ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「private wing 」

ed「シルシ」


第114話「二人の来訪者」

雷が鳴る夜中、ガリアのとある官僚の部屋、一本の鋭利なナイフを持ったフードを被った人物が一人の男に迫っていった。そしてその周りには護衛だろうか数人のガリア兵が血を流し倒れていた。

 

「き、貴様・・・・何者だ?誰かに雇われたんならその雇われた奴の倍の金を払うぞ。だから命ばかりは・・・・」

 

と、官僚の男がそう言うが、その人物がニヤッと笑い

 

「金なんか要らないわ。私が欲しいのはあんたの命ただそれだけよ・・・・・」

 

「ひっ・・・・」

 

男は怖くなりその場を逃げ出そうとしたが、その人物の眼光が光る。すると・・・・・

 

「なっ・・・・・体がう、動かない・・・・・」

 

そう、まるで金縛りにあったかのように体を動かすことができない。するとフードを被った人物が

 

「ふふふ・・・・・死にな・・・・」

 

そう言いフードを被った謎の人物は手に持っていたナイフでその男をめった刺しにして殺すのであった。そして残ったのは血にまみれたフードの人物。ただ一人であった。すると・・・

 

「相変わらず仕事が早いんだね・・・・・ジャック」

 

「あら、これはモリアーティーいえ今はMajor(少佐)でしたっけ。仕事は迅速にそして正確に殺すのが私のモットーなんでね」

 

「そうかい。それはそれで助かるよ」

 

「・・・・・で、今回も殺人の依頼かしら?」

 

「まあ、そんなところだね。だが今回は官僚とかの大物の暗殺がメインじゃない。あくまで次いでだ」

 

「では本命は誰ですかい?」

 

と、そう訊くと少佐と呼ばれた短い金髪の少女は1枚の写真を取り出し

 

「あんたが始末するのはこの男さ」

 

とその写真をフードを被った人物に渡す。そしてそのフードは渡された写真を見ると・・・・

 

「なるほど・・・・これは面白そうね・・・じゃあ、私は北欧に行けばいいのかしら?」

 

「いいや、その必要はないさ。場所はここガリアしかも最近設立されたばかりの第506統合戦闘航空団のセダン。後は彼をここへ呼ぶだけさ。すでに準備は整っている。」

 

「なるほど・・・・・了解したわ」

 

「じゃあ、頼んだよ。Jack l'Eventreur(ジャックザリッパー)

 

と、そう言うと、ジャックと呼ばれた人物は写真を見てにやりと笑うのであった。そしてその写真に写っていたの疾風であったのだった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガリアで何か陰謀がうごめいている頃、ペテルブルグ502基地の中庭では・・・・・・

 

「平和だな・・・・」

 

と、中庭に椅子で本を読む疾風がそう呟く。レインの事件以来、ネウロイの襲撃はなくペテルブルグはいたって平和だった。といっても全く襲撃がないわけではなくたまに残党らしきネウロイが襲ってくる。それ以外を覗いては平和同然だった。すると・・・・

 

「真昼間か読書なんて、随分と余裕ね疾風・・・・」

 

「ああ、エミリアか」

 

そこへエミリアがやってきて俺んそう言うとエミリアはじっと私の方を見て

 

「あなた・・・・・少し腑抜けになったかしら?」

 

「はぁ?何が?」

 

「戦争中にしかも最前線でのんびりと読書。別にそれが悪いとは言わないけど。昔のあんたはそんなんじゃなかったはずよ。あの時・・・・あの戦場でまさに鬼神のごとき目をぎらつけていたお前はどこにいったのよ?」

 

と、少し真剣な顔をするエミリア。それを見た俺は

 

「確かに俺はこの世界に来て少し腑抜けたかもしれないな・・・・・・でもそれはそれでいいかもしれないな」

 

「なに?」

 

「俺の今までの力や技はすべて人を殺すための技だ。だがこの世界ではそれは必要ない。ただ仲間を守れる力があればそれでいい。そう思ている」

 

と、俺は本心を込めエミリアの目を見てそう言うと、エミリアは

 

「そうか・・・・・ま、お前がそれでいいんならいいんでしょうけど・・・・」

 

と、そう言うとエミリアは軍刀を抜き

 

「私にとってはよくないわ・・・・・疾風」

 

とそう言い抜刀した刀を俺に向ける

 

「エミリア?」

 

俺は国をかしげるとエミリアは

 

「疾風、私と模擬戦をしろ」

 

「模擬戦?なんで急に?」

 

「私が倒したい相手はあの戦争で『レッドファイター』と呼ばれ恐れられた日本国海軍の疾風村正だ。だが今のお前はあの時の覇気が無くなりかけている。それはいけない・・・・だからこそ私はお前がこの世界の色に塗り替える前にお前と決着をつけたい。まだお前があの世界の色が・・・・匂い残っているうちにな・・・・・・」

 

とエミリアがそう言う。その目は今までのエミリアとは違うまったく違う感じがした

 

「・・・・エミリア。俺はお前と模擬戦をすることは別にかまわないが。それは今からじゃダメなのか?」

 

と俺がそう言うとエミリアはゆっくり刀を下ろすと

 

「・・・・・私はすぐにここを離れまた旅に出る」

 

「なんだって?」

 

「ここの基地の連中はいい奴らばかりさ。だが私は誰かに縛られ飛ぶのはあまり好きではない。それに私の幼き頃の夢は日本に行くことの他に世界を回ってみたいのだ」

 

「でもいいのか?でもよくラル少佐がOKしたな」

 

「ああ、説得するのは大変だったがな。それに私はここの基地に滞在するとは言ったが正式にここの基地の隊員になったわけじゃないからな」

 

「そうか・・・・」

 

「・・・・で、どうだ疾風この死合い。受けるか?」

 

「おい、エミリア字が違うぞ」

 

「いいのよ。私たちの場合これが似合っているでしょ?」

 

「そうかもな・・・・」

 

「で、どうする受けるの?」

 

と、エミリアの言葉に俺は少し考えそしてふっと笑うと

 

「・・・・いいぜ。実はな。俺もそろそろお前とはちゃんと決着つけなきゃいけないと思ったんだよ」

 

と、笑う。その笑いは今までの優しい笑顔ではなくあの世界の戦場へ見せた狂喜の笑顔であった。それを見たエミリアも

 

「そうでなくっちゃ面白くないわね。では早速少佐に模擬空戦の申し送りをしないとね」

 

「そうだな・・・・・・・ん?」

 

俺とエミリアがそう話す中、一機の輸送機が俺とエミリアの頭上を飛ぶ

 

「なんだろう?また来客か?」

 

と、俺はそう呟くのであった。するとロスマンさんがやって来た

 

「あ、疾風さん。ちょうどよかったわ」

 

「ん?どうしたんですかロスマンさん」

 

「ええ、隊長が部屋に来るようにだそうです。なんでもあなたに客が来ているみたいよ」

 

「俺に?」

 

 

 

 

 

隊長室

 

「・・・・・なるほどお前の言いたいことはわかったが・・・・だがそれを決めるのは私ではない決めるのは疾風大尉、本人だ」

 

「まあそれはそうでしょうね少佐殿。私自身も彼に直接話したいしね、で彼はどこにいるんでしょうか?」

 

と、ラル少佐がトレンチコートとソフト帽を着た女性と話しているとドアが開き

 

「疾風来ました。少佐。何か用ですか?」

 

とそこへ疾風が入る。すると

 

「おおー!あなたが噂に聞いた疾風君か~会えて光栄だな」

 

といきなりその女性は疾風の手を握ると嬉しそうにぶんぶんと振る。

 

「え、えっと・・・・あの・・・・君、誰?」

 

とそう訊くと、その女性は帽子を軽く上げ

 

「ああ、すまない。俺は銭形幸子。扶桑皇国警視庁の刑事だ」

 

「・・・・・扶桑皇国の刑事?なんでまたそんな人が俺に?」

 

「ああ、実はな。君に扶桑皇国へ来てほしいんだよ」

 

「・・・・・え?」

 

いきなりのことに俺は少し困惑する。そんな中、銭形刑事は

 

「実は扶桑皇国の大本営の人に君について興味を持ったお方がいてな。しかも我が警察の調べでは君は扶桑皇国人なはずなのにその国籍や個人情報が一つもない。軍の書類では君の経歴はあるんだが、原隊や所属部隊を調べても501以前の記録があやふやで変なところが多すぎる。よって軍令部は君を扶桑へ連れて行き君の詳しい素性を調べることになることになり。その随行として私が送られたということだ」

 

「つまり事情徴収か・・・・・因みに拒否権は?」

 

「残念だがない。これは大本営から・・・・いや扶桑皇国直々の命令ですでに決まったことだ。これを断れば扶桑皇国のメンツが立たない。そしてそれを頼まれた俺たち警視庁も大恥をかくことになる。身勝手な頼みだとはわかっている。だが、ここは一つ頼む」

 

銭形刑事は頭を下げて頼む。するとラル少佐は

 

「だ、そうだ。どうする大尉?」

 

と、そう言われ俺は少し考える。まあ確かに俺は日本人であって扶桑人じゃないからな・・・・さすがに偽造の書類とかじゃあ誤魔化せないしな・・・・・それにここまで頼み込む彼女をむげにできないし・・・・・

 

「・・・・・わかった。扶桑に行って事情徴収に答えればいいんだな?それぐらいなら構わないぞ」

 

「はい。協力、感謝ます。事情徴収といっても早くて数週間ほどですので、すぐに戻れると思います」

 

「そうか少佐・・・・」

 

「わかった。では必要な書類は私が用意しよう」

 

と、そう言いラル少佐がっ立ち上がり扶桑皇国への移動書類の準備をしようとしたとき・・・・・

 

「疾風大尉の扶桑皇国への移動・・・・・それじゃあ、困るんだよね」

 

「「「っ!?」」」

 

急に声がし振り向くとそこには銀髪の黒いコートを着た少女がいた

 

「誰だお前は?」

 

「これは失礼。私はガリアから来たのウドー・マリアといいます」

 

「・・・・・あんた公安とか諜報部とかの奴らか?」

 

「ふふ・・・・・わかりますか?流石はガリア、ヴェネチアを救った英雄だ。その通り私はガリア諜報部の者です」

 

「たまたまだよ。で、その諜報部さんがオラーシャへ何しに来たんだ?」

 

「おっと、話はそれましたね。実は大尉に折り入ってお願いがあるんです」

 

「お願い?」

 

「はい。これはガリア政府のメンツというか威信にかかわる問題で今まで隠してきた事件なんですが・・・・・」

 

とマリアは

 

「お願いですガリアを騒がせる殺人鬼を倒すため一時的にガリアに来てほしいのです」

 

「殺人鬼?」

 

銭形刑事がそう訊くと彼女は頷き

 

「名は通称ジャックザリッパー。かつて19世紀ブリタニアで騒がせた連続殺人鬼と同じ名の犯罪者です。その殺人鬼の手によって殺されたのはガリアの官僚たちやその護衛についていた警察やガリア兵。終いにはそのそばにいた女、子供も殺されること数知れず・・・・ネウロイからようやく祖国を奪還できた今。そのような人殺しを楽しむ殺人鬼が世間を騒がせて政府は非常に困っているんです」

 

「そんな殺人犯なら拳銃とかで撃てばいいんじゃないのか?」

 

とラル少佐がそう訊くと彼女は

 

「無論、拳銃で応戦しようとしたものもいた。だが銃を抜く直前に皆、喉を斬り裂かれているんですよ」

 

「銃を抜かないまま?」

 

「はい。そこでガリア政府はこの事件に第506統合戦闘航空団のウィッチに討伐を頼んだのですが彼女らは接近戦は得意ではなく。そこでウィッチの中で、彼の扶桑海軍の坂本美緒少佐と同様、白兵戦が得意といわれネウロイのビームを斬り裂く手腕を持った疾風大尉にその退治をお願いしたいのですよ」

 

と、そうお願いするマリアに俺は

 

「なるほど・・・・そんな殺人鬼だったら見逃せないな・・・だけど」

 

と、俺は銭形刑事の方を見ると

 

「別にガリアの方を優先しても構わないわよ。私も警察官。そんな殺人鬼がいたら見逃せないさ。上層部には私が電報で知らせとく・・・・ただ。俺も同行させてもらうわよ。いいですか?」

 

「無論、彼の随行っというなら構いませんよ・・・で、どうですか大尉さん?」

 

「・・・・・・わかった。俺はガリアに行こう。さっきも言った通り。そんな殺人鬼は見逃すことはできないからな」

 

「なら決まりね。出発は明日の昼。よろしく頼むよ英雄さん」

 

と、そう言いマリアは部屋を出るのであった。こうして俺はいろんな事情によりガリアと扶桑。二つの国に行くことになってしまったのだった。

 

「さて・・・・行く前にエイラやアイたちに事情を説明しなきゃいけないな・・・・・」

 

とそう呟きそしてラル少佐は

 

「やれやれ・・・・・書類のまとめや偽造や整理が大変だな・・・・」

 

と小さくぼやくのであった。

 

 

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