ストライクウィッチーズ~異世界から舞い降りた翼~   作:疾風海軍陸戦隊

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OP「~たった1つの想い~」

ED「あさきゆめみし」


第119話「疾風、セダンへ着くのとそっくりさんに会う」

「ふわぁ~」

 

「おい、大丈夫か疾風、目に隈が出ているぞ?そんなんで殺人鬼を倒せるのか?」

 

あくびをする俺にエミリアがそう訊く。俺たちは今、B部隊のみんなと一緒にジープに乗り、A部隊のいるセダン基地へと向かっていた。昨日の夜はいろんなアクシデントがあったためか、じゅうぶんに眠ることができなかったため俺はあくびをしながら目をこする。

 

「エミリア。もとはといえばお前が部屋に鍵をかけたのが原因なんだぞ?」

 

「はて?なんのことかしら?」

 

「とぼけやがって・・・・・」

 

と、とぼけるエミリアに俺がジト目でそう言うな中、後ろの方にいるジープでも

 

「マリアン。大丈夫?眠たそうだけど、なんなら運転変わろうか?」

 

同じ被害者のマリアンも同じなのか目に隈ができ眠いのを我慢してトラックを運転しているのを見てジェニファーが心配そうに言うと

 

「だ、大丈夫だジェニファー。このくらいの睡魔、大したことない・・・・・まったく昨日は散々な目にあった・・・・まったくカーラが大騒ぎするから」

 

「だって。マリアンが疾風大尉を押し倒していたからさ~」

 

「だから、あれは誤解だと言っているだろうが。それよりも話に聞く例の殺人鬼。ただの殺人鬼なら私たちウィッチの力は必要ないはずだ」

 

「確かにそうですね。普通の犯罪者なら警察の手でも問題ないはずなのに・・・・・・それをウィッチに頼むってことは・・・・」

 

「それほど厄介な相手ってことか・・・・・」

 

「恐らくな・・・・」

 

と、ジェニファーとカーラがそう言い、マリアンは頷く。そしてマリアンは疾風の乗っているジープを見るのであった。一方疾風たちは

 

「それよりも准尉。例の殺人鬼のことで何か知っていることはあるか?」

 

と、ジープを運転しているジーナ中佐は俺と一緒に乗っているマリア准尉に訊くとマリア准尉は

 

「さあ、私はよくは知らないわ。何せ情報が少なすぎてね。キーラ少佐なら何か掴んでいるかもしれないわね。ただ単に言えることは、世間を騒がしている殺人鬼は、普通の人間では手に負えないと、言うことぐらいね・・・・・それよりも銭形刑事、あんたまで一緒に来る必要はないのよ。事件が解決するまでパリの扶桑大使館で待っていればいいじゃないの?」

 

「そういうわけにはいかない。警察官として犯罪者を見逃すわけにはいかない。よって私は大使館にはいかないわ。だからあんた達と行動する構わないか?」

 

「私は別にかまわないが・・・・・准尉よろしいですね?」

 

ジーナ中佐はそう言い後に乗っているマリア准尉を見るとマリア准尉はため息をつき

 

「私の任務は疾風大尉をセダンに送ること。したがってその質問に意味はないわ」

 

と、そう話す中、後ろの席にいる疾風たちは

 

「・・・・・・・」

 

「どうしたんだエミリア?」

 

疾風は先ほどからエミリアがマリア准尉を見ていたので不審に思い訊くと

 

「なあ、疾風。あのマリア准尉、どこかで会った気がしない?」

 

「え?なんだよいきなり」

 

「いやさ、あのマリア准尉の声といい。どこかで会った気がするんだ・・・・・」

 

「・・・・・・やっぱりお前もかエミリア」

 

と、エミリアの言葉場に俺は頷く。そう二人は502でマリア准尉に会った時、妙な違和感を感じていたのだ。そうまるで彼女とはどこかで会ったような。そんな感じだ。すると・・・

 

「ん?どうしたんですか二人とも、何か私の顔についているのかな?」

 

俺とエミリアの視線に気付いたのか、マリア准尉がそう訊くと

 

「いやなんでもない」

 

「ええ、きっと私たちの気のせいよ」

 

と、笑って誤魔化すのであった。そしてしばらくして俺たちの乗るジープは無事、A部隊のいるセダン基地へ着くのであった。そしてジープから降りると一人の女性が俺たちの方へやってくる。その女性は黒いスーツを着て短い金髪の女性でそして目を見るからに明らかにマリア准尉の上官だということがわかった。そして彼女が俺たちの前に着くとマリア准尉は彼女に敬礼をし

 

「ガリア諜報部ウドー・マリア准尉。09:00時、24時間の遅れで今作戦の助っ人、疾風村正大尉及びその付き人2名を無事送り届けました!キーラ少佐!!」

 

と、そう言うとキーラと呼ばれた少女は返礼をし

 

「ご苦労、准尉。アクシデントはあったもののよく、無事の届けてくれた。後はこちらで引き受ける君の任務はここで終わった。元の仕事に戻りなさい。迎えの車を用意してあるのでそれを使いたまえ」

 

と、そう言う。その時、俺はその言葉に妙な違和感を覚えた。元の仕事というからには諜報部の仕事だろうが彼女が言ったその言葉には何か別の意味にも聞こえた。そんな中、マリア准尉は俺のほうへ顔を向け頭を下げ

 

「はっ!了解しました。では疾風大尉、自分はこれで失礼さていただきます。どうか、ご武運を・・・・」

 

「ああ、マリアさん。ここまで送ってくれてありがとう。また機会があったら会おうな」

 

と、そう言うとマリア准尉は不敵の笑みで笑い

 

「ええ・・・・・また近いうちに」

 

と、そう言い、彼女を迎えに来た諜報員の車に乗り、そして彼女の乗る車はその場を走り出すのであった。そしてキーラ少佐は俺を見て

 

「で、君かね?二つの国を救ったと言われる英雄、疾風村正大尉は?」

 

「ああ、そう言う風に言われているみたいだな」

 

「なるほど、なるほど。見るからに英雄って感じがするね。申し遅れた。私はガリア諜報部のクリス・キーラ少佐だ。以後お見知りおきを」

 

と、キーラ少佐は俺に手を差し伸べ俺は黙ってその手を握る。するとキーラ少佐は俺の後ろにいるエミリアや銭形刑事の方を見て

 

「で、後ろにいるのがその付き人かな?」

 

とそう訊くとエミリアは前に出て

 

「ええ、エミリア・ハルトマン。階級は大尉。今はわけあって疾風の付き人をしている」

 

「俺は扶桑皇国の刑事、銭形だ」

 

「エミリア大尉はともかく銭形刑事の件はマリア准尉から電報で聞かされている。すまないね君の仕事を伸ばすようなことをして」

 

「まあな。正直言って早く仕事を終えたいところだが、今回は殺人鬼だ。犯罪を取り締まる警察官として見過ごせない。扶桑皇国のお偉いさんには申し訳ないが、そちらさんの用を優先する方がいいと思ったからな」

 

「そうか、感謝する銭形刑事」

 

と、キーラ少佐がそう言うとジーナ中佐はコホンと咳ばらいをし

 

「すまぬキーラ少佐。あなた以外にも疾風大尉を待っている人物がいる。すまないがつれて行っても構わないか?」

 

「ああ、そうだったね。すまない中佐。時間を取らせて、ああそれと銭形刑事。先ほどパリの扶桑大使館にいる大使から直ちに大使館に来るようにと電報が来ていたぞ?」

 

「なに?」

 

と、そう言いキーラ少佐は銭形刑事に電報を私銭形刑事はその電報を読む。

 

「・・・・・う~む。まったく扶桑皇国の官僚どもはせっかちだな、昨日、電報で知らせたばっかりなのに。わかったすぐに行く」

 

「良ければ私の部下が君をパリまで送ろう」

 

「助かる」

 

と、そう言うとキーラ少佐はもう一度俺のほうを見てふっと笑うとそのまま銭形刑事とともに去って行ったのであった。

 

「さて、大尉。セダン基地の隊長、グリュンネ隊長が君のことを待っている。ついて来てくれ。。エミリア大尉もだ」

 

「わかった。」

 

「了解よ」

 

と、そう言い俺とエミリアはジーナ中佐についていくのであった。そして彼女についていくとそこは隊長室であった。そしてジーナ中佐は戸を叩き、

 

「グリュンネ隊長。私だ。例の助っ人を連れてきたぞ」

 

『ジーナ隊長?どうぞ』

 

と、ジーナさんがそう言うとドアの向こうで返事がし、ジーナさんはドアを開ける。そして隊長室の机の前で

 

「初めまして疾風大尉、エミリア大尉。ようこそセダン基地へ。私はロザリード・エムリコート・ド・グリュンネ少佐です」

 

と、笑顔で俺たちに言うのだが、俺はその人の顔に見覚えがあった

 

「ダ、ダージリンさん?」

 

俺はあの世界でともにテロリスト軍相手に戦った戦友であるダージリン中尉に似ている彼女についその名を呼んでしまった

 

「え?ダ、ダージリン?」

 

グリュンネ少佐は俺の言葉に首をかしげる中、俺は慌てて

 

「ああ、いえ、なんでもありません少佐。俺はスオムス空軍義勇兵の疾風村正大尉です」

 

「同じく、彼の付き添いのカールスラントの義勇兵のエミリア・ハルトマン大尉です。よろしくお願いします少佐」

 

エミリアとともに自己紹介をする。因みに俺の所属はあくまでスオムスの義勇兵となっていてエミリアもカールスラントの義勇兵扱いとなっている。するとグリュンネ少佐はにこっと笑い

 

「二人とも座って楽にしてね。あ、良かったらそこのテーブルにあるマカロン食べてみて私が作ったの。あ、ジーナ隊長もどうぞ」

 

「いただく」

 

「「いただきます」」

 

と、そう言い俺とエミリアはグリュンネ少佐に勧められたマカロンを手にする。そう言えば死んだ姉さんの好物もマカロンだったけな・・・・そう思いながらマカロンを口にすると

 

「このマカロン。美味しいな」

 

「本当ね。これはもう高級菓子に匹敵する美味さよ」

 

俺と、エミリアは少佐のマカロンの味に感動した。本当にこのマカロンは美味い。まるでプロのパティシエが作ったかのような絶品だった。それはジーナ中佐も同じなのか今まで無表情だったジーナ中佐も見たこともない笑みしていた。をそれを聞いたグリュンネ少佐は嬉しそうに

 

「そう、それはよかったわ」

 

と笑顔でそう言う。するとジーナ中佐が

 

「グリュンネ隊長。ところで戦闘隊長のヴィトゲンシュタイン大尉の姿が見えないが?彼女はどうした?」

 

「ああ、ハインリーケさんは今夜間哨戒から帰ってきて、今、寝ているのよ。今夜の夕食に行われるA隊、B隊の合同会議には顔を出すと思うから」

 

「そうか・・・・・」

 

と、そう言いジーナさんはマカロンを食べる。そしてグリュンネ少佐は

 

「疾風大尉、エミリア大尉。今回はネウロイではなく殺人鬼討伐という作戦限りの配属ですが、よろしくお願いしますね」

 

「ああ、こちらこそよろしくお願いします少佐」

 

「私もです」

 

と、俺とエミリアはそう返事をするこうして俺とエミリアはここ506統合戦闘航空団「ノーブルウィッチーズ」に短い間だが配属することになった。そしてその後、俺とエミリアはグリュンネ少佐やジーナ中佐に部屋で待機するように言われ隊長室を後にするのであった。そして残った二人は

 

「で、どうかしらジーナさん。あの二人を見て?」

 

「そうだな・・・・・一言でいえば、あの黒田中尉と同じ不思議な人間だな。で、グリュンネ隊長から見てあの二人はどう見えた?」

 

「そうね。エミリア大尉のことはまだわからないけど。疾風大尉は「レッドファイター」とか「黒の剣士」とか呼ばれていたからもっと怖い感じの人かと思ったのですが、意外と可愛らしい人ね」

 

「ああ、それは私も初めて会った時、そう思ったよ。だがグリュンネ隊長。あの二人には謎が多い。二人には去年のガリアで活躍した501JFW、オラーシャで活躍している502JFW、そして今年のヴェネチア奪還のために再結成された501の記録以前の資料が全くない。それに資料で見た疾風大尉やエミリア大尉のユニットにもおかしなところがある」

 

「ええ、そうね。調べた所、他のストライカーを凌駕するユニットにそのユニットに書かれた赤い丸や鉤十字の国籍マーク。正直そのような国籍マークをした国家はこの世界には存在しないわ。はっきり言って不審な点が多すぎるわ。でも今は仲間よ。疑うようなことはしないわ」

 

と、そう言うとジーナは頷くのであった。そると。ドアからノックがする。そして

 

「二人ともよろしいかな?」

 

と、そこへキーラ少佐が入る

 

「キーラ少佐?いったい何の用かしら?」

 

と、そう訊くとキーラ少佐は懐から一通の手紙を出す

 

「それは?」

 

と、ジーナさんがそう訊くとキーラ少佐はふっと笑い

 

「例の殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーからの殺人予告状だ」

 

「「っ!?」」

 

キーラ少佐の言葉に二人は目を丸くし驚くのであった

 

 

 

 

 

 

 




長くなりましたが次回でA部隊の会合と本題に入らせていただきます

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