。するとエミリアはふっと笑うと

 

「何って、見ての通り、このバカを殴ったのよ。あんたら科学者の常識はどうかは知らないけどここでは相手を馬鹿にし蔑み、噛みつけば逆に噛みつき返される。社会じゃ常識だ」

 

と、そう言うとエミリアは襟をつかんでいる女性の腕を力強くつかむ

 

「痛っ!」

 

「・・・・・・いいか、これだけは覚えておけ、そんな覚悟もなく。またあんたらが作ろうとしている悪魔の兵器でどれだけの人が苦しむか。そしてその被害を受けた人の家族の気持ちも考えもしない奴が科学者を名乗るな。さ、あんたたちはさっさとそのバカを連れて出ていけ。まだ、くだらない話を続けるなら今度は足が出るわよ」

 

と、殺気を出しエミリアがそう言う。そしてその後ろでは502のみんながその科学者たちを今にも殺さんと言わんばかりに睨んでいた。

 

「・・・ちぃ!」

 

それを見た助手の二人は冷や汗をかきそして舌打ちをするとクリューゲを抱えて部屋を出るのであった。そして彼女らが部屋を出た後、

 

「なんなんだあいつ!疾風さんやアイちゃんのことをあんな風に言うなんて!」

 

「私も同意見です。最低です!」

 

「屑だな・・・・」

 

と二パやひかり菅野がそう呟き、言葉に出していなかったがみんなも眉間に青筋を立てていた。そしてエイラはエミリアの方へ歩き

 

「エ、エミリア・・・」

 

「ん?なに?」

 

「そ、その・・・・・アンガトナ」

 

「いや、礼を言われることはしていないわ。私もあのマッドサイエンティストが気に入らなかったし、誰だって同じことをするわ。本当は拳銃で撃ち殺したかったけど、そんなことをしてもあいつが目を覚ますわけじゃないからね・・・・・・・」

 

と、そう言うとみんなは暗い表情をし俯く、すると・・・・

 

「彼のことなら心配ありません」

 

「っ!?」

 

と、急に声が聞こえ、みんなが驚くとそこには白衣を着た短い黒髪の女性が入って来た。

 

「誰だおめえ、さっきの連中の仲間か?」

 

と、菅野が怪しむように睨むと、その女性は

 

「いいえ、私は・・・・・」

 

と、苦笑してそう言うとアイが彼女の後ろから現れて

 

「その人は悪い人じゃありません菅野お姉ちゃん」

 

「どういうことだアイ?そいつと知り合いなのカ?」

 

エイラがアイにそう訊くとその女性は前に出てお辞儀をし

 

「初めまして502統合戦闘航空団のウィッチの皆様。私は以前疾風大尉に命を救われ今はヴェネチアで504のもとで科学者をしていますハルと言います」

 

「命を救われた?」

 

「はい。トライヤヌス作戦の時に過激派に粛清されそうになった穏健派である私の命を彼とそしてこの、アースクリーンプログラム試作T-1000型ことアイに命を救われたのです・・・・・・」

 

と、そう言うと何かを察したのかラル少佐が

 

「・・・・・・・お前、もしかしてネウロイか?」

 

『っ!?』

 

ラル少佐の言葉にみんなが驚きハルを警戒した目で見ると

 

「はい。察しの通り私はネウロイです。ですが私はあなたたちに危害を加える気はありませんし、する気もありません。私は他の戦闘タイプのネウロイとは違い、私はただの非力なネウロイ・・・・科学者に過ぎないのですから」

 

と、敵意がないことを示すかのように両手をあげてそう言うと、ハルに敵意がないことがわかったみんなは警戒を解く。するとサーニャが

 

「あの、さっき疾風さんのことは心配ないってどういうことなんですか?」

 

「はい。それはもう、彼が毒に苦しむ必要はないってことですよ」

 

「どういう意味ダ?」

 

と、そう言うとハルは白衣のポケットからある瓶を出す中にはエメラルドグリーンに輝いた液体が入っていた。

 

「これを彼に注射したのよ」

 

「あの・・・・それはなんですか?」

 

と、ひかりが興味津々にその瓶を見て訊くと

 

「これは私が長年の間、研究し続け遂に完成させた。猛毒の瘴気を浄化させる薬品よ。これがあればどんな猛毒もたちまち浄化できるわ。無論過激派ネウロイが放った、あの瘴気もね」

 

「その薬物、人体に危険性はないのか?」

 

「はい。問題ありません」

 

「・・・・・それじゃあ」

 

「ええ、彼の命は助かるわよ」

 

と、微笑んで言うとみんな安心した顔をする。得にエイラは少し涙ぐんでいた。すると二パが

 

「良かったねイッル。疾風さん。助かって」

 

と、笑顔でそう言うとエイラは

 

「うん・・・・・良かった・・・・・良かった・・・」

 

と、涙をこぼしてそう言うと、ラル少佐が

 

「ユーティライネン中尉。早くお前の彼のもとに行ってやれ」

 

と、そう言うとエイラは頷き疾風のいる病室へ向かうのであった。そしてラル少佐はハルの方を向き

 

「・・・・・・礼を言う。ありがとう」

 

と、そう言うとハルは苦笑し

 

「いいえ、私は彼に命を救われた恩を返したですよラル少佐。でもギリギリ間に合ってよかったです」

 

「ギリギリってどういうことだよ?」

 

「はい。もしあの薬品を注射するのがあと少し遅れていたら彼の命はありませんでしたよ」

 

「「っ!?」」

 

その言葉にみんなの顔は強張る。そしてクリューゲが開発した核爆弾がどれだけ危険なものか改めてわかったのであった。

 

「そうか・・・・・」

 

と、ラル少佐はそう言い席を立つ

 

「少佐。どこに行くんですか?」

 

サーシャがそう訊くと

 

「先ほどⅤ2計画の立案者であるハインリッヒ・グデーリアン将軍に呼ばれてな・・・・先生、留守を頼む」

 

「はい」

 

そう言いいラル少佐は部屋を出るのであった。そして二人が上層部の会議場に向かっている頃その会議場では二人の人物がいた。一人はラル少佐たちが会おうとしているハインリッヒグデーリアン。そしてもう一人がⅤ2のロケットエンジンの開発を任されていたウルスラハルトマンであった。そしてグデーリアン将軍はⅤ2を取り込んだネウロイの能力。そしてその取り込んでいたⅤ2の弾頭の威力を書いた書類を見て・・・・

 

「ウルスラ博士。君はこれを見てどう思うかね?」

 

「・・・・・はい。確かにこれでネウロイを撃滅できるかもしれませんがこの書類に書かれている放射能っというのを考えますと・・・・・・・危険すぎます。それに知り合いのハル博士にその放射能を調べてもらったんですがその放射能っというのはネウロイの放つ瘴気よりも強力なものらしいです。もしその弾頭が大量生産され、発射されれば、地球は死の星になってしまいます」

 

「そうか・・・・・弾頭はクリューゲ博士に任せてはいたが、この作戦を考えたのは私だ。もっと万全な配慮をするべきであったな・・・・・・超兵器の開発だけが地球を守る道じゃないな・・・」

 

と、そう言うとドアからノックがし

 

「グンデュラ・ラル。入ります」

 

「入りたまえ」

 

と、そう言いと、ラル少佐が入って来た。

 

「ああ、ラル少佐。あのネウロイと戦って負傷した疾風大尉の様子はどうかね?」

 

「はい。先ほどまで高熱でうなされいましたが、現在ある医者の薬のおかげで熱は下がり、今病室で休ませています」

 

「そうか・・・・・・・ラル少佐。現在Ⅴ2の改良型Ⅴ2R1号の開発を計画しているがそれが開発すれば地球の平和を守れると思うかね?」

 

と、そう訊くとラル少佐は

 

「・・・しかし、ネウロイはその兵器に対抗してより強力、そしてⅤ2に耐えられるほどの姿に進化する可能性があります」

 

「そうなれば我々ははもっと強力な破壊兵器を作るだろう。国・・・・いや地球を守るために」

 

と、そう言うとラル少佐は前に疾風の言っていたことを思い出す

 

「血を吐きながら続ける悲しいマラソンっか・・・・・」

 

「え?」

 

「前に疾風大尉がⅤ2のことを知った時そう言ったのです『血を吐きながら続けるマラソン』だとな・・・」

 

そう言うとウルスラが

 

「疾風大尉が・・・・・・将軍。私たち人類はそんなマラソンをするほど愚かなんでしょうか?」

 

と、そう言うとグデーリアン将軍はしばらく何か考え、そして何かを決意したように頷くのであった。

 

 

 

 

 

一方、502基地の病室では・・・

 

「・・・・あれ?ここはどこだ?」

 

気だるげに俺は目を開け、辺りを見渡す。最初はどこかと思ったが俺は鼻につく消毒液の臭いと潔癖そうな真っ白い壁。これは間違いなく病室だな・・・確か俺はB29と戦って奴の放射能を浴びいて・・・・それで気を失ったんだっけな。俺はそう思い手足を動かす

 

「うん……間違いなくあの世じゃなくこの世だな・・・・・・」

 

と、そう呟く。するとドアが開きにそこから最愛の少女エイラが入って来た。そしてエイラは俺が起きているのに気づきそして目が合う。

 

「あ・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

き、気まずい・・・・・・この無言が・・・こ、ここは何か言って和ませないと・・・

 

「や、やあ・・・エイラ・・・・・おはよう」

 

と。笑いそう言うと、エイラは無言無表情で俺のもとに行き

 

 バチンッ!!

 

と頬を思いっきり引っ叩かれるのであった。そして頬に激しい痛覚を感じ、そして俺はエイラの顔を見るとその目は涙で濡れていた。そしてエイラは・・・・

 

「疾風のバカァー!!」

 

と、いきなり俺に抱き着き

 

「なんであんな無茶したんダヨ!!本当に死んじゃったと思ったんだからナ!!」

 

と、泣きながらそう言うエイラ。俺はエイラを抱きしめ

 

「ごめん。お前との約束破った上に心配かけさせて・・・・・ごめんなエイラ」

 

「ほんとだゾ。お願いだ疾風・・・・絶対に私より先に死なないでくれ・・・・・」

 

「ああ、約束だ」

 

と、俺はエイラの頭を撫でるのであった。そしてしばらくして俺とエイラは落ち着いたのか

 

「エイラ・・・・俺、何日眠っていたんだ?」

 

「お前がネウロイを倒して1日眠っていたんだ」

 

「1日も・・・・・・そうだ!エイラ、Ⅴ2のことはどうなったんだ!?」

 

「それなら・・・・」

 

と、俺はそう訊くとドアが開き、そこから前にヴェネチアのジェットストライカー事件であったウルスラさん。そしてカールスラントの将官らしき人物が入って来た。

 

「やあ、疾風大尉。気分はどうかね?」

 

「あ、あの・・・・・」

 

「申し遅れた。私はハインリッヒ・グデーリアン大将だ」

 

「あ、失礼しました大将殿」

 

と、俺はベットから起き上がり敬礼しようとしたが

 

「いや、そのままでよい。すまないな夫婦で大切な話をしている時に」

 

「え?」

 

「君とユーティライネン中尉の間柄を知らない者はいない。『世界で稀に見るおしどり夫婦』と世界ではかなりの評判だ。それにこベストセラーであるこの本にも書かれていたしな」

 

とグデーリアン将軍は懐からあの「黒の剣士」と書かれた本を見せる。ベストセラーになっているんだ・・・・・・あの黒歴史。黒だけに

 

「あはは、・・・・・それよりも将軍。お願いがあります」

 

「よしわかった」

 

グデーリアン将軍は俺の言葉に頷く

 

「あ、あの・・・・俺はまだ何も言っていませんが?」

 

「いや、何も言わなくていい大尉。私はこれから上層部にⅤ2の製造を中止するように提案してみよう」

 

「疾風大尉。私も技術省に行って上層部とそして弾頭の担当をしていたクリューゲ博士を説得して見せます。それが私があなたに対する償いです」

 

「ありがとうございます将軍。ウルスラさん」

 

と、俺が礼を言うと二人はにこっと笑い

 

「では、私はこれで」

 

「お大事に疾風大尉」

 

と、そう言い二人は出ていくのであった。そしてしばらくして俺が目を覚ましたのを聞いてみんあがお見舞いに来てくれた。まあ、途中で来たサーシャさんやアウロラさん思いっきり叱られたけど・・・・そして

 

「お父さん!お父さん!!」

 

と、アイが嬉しそうに俺に抱き着く。それを俺は優しく頭を撫でる

 

「アイ・・・・・ごめん心配かけたな」

 

とそう言うと

 

「お久しぶりですね疾風大尉。トライヌス作戦の時以来ですかね?」

 

「あれ?君はハル?なんでここにいるんだ?確かお前は504にいるはずじゃなかったて?」

 

「はい。今回はウルスラさんに頼まれてきたんです『ネウロイの瘴気を浄化する薬品を作ったあなたに協力してほしい』ってね。それであなたに毒・・・・放射能を浄化する薬品を注射したのです」

 

「そうか・・・・ありがとうな」

 

「いえ、私はただ命を救われた恩を返しただけです。それとアイのことなんですが・・・・」

 

「アイがどうかしたのか?」

 

「はい。ヤプールが倒された後、過激派のセキュリティロックが甘くなったので彼女の瘴気を浄化させる機能を3割・・・・治癒程度の威力ですが解除することができました」

 

「本当カ?アイ?」

 

「はいお母さん。ハルさんのおかげで少しだけ力を取り戻せました」

 

「ソッカ。よかったナ。アイ」

 

と、アイはエイラに撫でられ満面の笑みを見せる。それを見たハルは微笑み

 

「さて、私はそろそろヴェネチアに戻るわ。早く戻らないと竹井がうるさいからね。それじゃあ、疾風大尉。エイラ中尉。そしてアイ。また会いましょう」

 

そう言いハルは出ていくのであった。そしてその後、俺とエイラとアイは遅くまでゆっくりと家族の時を過ごすのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、とある研究所では・・・・

 

「くそっ!!」

 

と、研究室ではクリューゲ博士が地面をける

 

「Ⅴ2及び核弾頭の開発を中止及び禁止ですって!連中は何もわかっていないわ!あれさえあれば世界からネウロイを駆逐できるのに!!って、いてて・・・・・」

 

とクリューゲは頬を抑える。その頬はまるでおたふく風邪のように腫れていた

 

「たく、痛いわね。あのエミリアって奴。女の顔をグーで殴る奴があるか」

 

と、愚痴をこぼしていた

 

「それにしてもエミリアもそうだがあの疾風って奴め・・・・あいつがいなければⅤ2は大量生産できたのによ!」

 

と、そう言いそばにあった ワインを飲むと・・・・

 

『奴が憎いか?』

 

「っ!?誰!!」

 

と、どこからか声が聞こえクリューゲはあたりを見渡すが誰もいない。すると・・・・

 

『疾風が人間どもが憎いかハンナ・クリューゲ?』

 

「誰だ!姿を見せなさい!!」

 

『あいにく私は姿を見せることができないただの魂だ。だが私は貴様の味方だ。』

 

「そう、で、私になんか用なの?」

 

『ふふふ・・・・・・クリューゲ博士。貴様は力が欲しいか?その力で奴らに復讐したいと思わないのか?』

 

っと、その声が彼女に訊くと

 

「ええ、したいわね。奴らに復讐できるならこの命をやってもいいわ!」

 

と、そう言うと、不気味な笑い声がし

 

『・・・・・・なら、貴様は力を欲したいのだな?』

 

「ええ、そうよ!で、どうやって私に力を与えるの?」

 

『ふふふ・・・簡単だ。貴様は死に代わりに我が貴様に乗り移ればいいのだ』

 

「・・・・・へ?」

 

と、そう言った瞬間。部屋の中にも関わらず彼女の頭上から雷みたいな黒い稲妻が落ち、彼女はまるで糸が切れたかのように倒れ。しばらくして起き上がる。そして

 

「ふふふ・・・・上手く出来たわね・・・・・これでこの体は私の者だ。そして人類よそして疾風よ我は再び戻って来た。復讐を果たすためにな・・・・・・・ふふふふ・・・・・・あははははー!!」

 

と、彼女は大声で笑う。そして彼女の影は人の形ではなく別の異様のような姿をしていた。そしてその後、彼女がいる研究所は謎の大火事になったのだが不思議なことにその中でその研究所の主任であるハンナ・クリューゲの遺体は見つからなかったのであった・・・・・・

 


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