ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「~たった1つの想い~」

ED「あさきゆめみし」


第117話「ディジョンB部隊基地とコーラの味」

第506統合戦闘航空団ノーブルウィッチーズB隊ディジョン基地

 

「なあ、聞いたかマリアン?」

 

「何をだ?」

 

と、基地の広場でコーラを片手に持った少女、カーラ・J・ルシック中尉がリベリオン海兵隊服を身にまとった金髪の少女、マリアン・E・カール大尉に話しかけるとマリアンは振り返り返事をする

 

「ほら、例の殺人鬼の討伐のことだよ」

 

「ああ、あれか・・・・まったくただでさえネウロイのことで手がいっぱいなのに上層部も厄介なことを押し付ける。しかもあのA隊の連中と一緒にやらなくちゃいけないんだからな・・・・まったくウィッチは何でも屋じゃないんだぞ?」

 

と、嫌そうな顔をするとカーラが

 

「いや、それもあるけどなんかさ、その件で上層部が助っ人を呼んだらしいよ?」

 

「助っ人?なんでだ?」

 

とマリアンが首を置かしげると

 

「どうかしたんですか?」

 

と、そこへマリアンと同じリベリオン海兵隊服を着た少女がやって来た

 

「ああ、ジェニファー。なんか近々行われるガリアの殺人鬼討伐に助っ人が来るらしいんだよ。知っているか?」

 

「え?助っ人ですか?そう言えばそんな話を聞いたような・・・・・・・たしか502JFWの」

 

と、ジェニファーと呼ばれた少女はそう考え始めると・・・・・

 

「すまない。ちょっといいかな?」

 

「「「?」」」

 

と、後ろから声がし三人は後ろを振り返ると

 

「ここは、506統合戦闘航空団B部隊基地であっているかな?ジーナ・プレディ―中佐に会いたいのだけれど?」

 

と、そこに黒い制服を着た公務らしき女性とその後ろに黒い軍服やコートを着た少年少女、そして刑事らしき女性が立っていた

 

「あんた誰だ?」

 

とマリアンは警戒した目で見ると

 

「どうしたんだ?」

 

「あ、隊長!」

 

と、そこへこの部隊の隊長であるジーナ・プレディー中佐がやって来た。すると銀髪の少女が

 

「あなたがプレディー中佐かしら?」

 

「君は?」

 

「ガリア諜報部のウドー・マリア准尉です。キーラ少佐の命で殺人鬼討伐の助っ人を連れてきたところです。まあ、そのうちのカールスラント人と扶桑人少女はおまけですが」

 

「ほう?」

 

そう言いプレディ中佐はマリアの後ろにいる三人。特に黒服姿の男性を見る

 

「(黒いコートに背中に扶桑刀・・・・そして何より中性的な顔立ちの少年・・・・・まさかと思うが・・・・・)なるほど。だが、君たちが行く場所はここではなく本隊のセダン基地ではないのか?」

 

「確かにそうなのだが、いろいろと問題があってな」

 

「問題って何ですか?」

 

と、ジェニファーが訊くと

 

「この諜報員。間違えて違う汽車に乗っちゃったのよ。ねえそうだろ?」

 

「う、うるさい・・・・#///」

 

と、そこへ銭形刑事が彼女に寄り添うって言うとマリアは恥ずかしそうに顔を赤くし銭形を睨んでそう言う。その意外な言葉に疾風やエミリアを覗きみんな目を丸くし呆れた顔をするものや、カーラみたいに大笑いするやつもいた。すると

 

「事情は分かった。ちょうど明日、我々は今回の殺人鬼討伐のためにA隊のいるセダンの基地へ向かうところだった。よければ明日、セダンまで送っていく」

 

「感謝します中佐殿。では私はキーラ少佐に遅れることを伝えれば行けないので、基地の電話を借りたいのですが・・・・・」

 

「ああ、電話なら基地の中に入ってすぐ右を曲がったところだ」

 

「感謝する」

 

トマリアがそう言うと銭形刑事も手を挙げて

 

「あ、後すまない。私も扶桑の上層部に定時連絡の電報を打たなければいけないんだが、そちらは・・・・」

 

「先ほどの電話があるところと同じ部屋だ・・・・・・て君は?」

 

「すまない。あ、自己紹介が遅れた私は扶桑皇国の刑事の銭形だ。今回は特命でとある人物の付き人として来ているのさ」

 

「そうか・・・・」

 

と、そう言いマリアと銭形刑事はその場を離れプレディ中佐はその案内をするため場を後にすると、マリアンが

 

「・・・・・で、あんたらか?今回の助っ人って?」

 

と明らかに怪しむように俺たちを睨む。だが俺はそんなのを気にせず

 

「ああ、今回の事件に限りこの部隊で世話になる。疾風村正大尉だ。そして隣にいるのが・・・・・」

 

「同じく彼の付き人としてきた。エミリア・ハルトマン。大尉よ」

 

と、そう敬礼して挨拶すると、急にマリアンが俺の顔を見て目を丸くする。そしてカーラが

 

「へ~君があのレッドファイターか。なんか思ってたのとすこし違うな?もっと背が高いかと思っていたぜ。あ、私、カーラ・J・ルシックリベリオン陸軍中尉だよ」

 

「初めまして大尉。私はジェニファー・J・デ・ブランク大尉です」

 

「初めまして疾風だ。よろしく頼む。それと・・・・・・」

 

と、俺はその二人の後ろにいる少女を見ると・・・・

 

「ふん。私はマリアン・E・カール大尉だ。言っておくが貴族となれなれしくするつもりはないからな」

 

と、そっぽを向く、え?貴族?俺が首をかしげると

 

「あの・・・・すまないが貴族って何のことだ?」

 

「だってお前A部隊に行くんだろ?あそこに配属されるのは基本貴族だけだからな」

 

「セダンの基地の部隊はそうだと言われてるみたいだがな。あいにく俺は貴族とかそんなたいそうなものじゃないよ」

 

「そうそう、疾風はそんな顔を白く塗りオハグロをべったりつけ「オホホ」と笑う麻呂とかそう言うものじゃないわよ。というよりそう言うのは似合わん」

 

「エミリア、それいつの時代の貴族だ?」

 

エミリアの言葉に俺はジト目で突っ込む。俺は貴族とかそういう家系ではない。俺は詳しくは知らないが死んだ姉の親友であった義母さんによればうちは代々軍人の家系で、さらに遡ると疾風家は九州熊本を収めていた大名の家老だったらしい。だからここで言うなら俺は貴族とか華族とかの家系ではなく士族・・・つまり元武士の家系である。因みに義母さんは九州鹿児島つまり薩摩を収めた島津家の分家のため時代が時代なら華族である。俺が苦笑しているとジェニファーが

 

「すみません。マリアンってあんな態度だけど本当はいい人なのよ。それに疾風大尉に会えて少し緊張しているだけだから」

 

「そう、そう。マリアン。憧れの疾風大尉に会えて舞い上がっているだよね~」

 

「なっ!?二人とも何を言っているんだ!!」

 

「だって、マリアン。疾風大尉のこと書かれたあの本の内容を隅々まで読んでいろいろと疾風大尉のことを褒めていたじゃないかよ~」

 

「う、うるさい///」

 

マリアンと名乗った少女は顔を赤くし逃げるように去っていた。

 

「あはは。ちょっとからかいすぎたかな?あ、そうだ疾風、大尉に、エミリア大尉。コーラ飲むか?」

 

「「いただく」」

 

と、そう言い俺とエミリアはカーラ大尉からコーラを受け取る

 

「ほほう・・・・瓶のコーラか。これはレトロだ。田舎の祖母の家を思い出す・・・・・」

 

と、エミリアがぽつりとつぶやく。まあ確かにエミリアの言うこともわかる。ペットボトルに入ったコーラを飲んでいた俺たちの世代とは違い。この時代だとコーラはガラス瓶に入ったものが主流だ。斯くいう俺も瓶入りのコーラを見るのは初めてだ。まあとにかく飲んでみよう。そう思い俺とエミリアはコーラを飲む。炭酸が強いがやはりコーラは美味い。

 

「うん。美味いな」

 

「そうね。やはりコーラは万国共通美味いわね」

 

と、そう言うとカーラは

 

「おおーやっぱ、わかるか!そうだよなやっぱコーラは美味いよな!!ジェニファーやっぱこの二人いいやつだよ!コーラ好きに悪いやつはいないからな!!

 

嬉しそうにそう言うのであった。

 

「ま、とにかくこれからよろしくな!」

 

「ああ、こちらこそ短い間だがよろしく頼む」

 

と、俺たちは少しの間ディジョン基地に厄介になるのであり、その後ジェニファーさんたちに部屋へと案内されるのであった。一方、マリアンはというと壁の裏側に隠れて今の話を聞いていた。そして彼女は以前買った大ベストセラーの本「黒の剣士」のページを見るのであった。マリアンはこの本に出てくる疾風という男に興味があったのだ。そしてマリアンは本をしまうと再び疾風の方を見て

 

「(あれが疾風大尉か・・・・・・本で読んだのとなんか違うな・・・・なんていうか華奢で小柄だし、本当に彼があの501の英雄なのか?)」

 

と不思議そうに首をかしげるのであった

 

 

 

一方、電話室では

 

「・・・・と、言うわけです少佐。誠に申し訳ございません」

 

『まったく。君というやつはたかが助っ人をセダンに送るという簡単な作業なのになぜ汽車を乗り間違えるんだい?」

 

「はっ・・・・・言い訳の使用がございません」

 

『・・・・まあいい。とにかく遅れることはわかった。グリュンネ少佐たちには私から言っておこう。で、准尉、表の任務(・・・・)は失敗したが、裏の任務(・・・・)は決して失敗するんじゃないぞ?わかっているな?』

 

と、そう言うと

 

「はい・・・・お任せを。必ず任務を遂行しますよMajor(少佐)

 

と、彼女はそう答え先ほどのおだやかな顔とは別の狂気の笑みを見せるのであった。

 

 


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