ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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第8話「夜間任務と額の傷」

昨日の事件から翌日。俺はいつもより早く目が覚めた。

 

「う~ん  よく寝たな」

 

そういえば昨日は魔力と体力を使い果たして倒れて、それをトゥルーデ義姉さんが部屋まで運んでくれたんだっけ。後でお礼を言わないとな・・・・・

 

「さて、機体の整備をしに行くか」

 

昨日は無茶させたからな。それに整備してなかったしな。

そう思い俺は格納庫へと向かった。

 

「あれ?疾風じゃん。機体の整備か?」

 

格納庫に着くと機体を修理するシャーリーがいた。

 

「あぁ・・・・昨日やりそびれたからな。」

 

「そうか・・・・・あ・・・そうだ疾風」

 

「ん?なんだシャーリー?」

 

「昨日、ルッキーニに説教したんだってな」

 

そういえば、確かに俺は昨日ルッキーニに説教をした。

 

「あぁ・・・・みんなに迷惑をかけたからな」

 

「・・・でもな疾風、ルッキーニのやつお前の説教は優しかったって言ってたぞ」

 

「え?ルッキーニが?」

 

まあ、確かに俺はルッキーニに怒鳴ってもいないし鉄拳制裁もしていない。軽く注意したぐらいだ。

 

「まあ、ルッキーニはまだ子供だし、怒鳴ったりしたら塞ぎ込んでしまうかもしれないからな。それに俺はあまり相手に怒るの好きじゃないし」

 

幼少時代、よく華琳義母さんや逸見先生に説教や鉄拳制裁とかよくもらってたしな。

 

「そうか・・・お前って意外に優しいんだな」

 

「そんなことはないよ・・・・・さて機体の整備でもするかな」

 

「頑張れよ」

 

「シャーリーもな」

 

と、俺たちはその後、ほぼ同時に整備を終えた。

 

「ふぁ~もう一度寝ようかな。私は」

 

「そうだな、おやすみシャーリー」

 

と俺とシャーリ―は格納庫を後にした。

 

 

 

 

腕時計を見るとまだ5時半くらいだ。

二度寝しようにも目が完全にさえてるしな。よし、朝練でもするか・・・・

と、俺は外に出た。

 

まず、準備体操をし滑走路を10週。

 

「はぁ!! たぁ!!」

 

そして、今、剣の技の練習をしていた。

ちなみに俺が今やっている技は4連撃技「バーチカル・スクエア」という技だ。

するとそこへ・・・・

 

「ん?疾風?朝稽古か?」

 

と坂本少佐がやってきた。

 

「ええ、ということは坂本少佐も?」

 

「ああ、・・・・・そうだ疾風。私と試合をしてもらえないか?」

 

「試合ですか?」

 

「そうだ」

 

「・・・・・ふっ・・・・・わかりました。俺もあの時のリベンジをしたいと思っていましたから。坂本少佐、今度は俺が勝ちます」

 

「・・・はっはっはっはっ!!それでこそ扶桑男児だな!」

 

坂本少佐はうれしそうに笑う

 

「少佐、俺は扶桑男児じゃなくて日本男児なんですけど・・・・」

 

「ん?同じようなものだろ?」

 

「・・・・そうかもしれませんね・・・・・じゃあ、いくぜ」

 

「ああ・・・・来い、疾風!!」

 

と、最初に攻めたのは疾風、突き技を放つが坂本少佐はこれをぎりぎりに避ける。

 

「どうした?疾風お前の実力はこんなものじゃないだろ?」

 

「ええ・・・それと坂本少佐。今の突き避けたと思ったら大間違いですよ。」

 

と疾風はすぐに横薙ぎの攻撃に入った。疾風の得意剣技の一つ「平突き」である。

 

「!?っ」

 

急な攻撃に坂本少佐は一撃を食らいそうになるが木刀で何とか防いだ。

 

「なかなかやるな・・・疾風」

 

「まだまだこれからですよ!!」

 

その後、試合は起床喇叭がなるまで続いた。激しい激戦の末

試合結果は・・・・・・

 

「はぁ・・はぁ・・・・・相打ちか・・・・腕を上げたな疾風」

 

「はぁ・・はぁ・・・・・いいえ、俺なんてまだまだですよ」

 

そう、試合の最中なかなか決着がつかなかったため、坂本少佐は一撃必殺技「兜割り」。そして俺は華琳義母さんから教わった北郷流剣技を俺独自に改良した「メテオ・ブレイク」を放ったが。両方とも面打ちで相打ちという結果に終わった。

 

「疾風、お前の剣、だれにならった?」

 

「北郷華琳・・・・義理の母に習いました。」

 

「義理の?」

 

「ええ・・・・俺の両親は俺を生んですぐに亡くなり、しばらくは姉と共に暮らしていたんですがその姉も俺が4つの時に戦死しました。身内のいない俺は姉の親友であった華琳さんに引き取られました。以来俺にとっては義理の母であり剣の師匠なんです」

 

「そうか・・・・一度会ってみたものだな。お前をここまで鍛えたのだからな」

 

(あの二人が組んだら、間違いなく道場に血の雨が降るな‥‥)

 

と、心の中でそう思う疾風であった…・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「というわけで、疾風さんと宮藤さんは夜間哨戒シフトに入ってもらいます」

 

何がというわけなのかというと、昨日の夜、ミーナ中佐たちが本部から戻ってくる途中護衛を務めていたサーニャがネウロイの反応を察知したが、雲で姿が確認できず撃破には至らなかったらしい。それで夜間哨戒強化と夜の飛行に慣れるため、俺と宮藤が選ばれたということだ。

 

「昼と夜の空は全く違う。そこで今のうちに慣れてもらうためにもサーニャと一緒に夜間哨戒に出てもらう」

 

「ハイハイハイ!!私も出るぞ!!」

 

「わかったわ。では解散。4人には、さっそく今晩から哨戒任務に就いてもらうわ」

 

「というわけだ。お前たち4人は夜に備えて、寝ろ」

 

「じゃあ、俺は自分の部屋で寝ますので・・・・」

 

「何を言ってるんだ疾風?」

 

「え?」

 

「わざわざ部屋に戻らずとも、サーニャたちと一緒の部屋でいいだろ」

 

「いいわけあるか!!少佐、第一に俺は男だぞ」

 

「大丈夫だ。お前はそういうことはしない男だと私は信じているからな」

 

「いや、それでも、エイラたちが嫌がるに決まって・・・・・」

 

「わ、私は別にいいんだな///」

 

「・・・・・・え?」

 

「わ、私も、いいですけど・・・・・疾風さんは変なことする人じゃないですもんね!!」

 

と目をキラキラさせながら宮藤は言った。・・・・宮藤…信頼してくれるのはありがたいけど信頼の示し方が全く違う!!

こうなったら頼みの綱であるサーニャに・・・・・と俺はサーニャを見る。

 

「・・・・私も別に問題ないと思います。(疾風さんとエイラのくっつき大作戦がようやく実行できる・・・・)」

 

サーニャ・・・・・・・お前もか・・・

 

「はっはっは!!これで決まりだな!!まぁ、親睦を深めると思ってだな‥‥」

 

「駄目に決まっているでしょ?」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

少佐が振り返るとそこには不動明王と化したミーナ中佐がいた。あ、やばい。少佐少し涙ぐんでる・・・・確かにあれは怖い。

 

「はい!疾風さんが言ったとうり男女別になって寝ること。そのあたりはきっちりしてもらいます。」

 

そのまま俺は自分の部屋に戻った。別れ着はエイラは少し残念そうな顔をしていた。サーニャにいたってはミーナさんに聞こえないぐらいの舌打ちをしていたな・・・・

そう思っているうちの俺は部屋の前に着きそしてベットに横になり、そして深い眠りに就いた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

夢の中

 

あたりを見回すとそこは何もない暗黒の空間だった…

すると空間のあっちこっちから憎悪と憎しみの声が聞こえた。

 

人殺し・・・よくも俺たちを殺したな・・・・・疾風・・・・

 

人殺し・・・・お前は人殺しだ‥…

 

周りを見るとそこには俺があの戦争中に殺した敵兵たちだった・・・・

血まみれの彼らどんどん俺に憎悪の言葉を浴びせた。

 

なぜ貴様がのうのうと生きているんだ人殺し・・・

 

どんなにお前が変わろうとしてもその本性は薄汚い人殺しだ・・・・・

 

疾風…答えろ…その血まみれの手でお前が一体何をしてきたのかを…

 

答えてくれ・・・・・・なぁ・・・・疾風・・・・・疾風!・・・・疾風っ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!!」ガバッ

 

目が覚めるとそこは自分の部屋で外を見ると夕方だった・・・・・・・

 

「また・・・・・あの夢か…・」

 

 

忘れてはいけない自分の罪・・・・・そうそれは決して忘れてはいけないんだ。

今の俺は殺した奴らの命の欠片で生きているようなものだからな・・・・

 

ベットから起き上がるとひどい汗を流しているのに気が付いた・・・・

 

「ひどい汗かいちまったな・・・・・風呂でも入るか‥‥」

 

といい俺は部屋から出た・・・・・・

 

 

 

 

廊下を歩ていると・・・・・・

 

「ん?疾風?」

 

トゥルーデ義姉さんにあった。

 

「あ、義姉さん・・・・」

 

「どうしたんだ。こんなところで?それにひどい汗をかいてるじゃないか。大丈夫なのか?」

 

俺はさっきの見た悪夢のことを思い出した。戦争とはいえ多くの人を殺してきたんだから、あいつらに人殺しって言われても仕方がないな・・・

 

その時、険しい顔をしていた俺の顔を覗き込むように義姉さんが見ていた。

 

「疾風。大丈夫か、顔色が悪いぞ?どこか具合でも悪いのか?」

 

義姉さんは心配した顔で俺に訊いた

 

「え? あぁ・・・・大丈夫だよ義姉さん。ひどい寝汗かいたからこれから風呂に入ろうと思って…」

 

「そうか・・・・お前がそういうんならいいが‥‥あ、そういえば確か今風呂は宮藤が入っているぞ」

 

「え?そうなの」

 

「ああ。今は入らない方がいい・・・・そうだ疾風、この基地の近くに川があるぞ」

 

「え?川?」

 

「そうだ、こういう暑い日にひどい汗をかいた時は冷たい水で体を洗うと気持ちがいいぞ」

 

確かに今の季節は水風呂が最適だな。

 

「そうか・・・・ありがと義姉さん」

 

と、俺はその場を後にしようとしたが・・・・・

 

「ちょっと待て。疾風」

 

疾「ん?何、義姉さん?」

 

「お前はこの501ストライクウィッチーズの家族なんだ・・・・だから、その・・・一人で抱え込むな。何か悩みがあったらいつでも相談に乗るからな疾風・・・・」

 

「義姉さん・・・・・・・・ありがとう」

 

そう言い俺はその場を後にし、義姉さんが言っていた川の所に向かった・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

俺は義姉さんに言われたところに行くとそこには小さな川があった。目則は…大体俺の腰あたりくらいかな?周りは森だし誰かに除かれる心配もないな。

そして俺は川の中に入った。

 

「はぁ~義姉さんの言ったとうり、気持ちいいな‥‥」

 

俺は川での行水を楽しんだ。するとどこかから・・・・

 

『サーニャをそんな目でみんな―!!!』

 

とエイラの声が聞こえた‥‥

 

それからしばらく・・・・・何かが近づく音がした・・・・・

 

「ん?・・・・・何か来る・・・・」

 

俺は腰にタオルを巻き、音のする方向え行きそして・・・・・

 

「誰かいるの‥‥‥‥かぁ!?」

 

「え!? 疾風さん!?」

 

そこには・・・一糸まとわず生まれた時の姿でいる宮藤たちがいた。今俺の頭の中はパニック状態であった。

 

 

「宮藤、サーニャ、エイラ!? な、なんでこんなところに!?」

 

「い、いいから出て・・・・!」

 

顔を真っ赤にしてエイラは疾風にビンタしようと腕を上げようとするが、その瞬間3人は目を見開き、エイラは動きを止めた。

訳が分からず疾風は首をかしげていると

 

「は、疾風・・・・・どうしたんだ・・・・・その額」

 

「ひどい傷…これは…」

 

「銃弾の跡・・・・」

 

疾風は3人の言葉に納得する。普段は前髪で隠れているが、その額には銃弾の傷の跡がくっきりとあったのだ。

 

「ああ・・・・・これは俺が元の世界にいた時に受けた傷だよ・・・・・」

 

「疾風さんの世界の・・・・ということは人同士の戦争の・・・・」

 

「ああ・・・・この傷は俺がまだ、死ぬことも知らないガキだったころ、敵の爆撃機に突っ込んで、受けた傷なんだよ・・・・・・」

 

「そ、そうなのか・・・・」

 

そう、あの時の俺は本当に怖いもの知らずの大馬鹿だった。その代償がこれだ…

そういえばエミリアと初めて戦ったのもこの時だったな・・・・

 

「痛くないのか?」

 

「傷を負った時は、死ぬほど痛かったけど、今は何ともないよ」

 

「本当ですか?」

 

「大丈夫。本当だよ」

 

するとエイラが近寄ってきて、その傷に手を当て、優しくなでた。

 

「ん・・・・」

 

「ゴ、ゴメン疾風。やっぱ痛かったか?」

 

「大丈夫。くすぐったかっただけだから・・・・・それじゃあ、俺は出るから・・・」

 

「うん・・・・」

 

そう言い俺はその場を後にし、服を着て自分の部屋に戻った。

俺は額の傷を触り・・・・

 

「・・・・・・傷か・・・・・」

 

そう言い俺はそう呟いた・・・・

これはただの戦場で負った傷じゃない・・・これは・・・・罪の傷だ。自分がいままでやってきた罪を決して忘れるな、ということだろう…

おれはルッキーニに呼ばれるまで自分の部屋にいた‥‥

 

 

 

 

 

 

 

                次回「夜間任務と誕生会」

 

 

 

 


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